2020年02月02日
【SNS系人脈術?】『つきあいが苦手な人のためのネットワーク術』カレン・ウィッカー
つきあいが苦手な人のためのネットワーク術
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事の中でも人気だった人脈術本。タイトルからは予想もつかないほど、SNSの活用法が指南されていて、正直驚きました。
アマゾンの内容紹介から。
働き方改革が叫ばれる現代に必要な、「弱いつながり」のつくり方を徹底指南!
SNSが浸透した社会では内向的な人こそが、質の高いつながりを構築・維持できる。
グーグル社やツイッター社で要職を務めた著者が、シリコンバレーでの長年の活躍から得たノウハウを伝授。
「新しい働き方」のヒントとしても、大いに「使える」一冊。
中古が定価を大幅に上回っていますから、「20%OFF」のKindle版がオススメです!
Social Media Mix 3D Icons - Mix #1 / Visual Content
【ポイント】
■1.有意義なつながりをつくる3つの方法●すぐに共通点を見つける共通点は、あなたを紹介してくれた人かもしれないし、同じイベントに出席しているという事実かもしれないし、同じ業界に属していることかもしれない。どんな共通点であろうと、どんなにささいなものであろうと、会話を始めるきっかけになる。●ストーリーを共有するお互いに自分のことを話すと絆が生まれる。一般的なのは、仕事に就いた経緯や、いまの場所に住んでいる理由などだろう。ただ最低限の話をするだけでなく、パーソナルな情報を少し織り交ぜるといい。あなたが自分をさらけ出すことをどう感じているかが、結びつきの深さを測る基準だ。●今後につながることを見つける会話の途中で、同じ講座を受ける、ブログを始める、来月のレセプションまたは会議に出席するなどといったことがわかったら、あなたは仲間を見つけたことになる。その会話が近い将来、より正式な交渉や協力につながれば、なおいい。
■2.必要のないときからネットワークづくりに取り組む
必要に迫られたネットワークづくりに対する嫌悪感をなくすために、もうひとつ重要なのが、毎日少しずつ実践することだ。つまり、とくに助けがいらないときから行動するのである。私はそれを「ゆるく連絡を保つこと」と呼んでいる。フォローアップや直接会うといった、あらたまった目的がなくても、つながりのある人や新しく知り合った人にときおり連絡を入れる(会うのはかまわないが、ゆるく連絡をとるのにそうしょっちゅう顔を合わせる必要はない)。困っていないときからこれを習慣にしていれば、自分は助けを受ける人ではなく与える人だと思えるようになるだろう。ときに人のために問題を解決できれば、ためらいなく人の力を借りられるようになる。
ネットワークづくりを楽にするための私のアドバイス、それは必要になる前から育てておくこと。いまでは知り合いや知ったばかりの人とゆるく連絡をとりつづける方法はたくさんある。
■3.リンクトインのプロフィール概要は非常に重要
リンクトインのプロフィールに決まったスタイルはないが、できれば会話をするようなトーンがおすすめだ。とくに、プロフィールのトップに表示されるプロフィール概要に使用すると効果が高い。概要は多くの人が最初に見るところなので、これを活用すればあなたがどんな人かを最も手っ取り早くわかってもらうことができる。これまでの実績を上のほうに記載するのもいいけれど、(いやそれよりも)むしろ自分がやりたいことの全体像をまとめたほうがいい。キャリアをスタートさせる、分野を変える、ブランクのあとで仕事に復帰することを目指しているのならなおさらだ。プロフィール概要は、つながりをもちたいと思う人たちに向けて事前におこなう自己紹介の手段だ。仕事の経験が不十分なら、時間をかけて、自分の世界観や、情熱によって世界をどうよくしていきたいか(必須!)を伝えよう。
■4.「1日5回」の自己表現を5日間続ける
25回のすべてがジョーク、ペット、それとも政治情勢だった? あなたが気持ちを表し、行動を起こしたものを見て、人はあなたをどんな人間だと思うだろう? 自分がユーモアやポップカルチャーによく反応するとか、専門的なハウツーに興味をそそられるとか、スポーツの偉業を知るとシェアせずにいられないとか、いろいろな発見があるだろう。このエクササイズは、自分自身を他人の視点で見ることによって、あなたが反応するものが、あなたがなりたい自分を映し出しているかを分析するための効果的な方法だ。(中略)
つまらないエクササイズだと思うかもしれないが、ソーシャルメディアで自分がどんな人に見えているかを把握することは重要だ。たいていの場合はそれが他人があなたに対して抱く印象になるからだ。そしてその印象しだいで、人々があなたとつながりたいと思うか、去って行くかは決まる。それをつくり出すのはあなた自身なのだ。
■5.イベント後のフォローアップ
紙の名刺を集めるか、携帯電話で連絡先の詳細を送るか、手書きのメモを使うかにかかわらず、新しい出会いのあとはすぐにフォローアップする。数日以内に、メッセージを送って次のような目的を果たそう。・相手とつながれたことへの感謝の気持ちを伝える。
・あなたがコンタクトをとりたい理由を思い出してもらう。
・関連する情報(記事へのリンク、履歴書、リンクトインのプロフィール、紹介の申し出など)を盛り込む。
・時間のあるときに返信してもらえるようお願いする(安定した関係を築き、相手が多少なりと力を貸すことに同意するまでは、期限を押しつけないこと)。
【感想】
◆やや地味な装丁(失礼!)の割には、ハイライトを引きまくることになった作品でした。まず、タイトルにも「つきあいが苦手な人」とあるように、著者のカレン・ウィッカーは、自らを「生まれながらの内向型人間」と自称。
