2020年09月20日
【食事本大全】『健康本200冊を読み倒し、自身で人体実験してわかった 食事法の最適解』国府田 淳
健康本200冊を読み倒し、自身で人体実験してわかった 食事法の最適解 (講談社+α新書)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」でも人気だった健康系食事術本。タイトルにもあるように、著者の国府田さんが健康本を200冊読み込んだ上で、そのエッセンスをまとめてくださっています。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
世の中にあふれる健康的な食事法、いったいどれが正しい?
これが結論! ビジネスでパフォーマンスを240%上げる食べ物・飲み物・その摂り方。
著者の方法を実践して2ヵ月で健康診断C→A判定!
鶴見隆史氏、大室正志氏、佐々木俊尚氏、松浦弥太郎氏、四角大輔氏、鳥井弘文氏推薦!
まだ中古が値下がりしていませんから、若干お得なKindle版がオススメです!
Healthy Food Paleo Diet Primal Eating - Must link to https://thoroughlyreviewed.com / ThoroughlyReviewed
【ポイント】
■1.魚は加工品でも大丈夫ところで、魚には、干し魚や缶詰、かまぼこ、冷凍など、加工食品も多いですよね。加工品なので健康効果も落ちると思われがちですが、実は栄養価はあまり変わらないそうです。加工してもEPAやDHA自体は酸化しないため、干し魚にも問題はなく、小魚は骨や内臓などすべてを食べることができるので、カルシウムなどの栄養素を効率よく摂取できます。
特に缶詰は栄養価が落ちるイメージが強いかもしれませんが、こちらも大丈夫。缶詰の汁まで料理に使えば、ロスなく栄養を摂り入れられます。かまぼこも、魚肉たんぱく質を効率よく摂り入れることができ、血糖値の上昇を抑え、大腸ガンを予防できるという研究結果もあります。
ただし、これらの加工品には添加物をたくさん使っている製品や、塩分がやたらと高い製品も多く、缶詰にはBPAという、体に有害とされる化学物質が使われていることもあるため、やはり摂り過ぎには注意しましょう。
■2.最強野菜はブロッコリーとアボカド
健康に良いとされている野菜のうちでも、最強の野菜は何でしょうか?
多くの本で秀逸とされているのが、ブロッコリーです。たんぱく質、鉄分、マグネシウム、ビタミンC、ビタミンA、葉酸、カルシウム、食物繊維、ポリフェノール、ガンの抑制に効果があるとされるスルフォラファンなどを含んでおり、パーフェクトな野菜といってもいいでしょう。免疫力と抗酸化力のどちらも優れている野菜は少ないですが、このブロッコリーがそれにあたります。(中略)
野菜と思いきや実は果物なのですが(野菜として食べることが多いので、こちらで紹介します)、総合評価が高いのがアボカドです。森のバターと称されるように脂肪分が高いのですが、この脂肪がリノール酸やリノレン酸といった不飽和脂肪酸を豊富に含み、コレステロールを減らしてくれます。食物繊維もごぼう1本並みにあり、ビタミン類やカリウムなども豊富。アボカドは、ギネスブックには、「もっとも栄養価の高い果実」として登録されています。もちろん、脂肪分を多く含みますので、食べ過ぎには注意してください。
ブロッコリーとアボカドは、栄養だけではなくボリューミーで腹持ちも良く、ベジタリアンがたんぱく質や脂質を摂るのにも適しているため、最強野菜といっても過言ではないでしょう。
■3.手軽に買える無添加食品(抜粋)
ご参考までに、個人的に購入するものの中から、スーパーやコンビニ(ナチュラルローソンなど) でも日常的に買えるものをピックアップしてみました。・北海道のノースカラーズ社のお菓子全般(てんさい糖を使った甘納豆がお勧めです)
・アンデイコの「こだわり極プリン」(100円と価格もお手軽)
・Pasco(敷島製パン) の食パン「超熟」(敷島製パンは添加物が比較的少なく、無添加の製品もあります)
・グリコの「シャルウィ? 発酵バターが薫るショートブレッド」(大手で無添加という、驚きの商品です)
・森永のビスケット「マクロビ派」(コンビニでも手に入りやすく、美味しい)
・成城石井の自家製サブレ(全粒粉を使用していて、味も美味)
