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2020年10月02日

【読書術】『理系読書 読書効率を最大化する超合理化サイクル』犬塚壮志


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理系読書 読書効率を最大化する超合理化サイクル


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事でも大人気だった読書術本。

著者の犬塚さんは、「元駿台予備学校NO.1カリスマ化学講師」という肩書ですから、確かにバリバリの理系脳な方と言えるでしょう。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
理系脳読書術、略して 『理系読書』は、超合理的な知的生産システムです。
この読書スキルを自分のモノにすることで、本を速く、大量に読めるようになり、自分をスピーディーに成長させられるのです。

なお、版元がダイヤモンド社さんですから、Kindle版は「10%OFF」でお求めいただけます!





my technical books / nickobec


【ポイント】

■1.理系の「学参(学習参考書)」の使い方を真似る
 受験生にとっての学参は、自分が理解できていない問題を理解し、テストで解けるようになるための武器です。ビジネスパーソンにとってのビジネス書や実用書も、自分の足りない部分を埋めたり、自分が抱えている問題を解決したりするための武器といえます。(中略)
・毎日の仕事や日常生活の中で、自分にとって欠けていること、解決すべき問題を正確に把握する
・そのうえで、欠けている部分にマッチする情報が載った本やページを選ぶ
・本は全部読んで内容を要約するのではなく、必要なところだけを抜き出し、そして現実世界で使ってみて、自分の知識やスキルとして定着を図る
 そんな読み方をすることが、ビジネスパーソンの読書にとって非常に大切です。


■2.読書の効果を高める3つの要素
 読書の効果を最大限に高めるには、次の3つの要素が大切です。
(1) 問題意識の明確化
(2) 問題解決した後の理想像の設定
(3) 本から抽出した情報の活用
 まず、現状に対する問題意識があり、問題解決した先には「こうなりたい」という理想像(成果が出た状態)があります。そこまで行くには、いくつかの問題をクリアしながら階段を上っていく必要があります。その1つひとつの階段が、本から抽出する情報です。
 自分にとって必要な情報を活用していくことで、問題解決へ向けた階段を上り、最終的に、読書前に設定した問題解決した後の理想像にたどり着くことができます。


■3.スクリーニングで読む箇所を決める
 次に、ステップ2の「本の旨味を抽出する」に移ります。
 ステップ1で背景情報を確認し、当たりを付けた章の本文に「ざっと」目を通すステップです。目次のチェックも含め、本の情報を粗めのふるいにかけて、読むべき箇所に目星を付ける作業を「スクリーニング」といいます。
 このスクリーニングで注意したいのは、
「内容が著者の強み・得意分野を生かした主張になっているかどうか」
「エビデンス(根拠)や独自のエピソードを含めた濃い内容になっているかどうか」
 といった点です。
 スクリーニング中に、著者プロフィールから読み取った「著者の得意分野」と、「自分の問題意識に対する解決策」が合致する箇所が出てきたら、当たりです。そんな内容を文章の中から拾い上げるように読んでいきます。


■4.「読む」よりも「やってみる」に時間をかける
「読む」に時間をかけるより、「やってみる」に時間を費やしたほうが、結局は短時間でインストールできるのです。読む時間が短くなればなるほど「やってみる」に割く時間が増えるので、問題解決を前提にしているなら合理的といえます。
 なお、アウトプットのコツは複数回に分けて何度もやることです。100分を1回やるより、10分を10回やったほうが、定着しやすくなるので、頻度が大事です。(中略)
 繰り返し読んで覚えるのではなく、1回だけ読んで必要な箇所を抽出し、繰り返し「やってみる」。それが、本の内容を最速でインストールしたいときの一番の近道なのです。


■5.まとめ読みの2つの種類
(1)ジャンルまとめ読み
 読了した本の中でも、中長期的に使いたいと思った本をとっておきます。
 そして1か月に1回程度、何らかのジャンルを決めて本を集め、過去に付せんをつけた部分や、目次をざっと読んで気になった部分を読みます。
(2)著者まとめ読み
 読了した本の中で、同じ著者の本をまとめて読むこともあります。私の場合は、半年に1回くらい、著者まとめ読みをやるようにしています。
「著者」を1つのコンテンツとみなすと、本1冊は、「部分」にすぎません。一方、著者の本をまとめて読めば、著者の考え「全体」に触れることができます。著者まとめ読みは、著者の頭の中全体を自分の脳にインストールする感覚に近いかもしれません。