ただしこの方、本書のテーマでもある「ネットワーク術」のおかげで、失業中の状態から、できたばかりのGoogleで仕事を見つけます。
ここまでなら、普通の人脈術とあまり変わらないのですが、本書がユニークなのは「内向的性格」と「ITツール」を結び付けたこと。
内向型の人には、重要なことなのに十分に生かされていない武器がある。それは、ソーシャルメディアやデジタル・コミュニケーションを使って、より自然な感じで人々と連絡をとれることだ。オンラインのやりとりをうまく活用すれば、正直なところ、社内外の人々とつながるのはたやすいし、誰かれかまわず話しかけなければならないとおびえる必要もない。かといって、本書で述べられているのは、決して外向型の人が使えないテクニックではないので、ご安心ください。
◆さて、本書は3つの「部」に分かれており、まず第1部はネットワーク全般(「つながり」)についての言及が。
たとえば、本書の第2章から抜き出した上記ポイントの1番目は、主に初対面において相手との距離を縮め、深い人間関係をつくる上で役立つものになります。
これらをうまくできるようになれば、2〜30分ほどで、人との出会いを実りのあるものにすることができる、とのこと。
なお、同じ第2章には「無理のないネットワークづくりの11原則」というTIPSも収録されていますから、興味のおありの方はこちらもご確認ください。
また、上記ポイントの2番目は、第3章の「ゆるく関係を保つ習慣」からのもの。
確かに失業してから急に連絡を取り出すのも、相手からして見たら目的が透けているだけに、日頃からつながりを持っておくことは大事だと思います。
◆一方、その「つながり」を保つ方法が述べられているのが、本書の第2部「オンライン・ツールキット」。
ここでは、転職(求職)に有益なつながりをつくり、保つための、メールやSNSの活用法が、ガッツリ指南されています。
ちなみに、SNSの中でも特に詳しく掘り下げているのが、リンクトイン、ツイッター、インスタグラムの3つ。
とくにこれらに注目したのは、他人と1対1の人間関係を築く義務がなく、それぞれがいわゆる非同期型ネットワークだからだ。3つとも、すでに知っている人たちと非公式につながり、新しい人々を見つけて彼らの投稿や画像、コメントやアップデートを見たり、それに反応したりすることができるよう設計されている。反対に一番の最大手であるフェイスブックは「さまざまな点でふさわしくない」とのこと(詳細は本書を)。
上記ポイントの3番目はリンクトインのパートからのものなのですが、もともとリンクトインは「採用(する&される両方)」を大きな目的としていますから、まさに本書のテーマに沿ったものかと。
他にも活用法が5つほど紹介されていますから、ここはぜひご覧ください。
◆一方、上記ポイントの4番目の「自己表現」とは、自分の投稿だけでなく「いいね」や、ハートマーク、絵文字やコメント付きのリツイートが含まれます。
その「25回の表現」から、「他人」は「あなた」を「どういう人か」を判断する次第。
思い起こせば私自身、ツイートはそれなりに考えて行っていますが、「いいね」や絵文字等までは、気を配っていませんでした(反省)。
言われてみると、確かに「いいね」辺りは、その人の信条や考え方が如実に表れている気が……。
なお、こうした「ソーシャルプロフィール」には、4つの戦略(「オーディエンス」「オープン」「コンテンツ」「カスタム」)があるそうなので、こちらも詳細は本書にてご確認ください。
◆さて、第3部ではふたたび「リアル」でのお話が中心に。
ここは主に「内向型」の人に向けたTIPSが多い感じでした。
もっとも上記ポイントの5番目などは、別に「内向型」「外向型」関係なく、行っておくべきものだと思います。
……まぁ、だいたいの日本人は、アメリカ人から見たら「内向的」に該当しそうですから、そういう意味では、本書自体、ほぼすべての日本人に有意義ではないでしょうか(第2部は特に!)。
そして巻末には大量の原注が付されているという、安心の「科学的自己啓発書」仕様なのもポイント高し。
今から始めておきたい「人脈づくり」の指南本です!
つきあいが苦手な人のためのネットワーク術
第1部「つながり」づくりの要素
第1章 内向型人間の秘めた力を解き放つ
第2章 なぜネットワークづくりが重要なのか
第3章 ゆるく連絡を保つ習慣
第4章 弱い絆の価値
第2部 オンライン・ツールキット
第5章 仕事と私生活を切り分けない
第6章 ソーシャルメディアの活用
第7章 無理のない参加
第8章 (それでも)Eメールはキラーアプリ
第3部 リアルな世界でやるべきこと
第9章 現実世界が手招きする
第10章 雑談のすすめ
第11章 求職活動のポイント
第12章 あなたならできる
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【オススメ!】『共感SNS 丸く尖る発信で仕事を創る』ゆうこす(2019年09月19日)
【編集後記】
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分断がテーマである本書は、Kindle版が1000円以上お得。
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【編集後記2】
◆昨日お送りした幻冬舎さんの「電本フェス 第1弾」で人気のあったのは、この辺の作品でした(順不同)。47都道府県の歴史と地理がわかる事典 (幻冬舎新書)
東芝の悲劇 (幻冬舎文庫)
知識ゼロからの行動経済学入門 (幻冬舎単行本)
私がオバさんになったよ (幻冬舎単行本)
宜しければ、参考まで!
ご声援ありがとうございました!
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