2019年11月23日
【目標達成】『計算ずくで目標達成する本』伊庭正康

計算ずくで目標達成する本
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、現在開催中である「大量半額!!秋の大感謝祭」の中でも人気の1冊。当ブログでも著作を何冊かご紹介している、伊庭正康さんの「目標達成本」です。
アマゾンの内容紹介から。
目標達成は、根性論ではなく計算。大きい数字を細かく砕き、それを達成するために何をどうしたらいいか、緻密に計画を練る。その計画通りに実行していけば、確実に目標は達成できる。
「数字より感覚」で、これまで仕事をしてきた。それでも実績を出していたが、そろそろ厳しくなった。上層部との会話にも、数字が求められる。チームのメンバーの目標も数字で管理しなければならない…。もっと数字を見て、「計算ずく」で仕事をしていかなければ。リクルートで社内表彰40回以上。「目標達成志向」をたたき込まれた著者が、計算ずくで目標を達成する方法である「3ヵ月クォーター制」をイチから伝授。
中古がそれほど値下がりしていないため、送料を加算するとKindle版が600円弱、お買い得となります!

gregor-salesman / CityCaucus
【ポイント】
■「3カ月クォーター」で目標を設定する目標を「計算ずく」で達成するために重要なこと。それは、
「3ヵ月ごとに目標を設定する」ことです。
3ヵ月とは、1年を4つに割った月数です。これを「クォーター(四半期)制」と言います。多くの会社で導入されており、私がいたリクルートでは目標も人事評価も、すべてクォーターで動いていました。
あなたの職場での目標は、何ヵ月単位で設定されていますか?
職種によっては1年間の目標のみ、ということもあるでしょう。営業の場合、その1年間の目標数字を12で割って各月に割り振る、月間単位の目標のことも多いと思います。
まず、1年単位の目標だけでは長すぎます。
手抜きが起こる可能性を否めないからです。(中略)
一方で、1ヵ月の月間目標だけでは短すぎます。
「短視眼」的になってしまい、「できたのか」「できなかったのか」、そんな進捗のPDCAしかできないため、目先の結果だけを追い求めることになりやすいのです。
そこで、多くの会社で導入するのが、3ヵ月単位のクォーター制です。
■2.振り返りの機会を持つ
気休めの目標にしない方法があります。決めっぱなし、やりっぱなしにせず、「振り返り」の機会を持つことです。
具体的には、次の2つを行います。・普段から、週に1回(できれば毎日)進捗状況を確認する機会を持つ振り返りの機会を持つからこそ、「まずい! 来週の対策はどうしよう」と次の目標へのコミットが醸成されるのは、想像に難くないでしょう。
・そこで、できたこと、できなかったこと、次の課題を確認
振り返ると、私が担当してきた部署でも、営業職は2〜3日に1回(面談ではなく、ミーティングで)、内勤職で1ヵ月に1回は必ず面談で確認をしていました。
個人レベルでは毎日、日々の進捗を振り返っていました。
今思うと、目標が形骸化したことがなかったのは、このためでしょう。
実際、目標へのコミットの高い会社は、必ずこれらをやっています。
■3.「ここまでやる」の徹底レベルを高める
「徹底します」と、会議で飛び交うことはないでしょうか。
人、職場によっても「ちゃんと実行する」には、かなりのレベル差があるものです。
実のところ、「徹底=できる範囲でがんばる」の意味で使っている人は少なくありません。
でもこれは、徹底ではありません。
「徹底=あらゆる手段を使って、決めた状態に必ずする」ことだからです。(中略)
「日経ビジネス」(2014.6)に、メーカーの担当者のこんな声が掲載されています。
「(セブンイレブンは)他のコンビニと比べると徹底度がまったく違う。ある商品を推奨することが決まった場合、95%の店舗に入る。他のチェーンよりも常に10ポイント以上高い」と。
私も3大コンビニの取材を行ってきましたが、オペレーションの徹底度はダントツでした。オーナーとSVの会話も、オペレーションを中心に行われている印象でした。
徹底レベルを高めることで、凡事が非凡事となり、それが競合優位性になるのです。
■4.どうしても未達成のときは「負け方」にこだわる
もちろん、いくらがんばっても、未達成になることもあるでしょう。
どうしようもないときは、「正しい負け方」 にこだわってほしいのです。
「負け」を改善のチャンスととらえ、連敗しないようにできるからです。
もし今、あなたが目標をはずしてしまいそうなら、終わったときを想像し、次の設問でチェックしてみてください。【正しい負け方のチェック】ここまでやりきれば、未達成も成長のきっかけになります。
□ 最後の最後まであきらめなかったか?
□ あらゆる対策を「自分なりに」考えつくしたか?
□ それでも難しかった場合、「せめて、ここまではやる」といった自主目標を設定し、その目標はクリアできたか?
□ 敗因を考えたか? そして、次の対策につなげられたか?
■5.本気でコミットしているか、自問する
最初から「おもしろい仕事」があるわけではないのです。
ただ結果にコミットし、そのために自分なりの工夫をし、結果を出すことができれば、「いいね」「さすが」「ありがとう」とのフィードバックをもらう。
