2020年01月24日
【精鋭集結!?】『僕たちは14歳までに何を学んだか 学校では教えてくれない新時代の必須スキル』藤原和博
僕たちは14歳までに何を学んだか 学校では教えてくれない新時代の必須スキル (SB新書)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、現在開催中である「SB新書リニューアル 4周年セール」の中でも人気の作品。おなじみ藤原和博さんが、西野亮廣さん、堀江貴文さん、前田裕二さん、亀山敬司さんの4人に子ども時代の話を聞いて、彼らの成功の秘訣を探った1冊です。
アマゾンの内容紹介から。
先の見えづらい時代「子どもに最低限何を教えればいいのか」「この先、どんな能力を持っていればいいのか」と考える方は多いだろう。本書は、自ら時代を切り開いてきた4人のトップランナーに、子ども時代に学んだことを聞きながら、これからの時代に必要な「頭のよさ」とは何か、情報編集力をどう鍛えるのかを解説。「スマホは何歳から持つべきか」といった疑問にも答える、藤原先生の新教育論。
中古は値崩れしていますが、「400円均一」というセール価格のおかげで、中古よりもこのKindle版がお買い得です!
14 / christopherselac
【ポイント】
■1.他者目線になることが大事(西野亮廣)今、色々な作品や文章を発表しはじめて、藤原先生はじめ色んな人から、僕の言葉の力がすごいとほめていただくことが増えたんですが、何をするときにも、基本的に他者目線になることが大事だと思うんです。
相手の頭の中の言語は何かを考えて、相手の言語で語るような。
それこそ、小さい頃に兄ちゃんとやっていたオセロのような頭の使い方です。
お笑いの世界でいうと、最初はライブのゴングショーからスタートするんですが、そこで自分に与えられている時間は30秒、長くて1分です。で、時間内でウケなかったら、照明ドーンって落とされて終わり。だから、最初の10秒くらいでお客さんの気持ちをワッとつかまないといけない。それをずっとやっていって、勝ち上がっていかないと世に出られないようになっている。
お笑いの世界でそれを体験してきたのは、やっぱり大きいと思います。より短い言葉で、より心に刺さる言葉を選んでいく作業をずっとしなければいけないですから。
よく、大学生や若い人から、「今こんなことをしたい」っていうプレゼンや提案をもらうことがありますけど、やっぱり、みんな話が長いですよね。それ、30秒で言えないかなとか、その言い方じゃ響かへんでとか、しょっちゅう思います。
■2.相手に価値ある体験を提供する(前田裕二)
あるとき、松田聖子さんの「赤いスイートピー」を歌った後に、聞いてくれていた女性が、「『白いパラソル』って知ってる?」と僕にたずねてきました。このとき、「知りません」と言えば、そのお客さんとの関係は、ギターケースに入れてくれる数百円のおひねりで終わったでしょう。そこで僕は、「ごめんなさい、知りません……。だけど、もし、来週の同じ曜日、同じ時間に、ここに来てくれたら、そのときまでに練習してきます!」と約束をとりつけたんです。
そして、そこから1週間、僕は『白いパラソル』を猛練習してマスターし、次の週に来てくれた女性の前で曲を披露しました。女性は、じっと僕の演奏を聴いてくれたあと、1万円札をケースに入れてくれました。
こんなふうに、お客さんとの間に小さい、だけど特別な絆をつなぐことで、そのお客さんにとって価値ある体験を提供できれば、人はお金を払うんだということを学びました。詳しくは、僕の著書『人生の勝算』に書いていますが、僕は、お客さんとの間にそんな関係を築いていくことで、おひねりの額を増やしていきました。
■3.日本とアメリカの消費する文化の違い(前田裕二)
藤原 エンターテインメントの世界は、アメリカのほうが相当規模が大きいよね。それなのに、なぜSHOWROOMのような形式はあまり流行らないんだろう。
前田 その理由は明確で、コンテンツに対して、日本はプロセスを消費する文化だけれども、アメリカは完成形を消費する文化だからです。
日本は、秋元康さんやつんくさんによる功績が大きいと思うのですが、「プロセスこそコンテンツだ」という価値観が主流になってきています。代表的なものはAKBで、アイドル市場だけでも、市場規模は1000億円を超えると言われています。
