2020年04月08日
【実行力】『0秒で動け 「わかってはいるけど動けない」人のための』伊藤羊一
0秒で動け 「わかってはいるけど動けない」人のための
【本の概要】
◆今日ご紹介するのも、現在開催中である「SBクリエイティブ 50%ポイント還元キャンペーン」の中でも人気の1冊。以前「話し方本」をご紹介したことのある、伊藤羊一さんの続編に当たる作品です。
アマゾンの内容紹介から。
考える前に「結論」は出ている。自分も他人も瞬時に動かすすごい方法。直感+行動=迷いがなくなる。データや他人に振り回されず、自分もチームも動かす技術。
中古が1000円以上しますから、送料を考えると明日までならKindle版が600円以上お得な計算です!
move magazine / renaissancechambara
【ポイント】
■1.「頭出しの結論」を出すまず意識してほしいのは「頭出しの結論」 を出す、ということです。
100%の正解がない中では、「まずは結論を出してみること」が大事です。それが最終結論ではなくても、よりよい結論にたどり着くための「頭出し」をすることに大きな意味があります。ひとまず結論を出してみた! というノリで出してみましょう。
小さな課題や問題なら、この「頭出しの結論」があれば、まずは動けます。あとはトライアンドエラーです。やってみて、「ああ、これでいいや」とわかればそのまま進むし、「これは間違いだった」とわかれば修正する、ということです。
■2.「結論を出すにあたって重要なポイント」を考える
講師の方は、私たちがあげる「転職したい時に大事にするポイント」をどんどん板書し整理しながら、「転職をしたいと思う時、こうやって根拠をたくさんあげるのですが、その前に、何が重要なポイントなのか、考えたうえで意見を出したほうが効率的ですよね」といって、「(1)やりたいか、(2)できるか、(3)ペイするか(給料は満足か)」というポイントを3つあげられたわけです。
この時の衝撃は今でも忘れられません。「おおお! 賢い人はこうやって考えるのか!」とびっくりして、それから、まずは、「この結論を出すにあたって重要となるポイント」を考えるようになった次第です。これが、スピーディに結論と根拠を出すうえで、一番大事なポイントだと思いますので、ぜひ、日常的にそのように考えることをオススメします。
■3.ひとまず手を上げる
ひとまず手をあげる、というのは、会議に限った話ではありません。みんなでカラオケに行った時、一番に曲を入れるということからはじめても構いません。昼食に行く時、いつも課長に誘われるままついていっているけれども、今日は自分から店を提案する、ということでもいいのです。
カラオケで最初に歌って音程を外しても、せいぜいみんなに笑われるくらいです。むしろ、ほかの人が安心して歌いやすくなれば、場が盛り上がり、ヒーローになれるわけです。そんなところから、「ひとまず動いちゃった」という状態をたくさん経験しましょう。
最終的に大事なのは、心のリミッターを外すことです。これは、伝説のBMXライダーだった友人がよく言っていた言葉ですが、BMXのようなハードなスポーツでなくても、日常生活でもいえることです。
■4.「ハレ」と「ケ」を使い分ける
組織・チームを動かすためには、2つのコミュニケーションが必要です。
1つは、瞬発的にロジカルにコミュニケーションできる力。今までお話ししてきたような、その瞬間、瞬間でしっかり頭を動かして、相手に働きかけるロジカルさをベースとしたコミュニケーションです。
もう1つは、人間関係をつくるためのコミュニケーション。
前者はたとえば会議でのコミュニケーションで、「ハレ(非日常)とケ(日常)」でいうと、ハレ。後者は会議を出た場所での人間関係。こちらは、ケのイメージです。
ハレ(会議)の場では、頭を働かせて正しいことをしっかり進めていく瞬発的なロジカルさが必要ですが、ケの日常的なところでは、頭を働かせるというよりも、人間関係をつくるために、時間をかけてじっくりじわじわつきあう。
「ハレとケ」の使い分けを常に私はしています。企画会議では頭を働かせても、普段は頭はあまり働かせずに、人間関係を深めるような行動をします。
■5.自分の軸の作り方
(1)自分の過去を振り返るまず最初に、ライフラインチャートを書きます。(2)現在の価値観を知る
ライフラインチャートというのは、モチベーショングラフとも呼ばれるツールで、生まれてから現在に至るまで、自分のモチベーションが上がっていた時のこと、下がっていた時のことを書き出していくものです。
生まれた時から今まで、時系列で順を追って、どんな時に嬉しかったり楽しかったりしたのか、逆に、どんな時に落ち込んでしまったのか、曲線で書いていきます。ステップ2では、棚卸しした様々な経験から、自分がどんなことが好きで、どんなことが嫌いなのか、何を大事にしているのかということを明確にします。それが価値観そのものです。・自分が大切にしているものは何ですかこのように内省と対話を繰り返しながら、抽象化する作業を繰り返すことによって、価値観を再確認していきます。
・その中でも、仕事をするうえで絶対譲れない想いはなんですか
・それは過去の経験とどこでつながっていますか
【感想】
