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2020年05月10日

【自己啓発】『幸運学 不確実な世界を賢明に進む「今、ここ」の人生の運び方』杉浦正和


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幸運学 不確実な世界を賢明に進む「今、ここ」の人生の運び方


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、本日最終日となる「『日経の本』統合記念ポイントアップキャンペーン」から、個人的に読んでみたかった自己啓発書。

実は新年早々の未読本記事にて、取り上げたままとなっていた作品でしたので、これ幸いと読んでみた次第です。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
運の良い人と悪い人は何が違うか?
「幸運の女神に関する大誤解」から「質の高い意思決定の方法」まで。
ビジネススクール教授が「運の正体」と「幸運への近道」を論理的に解説。

本日中であれば、このKindle版が900円以上、お得な計算です!





Happy St. Patrick's Day! / *~Dawn~*


【ポイント】

■1.運を4つの種類に分けて考える
 まとめると、運は次の4つの種類に分けて整理できると私は考えます。
宿命(デスティニー) ──事前に決まっていて自分ではどうしようもないこと
偶然(ランダムネス) ──結果が予想できずコントロールできないこと
機会(オポチュニティー) ──開発することで自ら創りだしていけること
確率(プロバビリティー) ──管理することで自ら高めていけること
 この4つの関係にも注目していただきたいと思います。
「機会」を開発していくと、「宿命」とあきらめていたものを変えることができます。
「確率」を見立てると、「偶然」に任せるよりは、未来をある程度見通すことができます。
 つまり、「宿命」と「機会」、そして「偶然」と「確率」は裏腹の関係にあるのです。


■2.「2種類の『機会』」の対処法
・オポチュニティー(自分で準備して掴んだ機会)である場合
──全力でその機会を活かしてください。  
──結果の 如何 を問わず、機会を創り全力で取り組む姿勢は、次の機会を生みます。
・チャンス(偶然によってもたらされた機会)である場合
──自分に対して「今、ここ」で次のように問いかけてください。
「自分の心は、邪念なく澄んでいるか」
「自分の気持ちは、雑念なく落ち着いているか」
「自分の価値観に、掛け値なく合っているか」
 それらの問いに自信を持って「YES!」と答えることができるなら、「これはチャンスだ!」という内なる声に自信を持って従ってください。


■3.「良いうわさ話」がうまい人になる
「あなたについて○○(良い内容)っていう噂を聞いたんだけど」
「え? 誰が言ってたの?」
「□□さん」
 この場合は、ポジティブな噂をした人は噂されている本人からとても好意的に受け取られます。人は直接褒められるよりも、第三者を通して褒められるほうが格段に嬉しいのです。褒められていることについての信憑性が高いと感じることができるからです。
 ぶどうの蔓はつながっています。そして好意的に思ってくれた気持ちはポジティブ・ゴシッピングを行った人のもとに届きます。
「あの人のことを褒めていたっていう話を伝えたら、とっても喜んでいたよ!」
 そう言われて嬉しくない人はいないでしょう。褒めた人と褒められた人は、ぶどうの蔓を介してとても良い関係に発展していきます。同時に「人を褒める人」という評判が、他の人のポジティブ・ゴシッピングとして他に伝わっていきます。自分が人のことをどう言うかをマネージすることで、良い縁を広げる機会にできるのです。


■4.紙に書くと願いが叶うアファメーション
 アファメーションにはいくつかのルールがあります。
・「私」を主語にする
・短く書く
・肯定文で書く
・現在形で書く
 そのほか、率直な気持ちを書くのも有効です。例えば「……で嬉しい!」「……で充実している!」などです。また、ゴールを達成している自分の姿が見えるくらい具体的に書くとさらに成功確率が上がります。
 ズルく聞こえるかもしれませんが、私は「少し努力すれば達成できる」と予想できることを書くことをお勧めします。書けば叶う、という「叶いぐせ」をつけることが大切だからです。私はそれを「ちょいアファメーション」と名づけています。


■5.めげずに何度でもトライする
 運を呼び込む最も単純な方法は「めげずに何度でもトライすること」です。
 5%しか成功しないことを、百回トライした場合、「少なくとも1回」は成功する確率はどれだけあるでしょうか?
・成功の確率が5%なら、失敗の確率は、100% − 5% = 95%
・全敗する確率は、95%を百回掛けて、0.95×0.95…… = 0.0059 = 0.59%
・少なくとも1回は成功する確率は、100% − 0.59% = 99.41%
 つまり、少なくとも1回は成功する確率は99%以上ある。1回あたりの成功確率が低いことでも、何度も繰り返していけば、きわめて高い確率で「いつか成功する」のです。
 ですから、幸運を自分のものにしたいのなら、特にトライすることにコストがそれほどかからないなら、試行の回数を増やすこと、つまり何度もめげずにやってみることが、まずは基本戦略です。ビジネスでは少なくとも1回成功すれば立派なものですので、出発点としてはこの単純計算でも悪くないと思います。


