2020年01月22日
【TIPS5選】『人生を変える単純なスキル』豊田圭一

人生を変える単純なスキル
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、昨日ではなくその前の「未読本・気になる本」の記事の中でも人気だった仕事術本。スキルアップ系の著者として人気だった豊田圭一さんの、5年ぶりとなる新刊です。
アマゾンの内容紹介から。
センスよりスキルを信じよう。世界最先端のリーダーシップを体現する著者が送る、若手社員からプロフェッショナルまで大切にしたい7つのスキル。
中古がやや値下がりしてきましたから、上記記事の時点ではなかったKindle版がオススメです!

Lola's Raised Hand / edenpictures
【ポイント】
■1.必ず手を挙げるこんなことを言うと、「でも、特に質問したいこともないので」と言われることがありますが、いや、そうではありません。そもそも質問しようと思っていないから、質問が思い浮かばないと思うのです。
質問したいことがあるから手を挙げるではなく、最初から「必ず手を挙げる」と決める。
そうしたらどうなるでしょうか?
まず、自分自身にとってすごくメリットがあるのは、会議や講演を聞いている間に「なにか質問はないかな?」と考えることによって、何も考えずにボーっと聞いているときよりも頭がぐるぐるまわって、話の内容がより頭に入ってきます。(中略)
これはあくまで自分自身のインプットのために有効なやり方だと思いますが、それ以外に「手を挙げる」ことのメリットは何かといえば、その1つは講演の登壇者から覚えてもらえること、そして、講演の主催者から感謝されることです。
■2.今日1日を「内省する」
私が実施している研修では、受講生たちに「内省する」という時間を取ってもらっています。研修の最後の時間を使ってやるときもありますが、よくお願いをしているのが、「寝る前に10分でも15分でもいいので、今日1日を振り返って書いてください」というものです。何を振り返るのか? それは次の4つです。(1) その日やったことで良かったこと。できたこと。(客観・事実)この「内省する」というスキルは、自分自身を客観的に捉えて自分自身の意識や人との関係を改善するためにも使えますし、それ以外に「目標を達成する」ためにもとても有効です。
(2) なぜ、そんな行動ができたのだろう?(主観・感想)
(3) その日やったことで良くなかったこと。できなかったこと。(客観・事実)
(4) なぜ、それができなかったのだろう?(主観・感想)(中略)
■3.アイデアは移動距離に比例する
普段の生活の中で、やりたいことや新しいアイデアがどんどん浮かんでくるなんてことは難しいかもしれません。でも、例えば、旅行ではじめての場所を訪れたときに知ったことや触れたことで、「へぇ、そうなんだ。もっと詳しく知ってみたい」と思ったことはありませんか?
なぜなら、新しいことや違いに触れるという経験が好奇心を刺激するからです。だから、その経験のためには移動が必要です。
そして私は、高城さんの言っている「移動距離」とは、単純に場所を移動するというだけではなく、自分とは違う何かに触れるすべてのことだと思っています。例えば、1000年前を舞台にした歴史小説を読んだら一気に1000年の時を移動できますし、何十歳も上の年配の方と話すことだって移動距離を稼ぐことになります。言語や文化、宗教の異なる人と話したらなおさら大きな移動でしょう。
その「移動」が好奇心を刺激し、何かやってみたい! という意識やそこからの行動(実践)につながり、そして、行動した結果、さらに「経験値」が上がるのです。そして、経験することで、さらにもっと別のことを知りたい! やりたい! と別の好奇心が刺激されるというスパイラルです。
■4.当事者意識を持つ
でも、正直に言うと、相手のことを100%理解することは難しいというか、無理ですよね。自分のことだって100%わからないのに、ましてや相手のことなんて。でも、自分だったらどうだろう? と考えることはできます。大切なのは、そうしようとする意識です。自分事と捉える意識です。だから、私は相手との会話の中でも、「私だったら」とか「自分だったら」という言葉を使うようにしています。
その言葉を使うことによって、自分自身も自分事として考え始めますし、相手にしてみたら、自分事として捉えてくれているという気持ちになからです。
人は自分のことを好きな人が好きなのです。まるで自分のことのように、こちらのことを考えてくれている人が好きなのです。でも、それは伝えなければ相手に伝わりません。当事者意識を持っているとか自分事として捉えているのかどうかも、それをちゃんと伝えなければわかりません。だから、伝えるのです、それが「私だったら」とか「自分だったら」という言葉です。
■5.やると言ったことはやる
インド人のビジネスパートナーから、こう言われたことがあります。「これまで何百人もの日本人がインドにやってきて、ここで『何かやりたい』とか、『一緒にやりましょう!』と言ってきたけど、本当にやったのはあなただけだった」何百人はちょっと誇張が過ぎるかなと思っていますが、でも、彼の言葉はあながち嘘ではないでしょう。(中略)
ただ、ということは、どうすればいいのかは自ずと見えてきます。つまり、やりさえしたら信用は上がるということです。そんなに難しいことではありません。やると言ったことはやるということです。
小さなことで言えば、「この件、あとでメールします」と言ったら、なるべく早めにメールするとか。事業を立ち上げるなんて大ごとではなく、ほんの些細なことですよね? でも、これができない人がたくさんいます。びっくりするくらいたくさんいます。
【感想】
◆豊田さんの作品を読むのは、本書が初めてだったのですが、かなり「本音ベース」で書かれてらっしゃる印象を受けました。これが本書に限ったことなのか、他の本もこのようなテイストなのかは分からないものの、結構ぶっちゃけトークのような感じ。
堅苦しい表現が少ないためか、まるでセミナーを聴いているかのような気分になりました。
今回はあまりそういった部分を抜き出していませんけど、あえて言うなら、上記ポイントの最後の最後の方の「びっくりするくらいたくさんいます」なんて表現は、あまりビジネス書では見かけないのではないか、と。
これが何かしらの計算に基づいて、意図的になさっていたら、結構スゴイと思います(考えすぎw?)。
◆一方内容的には、働き方本や仕事術本では「王道」とも言えるTIPSが中心。
たとえば第1章からの上記ポイントの1番目の「挙手」の件は、私も一応意識してはいました。
ただし、私がよく講演会やセミナーに出ていた頃は、「意識高い系」の人が、「それ質問じゃなくて自己アピールだろ」という「質問」をしてひんしゅくを買っていたため、手を挙げること自体がものすごくハードルが高かった記憶が。
また、第2章から抜き出した、上記ポイントの2番目の「内省」のお話は、以前この本でガッツリ学んでおりました。

