2020年08月01日
【スゴ本】『書くのがしんどい』竹村俊助
書くのがしんどい
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事でも大人気だった文章術本。タイトルは控えめ(?)ですが、売れっ子編集者である竹村俊助さんが、バズる文章の書き方の秘訣を惜しげもなく披露されており、思わずハイライトを引きまくりました!
アマゾンの内容紹介から。
【note累計150万PVの人気記事を書籍化! 新しい時代の文章術 決定版!!】「『あなたの文章はわかりにくい』とよく言われる」「せっかく書いたのに読んでもらえない」「そもそも書きたいものがない! 」。その悩み、すべて解決します。書けない理由の9割は「メンタル」です。「書こう」とするのをやめれば、伝わる文章はだれでも簡単に書けちゃいます。『メモの魔力』『言語化力』など話題書50冊以上(担当作累計100万部超)を手掛けてきたプロ編集者が教える「伝わる文章術」。本書は、文章ライティングや資料作成からSNS・プロモーションまで応用できるメソッドを大公開します。オンラインメディア「note」に投稿した「WORDSの文章教室」が累計150万PV超え。本書が初の著書。
中古価格が定価を大きく上回っていますから、「15%OFF」のKindle版がオススメです!
story-starters-for-kids Atlanta GA / agilemktg1
【ポイント】
■1.ネガティブな感情はポジティブに変換する嫌なやつに出会ったら、反面教師にして教訓にすればいい。たとえば、つねに不機嫌な上司がいたとしたら「不機嫌な上司がいてウザい!」と書くのではなく「上機嫌な職場のほうがうまくいくよね」とポジティブな発言に変換してから発信すればいいのです。
ネガティブ感情はエネルギーなので、それを抑え込むのはもったいない。よってポジティブに変換して発信すればいいということです。(中略)
実はネガティブから始まるコンテンツは、いいコンテンツになる可能性が高いです。なぜなら「本音」だからです。本音には熱がこもっています。
感情のないところから無理にコンテンツをつくろうとすると、「それっぽい」「 上っ面」の文章になってしまいます。しかしネガティブ感情のようにもともとエネルギーがあれば、それをポジティブに転換するだけできちんと熱がこもるのです。
■2.得意分野とエネルギーのあるテーマをかけ合わせる
「自分ごと」にしてもらいやすいエネルギーのあるテーマはこの5つです。何を書くか迷ったら、このテーマの中から考えてみるといいかもしれません。(1)お金(仕事、働き方を含む) (2)食欲 (3)恋愛・結婚・家族 (4)健康 (5)教育(中略)これら「テッパン」のテーマを選ぶとハズしにくくはなるのですが、一方で競合も多くなります。たとえばお金についての記事などはネット上に腐るほどあります。
そこで大切なのが、これらのテーマと自分の得意分野、専門分野をかけ合わせることです。(中略)
フランス在住の人が普通にフランスの生活を書いても読まれないかもしれませんが、「フランスの子育て法を知って驚いた!」といった記事なら読まれるかもしれません。「自分の得意分野×エネルギーのある5テーマ」を意識してみましょう。
■3.入り口のタイトルをつける
企画を発案して「さあ、これから始めるぞ」という段階が「入り口」です。その後、リサーチ、取材、執筆と進んでいき、最終のアウトプットをする段階、それが「出口」です。
多くの人は「出口」でタイトルをつけがちなのです。つまり、取材や執筆のあいだに得た知識や考えたことをタイトルに反映させてしまうのです。しかし読者はまだ入り口にすら立っていません。そのときに出口のタイトルを聞かされても「?」となるだけでしょう。
タイトルをつけるときは、その企画をまったく知らない人、興味がない人でも「なんだろう?」「気になる」と思えるようなものにする必要があるのです。
■4.「発信した内容」みたいな人が集まってくる
ツイッターをやっていて、ひとつ気づいたことがあります。
それはツイッターの世界は「鏡の法則」が働いているということです。「こんにちは」と言うと「こんにちは」と言われる。「バカ」って書くと「バカ」と言われる。まるで「鏡」のように発信したものが返ってくるわけです。
心がクサクサしてネガティブなことを書くと、ネガティブな人が集まってきます。「お前ら来るな! ふざけんな!」とやればやるほど、同じように「ふざけんな!」と言う人が集まってくるのです。
ようするに「発信する内容みたいな人」が集まってくる。ということは、質の高いフォロワーを獲得しようと思ったら、質の高い発信をすればいいのです。(中略)
発信する内容がそのままフォロワーの質と属性になります。そう考えれば、 炎上で得られるフォロワーは「炎上で得られたなりの」質にしかなりません。
■5.自分のことを知ってもらえると引っ張りだこになる
たとえばあなたが不動産屋さんで営業をしているとします。普通に営業をしているだけだと、世界は広がっていきません。でも「いい部屋の見つけ方」とか「これからどの土地が値上がりするか?」「これから東京の地価はどうなるか?」といったことを文章で発信できるようになったら、それはもう立派な「コンサルタント」です。
文章にできるだけで、自分の価値はグッと上がります。いろんなところから引っ張りだこになるでしょう。(中略)
ぼくが発信していることも、出版業界の中では常識だったりします。「著者の言いたいことと読者の聞きたいことは違う」というのも、多くの編集者がアドバイスしていることです。でもそこを文章にして発信するだけで、業界の外の人にとっては「発見」になるのです。
ただノウハウを持っているだけだと業界内でしか活躍できません。しかし、文章にしてアウトプットするだけで、市場が10倍くらいになったりするのです。
【感想】
◆冒頭でも述べたように、ハイライトを引きまくりました。本書は下記の目次にもあるように、第5章までで「書く」ことに関する「5つの『しんどい』」に対応しています。
単にその問題をただ解決するだけではなく、結果的に「アクセスを集められるような」文章となるのが秀逸。
たとえば第1章から抜き出した上記ポイントの1番目の「ネガティブな感情はポジティブに変換する」というのは、類書でも見たことことのなかったテクニックだと思います。
世間ではよく愚痴っているツイートがありますが、それをひと加工するだけで、逆にポテンシャルのあるものに変えることができるとは、目からウロコ!
