2020年03月19日
【仕事術】『仕事が速い人は、「これ」しかやらない ラクして速く成果を出す「7つの原則」』石川和男
仕事が速い人は、「これ」しかやらない ラクして速く成果を出す「7つの原則」
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは先日の「未読本・気になる本」の記事の中でも、大人気だった時短系仕事術本。著者の石川和男さんは、「建設会社役員、税理士、大学講師、時間管理コンサルタント、セミナー講師」という5つの肩書を持ちつつ、毎日定時退社しているという「スピード仕事術の達人」です。
アマゾンの内容紹介から。
◆自分の時間を増やしたい人、必読!
◇仕事が速い人と遅い人は、「ここ」が違った!
◆5つの肩書を持つ著者が明かす「賢い『力の抜き方』」とは?
◇ラクして最短最速で成果を出す「7つの原則」を大公開!
なお、中古が定価の倍値近くしていますから、「15%OFF」のKindle版がお買い得です!
Pomodoro technique / lucamascaro
【ポイント】
■1.仕事が速い人は「5秒」で動く!「考えているうちに、行動できなくなる」という現象には、ちゃんと理由があります。それはアメリカのテレビ司会者、メル・ロビンス氏が提唱している「5秒ルール」。
その内容とは人間の脳は「何かをやる必要があると思ったときに、5秒以上考えてしまうと、やらなくてもいい理由を考えはじめる」というものです。
なんと5秒! たったの5秒でその後の行動が決まってしまうのです!(中略)
では、5秒以内に行動に移すためにはどうすればいいか?
答えは簡単。「3、2、1、GO!」と、心の中でカウントダウンするだけ。
大変そうな仕事も、「3、2、1、GO!」で、まずは最初の一歩を踏み出してしまうのです。
返信が面倒なメールも、「3、2、1、GO!」で読みはじめて、さっさと返信してしまうのです。
自分の脳に、先延ばしする言い訳を与える間もなく仕事をはじめることで仕事のスピードはガラリと変わります。
■2.日本版ポモドーロ・「15分間仕事術」
私は月曜日から金曜日まで建設会社の総務経理として働いています。そちらの時間帯でもポモドーロ・テクニックを試してみたのですが、1人のときのようにうまく仕事を進めることができず、続行を断念しました。
理由は簡単です。日本のオフィスでは、25分も仕事に集中し続けたり、勤務中に勝手に5分間の休憩をとることが難しいからです。(中略)
そこで私は、「ポモドーロ・テクニック」の精神を活かしつつ、日本のオフィスでもやりやすいように進化させました。
いろいろと時間を区切り、休憩時間も試してみて、導き出された最適なサイクル。
それは、
「14分間仕事に集中し、1分間休憩する」!
「15 分間」のサイクルが、日本のオフィスでポモドーロ・テクニックを実行するコツです。
■3.会議の「4つの種類」と対応策
●1.伝達する会議文字通り業務内容や方針を「伝達する」ための会議。●2.アイディアを出し合う会議
この種類の会議は、「伝える内容が何であるか」が重要です。
たとえば「会議室の利用方法の変更について」「年末年始の休暇のお知らせ」などを伝えるだけなら、社員を集める必要はありません。メールによる一斉送信で十分です。会議の前半、沈黙が続いて時間を無駄にしたり、会議後に良いアイディアが浮かんだりといったことにならないよう、会議の前に課題について考えてきてもらうと、時間が無駄になりません。●3.決定する会議この種類の会議で重要なのも、参加者に事前に案件を伝えることです。その場で判断を迫ると会議の時間が長くなるので、参加者にはあらかじめ内容を検討しておいてもらいます。●4.誰かが力を見せつける会議この種類の会議は、「本当に、この会議は必要なのか?」を検討するだけで、ほぼなくすことができます。リーダーよりも上の役職の人に、「もっと実務に集中したいので、〇〇会議をなくして、メールで報告するだけにしたい」などと、建設的に訴えるのもいいかもしれません。
■4.「4つの条件」をメンバーと共有する
メンバーたちに、やる気になってもらいたければ、漠然とした「目標」だけではなく「目的」も周知する。そして、具体的な「期限」と「数字」も含ませる。
「目標」「目的」「期限」「数字」の4つをメンバー全員で共有できれば、全員の仕事の速度が上がります。
メンバーが全員同じ方向を向いているから、「ワンフォーオール オールフォーワン」で、突っ走れるようになるのです。
この4つを共有していれば、何かが起こったとき、それが判断基準にもなります。
メンバーが、上司にいちいちお伺いを立てなくても、この4つと照らし合わせて、自ら考えて、まるで各人がリーダーのごとく行動できるようになるのです。
1つの例ですが、ある工場では、よくある「安全第一」という標語の後に、「利益第二」と付け加えて掲示しているそうです。「利益第二」と、あえて2番を掲げることで、工期通りに終わらず焦りそうなときも、利益が出なくて無茶な工程で行おうとするときも、「そうだ、利益は大事だけど、何より安全が第一だ。無茶な段取りで安全を疎かにするのは、やめよう!」と、自ら判断ができるのです。
■5.「緊急ではないが重要な仕事」を終わらせる方法
緊急ではないが重要な仕事」は、やる気にならないと永遠に終わらない可能性があります。だって緊急じゃないんですから。(中略)
先延ばしにしがちなこの曲者は、いったいどうやって行えばいいのでしょう?
答えは、朝イチに行ってしまうのです!
