2020年02月07日
【読書術?】『頭がいい人の読書術』尾藤克之
頭がいい人の読書術
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事にて大人気だった1冊。著者の尾藤克之さんは、表紙にもあるように「1冊10分でインプットし、30分で記事にする」作業を、10年に渡って続けられてきたのだそうです。
アマゾンの内容紹介から。
議員秘書、コンサルタント、会社役員など、さまざまな仕事を経験してきた、超人気コラムニストが「本・新聞・ネット記事の賢い読み方」を教えます! 誰でもできる読書スキルが満載! 読書を通じて、仕事、人間関係、ライフスタイル、すべてが好転します! 老若男女あらゆる世代に使えて、一生役立つスキル。100年時代を楽しみ、有意義に過ごすために、本書を通じて、読書生活を始めましょう。
上記記事では月末配信と思っていた(そう表記されていたハズ)Kindle版が、すでにリリースされていますから、こちらもご検討ください!
Reading / jepoirrier
【ポイント】
■1.本は全部読む必要はないビジネス書や実用書は、多くの場合、キラーコンテンツ(著者にとって、最も伝えたいこと)を、最初に持ってくる傾向が強いです。
つまり、第1章を読めば、おおむね、その本のクオリティや、内容、著者の主張は理解できることになります。
逆に第1章を読んでつまらない本は、そのあとの章もつまらないことが多いのです。
また、ビジネス書や実用書の場合、
「はじめに」「おわりに」「第1章」を読めば、
内容の7割はつかめる
ことがほとんどです。
「はじめに」「おわりに」「第1章」を読んだ時点で、興味や楽しみ、必要性を感じなければ、途中で読むのをやめてしまってもかまわないと思います。最後まで読むと時間のムダになることが多いからです。
■2.ページの3分の1しか読まなくていい
私の読書術は、読書(インプット)と、出力(アウトプット)の2つで成り立っています。最初に読書(インプット)について解説します。
この方法は、「3分の1リーディング」と名付けています。
ポイントは、
ページの3分の1しか読まない
点です。
ほとんどの本は、ページの上部分の3分の1を読むだけでも、ある程度の内容を理解することができます。
私が本を読むときは、ページの上部分の3分の1程度を読んで、そのまま左に読み進めます。
試しに、この本の下半分のページを隠してみてください。
上半分を読むだけで、本の内容をある程度は理解できるはずです。
もし上半分を読んでも理解することが難しいようなら、隠す箇所を3分の1にしてみてください。先ほどに比べて、かなりの内容を理解できるはずです。
これは、これまでに読んできた文章のパターンを脳が覚えていて、内容を補足しているのです。
■3.マーカー読みで記憶に定着させる
私は、本を汚く読んでペンで書き込むことを推奨していると説明しました。ところが、せっかくマーカーを引いて読んでもそれで終わってしまえば何も残りません。1冊読み終えると読了感に満たされて放っておく人はいませんか?
私がおすすめしたいのは1冊読み終わったあとの、マーカー(ペン)読みです。読みながらチェックした箇所に目を通すだけで定着率が変わると思います。
マーカー読みは線を引いた箇所をチェックするだけです。たったそれだけの作業で、読んで学んだことが整理されてあなたのなかに定着化します。外部の情報を吸収しただけでなく自身の思考を通っているので、より記憶に残りやすいのです。
■4.本に直接書き込むことで頭に残りやすくなる
とくにおすすめなのが、第2章09 でもお伝えしたように、読んでいる本に直接、「自分のコメント」を書き残すことです。
本を読んでいる最中にすぐに書き込むことで、あなたがそのときに感じたことやインスピレーション、考え、アイデアなどを残すことができます。
ノートやメモ帳ならまだしも、スマホやパソコンに書き込もうとすると、整理する間に記憶が曖昧になってしまうことがあります。記憶が新鮮なうちに書き込んでおけば、忘れることはありません。
ここで大切なことは、清書して整理するのではなく、殴り書きで書き込むことです。本が汚くなるくらいにグシャグシャに書き込むことで愛着も湧いてきます。
私の場合は、本の重要だと思うところに、カラーマーカーを引いたり、感じたことや思いついたことを、そのまま本の該当ページに黒いボールペンで書き込んでいます。
■5.読者の心をつかむフックを作る
文章で効果的に伝えるために大切なものが、「フック」です。
最初の100文字。レポート用紙で最初の3行はとくに重要です。この3行で読者の心にフックが掛からないと読んではもらえないからです。
