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2019年11月25日

【教養】『勉強が死ぬほど面白くなる独学の教科書』中田敦彦


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勉強が死ぬほど面白くなる独学の教科書


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事にて

おなじみオリエンタルラジオの中田敦彦さんが、社会人の学び直しについてアドバイスしてくれています。

アマゾンの内容紹介から。
死ぬほど面白く学びながら、大人の教養を身に付けられる中田式独学勉強法6つのルールと、歴史、文学、政治、経済、英語などジャンル別40のコツを教えます!

中古に送料を加味すると定価を超えますから、値引はないもののKindle版もご検討ください!





Study / MC Quinn


【ポイント】

■1.本で学んだ知識を「体感」してみる
 たとえば、僕は『ペンブックス 20 イスラムとは何か。』(CCCメディアハウス刊)を読んだことがきっかけで、実際にモスク(イスラム教の礼拝堂)に出かけてみたことがあります。
 僕が訪ねたのは、東京・代々木上原にある「東京ジャーミイ」という日本最大のモスクです。
 礼拝堂は、とにかく美しくて感動しました。やはり、本を読むだけでイスラムを理解するのと、実際に礼拝堂にまで行くのとでは、感じ方がまったく変わります。
 その後、東京・文京区にある「東京カテドラル聖マリア大聖堂・カトリック関口教会」というキリスト教の教会にも行きました。ここには聖堂があり、ミサにも参加できます。この聖堂は日本人がデザインしたものであり、とても素敵な空間です。キリスト教について勉強するときは、ぜひ足を運んでみてください。


■2.「歴史」を軸に、その他の分野を横展開で学ぶ
 最初に、日本史と世界史を学んで、自分の中で歴史の知識の軸をつくります。
 その次に、歴史の知識を軸にしながら、文学や政治、経済、アートなどの分野に勉強を広げていきます。
 歴史の軸をつくるメリットは、ジャンルを広げていったときに、自分の頭の中で知識を1つに体系立てて整理しやすくなることです。
 歴史と関連付けて学べるので、自分の頭の中に定着しやすくなるのです。
 行き当たりばったりで、いろいろなジャンルに手を付けてしまうと、まったく使い物にならない知識が頭の中に積み上がるだけなので、要注意です。
 また、歴史を学んでおくと、理解力そのものも格段にアップします。
 たとえば、文学作品やアート作品は、作品の時代背景がわかっているのといないのとでは、理解の深さがまったく変わってきます。
 政治や経済についても、現在の視点だけで理解しようとするのではなく、国家や貨幣、法律、憲法、税制度などの歴史を学んでいたほうが、本質的な理解ができるようになります。


■3.「推しメン」をつくって歴史を勉強する
「推しメン」という言葉を聞いたことがない人に簡単に説明すると、好きなアイドルグループの中で、特に大好きなメンバーを1人つくる、ということです。
 アイドルグループの中に「推しメン」ができると、その推しメンをもっと知りたいと思うようになって、自然といろいろ調べるようになります。
 そして、推しメンを中心に、仲の良いメンバーや同期のメンバーへの理解も進み、結果的に、アイドルグループ全体の理解が深まっていきます。
 この原理を歴史の勉強に応用するのです。
 歴史の登場人物をひたすら無機的に覚えるのは苦痛ですし、それでは頭にまったく残りません。
 そこで、1つの時代の中で「この人が好きだ」という人をつくり、その人を中心としたストーリーで理解するようにします。
 推しメンは、坂本龍馬のような誰もが知るスーパースターでなくてもかまいません。むしろ、スターの影にちょっと隠れているような人物を「推しメン」にするのが、個人的にはオススメです。


■4.文学作品は事前に「あらすじ」を頭に入れておく
 まず、いきなり読み始めるのもよいのですが、文学の世界に慣れていない人は、予備知識がないと、読むことに精一杯になって、作品の世界を味わえるようになるまで時間がかかったりします。
 そこで、事前にざっくりとした「あらすじ」だけでも頭に入れておくようにします。そうすると、あらすじを追う負担が減って精神的な余裕が生まれるので、登場人物の心情や場面描写などに目を向けやすくなります。
 あらすじを理解するときに役立つのが、マンガの入門書とネットの情報です。マンガやネット情報の中には、文学作品のあらすじを紹介しているものがたくさんあります。僕が参考にしているのが『必修すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む。』(ドリヤス工場、リイド社刊)、『まんがで読破』シリーズ(イースト・プレス刊)などの本です。先にこれらに目を通した上で、ウィキペディアなどで情報を補足する。そして、最後に作品を読むという流れにすると、スムーズに読み解けるようになります。