1日のスタートのときに「緊急ではないが重要な仕事」に取り組むことを習慣にする。
行政書士の資格を取りたかったら、朝1時間早起きして、その勉強をする。
30分早く出社して、その時間に会社のビジョンを考える。
いつもより早起きしなければ、もともとはなかった時間です。ですから、他の仕事時間が短くなることもありません。早起きして捻出した「朝時間」は、「緊急ではないが重要な仕事」をやるのにもっとも適した時間だと心得ましょう。
【感想】
◆冒頭で触れたように時短系仕事術本の王道、といった感じの作品でした。正直、まだこのジャンルの書籍を読んだことがない方なら、これ1冊でもいいくらいのテンコ盛りぶり。
逆に、私のように十何年もビジネス書を読んでいる者にとっては、ネタがかぶってしまうのですが、それはまぁ、しょうがないでしょう。
たとえば、第1章では「仕事が速い人の『7つの原則』」と題して、TIPSが紹介されているのですが、「期限を決める」「細分化する」「費用対効果を考える」あたりは、おなじみだと思います(詳細は本書を)。
ちなみに上記ポイントの1番目の「『5秒』で動く」は、そこまで王道ではないにせよ、このテーマで1冊の本が書かれているくらいなので、押さえていただければ。
5秒ルール―直感的に行動するためのシンプルな法則
参考記事:【効果的!?】『5秒ルール―直感的に行動するためのシンプルな法則』メル・ロビンズ(2019年10月31日)
……あれ? この本のKindle版、何のセールか分からないのですが、「50%OFF」で700円弱お得なので、未読の方はご検討ください。
◆続く第2章では、「タスク処理」がテーマです。
上記ポイントの2番目で触れられている「ポモドーロ・テクニック」も、ご存知の方は多いのではないか、と。
実際、当ブログでも、大昔にこんな本をご紹介していますし。
アジャイルな時間管理術 ポモドーロテクニック入門
参考記事:【時間管理術】『アジャイルな時間管理術 ポモドーロテクニック入門』Staffan Noeteberg(著), 渋川よしき,渋川あき(翻訳)(2010年12月19日)
一応、「ポモドーロ・テクニック」の開発者の本はこちらなんですが、私は未読でして。
どんな仕事も「25分+5分」で結果が出る ポモドーロ・テクニック入門
……セールでもないのに、Kindle版は「28%OFF」で、これまた中古よりお得なんですがw
ただし、本書の著者の石川さんは、日本で実践するには「15分刻み」が現実的である、と主張されており、それは確かにそうかもしれません。
もちろん、個室がある方だったり、電話や声かけが少ない部署の方ならば、オリジナルでも構いませんし、臨機応変でお考えいただければ、と。
◆また第3章では、は個人の「時短」にとどまらず、組織としての「時短」にも言及しています。
そして組織で「時短」すべき代表格なのは、上記ポイントの3番目にある「会議」でしょう。
「メールによる一斉送信」や「開催前に検討する」といった対応策は、ぜひとも実現したいところ。
ただ「会議自体をなくす」のは、メンツもかかってる人もいるので、実は結構難しかったりするのですが(体験者談)。
ちなみにこの第3章では、「仕事の遅い人」を7つのパターンに分析し、それぞれについて対処法まで述べられています。
もし部下やアシスタントの仕事が遅いようなら、このパートはぜひご一読を。
◆一方、第4章では「チーム仕事」を掘り下げており、上記ポイントの4番目はここからのものになります。
確かにこの「4つの条件」を共有していれば、上司にお伺いを立てる必要はないハズ。
また、この第4章では、「メール術」についても8つ触れられているのですが、石川さんは時間を決めて「1日4回」メールチェックされるのだそうです。
もっとも、この辺のチェック回数や、常時チェックするか否かは、著者さんによって考え方が別れるところなので、一応ご参考まで。
さらには、石川さんは整理整頓がお得意のようで、この第4章では整理術も登場しますから、こちらも確認してみてください。
◆なお、1つ飛んだ第6章から抜き出したのが、上記ポイントの5番目の「緊急ではないが重要な仕事」のお話。
これはもちろん、あの『7つの習慣』で有名な「緊急度」「重要度」の2軸4象限のマトリックスに関するものです。
「緊急ではないが重要な仕事」が、もっとも大事なのは分かっていましたが、それをやる時間をどう捻出するかについては、類書でもあまり論じてこられなかった気が。
その点石川さんの、「朝イチ」でするために「早起き」せよ、という考え方は、一理あると思います。
この辺はさすがに、資格を複数取り、勉強本まで書かれているだけのことはあるな、と。
効率的に仕事をこなすために読むべし!
仕事が速い人は、「これ」しかやらない ラクして速く成果を出す「7つの原則」
第1章 仕事が速い人の「7つの原則」
第2章 作業効率が劇的に上がる最速「タスク処理」メソッド
第3章 もう仕事を抱え込まない!「コミュニケーション」の秘訣
第4章 1秒でもムダにしない「チーム仕事」が速くなるコツ
第5章 「0→1」を最速で生み出すクリエイティブ思考術
第6章 自分の時間が増える「すぐやる人の習慣」
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【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から。脳が冴える15の習慣 ―記憶・集中・思考力を高める 生活人新書
帯にもあるように、50万部を突破したという、脳ネタ本のハシリとなった作品。
送料を足しても中古の方が数十円お得ではありますが、「299円」というお手頃価格ですから、未読の方はこの機会にぜひ!
ご声援ありがとうございました!
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