2020年10月24日
【仕事術?】『会社がつぶれても生き残る!アフターコロナ33の仕事術』豊田圭一

会社がつぶれても生き残る!アフターコロナ33の仕事術
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、現在開催中である「学研秋の特大セール」の記事でトップを飾っている1冊。タイトルに「アフターコロナ」とありますが、特に現在のコロナ禍に特化したものではなく、自己啓発系の仕事術本の王道を行く内容となっています。
アマゾンの内容紹介から。
この本は、コロナショックで打撃を受けた世界経済のもと、私たちビジネスパーソンがもう一度「仕事の基本」を見直してみることを目的に、緊急刊行したものです。
アフターコロナの日本社会で、たとえ会社がつぶれようと、どんな会社に移ろうと、臨機応変に動くことができる人間になるための秘訣をまとめました。
単行本はオンデマンドで中古がないため、数字上はこのKindle版が1200円弱お買い得です!

Man Working on His Laptop / amtec_photos
【ポイント】
■1.頼まれたことは断らないいま僕は、経営者という、人に頼むことの多い環境にあると思います。それでも会社のメンバーが忙しく働いているときに「悪いけど、これやっておいて」とは、なかなか言いにくい。頼みごとをするときは、かなり気を遣ってお願いします。
こんなとき、頼みやすい人と頼みにくい人がいます。ああだこうだ言わず「わかりました。まずやってみます」と言う人には頼みやすいので、まずは声をかけてみようという気持ちになります。
逆に、立場の上下にかかわらず、「いや、いまそれはちょっと……」といつも言う人がいます。そういう人には良い話であっても声をかけにくくなってしまいます。
頼みやすい人になってこそ、次の機会に「こういうのがあるんだけど、どう? やってみるかい?」と言われます。自分で努力しなくても、向こうから舞い込んできた話によって自分の幅が広がり、能力なり知識なりも増えていきます。しかも、それがチャンスへとつながるのです。
■2.長期的ビジョンは持たず「いま」に集中する
まず夢があって、それに向かうために目標設定して、小刻みに何をどうしていけばいいか考えて、予定を手帳に書くという考え方があります。「夢→目標→予定」の順序だと、よく本に書かれています。だけど、僕はなじめなくて、なんとなく違和感を感じていたんです。(中略)
そんな僕が抱いていた違和感をクリアにしてくれたのは、先輩である元伊勢丹のカリスマバイヤー・故藤巻幸夫さんと前出の神田昌典さん、蟹瀬誠一さんです。それぞれが、いまをときめくビジネスパーソンですが、3人とも、ほとんど同じようなことを言っていたのです。
「そのときそのとき、やりたいと思ったことを一生懸命やってきた。ほんと、それだけ!」(藤巻さん)、「計画性なんて全然ないですよ。その場その場でもがき続けただけ。もがき続けてきたから、いまがある」(神田さん)、「僕はあまり長期ビジョンを持っていないんです。それよりも一日一日を充実させていきたい」(蟹瀬さん)と。
その場その場でやりたいことを一生懸命やってきた、オファーを受けたことをそのときどき一生懸命やってきた、それがいまの自分につながっている。僕がいいなあと思う先輩は皆、同じことを言うな、いいなあと思いました。
■3.話し方教室にエントリーしてみる
もしもチャンスをつかみたいなら、話し方教室に通ってみてはどうでしょう。あなたの声を「通る声」にしに行くのです。(中略)
せっかく良いことを言っていたとしても、ぼそぼそつぶやいただけでは、相手の耳に入りません。それでは、いいアイデアがあってもなかなかチャンスにつながりません。よく通る声を出せるようになれば、説得力が出てプレゼンもうまくいきます。
ぼそぼそつぶやく人の声って、一生懸命こちらが聞かなくてはならないんです。こちらが一生懸命、相手に気を遣わなくてはなりません。それよりも、自然に喋って声のよく通る人の言葉のほうが、自然にこちらに入ってくるし、付き合いやすい雰囲気がありますよね。
観察してみると、 仕事がうまく行っているのは、声が通る人が多い 気がします。
■4.問題は、その場ですべて解決する
仕事は結果でしか評価されません。やるべき仕事をきちんとこなせるのかどうか、解決能力が高いかどうかが評価の分かれ道になります。課題をすぐやる、粘り強くその場で解決することは、相手に対するアピールにもなります。
僕が知り合った、結果を出すビジネスパーソンを見ていると、仕事の課題には強い集中力をもって臨んでいます。どんな会議でも必ず結論を導き出して次の段階につなげるし、商談でもクライアントから疑問が出れば、その場であちこちに電話をかけまくってクライアントの疑問にその場で答えを出してしまいます。
完璧にとまではいかなくても、とにかくその場でできる限りのことをしておくことで、とりあえず仕事は確実に進んでいくのです。
■5.「プチ芸」をマスターする
自分の売り、自分の違い……。僕は何度も本書で繰り返していますが、決してすべての人にすぐ見つかるものとは思っていません。
とりあえず、なんでもいいから一芸を身につけてみることをおすすめします。(中略)
そうは言っても、何から始めればいいのかわからない人もいると思います。
そこでおすすめするのが手品です。
たとえば、宴会で「だれかのモノマネをやれ」と言われても、これはハードルが高いし抵抗があります。「歌って」と言われても、そういうのが嫌いな人は困りますよね。
だけど、手品は練習すれば上達します。不器用でも大丈夫。デパートに行けば、便利な道具がいくらでも売られています。
多少練習すれば、ものによっては誰にでもできる芸なのです。「一芸」というよりは、「プチ芸」といったほうがしっくりくるかもしれません。
【感想】
◆冒頭で触れたように、「特に現在のコロナ禍に特化した内容」ではない、ことはお分かりいただけたのではないか、と。実際、上記で抜き出した以外のTIPSも、ある種普遍的なものが多かったです。
ハイライトを引いた中から、いくつか抜き出してみると「メールは猛スピードで返信する」「行動をマニュアル化する」「図を描いてプレゼンする」等々、
普通に「仕事術本」の項目として、今も昔も類書でも目にする、まさに「王道」的な内容と言えると思います。
と言うのも実はこの本、今から10年以上前に、著者の豊田さんが出されたこの作品をリバイスしたものらしく。

