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2019年11月22日

【知的生産】『知識を操る超読書術』メンタリストDaiGo


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知識を操る超読書術


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事にて当然のように人気を博した読書術本。

おなじみメンタリストDaiGoさんが、エビデンスベースの読書術について指南してくれています。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
速読よりも熟読を、良書よりも悪書を、新刊よりも古典を…「知識の最大化」を人生のテーマを掲げ、毎日10~20冊の本を読む、著者の読み方を徹底解説!
本書のテクニックを学べば、モチベーション、集中力、記憶力、理解力、アウトプット力…、いつもの読書の質が上がります!

中古が定価を大幅に上回りますから、お得なKindle版がオススメです!





speed reading / pfig


【ポイント】

■1.世界最先端の研究でも、速読は否定
 2016年にカリフォルニア大学の研究チームが過去145の研究データから「速読は可能なのか?」を調べ、次のような結論を出しています。
■ 読むスピードを上げると、読んだ気になるだけで内容の理解度はむしろ下がる(理解とスピードはトレードオフの関係にある)
■ 読書のスピードと時間を決める要素の中で、目の動きや周辺視野が占めるのは10%以下しかない
 つまり、テキストを写真のように眺める手法にはほぼ効果が認められず、速く読むことに特化した読書法では本の内容のほとんどが頭に残らないというわけです。


■2.本を読む前にメンタルマップを作る
 本を読む前の準備として、最もシンプルで効果的な方法が「メンタルマップ」を作ることです。メンタルマップとは、 自分の人生の目標や行動を箇条書きにして視覚化したもの。その効果は文字通り、読書中に迷子にならないよう「地図(マップ)」 を示してくれることです。(中略)
書き方は、シンプルです。最初に、
「なぜ、この本を読もうと思ったのか?」
「この本から何を得たいのか?」
「読んだ後、どういう状態になりたいと願っているのか?」
 など、本と向き合う前に抱えていた問題、持っていた関心、興味を自分への質問として、思い起こします。
 続いて、その質問に対して3つの答えを書き出していきましょう。(中略)
 このように書き出したメモは、 本の間に挟むないしは、スマホのメモ機能に登録して、読書の間、身近に置いておきます。 本の 栞 や表紙の見返しの部分に書き出すのもいいでしょう。そして、読んでいてよくわからないところに出くわしたとき、集中力が途切れたと感じたとき、読むのが面倒になってきたときにメモを見返します。すると、原点を思い出せます。


■3.論理構造を絵でイメージする
 私は「科学的に根拠のある記憶力をアップさせる方法はないだろうか?」と思い、記憶力についての論文をいくつか読んでいました。すると、カリフォルニア大学の研究チームが発表した論文に興味深い記述を発見。その情報を次のように要約し、整理しました。
 ここでは、このように「前提、解説、結論」をひとまとめにしたものを論理構造と呼びます。イメージとしては、マンガの吹き出しのように論文や本を読みながら、「前提」「解説」「結論」を物体としてイメージして頭の中でまとめていきます。
 自分が本に求めていた目的を「前提」として、読んだ内容に含まれていた役立つ情報を「解説」として取り出し、誰かに話す状況を想定しながら「結論」として要約するのです。
 その後、私はマインドマップ(情報や思考を整理するためのツール) に書き出し、空いた時間に読み返しては内容を記憶に定着させていきます。
 この繰り返しによって、講演の質疑応答で急に質問された場合でも、「それは○○大学の研究チームが行った××という実験があり、△△という結果が出ています」と記憶から自在に引き出すことができるわけです。


