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2020年04月01日

【やる気UP!】『モチベーション下げマンとの戦い方』西野一輝


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モチベーション下げマンとの戦い方 (朝日新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、昨日ではなく3月半ばの「未読本・気になる本」の記事で、意外な人気だった1冊(既に何冊かお求めいただいています)。

タイトルにある「戦い方」というフレーズから予想される内容だけではなく、むしろ、自分自身や他人のモチベーションを上げるTIPSにまで踏み込まれた作品です。

アマゾンの内容紹介から。
上司や同僚、お客様の些細な一言で、やる気が下がってしまったことはないだろうか?人間の心やアイデアはそれだけ繊細で、ちょっとしたことで一気にパワーは奪われてしまう。さらには自分の心の中に“モチベーション下げマン”が潜んでいることも。揺れ動く感情の波をコントロールし、再びエネルギーをとりもどすための思考法!しぼんだ情熱がみるみるよみがえる最強のテクニック!

中古が相変わらず定価よりもかなり高いため、「24%OFF」のKindle版がお買い得です!





motivation / jean-louis zimmermann


【ポイント】

■1.ミスの指摘が細かすぎる人への対処法
 通常細かすぎる指摘は、理不尽な指導ととらえられモチベーションを下げることになります。正論でも「そこまでやる必要があるの?」と感じてしまうので前向きに取り組めなくなるのです。
 ところが、この細かいミスをしつこく指摘する人は、そうすることで相手のモチベーションがいかに下がってしまうかを想像できないようです。(中略)
 そんな状態ではどうしたらいいのでしょうか? 指摘事項に向き合い、修正に取り組むのが基本であるのは間違いありませんが、あまりに細かすぎる指摘であればギブアップすることも1つの手段です。
「私どもの力量では指摘事項を100%修正することは困難です」
 と回答するのです。
 仕事において、相手の満足度に100%応えようとする姿勢は素晴らしいものの、得るべき対価との見合いで仕事は行うべきです。「十分に対価に見合った仕事はしている」と納得できるのであれば、ギブアップすることも視野に入れる必要があります。


■2.理由を聞いてくる後輩への対処法
「今日中に仕上げてくれる?」と言えば、
「どうして今日中なのですか?」
 と返されることが繰り返されて、気持ちが滅入ると話してくれた先輩社員がいました。(中略)
 そんな後輩に対してどうしたらいいのでしょうか? 
 もちろん感情的になる必要はありません。
 仕事の意味は伝えないとわからない世の中になったことを受け入れて、面倒くさがらずに意味と理由を丁寧に伝えてあげましょう。
 さらにプラスアルファの対策として「それをやるのがあなたのためだと思うから」と言ってあげるのです。(中略)
 仕事は日々舞い込みます。「何となく自分にプラスになる」と思えるくらいの納得感を伝えるだけでも「いいからやれ」と頭ごなしに言うのとは大違いです。 自然と相手にも、それなりに納得した姿勢が見えてくることでしょう。


■3.周りからどう思われるかをモチベーションにしない
「お客様の笑顔を見ることがモチベーション」と話してくれたのは、介護会社を経営しているGさんでした。仕事で経営者の想いをインタビューする機会にお聞きしたのですが、聞きながら違和感を少し持ったことを覚えています。(中略)
 私は、モチベーションが高まる要因は人それぞれ、しかも1つではなくていいと思っています。当然、周りからどのように思われるかは関係がありません。
 そう考えると、彼はもしかしたら周囲からよく見られたいために偽りのモチベーションを語っているのでは、と思えて仕方ありませんでした。
 偽りのモチベーションに振り回されることは望ましくありません。本当は、お客様の笑顔を見てもモチベーションなんて高まらないのです。実際は、職場の同僚に「君はすごいね」と言われるとモチベーションが高まるのであれば、堂々とそれを大切にしてほしいのです。
 大事なのは、自分のモチベーションを上げる本当の要因をおさえておくこと。なぜなら、意欲が低迷したときに、偽りのモチベーションは何の役にも立たないからです。いち早く立て直すためにも、モチベーションが高まる本当の要因に触れる必要があるのです。


■4.負けを認めて、受け入れる
 悔しさを忘れないための言葉を自分に投げかけた経験はないでしょうか。
 スポーツの世界ではよく聞く話で、試合に勝って「前回の悔しさをモチベーションに努力してきました。勝てて嬉しいです」と涙しながらコメントする選手を何度も見かけたことがあります。(中略)
 ただ、時には悔しさがモチベーションにつながらないこともあります。それはどんなときかというと、「天候が悪かったから」、「レフェリーがフェアではなかった。もう1回やれたら結果は変わる」などと、敗れた要因を他者や環境にむすびつけてしまうときです。
 こうしたときは、自分にはどうすることもできないのですから、うじうじ考えるほかありません。当然、モチベーションが上がる要素にはなりません。
 大事なことは、悔しさの要因となっている負けを認め、受け入れること。
 それができれば、悔しさがモチベーションになります。