いま会社がなくなってもすぐ次が見つかる人になる33のステップ (「ドリームスキル・クラブ」シリーズ)
タイミング的には、ちょうどリーマンショックの翌年であり、多くの会社が潰れたり、それに伴い解雇された人もいたワケです。
だからこそ、どんな環境でも通用する「本当の実力」を身につけよう! というテーマで書いたものが本書だったのです。そして同じような状況の今、本書を出された、ということらしく。
◆確かに、今のような労働環境ですと、上記ポイントの1番目のように、「頼まれたことは断らない」人、というのは重宝しそうな気がします。
会社としても、人減らしする際には何でもできる人を残したいでしょうし、新たに雇う場合でも優先するハズ。
また、上記ポイントの3番目の「よく通る声」は、コロナ禍の今、マスクをした状態でも聞き取りやすいですから、相手にとってもありがたいでしょう。
たまたま先日、コンビニバイトの方の話を目にしたのですが、「マスク+ビニールシート」のおかげで、お客さんの声が非常に聞き取りにくいのだそうです。
かといって「聞き返すのも失礼」という気持ちが働き、特に声が小さいお客さんだと大変苦労しているとのこと。
そう言えば私も、マスクをして会話をする際には、以前に比べると2割増しくらいに声を大きくするよう頑張っていますから、営業や窓口等の話す仕事がメインの方は、「話し方教室」というのも大いにアリだと思います。
◆また、上記ポイントの2番目の「長期的ビジョンを持たない」というのも、豊田さんは以前からそうらしいのですが、コロナ禍だからこそ留意したいTIPSでしょう。
何せ半年先がどうなっているのかが、まったく見当がつかないのですから、「今」に集中する方が良い、という考え方に納得される方も多いのではないかと。
もちろん、「人生の目的」のような根本的なテーマまで捨てる必要はないですが、盲目的に「長期的ビジョン」にとらわれる必要は、少なくとも今現在はないと思います。
一方、上記ポイントの4番目にある「問題は、その場ですべて解決する」というのは、ある程度の規模以上の会社だと、なかなか難しいところ。
逆に、スタートアップだったり、独立して事業をされている方なら、ぜひ実践すべきことの1つです。
相手にとっても「持ち帰り」というのは、避けたいでしょうから、その場で即決するだけで、お互いの時間も節約できるという利点は指摘しておきたく。
◆なお、上記ポイントの5番目の「プチ芸」は、「仕事全然関係ないやん!」と思われるかもしれませんが、あにはからんや!?
豊田さんの「マジック」は、実際に営業活動に結びついたのだそうです。
何でも、ある日豊田さんの部下が営業先に「うちの豊田がいまマジックを習ってまして。今度、豊田が行くので、宜しくお願いします」と口を滑らせたのだとか。
そして豊田さんがそこへ赴くと、「豊田さん、今日は営業じゃなくて、マジックを披露しにきたんですよね(笑)」と、向こうはもう期待満々だったらしく。
営業に行くと普通、売り込まれるんじゃないかと向こうは身構えるものです。ところがそのときはまったくの逆で、お客様のほうが待っていてくれました。もちろん、豊田さんはその場でマジックを披露し、その後のプレゼンもうまくいったとのこと。
もしコロナ禍で時間的に余裕がある方なら、今からでもマスターしてみても良いかもしれませんね。
どんな環境でも生き残るビジネスパーソンになるために!

会社がつぶれても生き残る!アフターコロナ33の仕事術
Part01 自分に自信をつけよう!
Part02 自分を少し変えてみよう!
Part03 自分の価値を高めよう!
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【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から。
頭のいいバカになれ!
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【編集後記2】
◆一昨日の「自己啓発本フェア」の最終回分の記事で人気だったのは、この辺の作品でした(順不同)。
Compassion(コンパッション)――状況にのみこまれずに、本当に必要な変容を導く、「共にいる」力

自己を見つめる (放送大学叢書)

コーチングのすべて ― その成り立ち・流派・理論から実践の指針まで

老いること エイジレス・ソウル:人生の意味と喜びを探求する生涯にわたる旅路
いずれも当ブログ初登場ということで、意外な(?)ラインナップですが、宜しければご参考まで!

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