■4.「要するに読み」で本の全体像をつかむ
 本を読むときにいきなりじっくり読み込むのではなく、各章を拾い読みしていきましょう。その後、章ごとに「要するに、○○ということが書いてある」とざっくり要約します。(中略)
今、私の手近にあった健康書のページを適当に開き、3章の内容を要約してみます。
「3章は要するに、断食の勧め。その具体的な方法、なぜ免疫力が高まるかの考察が書かれている。既知の内容なので読み飛ばしても可」
 こんなふうに各章をざっくり読んで、自分の言葉で要約していきます。ポイントはほんの1行、短く感想や印象を書き添えること。大げさなぐらい感情を込めてください。細かい事例やエピソードは読み飛ばしてかまいません。もしかしていいことが書いてあるかも……と不安に感じるかもしれませんが、勇気を出して切り捨てて、「要するに、この章は」とまとめてしまいましょう。
 すると、自分がどこに興味を覚えたか、その章が読むべき内容かどうかなどを判断する材料ができます。その後、各章の要約文を見直しながら、「ここはおもしろそう」「ここは大事だな」と思ったところを熟読すればいいのです。


■5.テクニカルタームで聞き手の心をつかむ
 説明能力と説得力を高める方法は、非常にシンプルです。
 演出として、最初にいわゆる専門用語、テクニカルタームをポンと短めに投げかけましょう。すると、聞き手の頭の中に「その言葉は何だろう?」と疑問が浮かび上がります。
 その答えを、わかりやすい「たとえ」とともに解説。すると、説得力のある発言となるのです。(中略)
 テクニカルタームや「たとえ話」を使った説明能力を鍛えたいならば、専門書をわかりやすく解説している解説書、入門書を読むことをオススメします。
 専門家が一般の人向けにテクニカルタームを解説していますから、どういう言い回しをすればわかりやすく、伝わりやすいのか。どう切り出すと、聞き手の頭の中に「?」を浮かべることができるかが見えてきます。
 そこにわかりやすい「たとえ」をプラスする。これで、あなたの説得力は劇的に変わります。


【感想】

◆DaiGoさんらしい、ユニークな読書術本でした。

本書の第1章から引用した上記ポイントの1番目にもあるように、いわゆる「1分間で文庫本1冊読む」というような速読法をエビデンスベースでバッサリ否定!

代わりに紹介しているのが、同じカリフォルニア大学の研究チームの以下の発言です。
「内容を十分に理解しながら読むスピードを確実に速くする唯一の方法は、オールドファッションな練習しかない。すなわち、大量の言葉に触れれば触れるほど、文章を処理する能力は速くなっていく。種類が異なるさまざまな文章を読みこなす訓練をすることで、私たちはいろいろなタイプの言葉に馴染みが生まれる。その結果、テキストの認知処理スピードが高まっていく」
 ぶっちゃけ「ひたすら読むしかないよ」ということ。

そう言われて私が思い出したのが、以前小飼 弾さんに言われた「0冊から100冊読むのと、1万冊読んでから100冊読むのとでは当然読む速度が違う」というご指摘なワケでして……。


◆かといって、そんなに大量に本読んでいない私たちに対して、DaiGoさんが推奨するのが、速読の手法としてはそれなりに知られているスキミング(拾い読み)という読み方。

ただし、DaiGoさんの場合、選書の時点で本文のみならず、表紙からタイトルとキャッチコピー、帯に書かれた推薦文もスキミングします。

もちろん目次も拾い読みした上で、最後にどこか1つの章(ど真ん中の章が多いとのこと)をチェックし、「興味深い話が載ってる」と感じたら、その本は読んでもOKとのこと。

この調子で本を選び、さらにその本の読むべき個所を絞り込んでいけばいいわけです。

もっとも、スキミングをする上で大事なのが、その本のテーマとなる分野の基礎知識ですから、初めての分野を手掛けるには、基礎知識を仕入れる作業の方が先。

DaiGoさんいわく、「最初は基本となる本、教科書や入門書を読むといい」とのことなので、後半で推薦されるビジネスコミック等も良いのかもしれません。


◆続く第2章では、本を読む前の下準備が3つ紹介されており、上記ポイントの2番目の「メンタルマップ」もその1つ。

これは主に、本を読み進めるためのモチベーション維持に効果があります。
 自分の欲求に素直なメンタルマップができあがると、それは読み進めるのが苦しくなったとき、読む意欲を取り戻す助けとなってくれます。
 この本を読むと、「こんなメリットがある」「こんな学びが期待できる」「こんなふうに自分を変えていくことができるかも」 と、集中力が途切れるたびにメンタルマップで本を読む意義と自分が興味を持った理由を再確認することができるのです。
私は読みやすいビジネス書ばかり読んでいますが、分厚い専門書や苦手な分野の作品を読む際には、こういうツールが効果がありそうな。

