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2020年03月30日

【金言満載!】『人を動かす最高の言葉』日経ビジネス(編集)


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人を動かす最高の言葉


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、本日最終日となる「新生活キャンペーン」でも人気のあった1冊。

昨日の前日ランキングの記事でも、日経BP分で第2位につけていた作品です。

アマゾンの内容紹介から。
ソニー、日清食品、京セラの創業者、トヨタ自動車、花王、全日空の元トップ…。100人の伝説のリーダーが語る言葉の力。日経ビジネスの名物コラム「有訓無訓」40年の歩みから珠玉の名言を厳選。仕事と人生のヒント満載。

中古があまり値下がりしていませんから、送料を加味するとKindle版が700円以上お得な計算です!





Quote / Got Credit


【ポイント】

■1.逡巡は企業の将来を危うくする
 たとえば、警備保障という事業を始めて10年ほどは、実に様々な人が「オレも同じことを考えていた」といってこられた。ならば、なぜ事業化しなかったかときくと、答えに窮してしまう。恥を知る日本人の国民性としては、「失敗すると笑い者になるから」という意識が働いたのかも知れない。そうだとすれば、ためらい、逡巡こそが折角のビジネスチャンスを逸することにつながったという例であろう。

飯田 亮 日本警備保障(現セコム)会長 [1982.3.8号]


■2.生産性は仕組みで上げる
 成長が好きな人は、頑張って生産性を上げなければ、企業として生き残れないと言い張りますが、私は違うと思います。生産性は、頑張るのでなく仕組みで上げればいいのです。例えば1970年代初め、まだ当社も電話で商品を発注していた頃、私は全ての商品にタグを付けて、売れたら商品から外してためていました。そしてある程度たまったら、その数だけ発注するのです。

加藤修一 ケーズホールディングス相談役 [2016.8.22号]


■3.失敗にも正当な評価をする
 組織が大きくなると、大勢の社員をふるいにかけるため、まずは失策の数に目が行きがちだ。しかし問題は失策の中身である。私利私欲に起因する失敗には厳しくあたるとしても、会社のためにリスクをかけた結果の失敗であれば、それなりの配慮をすべきだ。一生懸命にやった結果の成績不振を責めるのは酷である。失敗にも正当な評価が必要なのである。

八尋俊邦 三井物産会長 [1985.11.25号]


■4.「ネガティブチーム」を作ってあら探しをさせる
 私は、部下が行きたいと言えば「それ行け、どんどん」の方です。でもあのときはちょっと引きました。(中略)
 そうしましたら、社外取締役の新美春之さん(昭和シェル石油元会長、故人)が、ご自身の経験から「ネガティブチームを作りなさい」とアドバイスしてくれました。冷静に案件の"あら探し"だけをする部隊を設けて、両方の意見を聞きなさい、と。
 早速チームを結成したところ、問題点を次々と指摘してくれたのですが、最後の最後に「色々申し上げましたが、私たちもやっぱりこれはぜひやるべきだと思います」と寝返りまして(笑)。「そこまで言うんだったら、やろうか」と、私も踏ん切りがつきました。

長瀬 洋 長瀬産業会長 [2019.1.28号]


■5."サイエンスの心"で考え抜く
 サイエンスの心とは、物事を論理的にとらえる思考力です。これは科学や技術に限った話ではなく、西洋の政治や経済、社会の隅々にまで多大な影響を及ぼしてきました。(中略)
 日本の行く末を案じて「もっと一生懸命に頑張ろう」「もっと真面目にやろう」「もっともっと働こう」と言う人がいます。でも、今までやってきたことを改善したり、改良したりするだけでは突破口は開けそうにありません。過去からの延長線上には明るい未来が見えてこないのです。(中略)
 日本人は今こそ、サイエンスの心を通して、何が問題なのか、自分たちは何を知らないのか、どこに限界があるのかをとことん考え抜くべきなのです。与えられた問題を解くのではなく、解くべき問題を自分で見つけ出して核心に迫る。限界を見極めて挑戦すべきことを明らかにする。日本が変われるかどうかはそこにかかっています。

江崎玲於奈 横浜薬科大学学長 [2008.1.7号]


■6.「運がいい」人は出会いを大切にしている
 よく、「あいつは運がいい」と言います。あたかも、強運を持ちあわせているかのように。でも、よく見ると、幸運って誰かが運んでくれているんですね。だから、「運がいい」と言われる人は、みな、出会いをすごく大切にしています。逆に、「オレは運が悪い」という人は、どこか人とのつながりを大切にしていないように思います。
 先日、ある大企業のトップと話をしていると、「カネボウ(クラシエホールディングスの前身)と言えば、彼だよね」と元幹部の名前が出てきました。酒豪で宴会芸もうまいので、一度会えば忘れられない人です。実は、私にとっても「師匠」と言える存在でした。まったくの偶然でしたが、「つながり」を大切にしてきた彼の姿勢が起こした必然にも思えます。

石橋康哉 クラシエホールディングス副会長 [2018.2.26号]