◆タイトルから想像されるコンテンツの内容より、本書はかなり広範囲なものでした。さすがに「0秒で」は極端だとは思いますが、「動く」だけにとどまらない「仕事術」と言いますか。
とはいえ「動く」ためには、上記ポイントの1番目にあるように「まず結論を出す」のが大事です。
するとこの「結論」が合っていようがいまいが「叩き台」になりますから、物事は進んでいくことに。
それを続けると、「お、いつも彼(彼女)は最初に意見を言うね」と周囲が好意的に見てくれるようになります。すると、意見を言うことに対するハードルは下がっていきます。たいていの場合、その意見のクオリティがそんなに高くなくても、「最初に意見を言うことで、場を活発にしてくれる」と思ってくれるようになるからです。これはぜひとも、意識していただきたいところです。
◆なおこの上記ポイントの1番目は、本書の第1章のタイトル「結論を出せ!」そのものなのですが、同じ第1章からは、上記ポイントの2番目の「重要なポイントを考える」も抜き出してみました。
ちなみにこれは、著者の伊藤さんが、今は客員教授であるグロービスに入学する前に、クリティカルシンキング体験講座に行った際のエピソードとのこと。
そのワークショップで伊藤さんはこの考え方に出会って、衝撃を受けたそうなのですが、実は私も今般初めて知りました(恥)。
ただし注意すべきは、上記ポイントの1番目で触れたように「まず結論を出す」ということ。
つまり、直感でもなんでも「結論」を出した上で、「根拠」をひねり出すワケです。
◆続く第2章では、実際に「一歩踏み出す」ためのTIPSが登場。
そこでオススメなのが、上記ポイントの3番目の「ひとまず手を上げる」です。
カッコよく言えば「ファーストペンギン」でしょうか?
また、第一歩を踏み出した後のお話として、「動きだしたら反省しない」(フィードバックを受けない)という、アラワザも紹介されていました。
一般的にフィードバックは大事と言われていますが、「このタイミングでは、決して『反省しない』」のが大事とのこと。
ここで大切なのは、せっかく踏み出した第一歩を、第二歩、第三歩につなげていくことです。今までフィードバックを受けて、挫折したことのある方は、ぜひお試しを。
初めての挑戦ですから、きっとうまくいかないことも多かったと思います。そこで反省したり、ネガティブなフィードバックに耳を傾けて、立ち止まることだけは避けなくてはいけません。
◆ここまでは「自分が動く」お話でしたが、第3章の章題は「人を動かす」。
ここでは結構な量のページを割いて、交渉術やコミュニケーション術について触れられています。
この辺は、コミュニケーション系の類書にも通じるお話がメインなのですが、興味深かったのが、上記ポイントの4番目の「ハレ」と「ケ」のお話。
要は、人を動かすには「ロジカル」一辺倒ではなくて、日頃の付き合い的な部分も大事だよ、ということですね。
それがなぜ必要かというと、会議の場は、決してその場の議論の正しさだけで物事が決まっていくわけではなく、 実際には普段の人間関係の中で物事が進んだりします。 その人間関係をちゃんと、会議以外の「ケ」の場でつくっておくと、有利に働くこともあるわけです。具体的には「あの人には信頼がおける」とか「あの人が言っていることはきっと正しい」といった印象を持ってもらえば、話が早いこともあるわけです。こういったお話は「ロジカルシンキング」に凝り固まっていると、なかなか気づけないのではないか、と。
◆最後の第4章では、ここまでの内容から考えるとちょっと異色な「軸」についての言及されています。
ただし、伊藤さんいわく
最終的には、「志」や「軸」が、瞬間的に自信を持って動くための原動力になります。とのこと。
そこで自分自身の「軸」を明確にするための作業を解説しているのが、上記ポイントの5番目になります。
中身を見ていくと、まず(1)の「ライフラインチャート」は、よくキャリア本等でも紹介されていますから、ご存知の方も多いことかと。
自分が充実するポイントを発見できる「ライフライン」の作り方|「ミドルシニアのためのキャリアの教科書」vol.05 - 木村勝のキャリアの教科書 - ミドルシニアマガジン | マイナビミドルシニア
それを踏まえて(2)では、「価値観」を認識していく次第。
また、自分の「軸」が見つからない場合は、他人の「軸」を仮置きしても良く、それにより「どんどん動けるようになる」のだそうです。
「素早く正しく動く」ために、読んでおきたい1冊!
0秒で動け 「わかってはいるけど動けない」人のための
第1章 結論を出せ!
第2章 一歩踏み出す
第3章 人を動かす
第4章 「軸」を持て
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【編集後記】
◆なお、明日終了するセールには、こういうものもあります。Amazon.co.jp: 「社会人の教科書」厳選ビジネス書フェア (4/9まで): Kindleストア
講談社さんのセールなのですが、値引き率がビミョウなので、スルーしておりました。
とはいえ、興味のある作品がありましたら、ご検討いただいても良いかも!?
ご声援ありがとうございました!
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