1日5分 「よい習慣」を無理なく身につける できたことノート
参考記事:【内省?】『1日5分 「よい習慣」を無理なく身につける できたことノート』永谷研一(2016年10月10日)
なお、この「内省」は、第3章の「経験の振り返り」の部分でも登場しますので、ご留意ください。
◆その第3章なのですが、実はもっともハイライトを引きまくった章でした。
まず上記ポイントの3番目では、高城剛さんの言葉である「アイデアは移動距離に比例する」に関する、豊田さん流の解釈が。
世界中を飛び回っている高城さんが、物理的な移動だけでなく、それ以外の移動まで意識されていたかは分かりませんが、このように考えた方が私たちでも「移動距離」が稼げそうです。
さらには「いつからだって遅くはない」と題された節の最後では、「今日は残りの人生の最初の日」で結んでらっしゃいました。
同名タイトルのこんな自己啓発書もあるみたいですが。

今日は残りの人生の最初の日
他にもこの章では、「自分のコンフォートゾーンの外に出よ」なんて大事なメッセージもありますし、ぜひ本書にて直接ご確認いただきたく。
◆続く第4章の「相手を知る」からは、上記ポイントの4番目をセレクトしました。
確かにこちらの悩みを「自分事」として考えてくれる相手の方が、好意的に見てしまうもの。
その「自分事」としている状態を相手に伝えるのが、「私だったら」「自分だったら」という言葉なワケです。
そして最後のポイントの5番目は、最後の第7章からのTIPS。
できないなら、できるような調子のいいことは言うべきではないですし、言ったからには必ずやる、という行動を続けるだけで、どんどん信用されるようです。
「今度飲みに行きましょう」のような「社交辞令」を連発していると、当たり前ですけど信用されないんですね。
ビジネスパーソンの「正しい立ち振る舞い」を学ぶべし!

人生を変える単純なスキル
第1章 すぐやる
第2章 自分を知る
第3章 経験を稼ぐ
第4章 相手を知る
第5章 上手く伝える
第6章 実力を発揮する
第7章 信頼を得る
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【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から。
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少々読む人を選びそうなシステム導入本も、「77%OFF」の「399円」ということで、中古に送料を足した金額よりは、Kindle版がお得です。

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