また、日常で出会った1つのネタに対して、「つまり?」「たとえば?」「それで?」「そもそも?」という4つのワードを用いてふくらませる、というTIPSも覚えておきたいところです(詳細は本書を)。
◆また第2章は、わかりやすさを追求する章で、いわゆる普通の文章術本でも目にするお話もチラホラ。
やはり文章は短い方が良いワケですから、「文章の削り方」辺りは押さえておくべきだと思います。
続く第3章は、そのテーマがより「読まれる」ことだけあって、さらにテクニカルに!
よく「アクセスが集まる」「本が読まれる」鉄板のテーマというのはありますが、それと自分の得意分野・専門分野とかけあわせる、という上記ポイントの3番目は、思わず腑に落ちまくりました。
なお、割愛したTIPSとして、薬のパッケージにならって「成分」(「タウリン1000ミリグラム」等)と「効能」(「滋養強壮、体力回復」等)を入れる、というのも、確かに売れている本のお約束ですね!
◆そして第4章では、いよいよ「おもしろさ」を追求。
ここはもう本当に読みどころが多いのですが、たとえば「おもしろい文章は『共感8割、発見2割』」だそう。
「あるある」がうまくハマると「あ、この人、自分と同じ感覚だ」と読み手に思ってもらえます。「この人、すごい私のことわかってる」と。すると信用してもらえるのです。……さっそく先日インストールした「Google Keep」を活用しなくては!
おもしろい文章を書きたいのであれば、日頃から「あるあるネタ」をストックしておくといいかもしれません。
また、同じく割愛した「『読み終えてどういう感情になってほしいか』を逆算して文章を組み立てる」というテクニックには、「プロはそこまで考えているのか!?」と唸らされました(詳細は本書を)。
ちなみに、上記ポイントの3番目のタイトルの件は、非常にありがちなお話。
本書では著者の竹村さんが、ご自身が編集に携わった書籍のタイトルでの例が挙げられていますので、こちらもご確認ください。
◆なお第5章は、書くことを習慣にするためのアイデアがテーマなのですが、主たる論点はSNS(主にTwitter)活用法について。
竹村さんの場合、ちょっとした発想を「メモ→ツイート→ブログ」と出世魚のように育てていく方法を取られているのだそうです。
……確かに、Twitterで反応(需要)があることを確認した上でブログに書くなら、「大スベリ」を避けられそうなw
ただし、バズったからと言って、炎上ネタをツイートすると、上記ポイントの4番目にあるように「炎上で得られたなりの」フォロワーしか集まりませんからご注意ください。
私のTwitterも、実はその辺は意識していて、極力書籍や出版業界に関することや、スキルアップネタを中心につぶやくようにしております(一応)。
smooth@ビジネス書の書評系ブロガーさん (@smoothfoxxx) / Twitter
◆さて、ここまでで竹村さんの文章術作法はいったん終わりなのですが、最後の第6章では「書ける」ようになった自分にどういう世界が広がるかのお話が展開。
たとえば上記ポイントの5番目にあるように、「自分にとっては常識」なテーマを文章にするだけで、コンサルティングのような仕事が舞い込んでくるかもしれません。
もちろん、Twitterでバズったり、noteでアクセスが集まるようであれば、「著者デビュー」の可能性もさもありなん!
今現在、何もなさってない方は元より、特にTwitterを続けているものの、今ひとつリツられない、という方なら、本書のコンテンツはきっと役立つと思います。
私もTwitterは、自分のブログの更新告知と、たまに気になる情報をつぶやく程度でしたが、本書を参考にテコ入れしなくては!
バズる文章を書きたい方なら必読の1冊!
書くのがしんどい
1 書くことがなくてしんどい―書く以前の「取材」と「思考法」
2 伝わらなくてしんどい―「わかりやすい文章」の基本
3 読まれなくてしんどい―文章を「たくさんの人に届ける」方法
4 つまらなくてしんどい―商品になる「おもしろい文章」はこうつくる
5 続かなくてしんどい―書くことを「習慣」にする方法
6 書けば人生は変わる―「しんどい」の先にある新たな自分
【関連記事】
【超文章術?】『読みたいことを、書けばいい。 人生が変わるシンプルな文章術』田中泰延(2019年06月18日)【文章術】『3行しか書けない人のための文章教室』前田安正(2017年06月23日)
【文章術】『SNS時代の文章術』野地秩嘉(2016年03月21日)
【思わず読んじゃう?】『一瞬で心をつかむ 77の文章テクニック』高橋フミアキ(2013年11月21日)
【スゴ本】『いますぐ書け、の文章法』堀井憲一郎(2011年09月09日)
【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」からの2冊は、どちらも「499円」というワンコイン以下のお値段の作品。会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方
こちらの会計本は、中古が定価を超えているため、Kindle版が1000円強お買い得。
成功は“ランダム”にやってくる! チャンスの瞬間「クリック・モーメント」のつかみ方
下記のように当ブログでもご紹介済みの自己啓発書は、Kindle版が1100円以上お得な計算です!
参考記事:【成功本?】『成功は“ランダム"にやってくる! チャンスの瞬間「クリック・モーメント」のつかみ方』フランス・ヨハンソン(2013年11月15日)
ご声援ありがとうございました!
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