すると、ますます仕事がおもしろくなる。これが「おもしろい」の正体ではないでしょうか。
そう考えると、仕事をおもしろくするゲームをしているようにも見えてきます。
一方で、自分に合った仕事がないと言う人がいます。
上司が苦手と言って、転職する人もいます。
でも転職したところで、理想の職場と出会える確率は低いもの。
「宝」を探し続けるより、どんなことも「宝」だと感じられる人のほうが、幸せな人生を送れることは間違いありません。
単調な作業でも、おもしろくすることができます。
もし辞めたくなったら、その前に本気でコミットしてきたかを確認したほうがいいでしょう。
【感想】
◆なるほど「リクルートの強さ」を改めて思い知ることになった作品でした。さすが著者の伊庭さんは、「リクルートで社内表彰40回以上」というのもうなずけるところ。
とにかく目標から逆算した、締め切りごとの数値を達成することに迷いがありません。
1つには、伊庭さん含め、リクルートという会社に入る人材自体が、独立心が旺盛で、いずれ自分が経営者になると思っており、物事の考え方や視座も「経営者」に近いからではないか、と。
これが会社にぶらさがって、楽してお給料をもらおう、なんて思っている人だったら、「ブラック企業」と言われかねない働きっぷりです。
◆その目標となる対象期間は、第2章から抜き出した上記ポイントの1番目にあるとおり「3カ月」。
さらにその具体的な数値の決定については、1年の目標を4等分するのではなく、「前年の動向」を参考にすべし(通常は対前年比プラス10%とのこと)!
もちろん、前クォーター比の観点からも考えて、対前年比が5%だとしても、直近で30%伸ばせると考えれば、そちらを優先するのだそうです。
また、続く第3章のテーマは「振り返り」であり、それを踏まえて引用したのが、上記ポイントの2番目。
これはいわゆるPDCAでいうところの「C(チェック)」に該当するものであり、こまめに振り返ることが大事なようです。
またこの第3章では、「ヨミ表」というリクルート独自の管理ツールを用いた「ヨミ管理」というやり方も紹介されていました。
これは簡単にいうと、案件の金額それぞれに受注確度をかけて数字を集計し、目標達成の目途を立てる手法らしく(詳細は本書を)。
本書には具体的な「ヨミ表」のサンプルも掲載されていますから、ご自分で作られてもいいかもしれません。
◆さて、こうして立てた目標に対して、どこまで徹底的に立ち向かうかというと、本書の第4章から抜き出した、上記ポイントの3番目をご覧ください。
「徹底=できる範囲でがんばる」ではなく、「徹底=あらゆる手段を使って、決めた状態に必ずする」とバッサリです。
まずこうした「心構え」を確認したうえで、本書ではさまざまなアドバイスをしてくれています。
たとえば「パワーを分散させない取捨選択の基準」という部分では、「成果が上がる/上がらない」と「やらないとリスクあり/やらなくてもリスクなし」の2軸4象限で、行動を分類。
さらには「行動量の多い/少ない」「相手軸/自分軸」の2軸象限の分類でも、行うべき行動を示しています。
この第4章は、本書の中でも当ブログ向きだと思いますので、書店で立ち読みする場合はぜひご確認を。
◆ところでこのように妥協なく目標達成に向けて頑張っても未達成になりそうだったらどうすべきか?
本書の第5章では、こうした土壇場で取るべき行動について指南。
「取引のなかった業界にアプローチする」等々、逆転劇に向けたヒントが色々と挙げられています。
「会う相手を変える」
「いつも以上に、ムダな時間を取り除く」
「外部リソースを借りる」
ただしそれでもダメだったら、上記ポイントの4番目をご覧アレ。
……なるほど、ここまでやらないといけない模様。
とにかく、たとえ未達成だったとしても、翌クォーターでの連敗だけは食い止める必要があるのだそです。
◆一方、1つ飛んだ第7章では、「目標達成力が人生もポジティブにする」という章題どおり、やや自己啓発テイストな内容が登場。
本書によると、目標にコミットしていると、「GRIT(グリット)」を高めるトレーニングにもなるのだとか。7
確かにこれだけ「目標!目標!」言われていたら、GRITも鍛えられそうです。
そしてこの章から抜き出した上記ポイントの5番目は、類書でも言われている内容に近いかと。
ただし本書の特徴は、「本気でコミットしてきたか」を確認させるところにあります。
結局、「本気でコミットしていない人」にとって、仕事は面白くはならないし、いくら転職しても解決はしないんですね。
目標達成したい方なら要チェックな1冊!

計算ずくで目標達成する本
第1章 毎期の目標、ただの「努力目標」になってませんか?
第2章 達成できるかは目標の「立て方」で9割決まる
第3章 正しい「振り返り」で最短距離の勝ち筋を見出す
第4章 何が何でも数字をクリアする「実行力」を高める
第5章 負けそうになったら、そこからが「見せ場」
第6章 チームの目標を確実に達成させる方法
第7章 目標達成力が人生もポジティブにする
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【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から。
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