■5.選挙に行って「主張」する
 僕が政治について学んだほうがよいと思う内容は、特に難しいことでもなく、ごく基本的な知識です。党利党略などどうでもいいですし、特定の政党や政治家を支持させようとする意図もありません。
 政治は、「国のお金の使い道」を決める作業です。僕たちの家計をやりくりするのと本質は一緒です。
 つまり、「選挙に行かない」ことは、自分が住んでいる国の「お金の使い道」について「何も主張しない」のと同じなのです。
 選挙に行かない人が増えると、相対的に、選挙に行く層の声が政治に反映されやすくなります。当然、選挙に行かない層が割を食うのは目に見えています。(中略)
 権力者にとって最も理想的な状態は、選挙権を持つ人の多くが「政治はわからないのでお任せします」と全権を委任することです。自分を支持してくれる層以外の人にはできるだけ選挙に行ってほしくはないというのが彼らの本音なのです。
 権力者にしてみれば、「今の政治に対する抗議として、私は選挙に行かない」と話していたコメンテーターは、むしろありがたい存在でしょう。


【感想】

◆昨今の「教養ブーム」(当ブログにおける)の流れに乗って、紹介してみた本書。

その序章では、著者の中田さんが「教養系YouTuber」になったいきさつが語られています。

中田敦彦のYouTube大学 - YouTube

まず最初にベンチマークしたのが、当ブログでもおなじみのメンタリストDaiGoさん。

ただしコンテンツの内容や視聴者層の違いから追随するのはあきらめ、次にチェックしたのが、より「教育系」に近い、ヨビノリたくみ先生と、ムンディ先生のお2人でした。

予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」 - YouTube

Historia Mundi - YouTube
 たくみ先生とムンディ先生は、それぞれ歴史と数学の高い専門性を持った、いわばスペシャリストです。お笑い芸人の僕が、彼らと同じように「専門性」という土俵で勝負したとしても勝ち目はありません。
 そこで、僕は自分がお笑い芸人であることを最大限に活かせる「YouTube×教育×お笑い」をコンセプトにした、短時間で楽しくザッと学べる「エクストリーム授業」を思い付いたのです。
なお、このお2人と中田さんは、本書にてそれぞれ対談も行っていますので、そちらもご確認を。


◆続く第1章では「中田敦彦式、独学勉強法6つのルール」と題して、読書を中心とした中田さん流の勉強法が指南されています。

上記ポイントの1番目も「本で学んだ知識を『体感』してみる」というのもその中の1つ。

私は会社員時代に、なぜか中近東に出張したことがあるので、どでかいモスクを間近で見たことはあるのですが、中に入るとそんなにキレイなんですね。

ググったところ、実際に見学された方のレポートがありました。

平日もOK!東京ジャーミイの見学に行ってみた!美しきモスクの見どころと行き方を解説 | 進め!中東探検隊

さらに上記ポイントの2番目の「『歴史』を軸に」というのも、この第1章から。

確かに「縦軸」として「歴史」を押さえておくと、地理や経済、政治はもちろん、文化等の他の分野とのつながりも深く理解できると思います。


◆一方第2章からは、具体的な科目ごとの独学勉強法のアドバイスが。

まず第2章は「歴史」なのですが、上記でも重要視していただけあって、最もボリューミーになっています。

上記ポイントの3番目もこの第2章からなのですが、ちとマニアックな勉強法かも!?