・ウォーカー(Walkers) の「ショートブレッド」シリーズ(ヨーロッパのお菓子には無添加のものが多く見られます)
・SARAYAのロカボスタイル 低糖質スイートナッツ(ナッツを自然派甘味料のラカントでコーティングしています)
■4.果物に対する肯定派&否定派の意見
果物肯定派のバイブル『フィット・フォー・ライフ』(グスコー出版) では、果物を重要な存在と位置付け、午前中は果物かフルーツジュースだけを食べるのがもっとも健康的だとしています。それもほかの食べ物と一緒に摂ったり食後に食べたりするのではなく、空腹時に果物だけを摂ることが重要なのだとか。先に胃の中に入っている食べ物が原因で、果物が胃の中に停滞し、ほかの食べ物の消化を妨げる恐れがあるそうです。
一方、果物に対する否定的な意見としては「果物に含まれるのはブドウ糖ではなく果糖なのでエネルギー源にはならず、中性脂肪に変わって貯蔵されてしまい、太りやすくなる」「たんぱく質や脂肪と違って、食欲を抑えてくれないため食べ過ぎてしまう」「腸内の悪玉菌を養ってしまう」「陰性の食品なので血液を薄めて冷えを招く」などがあげられています。
■5.食事改善プロジェクト・4人の体験者の総括
印象的だったのは、やはり人それぞれに違った対策が必要ということです。
たとえばAさんとCさんは肉を魚に変更することで体重が落ちて体が軽くなりましたが、BさんとDさんは魚が好きでないこともあり、逆に調子が悪くなってしまいました。
ほかにも、糖質制限したほうが良い人もいれば、逆に糖質制限でパフォーマンスが落ちる人もいました。玄米を食べたほうが良い、反対に玄米はあまり体が受け付けない、朝食を抜いたほうが良い、朝食を食べたほうが調子が良いなど、さまざまな点で人によって違いが出ます。
さらに、Dさんは添加物に一番反応しましたが、Cさんはグルテン、Aさんは食べ方で違いが出るなど、嗜好の差も出てきます。
人それぞれに体質も環境も趣味嗜好も違うので、結局は情報をもとに自分で抜き差しして体と向き合いながら、自分にとっての最適解を導き出し、時間をかけながら最強のポートフォリオを作っていくしかないのです。
【感想】
◆当ブログもそれなりに、健康本や食事本をご紹介してきただけに、非常に興味深い1冊でした。まず、タイトルにもある「200冊」って、どんなだよ、という方のために、巻末には「健康食関連本200冊」のリストを収録。
これがまた、意外とかぶっていなくて、当ブログでレビューしているのは、この3冊だけでした。
スタンフォード式 疲れない体
参考記事:【科学的!?】『スタンフォード式 疲れない体』山田知生(2018年06月15日)
高城式健康術55 医師が教えてくれない家庭の医学 (光文社新書)
参考記事:【超健康?】『高城式健康術55 医師が教えてくれない家庭の医学』高城 剛(2020年06月22日)
シリコンバレー式 自分を変える最強の食事
参考記事:『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』が想像以上に凄い(2015年09月20日)
ちなみに、どの部分でどの本を参考にしたかの脚注番号等はついていないのですが、本のあちこちに「〇〇(食材等)に関しては、私が調べた200冊の本のうち、賛成派は約65%、反対派が約35%でした」のような表記があるので、基本的に単独の本単位での言及は、難しいのだと思います。
◆ということで、まず第1章から4章までは、食材のジャンルごとの食べ方指南が。
第1章の「主食」、第2章の「肉」に続いて、第3章の「魚」から抜き出したのが上記ポイントの1番目になります。
類書でも魚を推す作品は多かったですし、ここにはありませんが、刺身はEPAやDHAを効率的に摂れるのでオススメとのこと。
ただし、マグロなどの大型魚は水銀等の汚染物質をため込んでいる可能性もあるので、その点についてはご留意ください。
続く第4章では「野菜」がテーマなのですが、一番のオススメは、上記ポイントの2番目にあるように、ブロッコリーとアボカドだそうです。
もちろん「体に悪い野菜」というのは基本的にはありませんが、中には生で食べると良くないとされるものもありますので、その辺は本書を参考にしていただければ、と。
◆一方、第5章から第7章までは、(明らかに)「体に悪い」「体に良い」、そして「おおむね良いが、ネガティブ意見もそこそこある」食材をそれぞれ解説しています。
