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2020年07月01日

【5つの質問】『Wait, What?(ウェイト、ホワット?) ハーバード発、成功を導く「5つの質問」』ジェイムズ・E・ライアン


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Wait, What?(ウェイト、ホワット?) ハーバード発、成功を導く「5つの質問」 (ハーパーコリンズ・ノンフィクション)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、明日で終了となる「ハーパーコリンズビジネス書フェア」の中でも個人的に読みたかった1冊。

「動画視聴回数1000万回を超えた名スピーチ」が、書籍化されたものとなります。

アマゾンの内容紹介から。
成果が出ないのは、「質問」を間違えているからだ。流されずに問題を明確にする、相手の意見に耳を傾ける、大切なものを見極める…etc.たった「5つの問いかけ」で仕事も人間関係もうまくいく!ハーバード大学教育大学院長の教え。

中古が値崩れしていますが、送料を踏まえると「58%OFF」のこのKindle版の方がお買い得です!






Wait what? / Threeethan


【ポイント】

■1.Wait,What?―待って、何それ?
「待って、何それ?」を大事な問いリストのトップに持ってきたのには、わけがある。相手の発言内容をより明確にするのに有効な問いだからだ。対象を明確にすることは、それを真に理解するための第一歩である。相手のアイディアであれ、意見であれ、提案であれ(プロポーズに対しては、この問いを返さないほうがいいだろう)。
「何それ?」に先立つ「待って」は、無用な一言だろうか。いや、必要である。真の理解のためにはスローダウンする必要がある、それを双方に思い出させてくれる一言だからだ。わたしたちはみな、わかってもいないのにわかったつもりになって、立ち止まってみることを忘れがちだ。それによって、アイディアなり意見なり提案なりの本来の価値を知るチャンスを失ってしまう。「待って、何それ?」は、そうしたチャンスを捉えさせてくれる問いなのである。


■2.I Wonder…?―どうして~なんだろう?
 要するに、「どうして?」という問いが大切なのは、それが探求心の表れ以外の何ものでもないからである。どうして? と問いつづけるかぎり、自分の周囲、自分のいる世界への興味を失うことはない。「もしかすると?」が同じぐらい大切なのは、こう問うことによって周囲に能動的に関われるようになるから、そして、それをより良くする方法を考えるきっかけになるからだ。これらの問いをおろそかにすれば、せっかくの楽しみや可能性がふいになってしまうかもしれない。あなたがまだ気づいていないだけで、それは確かにそこにあるのに。それも、ひょっとすると思いがけず近いところに。


■3.Couldn't We at Least…?―少なくとも~はできるんじゃないか?
 合意が得られない、勇気が出ない、やる気が出ない。気持ちの問題、外部の問題。行き詰まる原因はいろいろだが、「少なくとも〜はできるんじゃないか?」と問いかければ、ものごとは動きだす。だが問うことによって、あなたは気づいてしまうかもしれない。道のりは遠く険しいことに、問題はそう簡単に解決しないことに、努力は必ずしも報われるとはかぎらないことに。しかし同時に、いつかは始めないといけないのだということにも気づくだろう。これは人をスタートラインにつかせてくれる問いである。これまでにも述べたように、どんなときにも推進力となる問いなのだ。


■4.How Can I Help You?―何かできることはある?
 友人、家族、職場の仲間。相手が誰であれ、「何かできることはある?」とあなたが問いかけるとき、それは、問題解決のためのアドバイスをしてあげましょうと言っているのではない。その人が困っているのはわかっている、必要ならば力になると、表明しているのである。理解と共感の両方を伝えているのであり、人が必要としているのはこのふたつだけである場合も多い。言い換えれば、「何かできることはある?」と問うた時点で、すでにあなたはその人の力になっているのだ。


■5.What Truly Matters?―何が本当に大事?
 あなたの追悼文が書かれる前に、「何が本当に大事?」と自問することをおすすめする。それまでの人生を吟味する良いきっかけになるからだ。従って、年が改まるたびにこの問いかけをするといい。わたし同様、意志の強さに自信のない人は、一年の目標を決める代わりにこの問いかけをしてみるのも悪くない作戦だ。コツは、ただ大事な事柄を特定するだけで終わりにするのでなく、うまくいっているものは何か、改善できそうなものは何か、その根拠は、方法は、と突き詰めて考えることである。わたしの例で言えば、もっと良い夫、良い父親、良い友人、良い職業人になるには何をどうすればいいのかを考えるよう努力している。両親が健在だったころは、どうすればもっと良い息子になれるかも考えた。じゅうぶんな答えにはいまだ行き着かない。だからわたしは問いつづける。