一方アメリカでは、たとえばオーディション番組を見ていても、圧倒的な技術やパフォーマンス力を持っている人が出てきたときに、はじめてスタンディングオベーションが起きたりする。エンターテインメントの「型」が日本とちょっと違うんですよね。もともと素人だった女の子がグループのセンターを目指して頑張る過程を応援するような「未完成を消費する」感覚が、アメリカのエンタメ市場にはまだ深く根づいてはいないんだと思います。
■4.綺麗な所だけでなくその裏も見ておく(亀山敬司)
今の僕たちの環境では、肉なんてスーパーで売っているものしか見ていないから、原型も知らない。でも、実際にモンゴルで食べたのは、さっきまで生きていて、名前を呼んでいた、あの羊だったんですよね。
そこでは、「生きる」というのが身近じゃないですか。訪れた場所は、はっきり言ってその辺でうんこもしちゃうみたいなところだったから、周りもヤギのうんこだらけ。でも、日本は水洗トイレがあるから、そういうことさえ忘れてしまう。
もう1つ、ここから見えるのは、僕らはスーパーにある肉しか見ていないけど、本当は食肉解体場があって、そこから最後スーパーに運ばれてくるわけです。だから、スーパーのきれいなところだけではなく、その裏も見ておいたほうがいいんじゃないかと思いますね。
これはスーパーだけじゃなくて、どんな仕事にも嫌な面や、大変な部分もたくさんありますよね。でも、そこを誰かがやらないと世の中は回らないんです。金融は取り立て屋がいないと成り立たないし、不動産は地上げ屋がいないと開発できない。そういったことについて無関係だ、自分たちは一流のことをやっているんだ、と思っている人たちもいるわけじゃないですか。
そこは、ちょっと違うんじゃないかな、と思うんです。
■5.共通点は根拠のない自信を持っていたこと(藤原和博)
もう1つ特筆すべき共通点は、「根拠のない自信」を持っていることだ。
未知の世界に、計算が未完で読みきれなくても突っ込んでいくパワーである。
この踏み出す勇気については、僕自身は母親が無条件に愛情を注いだ結果だと語ることが多いが、読者は4人のインタビューから何を感じただろうか。
それが母親でなくてもいいのだが、誰かに無条件に愛された経験は、わからない世界に向かっていく「根拠のない自信」の基盤になっているような気がしてならない。普通の人からすれば、かなり不幸な体験をした前田さんでさえ、お兄さんから無条件に愛されたから、なんとかお兄さんを喜ばそうと努力した。
とすれば、親にできることは2つしかない。
子どもが何かに没入し、集中して向かっていくときに邪魔しないこと。できたら、その突進を応援してあげること。
それと、条件をつけずに(私立の中高一貫校に受かったらとか、東大に受かったらとか、財務省に入省したらというような条件をつけずに)無条件に子どもの成長を見守ること。それが「根拠のない自信」の基盤を作る。
【感想】
◆予想していたより、当ブログ的にも面白い内容の作品でした。まず初っ端の西野さんのマーケティング的才能については、過去のいくつかの本でもおなじみだと思います。
たまたま巻末の参考文献で挙げられているこちらの本を、当ブログではレビュー済みですが。
革命のファンファーレ 現代のお金と広告 (幻冬舎単行本)
参考記事:【超マーケティング?】『革命のファンファーレ 現代のお金と広告』西野亮廣(2018年02月19日)
そのベースとなるのが、上記ポイントの1番目で触れられている、「小さい頃に兄ちゃんとやっていたオセロのような頭の使い方」とのこと。
何でも西野さんとお兄さんの「オセロ論」によると、オセロとは「自分が置きたいところに駒を置くゲーム」ではなく、「相手が『ここに置かれたらイヤだな』と思うところに駒を置くゲーム」なのだそう。
だから、僕が兄ちゃんと対戦するときには、「兄ちゃんの脳みそを一回自分の頭に入れる」っていう作業をするんです。兄ちゃんの目線で、兄ちゃんが置いた駒の配置を見て、次はどこに置こうとしているかを予想して、ここに置かれるとイヤだろうなって場所を先回りして置く。言ってしまえば、他者目線になったほうが勝つんです。そんな形で、幼い頃から「他人目線」を会得していたとは!?