【感想】

◆基本的に書店売りをしていないので、私たちがあまり目にする機会がないのが、本書のベースとなった『日経ビジネス』です。

冒頭の内容紹介にもあるように、本書はその『日経ビジネス』の名物コラム、「有訓無訓」の中から選ばれた100編とのこと。

ちなみにここ「40年の歩み」のうち、直近30年近くは週刊であり(その前は隔週刊)、そこだけとっても1500回近く連載しているわけですから、かなり選りすぐられていることになります。

登場する方がたも、経済人が中心とはいえ、上記ポイントの5番目の江崎さんのような学者さんやアーチスト、宗教家も含まれている次第。

しかも本来なら、お1人ずつ、1冊ずつ本を出されてもいいくらいのメンツですから、それは中身が濃いのも納得です。


◆ちなみに、上記ポイントでも古いもので1982年、新しいもので2019年ということで、ここだけでも37年という幅の広さを実現。

それだけの期間で、かつ、誌面に登場した時点で名を馳せてらっしゃる以上、すでにお亡くなりになった方もちらほらいらっしゃいます。

また、かなり厳選されているからか、一時的に勢いのあったものの、事業が失敗したり、失脚された方は対象となっていない模様。

たとえばグッド・ウィルの折口さんや、ワイキューブの安田佳生さんといった辺りは、「有訓無訓」には登場されているものの、本書には掲載されていません。

もっとも本書の収録率からいっても、たとえその後も事業を続けていたとしても、選ばれていたかは微妙な気が。

実際、全体的な印象としても、IT系や新興企業よりは、古くから、あり長く続いている企業のトップが大半といったところです。


◆各章ごとに見ていくと、まず第1章は「リーダーシップ」がテーマということで、上記ポイントの1番目の飯田さんほか、サントリーの佐治敬三さん、アサヒビールの樋口廣太郎さん、資生堂の福原義春さんらのお名前が。

「やってみなはれ」で有名な佐治さんが、かつては何かと「それは意味がない」と理屈をこねる「アイデアキラー」だったというのは意外でした。

また吉野家の安部修仁さんのパートでは、BSE事件で米国産牛肉が輸入停止となった際、他社が豪州牛肉で牛丼を売る中、吉野家は豚丼を売っていた理由も明らかになっています(詳細は本書を)。

続く第2章も「経営の要諦」がテーマですから、当然のように経営者や元経営者の方々のみのお名前を見ることに。

上記ポイントの2番目のケーズデンキの加藤さんのお話は、1970年代初めのことなのに、その後も我が国の生産性の低さは相変わらずなのですから、困ったものです。

同じく富士ゼロックスの小林さんの、リコーに顧客を奪われ、経営にTQCを入れた際のエピソードも興味深いものでした(こちらも詳細は本書を)。


◆逆に第3章の「人を育てる」では、初めて経営者以外の方も名を連ねます。

たとえばラグビーの北島忠治さんや、おなじみ内田樹さんのお話は、いずれもマーカーを引きました。

特に内田さんの「新入社員が入社早々に転職を考え出すというのは、配属された職場に、ご機嫌で仕事に熱中している先輩が一人もいなかった、不機嫌に仕事をしている人ばかりだった、ということ」という指摘は、個人的には目からウロコ。

と言いつつも、上記ポイントの3番目として抜き出したのは、三井物産の八尋さんのお話なのですが。

一方第4章のテーマは組織ですから、またもや経営者メンツが中心となっています。

ちなみに上記ポイントの4番目の「ネガティブチーム」というのは、俗に言う「レッドチーム」のことでしょう。

レッドチーム - Wikipedia

こういう本が出ているのですが、私は未読でございます(すいません)。

B01H54TB3A
レッドチーム思考 組織の中に「最後の反対者」を飼う (文春e-book)


◆また、第5章は「イノベーション」がテーマということで、ソニーの井深大さんや、日清食品の安藤百福さんがいきなりお出ましになっています。

ただ、この辺のビッグネームのエピソードは皆さまご存知でしょうから、具体的な製品のお話よりレイヤーを上げている、上記ポイントの5番目の江崎先生のお言葉を選んでみました。

そしてポイントの6番目のお話は、第6章の「私の生き方」からのもの。

さすがに経営トップになるような方は、皆さん出会いを大切にされているようです。

イベントやセミナー等、色々お声かけいただいても、謹んでお断りしている出不精な私には、非常に耳イタイのですが……。

さらに1人も経営者がいない(プロゴルファーの杉原輝雄さんや、赤塚不二夫さん等が登場)、第7章の「人生の哲学」はユニークでしたし、最後の第8章の「日本のあり方」では、弁護士の堀田力先生の「職業を持つ個人でも簡単にできるボランティア活動」は「寄付」というお言葉に深く納得しました。


『日経ビジネス』40年分のエッセンスが詰まった1冊をぜひ!

B07WVQ7PPH
人を動かす最高の言葉
第1章 リーダーシップ
第2章 経営の要諦
第3章 人を育てる
第4章 組織を動かす
第5章 イノベーション
第6章 私の生き方
第7章 人生の哲学
第8章 日本のあり方


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【トヨタ流】『トヨタが「現場」でずっとくり返してきた100の言葉』若松義人(2013年06月22日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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