【感想】

◆当初、タイトルにもある「5つの質問」は、レビューではネタバレ自重して、伏せようかと思っていました。

しかし目次を見たら、その「5つの質問」が各章のタイトルになっているんですよね、これが。

そこでちょうど「質問」も5つですし、上記ポイントでは、各章から1つずつ選んで、タイトルも章題そのままを使ってみました。

また、内容も冒頭で触れたように、元がスピーチ(「ハーバード大学教育大学院」の卒業式でのスピーチ)ですから、エピソードも豊富。

ボリュームはそれほどないものの、「自己啓発書」としてのクオリティは高いと思います。


◆まず第1章は、「早計」をふせぐための「Wait,What?―待って、何それ?」。

本書で推奨されているものの1つが、親が子に言うパターンです。
本書を手にしてくださっている親御さんたちにはわかってもらえるだろうが、百歩譲った表現をするにしても、子どもというのは見通しが甘い。子どもたちだけでする冒険につきもののリスクとコストを過小評価する。宿題を終えるのに必要な時間を過小評価する。もっと深刻な例を挙げるなら、自信のなさから自分の居場所や能力や魅力を見失うことだって考えられる。
ウチのムスコがまさにそうで、今リモート授業で出されている課題をこなすのに、立てた見積もりの甘いこと……。

もちろん、ビジネスシーンでもこの質問は有意義です。

本書でも
 とりわけ議論の場では、論点や相手の意見を真に理解することが、確かな情報に基づいた揺るぎない判断につながる。
とあり、これには私も同意。

もちろん、日本語ではこのようなラフな言い方はしませんが、先入観や固定観念に流されずに、キチンと確認したいものです。


◆続く第2章は、「質問」としてはおなじみの「I Wonder…?―どうして~なんだろう?」。

本書によると「どうして?」が現在に関するものであるのに対して、上記ポイントの2番目にある「もしかすると?」は、未来につながるものであるとのこと。

実際、著者のライアン氏は、自分が養子であることは知っていたものの、あるとき「どうして自分は養子に出されたんだろう?」という問いと、さらには「もしかしたら生みの母を捜し当てることができるんじゃないか?」という問いを持つことによって、実の母親に巡り合うことができました。

……そのエピソードがかなり感動的なので、ここはぜひ本書でご確認いただきたいところ。

ちなみに、ムスコの保育園のお友達で、いつも「どうして?」「なんで?」を連発する子がいて、その子はたまに話す私でもちょっと閉口するくらいだったのですが、ヨメと「この子はきっと大物になるよ」と言っていたら、今春、見事東大合格で有名な中高一貫校に合格しました。


◆また、第3章の「Couldn't We at Least…?―少なくとも~はできるんじゃないか?」は、上記ポイントの3番目にあるように、まさに「膠着状態を脱するのに一役買ってくれる問い」。

「できる/できない」の「0/100」の考え方をする人は多いですが、この問いにより、さまざまな事態も前に進むでしょう。

さらに本書のエピソードの中では、育ての母親が亡くなる際、医者に任せっきりで何も打つ手を考えなかったことを、ライアン氏は深く後悔していました。
 いずれにしても結果は同じだったかもしれないが、それを知るすべはない。だから苦しいのだ。やらなかったことの結果は、永遠にわからないままだ。やったところで結果は同じだったに決まってるさと自分に言い聞かせたところで、ほんのわずかな慰めにしかならない。友だちや家族を救えるかどうかだ。振り返ったとき、できるかぎりの手は尽くしたと誰だって言い切りたいではないか。
確かに「やってしまったことの後悔は日々小さくなるが、やらなかったことの後悔は日々大きくなる」と言いますしね。


◆一方、第4章の「How Can I Help You?―何かできることはある?」は、問いというより、むしろ上記ポイントの4番目で指摘されているように「相手への気持ちの表明」でしょう。

自分が「力になりたい」と相手に伝えることで、より良い関係になれること必至です。

そして最後となる第5章の「What Truly Matters?―何が本当に大事?」は、まさに人生の本質とも言えるもの。

養母とのとあるエピソードから、ライアン氏は自分にとって本当に大事なのは、「自分の赦しが母親に伝わること」であると気づきました(詳細は本書を)。

しかし、私たちにとっては当然違いますから、それぞれが自分自身に問う必要があります。
そして、正直に、恐れずに、答えること。そうすれば、ものごとの要点や本質が見えやすくなる。あなた自身の人生の核心も、また。


より良い人生を送るために、読んでおきたい1冊です!

B07CCH5N8N
Wait, What?(ウェイト、ホワット?) ハーバード発、成功を導く「5つの質問」 (ハーパーコリンズ・ノンフィクション)
1 Wait,What?―待って、何それ?
2 I Wonder…?―どうして~なんだろう?
3 Couldn't We at Least…?―少なくとも~はできるんじゃないか?
4 How Can I Help You?―何かできることはある?
5 What Truly Matters?―何が本当に大事?


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【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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