【感想】

◆日頃は漠然と意識している「運」というものについて、改めて考えさせてくれた作品でした。

まず本書の冒頭の「はじめに」から抜き出した、上記ポイントの1番目にあるように、「運」には4つの種類があるとのこと。

また、それらは「自分でコントロールできるか否か」で、大きく2つに分けることができます。

具体的には、ポイントの1番目における「宿命(デスティニー)」と「偶然(ランダムネス)」がコントロールできないもの。

前者は「前もって決まっているから」、後者は「予測ができないから」、それぞれコントロールができません。

一方、「機会(オポチュニティー)」は開発できるから、「確率(プロバビリティー)」は管理できるから、という理由で「コントロールができる」次第。

さらに、最後で触れられているように
「宿命」と「機会」、そして「偶然」と「確率」は裏腹の関係にある
というのも、興味深いです。


◆このうちの「機会」について触れられているのが、上記ポイントの2番目。

これは本書の第1章の初っ端から引用したのですが、実は「機会」も「オポチュニティ」と「チャンス」の2つに分けられるとのことです。

「オポチュニティ」には全力を尽くし、「チャンス」には上記の留意点に気を付ければ、ニセモノに引っ掛からない模様。
心が澄んでいれば、ものごとを見極めることができます。
 逆に、邪念や雑念、あるいは下心といったノイズが入り込んでしまうと、正しく判断することができません。
「チャンス」と思って美人局等にひっかかるのは、思いっきり「下心」あってのことだということがよく分かりますねw

この第1章では他にも「ダメ元パワー」や「偽ポジティブ思考」といったテーマも興味深かったので、できれば本書にてご確認ください。


◆さて、第1章に続き、開発できる「運」である、「関係構築」について言及しているのが本書の第2章です。

確かに人間関係であれば、自分のチカラで何とかなる、というのは納得できるところ。

たとえば「悪いウワサ話(ネガティブ・ゴシッピング)」は言っても嫌われますし、言われて共感すればネタ元に、反論すれば話し相手に嫌われるというムリゲーです。

この場合、「苦労しましたね」と相手の「苦労」に共感を示せばよいのだそう。

ただしこれとは逆に、上記ポイントの3番目のように「良いウワサ話(ポジティブ・ゴシッピング)」をすれば、そのウワサの対象から好かれますし、おそらく対象にその話を伝えた人も対象に良い印象を持たれるでしょう。

……ちなみにここで言っている「ぶどうの蔓」というのは、引用部分の前で説明があったのですが、英語のイディオム「through the grapevine(ウワサで聞いた)」にかけているのでご留意を。


◆一方、第3章と第4章は、「管理できる『運』」に関するのお話であり、まず第3章は「意思決定」について。

ここではMBAではお約束の「ディシジョンツリー」や、金融における「オプション取引」の考え方を現実の事業に応用する「リアル・オプション」といったお話が登場します。

また、「意思決定」のノイズである「バイアス」についても触れられていますが、この辺は当ブログの読者さんなら行動経済学本でおなじみではないか、と。

なお上記ポイントの4番目の「アファメーション」も、ここからのものになります。

こちらも成功本や自己啓発本ではよく見かけるものの、著者の杉浦さん考案の「ちょいアファメーション」は、試してみても良いかもしれません。


◆そして最後の第4章のテーマは「自己管理」です。

ここでは「アンガーマネジメント」や「ストレス軽減」等にハイライトを引きました。

ただ、上記ポイントの5番目の「何度でもトライする」というのは、成功本の定番とはいえ、「運を呼び込む」最も単純な方法とのこと。

確かに確率計算から言っても、「少なくとも1回の成功」であれば、数多くトライするのが正解ですしね。

要は「運」を呼び込むのには、上記ポイントの1番目の「コントロールできない運」以外は、「他人任せにしない」のが大事だと思われ。


「運」を自分の手で引き寄せるために読むべし!

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幸運学 不確実な世界を賢明に進む「今、ここ」の人生の運び方
第1章 未来開拓
第2章 関係構築
第3章 意思決定
第4章 自己管理


【関連記事】

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「運のいい人にはワケがある! 運を鍛える《ゴリラ》の法則」 リチャード・ワイズマン(2005年07月13日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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