2020年03月18日
【スマホ活用!】『東大式スマホ勉強術 いつでもどこでも効率的に学習する新時代の独学法』西岡壱誠
東大式スマホ勉強術 いつでもどこでも効率的に学習する新時代の独学法
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは昨日の「未読本・気になる本」の記事の中でも、一番お求めいただいている勉強本。「ドラゴン桜2 東大生チーム『東龍門』」のプロジェクトリーダーである西岡壱誠さんが、新時代の勉強法について指南してくれています。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
「塾や予備校に頼らず、独力で試験に合格したい」
そう考える人は、受験生にもビジネスマンにも多いと思いますが、実際にはかなりハードルが高いのも事実です。
全部一人でやると時間もかかるし、何が正しいかもわからない。集中力も続かない。 独学がうまくいかないのは、「独り」による弊害を乗り越えられないからです。しかし、スマホを上手に活用すれば、その弊害をクリアして独学で成績をあげるために必要な「5つの力」が簡単に手に入るのです。
本書では、その自身の経験や周囲の東大生たちからの最新情報も踏まえ、誰でも簡単に無理せず独学し、そして成績を上げるためのノウハウを紹介します。
まだ中古が値下がりしていませんから、「16%OFF」のKindle版がお買い得です!
Studying / Antonis Gkekas
【ポイント】
■1.SNSで予言設定する僕はよく、超進学校と呼ばれる開成・灘・麻布高校などの先生や生徒とお話ししてその内情を伺うのですが、こうした進学校で起こっているのは「先生が言わずとも、自主的に勉強することが当たり前になっていて、それが文化になっているので、自然に当たり前に、生徒たちが勉強している状態」です。周りが勉強する人で埋め尽くされていたら、自分の中のナマケモノは鳴りを潜めるというわけです。
とどのつまり、予言設定をすることで、周りをそういう「勉強を頑張っている人」だけにしてしまえば、自分の中のナマケモノを倒すことができるということです。
三日坊主を防止する「みんチャレ」というアプリは、目標が先に決まっています。
「こういうことは最低でもやろう!」というのが決まっていて、それが達成できたと証明できる写真を毎日あげて、あげたら他の人が褒めてくれる仕組みになっています。これも予言と同じです。自分で言ったことを自分で守る。守っていなかったら誰かに迷惑がかかったり、人から指摘されるというプレッシャーがある。その中で頑張るからこそ達成できるということです。
■2.「モノグサ」で効率よく復習する
「モノグサ」の使い方(1) 覚えたい事項(単語や年号などなんでもいい)を入力する。というものです。
(2) どれくらいの時間で覚えたいのか、覚えるまでの時間を入力する。
(3) 勝手にその「覚えたい事項」を使った問題が作られて、そのテストを何度も解いていけば覚えられるようになる。
(4) AIによって難易度や記憶度合いが管理されていて、適切な単語が適切なレベルで出題される。自分はそのテストを受け続けていれば、自然と暗記することができる。
AIが勝手に「覚えるのに適したテスト」を課してくれるというのは本当に素晴らしいことです。
3章でもお話ししますが、自分では、何を忘れていてどういう順番で復習すればいいかなんてなかなかわかりません。しかし、その部分をAIが代替してくれるというわけです。こんなに素晴らしいものはありません。
■3.「メモリー要約」で本質をつかむ
要約というのは、実は勉強において最強のやり方です。「アウトプットにおいて、説明は一番効果がある」という話をしましたが、要約は説明の強化版。
要約とは、「他の人にもわかるように、それでいて文字数を少なくまとめる」という行為です。説明に加えて、取捨選択の要素もあるのです。
一体何が一番重要だったのか? 何を理解すれば、その話がわかったことになるのか?
これを人は、「本質」と呼びます。(中略)
要約とか本質とか、言葉で言うと難しいですが、要するに「一言で言うとなんなのか」という話です。
一言で言いまとめて、それにちょっとした付け加えがあって、それこそが要約になるのです。本質を理解して、そしてそれを他人が理解できるレベルまで落とし込んで「説明」する。説明がなぜ大事なのかについては先ほどお話しした通りですが、その説明のクオリティも、この要約によって上がってきます。
本質を伝える方が相手に理解してもらいやすいですし、自分もより深く理解できるようになるのです。
■4.「できなかった問題アルバム」を作る
(1) 問題を解き、間違えたものの中で「忘れていたから解けなかったもの」を写真(またはスクリーンショット)で撮る。特に「モノグサ」「mikan」「anki」「abceed」などの暗記・勉強アプリは、間違えた問題を可視化してくれます。間違えやすい問題やできなかった問題の集まったページをスクリーンショットしましょう。
(2) 写真を「できなかった問題アルバム」でまとめて、PDFファイル化して本棚アプリの中に入れておくか、ホーム画面からすぐに飛べるようにする。
(3) 定期的に見直す習慣をつける。夜に寝る前やお風呂に入る時・歯を磨く時など、毎日の生活の一部にするのがオススメ。
(4) 一番忘れがちなものは、スマホのホーム画面にしておく。
(5) 覚えたと思ったら、それはアルバムの中から捨ててもいいものとする。
また「スタディサプリ」であれば、確認テストで間違えてしまった問題をスクリーンショットしましょう。これだけでかなり大きな効果があります。