【感想】

◆なるほど、本書でいうところの「理系読書」とは、まさにビジネスパーソン向きの読書術であることが、よく分かる作品でした。

まず、本書は序章において、理系読書の特徴について列挙しています。
・最初から最後まで読み切る必要はない
・読了とは、問題解決に必要な情報を得られた瞬間
・質の高い情報は、再現性と汎用性が高い
といった、本来ご紹介したかったTIPSもさることながら、私にとって初耳(初目?)だったのが、上記ポイントの1番目の「学参の使い方と同じ」というお話。

解決すべき問題があって、それに則した本を選び、必要な部分を読んで抜き出し、それを実践する。

なるほど「理系読書」とは、きわめて合理的であることが、よく分かります。


◆続く第1章では、「理系読書」の詳細について言及。

まず触れておかねばならないのが、第1章の章題でもある、上記ポイントの2番目の「読書の効果を高める3つの要素」です。

具体的には、問題意識を絞り込むための質問や、理想像を設定するための「逆算思考」といった辺りがキモかな、と。

さらに第2章では、「理系読書」の「読み方」が、4つのステップで構成されていることが明かされています。
1.文脈を理解する
2.本の旨味を抽出する
3.著者の解釈を鵜呑みにしない
4.活用したい情報から仮説を立てる
このうち、上記引用内の2番目にある「本の旨味を抽出する」の部分で紹介されていたのが、上記ポイントの3番目にある「スクリーニング」。

ちなみに今回は割愛しましたが、このスクリーニングに際して優先して読むべき部分が「要約」と「図表」なのだそうです(詳細は本書を)。


◆一方第3章からは、読んだ後の実践方法等について。

本書には、読んで得た情報をまとめて保管するための「フォーマット」が掲載されているのですが、画像ゆえご紹介できませんから、具体的には本書にてご覧ください。

ただし、上記ポイントの4番目にあるように、「『読む』よりも『やってみる』に時間をかける」というのは、私のような「読む専」にはツライところ。

とはいえ「100分を1回やるより、10分を10回やったほうが、定着しやすくなるので、頻度が大事」という部分には私も同意です。

また、
理系の人は、たいがい失敗を恐れません。なぜなら、実験では成功より失敗のほうが圧倒的に多いからです。
というクダリには、文系の私は「目からウロコ」。

なるほどGAFAが大きく成長したのも、こういう「理系思考」ゆえなのかな、と思った次第です。


◆そして最後の第4章では、「やったこと」に対する「評価」がテーマ。

「実践したならいいじゃん」で済ませず、問題解決に至ったのか否か、改善点はないのか等々、検証していきます。

その評価方法も、2軸のマトリックスで「リフレクション(内省)」や「アンケート」といった手法がポジショニングされていますから、詳細は本書にて。

ただ、そこを避けて(?)、私があせてご紹介しておきたかったのが、上記ポイントの5番目の「まとめ読み」のお話です。

類書で今まであった考え方は、「1度読んだ本は2度と読まない」と「同じ本を何度も読み返す」のどちらかだと思うのですが、ここで挙げた2つの「まとめ読み」を行うことは、それらとはまた違う効果が得られるのではないか、と。

私も「勉強法」と「恋愛」だけは、段ボールで分けて保管していますから、「ジャンルまとめ読み」の方は一部実践できそうです。


読書効率を最大化するために読むべし!

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理系読書 読書効率を最大化する超合理化サイクル
序 章 文系の知らないとっておきの理系の読み方
第1章 読書の効果が劇的に高まる3つのこと
第2章 読解力を高めて、読書をモノにする理系読書
第3章 知識とスキルがたちまち3倍アップする読書の検証実験
第4章 わかっただけではなく、きちんとできているか?


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【読書術】『「読む」技術〜速読・精読・味読の力をつける〜』石黒 圭(2017年04月14日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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おなじみ齊藤孝先生のメモ術本は、中古が値崩れしているものの、送料を合わせるとKindle版がお得。

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逆に当ブログ向きのスキルアップ本は、値崩れしていますが、ワンコイン以下のKindle版の方が中古よりもお求めやすくなっています。


【編集後記2】

◆一昨日の「プライムデーデール」の記事で人気だったのは、この辺の作品でした(順不同)。

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情報吸収力を高めるキーワード読書術

参考記事:【読書術】『情報吸収力を高めるキーワード読書術』村上悠子(2020年04月09日)

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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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