まず第5章の「体に悪い」食材とは、「加工肉」や「グルテン」「加工食品」「砂糖」等々。
また「覚えておきたい 危険度の高い添加物」というのも結構な数が列挙されていたのですが、これを深刻に受け止めると、コンビニ弁当が買えなくなるので、あえてスルーでw
そこで逆に、上記ポイントの3番目にあるように、手軽に買える商品の中から無添加食品を抜き出してみました。
確かに「こだわり極プリン」は、スーパーで見かけたことがありますし、こちらの2つはアマゾンでも取り扱いがありますね(量を多めに買わされますが)。
江崎グリコ シャルウィ? 発酵バターが薫るショートブレッド 11枚×5箱 クッキー(ビスケット)
森永製菓 マクロビ派 アーモンドとクランベリー(食物繊維 鉄分入り) 37g ×8袋
……レビュー読んでみると、どちらも美味しそう(評価も「4.5」と「4.4」)なのですが、食べ過ぎるとかえって不健康になりそうな気が。
◆そして逆に第6章では、「体に良い」食材ということで、お約束の「納豆」や「ナッツ類」「海藻類」が登場。
やや意外だったのが、「カカオ70%以上のチョコレート」も挙げられていたことで、最近こちらにハマっている私としては嬉しかったです。
森永製菓 カレ・ド・ショコラ<カカオ70> 21枚×6個
ちなみにカカオの含有量がこれ以上の商品は、「好んで食べる」のには至らなかったので、今後も量に気を付けながら賞味していこうかと。
また、第7章は「賛否両論」の食材が扱われていて、上記ポイントの4番目の「果物」は、まさに当ブログで扱ってきた作品群でもそうでした。
もちろん「甘味をとるという意味では、白砂糖よりはるかにマシ」なのは事実ですが、私が読んだ健康系食事本では、果物を摂ることに否定的な作品も多かった記憶があります。
◆こうした曖昧な部分を踏まえて、ご覧いただきたいのが、1つ飛んで第9章の「食事改善プロジェクト」。
これは著者の国府田さんが、ご自身の経営する会社の社員さん4人に、本書の情報をもとにした食生活を2ヶ月実践してもらい、その経緯と結果を記したものです。
それぞれの方々の詳細については、本書を読んでもらうとして(かなり良い結果になっています)、そのまとめ的なものが上記ポイントの5番目。
結局のところ「人それぞれ」な部分は否定できず、こればかりはご自身で確認していくしかないのですよね……。
そのために参考になるのが、巻末のもう1つのリストとしてまとめられている、国府田さんが実際に体験した「自分の体を知るための検査」の数々で、内容的には「フードアレルギー検査」や「遺伝子検査」「腸内フローラ検査」など。
私企業のURL付きだったので、リンクは貼りませんが、間違った食生活を延々と送るくらいなら、最初にこちらからチェックした方が無駄がないかもしれません。
「200冊の叡智」のエッセンスは、一読の価値アリ!
健康本200冊を読み倒し、自身で人体実験してわかった 食事法の最適解 (講談社+α新書)
第1章 これだけは知っておきたい! 主食の食べ方
第2章 これだけは知っておきたい! 肉の食べ方
第3章 これだけは知っておきたい! 魚の食べ方
第4章 これだけは知っておきたい! 野菜の食べ方
第5章 「体に悪い」食材、徹底調査!
第6章 「体に良い」食材、徹底調査!
第7章 「おおむね良いが、ネガティブ意見もそこそこある」食材、徹底調査!
第8章 毎日のパフォーマンスを上げる「体に良い食べ方」
第9章 食事改善プロジェクトで知った「ウェルネスな食事」
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【健康】『最高の体調 ACTIVE HEALTH』鈴木祐(2019年06月12日)
【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から。はじめてのアメリカ音楽史 (ちくま新書)
ジャズやゴスペルはもちろん、カントリーやヒップホップもカバーしている音楽本は、Kindle版が500円弱お得。
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ご声援ありがとうございました!
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