最初に、サマリーを3行(100文字)でまとめてみましょう。自分が読者だと想定して、どのような書き方であれば、心をつかみ、刺激することができるのか考えてみましょう。
3行でまとめるといっても、過剰な書き方になったり、内容がともなわない文章では意味がありません。何を主張したいのかを3行で明確にしなければいけません。
日常的な仕事のなかでも、何を伝えたいのか要点を意識することは大切です。
【感想】
◆当ブログは、自称「書評系ブログ」ということもあって、以前から読書術本については、数多くご紹介してきた方だと思います。その結果、それなりにTIPS的なものも蓄積されていますから、正直な話、どの読書術本を読んでも、少なくとも半分くらいは過去のいずれかの本とネタかぶりはしている次第。
むしろ、半分以上新規のTIPSが登場していたら、その新規のTIPSは属人性が強いゆえ、広く使えるものではない可能性もあります。
そういう意味で、本書の第1章から抜き出した上記ポイントの1番目は、多少の違いはあれど類書でも見かけますから、汎用性は高いでしょう。
なお「目次は?」というご意見もあるかもしれませんが、それは別の部分でフォーカスしていますからご安心を。
◆逆に、個人的に初めて見たのが、上記ポイントの2番目の「3分の1リーディング」。
物理的に上から「3分の1」しか読まないというアプローチ法は、かなり斬新だと思います。
著者の尾藤さんによると、いわゆる「タイポグリセミア現象」を利用したものとのこと。
ただ、そもそも「タイポグリセミア現象」とは、「知らない単語」を脳内で勝手に「知っている単語」とみなして補完するものですから、「知らない文章」の「単語」や「内容」を補完できるとは思えないんですよね……。
とはいえ、理屈はさておき、ぶっちゃけ読めればOK!
本書では「実践編」と題して、実際にページの2分の1や3分の1にモザイクをかけた文章が掲載されていますから、どのくらい理解できるものか、皆さまご自分でお試しください。
◆一方、この「3分の1リーディング」と同じく、本書の第2章から引用したのが、上記ポイントの3番目の「マーカー読み」。
後で「マーカーを引いた部分だけ読む」のなら、Kindleをお使いの方なら、ハイライトの部分だけ表示させれば、てっとり早く代用できると思います。
……レイアウトはぐちゃぐちゃなんですけどね。
逆にKindleだと再現できないのが、第3章から抜き出した上記ポイントの4番目。
尾藤さんは「本に直接書き込む」ことを推奨されていますから、これは紙の本でないと実践は難しいかと。
一応Kindleでも、ハイライトを引いた部分にメモを残せるんですけど、「殴り書き」と言われているくらいですから、ニュアンスが違うかもしれません。
もっとも私のように字が汚いと、それはそれで後から読み返したくはなかったりするのですが。
◆続く第4章は、書籍以外の「ネット・新聞・雑誌の読み方」についてでしたが、こちらはボリュームの関係で割愛させてもらいました(スイマセン)。
そして最後の第5章では、いよいよ「アウトプット」が登場します。
その初っ端で披露されていたのが、上記ポイントの5番目の「フック」のお話。
当ブログでは、その構成上まったく意識したことがなかったゆえに反省しきりです。
さらに3行でまとめるのに慣れたら挑戦すべき、1000〜1500文字でアウトプットする「ライザップ方式物語法」なるものも紹介されていますから、こちらも本書にてご確認ください。
読書好きなら要チェックな1冊!
頭がいい人の読書術
第1章 頭がいい人の読書は何が違うのか?
第2章 本は全部読まなくてもかまわない
第3章 頭がいい人は、読んだら忘れない仕組みをつくっている
第4章 頭がいい人のネット・新聞・雑誌の読み方
第5章 頭がいい人は、本を読んで終わりにしない
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【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」からは、光文社新書を2冊。論より詭弁〜反論理的思考のすすめ〜 (光文社新書)
詭弁術(?)を指南する本書は、中古が値崩れしていますが、送料を加味するとKindle版がお得に。
弁護士が教える 分かりやすい「所得税法」の授業 (光文社新書)
確定申告時期ですから、目を通しておきたい所得税法を扱ったこの本は、Kindle版が実質300円弱、お得な計算です。
ご声援ありがとうございました!
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