なにせ中田さんの「徳川将軍」の中における「推しメン」は、11代将軍・徳川家斉なのだそうです。

徳川家斉 - Wikipedia

どの辺が気に入った(?)のかは本書を読んでいただくとして、このように「推しメン」ができると、興味の対象がどんどん広がり、広範囲に詳しくなれるとのこと。

他にも「世界史→日本史の順に学ぶ」「歴史上の人物にキャッチコピーを付ける」「12個の覚えるべき日本史の年号」辺りも、この第2章では要チェックだと思います。


◆また、第3章では「文学作品」に挑戦。

上記ポイントの4番目の「あらすじ」を先に押さえておく、というのは、文学好きの方から見たら、ある意味「邪道」かもしれません。

ただ、難解な物語だったり、読むのが苦痛なほど長い作品であれば、それもまたアリかと。

この第3章では、他にも「『作者の生涯』から作品のテーマを読み解く」というTIPSも腑に落ちました。

確かに、作者のそれまでの人生が作品に反映される、というのは、当然のことでしょう。

ただし、本書でカバーしている文学作品は、いずれも日本文学なので、一応ご留意を(中田さんの趣味?)。


◆そして第4章では、「政治・経済」についても言及しています。

特に上記ポイントの5番目の選挙のお話は、若い世代の方には、心していただきたいところ。

ちなみに、同じ節の冒頭で「テレビには、政権への忖度がある」なんて、サラッと書かれてるんですけど、これは大丈夫なんでしょうか?

さらに最後の第5章は「英語」なのですけど、中田さんは、英語学習をテーマにしたセカンドチャンネルを開設したのだそうです。

#001 中田敦彦の2nd CHANNEL ゆるやかに始動 - YouTube

他の章との兼ね合いで(TIPSも最少ですし)、ここからは特に抜き出しておりませんが、気になる方は上記チャンネルもチェックしてみてください。


「大人の教養」を身に着けたい方に!

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勉強が死ぬほど面白くなる独学の教科書
序章 勉強の「面白さ」を伝えたい
1章 中田敦彦式、独学勉強法6つのルール
2章「歴史」の独学勉強法19
【特別対談】「歴史」の勉強に革命を起こせ! (中田敦彦×ムンディ先生)
3章 中田式「文学作品」の読み方 7
4章「政治・経済」の独学勉強法 9
5章「英語」の独学勉強法 5
【特別対談】「数学」の勉強に革命を起こせ! (中田敦彦×ヨビノリたくみ)
【巻末付録】中田敦彦の「大人の学び直し」オススメ本リスト


【関連記事】

【知的生産術】『知的戦闘力を高める 独学の技法』山口 周(2017年11月17日)

【独学術?】『新・独学術―――外資系コンサルの世界で磨き抜いた合理的方法』侍留啓介(2017年06月20日)

【英語学習】『日本人のための英語学習法』里中哲彦(2019年11月18日)

【勉強法】『東大No.1頭脳が教える 頭を鍛える5つの習慣』水上 颯(2019年09月10日)

【事典】『教養は「事典」で磨け ネットではできない「知の技法」』成毛 眞(2015年08月18日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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なぜ崎陽軒のシウマイは冷たいのに売れるのか?

中山マコトさん久々のマーケティング本は、Kindle版が300円弱お得。

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紀州のドン・ファン殺害 「真犯人」の正体 ゴーストライターが見た全真相 (講談社+α文庫)

『紀州のドン・ファン』シリーズの結末本(?)は、中古が値崩れしていますが、送料を足すとKindle版がお買い得となっています!


【編集後記2】

◆今日の本との絡みでご紹介したいのが、こちらの小学館さんのセール。

Amazon.co.jp: 2019 冬もぴっかぴか小デジ!感謝祭 (11/28まで): Kindleストア

さすが元が学習本中心の版元さんだけあって、この辺の本がお買い得となっています。

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0才から100才まで学び続けなくてはならない時代を生きる学ぶ人と育てる人のための教科書

B01MQQBVJ2
池上彰の世界の見方 中国・香港・台湾

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池上彰の世界の見方 中東〜混迷の本当の理由〜

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すべては導かれている〜逆境を越え、人生を拓く 五つの覚悟〜

参考記事:【叡智】『すべては導かれている〜逆境を越え、人生を拓く 五つの覚悟〜』田坂広志(2018年06月17日)

中田さんの本と合わせてご検討ください!


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