他にもこの西野さんの第1章では、「塾で算数を教えることで、学校で最下位からトップになった話」や、中二の頃「とある目的のため絵画に没頭した理由」(爆笑必至ですが、ネタバレ自重)が興味深かったです。
◆続く堀江さんの第2章は、正直、既知のお話が多かったかな、と……。
実際、やはり本書の参考文献に挙がってるこちらの本に、堀江さんの子ども時代については詳しく紹介されているワケですし。
ゼロ なにもない自分に小さなイチを足していく
参考記事:【オススメ】『ゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していく』堀江貴文(2013年11月03日)
上記記事でも言及しているように、堀江さんのご両親は、少々変わったタイプのようで、堀江さんの子ども時代のお話は「子を持つ親」としては参考にしにくいところ(詳細は本書や上記記事を)。
とはいえ、中学の入学祝にパソコンを買ってもらったことにより、今の堀江さんがあるのですから、そういった「援助」は行うべきでしょう。
実際、藤原さんからの「もし子どもがいたら?」という問いに対しても
親の役割は、見返りを求めないパトロンみたいなものだと思っているので、子どもが「やりたい」と言ったことにお金を出す。ただし、投資家ではないから、リターンは求めない。寄付です。求めてはいけないと。よく「わが子に投資」というけれど、投資するのではなく、あげるんです。と言われてますから、その辺はご両親に感謝されているのだと思います。
◆また、SHOWROOMの前田さんのお話である上記ポイントの2番目のエピソードは、引用にもあるようにこちらの本でも紹介されているそうですから、ご存知の方もいらっしゃったかも。
人生の勝算 (幻冬舎文庫)
私は初めて読んだのですが、上記ポイントの部分だけだと、学生時代の話かな、とか思うじゃないですか。
ところが、これがどうも8歳とか9歳の頃の話らしくて……ってことは、小学生の流しですよ!?
たとえば、自分がサラリーマンだとして、その日会社でいろいろあって疲れていて、帰り道で小学生が歌っている。それを見たときに……とか、いろいろな人の1日のシナリオを考えてみる。一度真剣に相手の立場に立ってみるんです。路上で歌う小学生の自分は、その人にどんなふうに見えるんだろう。何をしたらはっとしてくれるんだろう。その繰り返しだったと思います。ちなみに前田さんは、3歳の時にお父さんを、8歳の時にお母さんを亡くされて、10歳上のお兄さんと二人きりになってしまったのだとか。
それで流しをやっていたなんて聞くと「お涙頂戴」的な話になってしまいそうですけど、その裏では、このような思考をされていたのがスゴイです。
そこで思わず(?)上記ポイントの3番目も、前田さんの章から抜き出してしまいましたよ。
そういえばおニャン子の頃は、プロセスまでは求められていなかったのが、「ASAYAN」以降、この手のフォーマットがメジャーになってきた気がします。
◆さて、本書で注目すべきなのが、第4章に登場するDMMの亀山敬司さん。
亀山敬司 - Wikipedia
今回登場する面子の中で、唯一本を出されておらず、私もネット等での講演会の記事や、たまに流れてくるTwitterの発言しか知りませんでした。
ただ、ご自身の子どもの頃の話や、ご自分のお子さんの話というのは、おそらく本書が初めてかもしれません(ちゃんとチェックしたワケではないですが)。
上記ポイントの4番目の羊の話も、子連れでモンゴルに行った際のもので、現地の人が、名前を付けて家族のように育てていた羊を殺すのを目の当たりにした上のお子さんは、泣いてしまったのだそうです。
また、ポイントの後半での、ビジネスにおける「裏」の部分というのは、亀山さんのビジネスの事を考えると、意味深だな、と。
◆そして、第5章では著者である藤原さんが登場。
章題にある「ナナメの関係」とは、直接の上司&部下や親子のような「タテの関係」や、同期や同級生のような「ヨコの関係」でもない、ビジネス書でいうところの「隣の部の部長」との関係のようなものを指します。
藤原さんいわく、この「ナナメの関係」が、上記ポイントの5番目でも登場する「根拠のない自信」につながってくるのだそう。
ちなみにそのポイントの5番目は、巻末の「あとがきにかえて」からのもの。
ここで言う「無条件の愛」で個人的に思い出したのが、こちらのWebマンガでした(未読の方はぜひお読みください!)。
芸人生活 第三十一話 「母」|チャーミングじろうちゃん|note
もちろん、このポイントの5番目の「親にできる2つのこと」は、私自身も心に刻んでおきたいと思います。
……いずれにせよ、このセール価格だったら「買い」でしょう!
これからの時代を生き抜くお子さんのために読むべし!
僕たちは14歳までに何を学んだか 学校では教えてくれない新時代の必須スキル (SB新書)
第1章 「ない」ものは、自分で作る 西野亮廣
第2章 初のプログラミングの仕事は中学時代に 堀江貴文
第3章 ぶれない戦略家 前田裕二
第4章 人生は移動距離で決まる 亀山敬司
第5章 「ナナメの関係」が人を育てる 藤原和博
終章 「頭がいい」って、どういうことなんだろう?
あとがきにかえて
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【オススメ】『ゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していく』堀江貴文(2013年11月03日)
【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から。フリー麻雀でもネット麻雀でも使える 現代麻雀最新セオリー
麻雀といえば、勝間さんやサイバーエージェントの藤田さんもハマるくらいですから、ビジネスパーソンにも向いているのかも!?
この本は「68%OFF」と値引率が高いこともあり、Kindle版が900円強お買い得となっています。
ご声援ありがとうございました!
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