これらに取り組み、「できなかった問題」と向き合う習慣をつければ、忘れそうな物事を簡単に復習することができます。
■5.「メタ視点」で他人のやり方を盗む
まずみなさんにお話ししたいのは、他人のやり方を積極的に知りに行こう、自分のことを「他人」と思って振り返ってみようという話です。(中略)
今、他人のやり方をいい意味で盗めるアプリやサイトというのは非常に多く存在します。
特に「Clear」は「他人のノート」という今まであまりお目にかかる機会のなかったものを見ることができます。
僕も、全然成績が上がらなかった時に、クラスで一番成績のいい友達に「後生だからノートを見せてくれ」と頼み込んでノートを見せてもらい、「こんな風に勉強するんだ!?」「ここに気をつけるのか!」と自分のノートとの違いを知り、そのやり方を真似て成績が上がった経験があります。他人のやり方を真似ることにはそれくらい意味があるのです。
【感想】
◆タイトルどおり「スマホ」を活用する、という点で、ユニークな内容の作品だと思いました。そもそも勉強本の中身というのは、どの本もおおむね似たり寄ったりになるのはしょうがないところ。
特徴を出そうにも属人性が強すぎると、「効果があるのは一部の人だけ」になりかねません(「●回読み勉強法」等)。
そういう意味で、「やり方」を「外部のツール・サービスに求める」というのは、仕事術本ではすでに広まっていたワケで、その「勉強本版」に当たる感じ。
ただし本書は、単なる「アプリカタログ」に留まらず、まず「やりたいこと」があって、それを実現するための「道具」として、アプリやサービスを紹介しているのが良いと思います。
◆まず第1章のテーマは、勉強の「データ化」。
「勉強時間」や「勉強分量」「勉強結果」等を、それぞれスマホのアプリを用いて管理・データ化していきます。
さらに一段レベルを上げて取り組みたいのが、上記ポイントの1番目にある「予言設定」。
「予言」というのは、「自分はこういうことを実現する」という目標(ハッタリ)であり、それをさらに外部に公表することで、自分のなまけ癖を変えていきます。
この辺は確か、『ドラゴン桜2』でも実践されていた気が……と思ってググったらありましたね。
【漫画】#ドラゴン桜2 79限目「アップデート力」|学び方を学べ!ドラゴン桜公式note|note
◆続く第2章は、「アウトプット」がテーマです。
真っ先に思い浮かぶのが、英語のライティングやスピーキングで、これらはアプリが充実しており、本書でもいくつか登場。
また、上記ポイントの2番目で挙げられている「モノグサ(Monoxer)」は、AIを活用して、問題を作成し、復習を管理するという画期的なアプリです。
……私が税理士試験の受験生時代に、こういうモノがあったなら(遠い目)
一方、上記ポイントの3番目にある「要約」も、毎日やった勉強をスマホのメモに記録(メモリーチェック)し、それをひと言でまとめる、というもの。
それをさらにTwitter等でつぶやくことで、相手に伝えることを意識し、勉強に効果のある「他人に説明する」ことが実現できるワケです。
◆もちろん第3章の「リマインド」も、スマホアプリの得意とするところ。
本書で紹介されているのは、アマゾンの内容紹介でも名前が挙がっている「reminDO」です。
reminDO : 忘却曲線に基づいた記憶に残せるメモ/ブックマークサービス
もちろん、上記ポイントの4番目にあるように、「できなかった問題アルバム」を作るのも、スマホなら簡単かと。
……これ、私の受験生時代には「間違いノート」と言って、手で写したり、コピーを取って切り貼りしてたんですよね(再び遠い目)。
もちろん、作る過程で記憶にも残ってたでしょうけど、それより手軽に作成して、何度も見返す(スマホなら毎日の生活の一部にするのも容易)方が、効果は高いと思います。
◆一方第4章は、「仲間づくり」がテーマなので、もちろんスマホアプリ(というかSNS)は大得意。
私は税理士受験の専門学校に通っていましたから、そこで「仲間」はできましたが、独学の方ならSNSでの仲間は心強いと思います。
また、続く第5章で紹介されている「Clear」というアプリは、「目からウロコ」でした。
何でも30万冊を超えるノートを見ることができるそうですから、これはぜひとも活用していただきたく。
「他人のノート」が見れることほど、自分を客観視(本書では「メタ視点」と呼んでます)できることはまずないですからね。
スマホ時代の勉強法を習得するために読むべし!
東大式スマホ勉強術 いつでもどこでも効率的に学習する新時代の独学法
第1章 スマホで勉強を「データ化」する―「客観的思考」を鍛えながら独学する
第2章 スマホで「アウトプット」を最大化する
第3章 スマホの「リマインド力」を活用する―気がつけば、勝手に暗記している
第4章 スマホの中に「仲間」を作る―脱・独学のソーシャル勉強術
第5章 スマホで自分の勉強を最適化する―「知的複眼思考」を使って勉強法を修正する(
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【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から。英文法をこわす 感覚による再構築 NHKブックス
中学受験が終わったムスコには、学校がないのをいいことに、公文で英語の勉強をさせてはいるのですが、今後はこういう英文法本も買うことになるのかも(まだ全然早いですが)。
中古は底値に近いものの、送料を踏まえるとKindle版に軍配が上がります。
ご声援ありがとうございました!
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