■5.モチベーションを上げる褒め方
 効果的な褒め方にはポイントがあります。
 相手の承認欲求が満たされ、モチベーションが上がるようにタイミングよく具体的に褒めてあげるのです。
 たとえば、「丁寧な対応で助かった」などと「何がよかったのか」をわかりやすく褒める。「他の社員たちも参考にすべき取り組みだ」と評価の高さを示す。「シェアが3倍」「利益が120%増」など、具体的な数字をあげて褒める。「丁寧なフォローが成果につながった」とプロセスを褒める。さらに自分だけではなく「〇〇さんもすごいと感心していた」と第三者の意見も交えて説得力を持たせる、といったことです。
 つまり、有効な褒め言葉をかけるためには、日常の行動を観察し続ける必要があります。スケジュールを確認したり、周囲の同僚たちにインタビューしたり、そんな行動も役に立ちます。


【感想】

◆新書の割には、カバーしている範囲が広いユニークな1冊でした。

そもそも「モチベーション」をテーマにした場合、「自分自身のやる気を高める」か、「他人(部下・後輩等)のやる気を高めるか」のどちらか片方を扱っていることが多いところ、本書はその両方をカバー。

さらに、「モチベーション」ではなくて「コミュニケーション」がテーマの作品でありそうな、「他人からの妨害」への対処法にも言及しており、むしろタイトルではそちらが中心のようになっています。

実際、本書の第1章ではこうした「こちらのモチベーションを下げる人(本書では「モチベーション下げマン=MSMと呼称」)の各種パターンを列挙。

上記ポイントの1番目の「細かすぎる人」のほか、「無駄に反対をしてくる人」や「楽することしか考えていない人」「責任逃れをする上司」といったMSMが登場しています。

私はたまたま、1人で仕事をしていますから、これらの人々にはほとんど遭遇したことはないものの、確かにこれではやる気が削がれます罠……。


◆続く第2章では、MSMのパターンというよりも、「やる気が萎える一言」と、その対処法がテーマ。

今回は割愛しましたが、「前例がない」と反対意見を述べて、モチベーションを下げる人は、どの会社にも1人はいそうです。

また「過去に失敗した例があるよ?」というケースでは、リクルートの結婚情報誌『ゼクシィ』が、妨害にもめげずに事業化できた秘密が明かされていました(詳細は本書を)。

もちろん、上記ポイントの2番目の「何で?」「どうして?」といった「質問攻撃」も、ひと昔前なら「つべこべ言わずに黙ってやれ!」で終わりでしたが、今はそういうわけにもいかず。

その点、ここで挙げられている「あなたのため」という「返し」は、結構使えそうです。
 それでも納得できない感じで「どんなためになるのでしょうか」とか聞いてきたら「あなたのキャリアにですよ」とビックワードを返しておきましょう。すべて緻密に納得させる説明をしようとするのではなく、大きな言葉でふわりと納得できそうな状態をつくればいいのです。
こういう部下がいたら、ぜひ参考にしてみてください。


◆一方第3章では、モチベーションの必要性について言及。

上記ポイントの3番目のお話は、この第3章からなのですが、必ずしも誰もが「お客様の笑顔を見てもモチベーションが高まらない」というわけではありませんのでご留意願います、

実際、モチベーションが高まる人だっているはずなのですが、たまたまGさんのお話は、「違和感」があるくらいには不自然であり、著者の西野さんがそう感じたということ。

要は、「自分のモチベーションを上げる本当の要因をおさえておくべき」であり、そうでないと意欲が低下したときに、立て直せないワケです。

この第3章では、「モチベーション曲線」を書くことで、自分の隠れたモチベーションを探す作業も紹介していますから、自分自身でモチベーションの要因が分からない方は、参考にしてみてください。


◆また、1つ飛んだ第5章では、さまざまな「モチベーションを上げるTIPS」が収録されています。

上記ポイントの4番目の「悔しさ」もその1つ。

ただし、そこにもあるように「負けを潔く認める」必要があるのと、割愛しましたが、「悔しさ」は長期的なモチベーションにはつながらないのだそうです。

では逆に、何が長期的なモチベーションにつながるか……に関しては、本書にてご確認を。

さらに最後の第6章では、他者のモチベーションを上げる方法について論じています。

上記ポイントの5番目の「具体的に褒める」というのも、ホメテクとして読んだことがあったかもしれませんが、なるほどモチベーションアップにつながるのだな、と。

また興味深かったのが、成果が上がった本人だけでなく、チームにもインセンティブを与える、という手法です。

そうすることによって「自分だけでなく周囲にも喜びを与えることができる」と思うことで、新たなモチベーションを生み出す可能性があるのだとか。


妨害にめげず、自分とチームのモチベーションを上げるために読むべし!

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モチベーション下げマンとの戦い方 (朝日新書)
第1章 こんなモチベーション下げマンはいませんか?
第2章 やる気を失わせる「この一言」への反論術!
第3章 モチベーションはなぜ重要か?
第4章 自分の中にいるモチベーション下げマン
第5章 自らのモチベーションを高める言葉
第6章 モチベーション上げマンが人を動かす


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【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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