また読んだけどいまいち頭に残らない人には「キュリオシティ・ギャップ」が、どの本を読んでも途中で挫折してしまういう人には「セルフテスト」なるものも用意されていますから、こちらも本書にてご確認ください。


◆一方第3章では、本をただ読むだけではなく、その内容を記憶にとどめる手法も伝授されています。

上記ポイントの3番目の内容を含む「視覚化読み」もその中の1つ。

物語(映画やドラマ等も)が記憶に残りやすいのは、状況が視覚化されているから。

それに対して、ビジネス書や実用書は、ビジュアル化できない分、忘れやすくなってしまいます。

そこでその解決策の1つなのが「ビジネスコミック」である、という指摘は、個人的には目からウロコ。

単に分かりやすくさせているだけだと思ったのですが、そういう効能もあるんですね。


◆もう1つの読み方として、上記ポイントの4番目で抜き出した「要するに読み」は、本をざっくり読むにはうってつけの方法です。

上記のスキミング同様、本のどの部分を読むのかを見極めたり、読書スピードを上げる効果が!

ただし、DaiGoさんによると、この「要するに読み」の真の効能は、「内容に優先順位が付けられること」なのだそうです。

なお「大げさなぐらい感情を込めて」というのは、記憶に残すためには大事なことなのだとか。

正直、そういうのはあまり得意ではない方も多いと思いますが、記憶のためならぜひ挑戦を!

さらに同じ第3章にある「しつもん読み」も、割愛したものの効果がありそう。

具体的にどんな質問を用意するかについては、「ハジェテペ大学の研究チームの17個の『効果的な質問例』」が列挙されていますので、本書にてご確認ください。


◆なお本書の第5章では、「読書」自体ではなく、読書によって得た知識を活用する術が登場。

その1つが、上記ポイントの5番目の「テクニカルターム」を用いた説明方法です。

この「テクニカルターム」以外にも、出典やデータがあると説得力が高いとのことなのですが、本書はなぜかDaiGoさんの作品としては久しぶりに、出典等が巻末に収録されていないという。

……DaiGoさんご自身は、空で言えちゃうみたいなのでいいんですけど、できたら載せて欲しかったところです(増税等の絡みでお値段の問題もあるのかもしれませんが)。

もっとも、その巻末には「本書で紹介した本」が掲載されていましたから、深く掘り下げたい方は、こちらをご覧いただければ、と。

以前の当ブログでしたら、嬉々として掲載していたでしょうけど、とりあえずは自重w


ただ読むだけでなく、読んだ本のエッセンスを活かしたい方なら読むべし!

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知識を操る超読書術
まえがき
第1章 読書にまつわる3つのフェイク
第2章 読書の質を高める3つの準備
第3章 理解力と記憶力を高める5つの読み方
第4章 知識を自在に操る3つのアウトプット


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お前らもっと『影響力の武器 戦略編』の凄さを知るべき(2016年07月24日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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「腹ペタ」スープダイエット 作りおきで、かんたん! (講談社の実用BOOK)

これから寒くなりますから、スープでダイエットというのも、なかなか良さそうな。

送料を足した中古よりは、Kindle版が600円弱、お買い得です!


【編集後記2】

◆昨日の「大量半額!!秋の大感謝祭」の記事で人気だったのは、この辺の作品でした(順不同)。

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外資系コンサルが実践する 図解作成の基本

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計算ずくで目標達成する本

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宜しければご参考になさってみてください!


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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