2019年10月04日
【仕事術】『仕事が早く終わる人、いつまでも終わらない人の習慣』吉田幸弘
仕事が早く終わる人、いつまでも終わらない人の習慣
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、今月の「Kindle月替わりセール」でも人気の仕事術本。著者の吉田幸弘さんは、経営者・管理職・一般社員向けに、研修・講演等を年間130回以上行われているというコンサルタントさんです。
アマゾンの内容紹介から。
仕事がなかなか終わらない理由、それは、あなた自身が仕事をどんどん増やしているからです。仕事を手掛ける順番、考え方、判断軸等をちょっと変えるだけで、あなたの仕事時間は急激に減ります。無意識の仕事肥満体質から脱却しましょう。
中古がそれほど値下がりしていませんから、送料を加算するとKindle版が500円弱、お買い得となります!
【ポイント】
■1.メールチェックは50分おきで一般的に、ビジネスにおけるメールの返信の時間は24時間以内でいいと言われています。ただし、締切のあるメールなどは、当然、内容に合わせましょう。
まれに緊急の案件をメールで連絡してくる人もいるので、注意が必要です。
メールチェックは、自分の中で基準(ルーティン)を設けておくといいでしょう。
たとえば、集中力の限界と言われる50分を1つの基準にして、在社している場合は50分おきにメールをチェックするのです。
集中力が切れると仕事の効率も落ちてくるので、メールの返信は気分転換にもなるでしょう。
■2.下の人からも学ぶ
「相談なんてしたら、馬鹿にされるのではないか」と不安に思うかもしれませんが、実は逆です。彼らは彼らで、むしろ頼られている、認められているという承認欲求を満たすことができて、モチベーションを上げます。
聞いてきたあなたに対しても、「自分を認めてくれた人」と好感を持ち、何かを頼んだ時、全力で動いてくれるようになるはずです。(中略)
部下や後輩を、「一緒に仕事に取り組むパートナー」と考えて、対等の関係に位置づけることで、それぞれの得意分野、不得意分野を補い合える、盤石なチームとなって、様々な仕事に取り組むことができます。
得意な分野が増えるため、仕事のスピードもアップします。
上下関係などに縛られず、共に働きましょう。
■3.「作業時間」の前に「思考時間」を確保する
仕事が早い人は、「思考時間」と「作業時間」の2つの時間に分けて仕事をします。
「思考時間」とは、資料作成の全体の構成や流れを考える時間であり、「作業時間」とは実際に入力・作成する時間です。
時間を効率的に使おうと、いきなり入力を始める人が少なくありませんが、これは逆効果です。
思考していない分、ゴールが見えないからです。
5分程度でいいので、パソコンを立ち上げる前に、紙とペンを用意し、企画書の基本構成を、手を動かして考えてみましょう。
これからする仕事(企画書)の設計図をつくるのです。
設計図には、「資料を作成する目的」「読み手はどんな人か」「必要な項目」「ページ数」などを入れます。
ペンを持って紙に書くという手を動かす行為は、脳の活性化という付随効果もあります。
設計図さえしっかりつくれれば、後の打ち込みやグラフの作成などは、すいすい進んでいきます。そんなに時間はかかりません。
パソコンを立ち上げるのは最後にしましょう。
■4.「ECRS」を用いて聖域を疑う
「ECRS」という、業務を効率化する改善策を考えるためのフレームワークがあります。
「Eliminate(取り除く)」「Combine(統合する)」「Rearrange(取り替える)」「Simplify(簡素化する)」の4つの切り口から改善アイデアを考えるフレームワークです。
4つの切り口の中で最初に考えなければならないのは、業務そのものを削除するE(やらなくてもよくする)で、これがもっとも改善効果が高く、続いてC、R、Sという順になります。
「聖域」だと思って当たり前にやっていることについて、「なぜこの業務が必要なのか?」と問いかけてみると、省ける業務や、簡素化できる業務が案外あふれていることに気がつきます。
長い間続けており、今や聖域となっている「毎週やっている1時間の定例会議」を例にしてみましょう。・E(取り除く)……廃止する聖域になっている業務を疑ってみることで、仕事時間を減らすことができます。
・C(統合する)……毎月1回の定例会議にまとめる
・R(取り替える)……テレビ電話で参加できるようにする
・S(簡素化する)……30分で終わらせるようにする
■5.怒りの一時感情をつかんで処理する
感情には、一次感情と二次感情があります。
「怒り」は二次感情です。その裏に、必ず一次感情が潜んでいます。
一次感情とは、「不安」「つらい」「苦しい」「寂しい」「悲しい」「むなしい」などのマイナスの感情です。
最初に何かしらマイナスの感情である一次感情が湧きあがり、その感情が満たされないことで、二次感情である「怒り」が生まれるというわけです。
たとえば、「なぜ期限に遅れるんだ」と部下に対して腹を立てたとします。
この時、怒りの感情の裏には、彼ならきちんと期限に間に合わせてくれると思っていたのに「残念だ」という一次感情が存在しています。
「残念だ」という一次感情が満たされないから怒っているのです。
ところが、たいていの人が、「怒り」の感情が芽生えるとその存在に支配されてしまい、一次感情があることに気づきません。
そのため、「怒り」の感情の元を処理できないままになってしまい、いつまでも「怒り」の感情を引きずってしまったり、かえって膨張させてしまったりします。(中略)
仕事が早く終わる人は、一次感情、二次感情の存在を理解し、「怒り」の感情が芽生えたと感じたら一次感情が何かを把握します。そして、怒りを抱いた相手に、怒っている理由や自分の気持ちを、一次感情を使ってしっかり伝えます。
【感想】
◆本書はいわゆる、時短系の仕事術本なのですが、かなり広範囲な内容でした。それゆえ、この手のTIPSをあまり知らないであろう新人さんから、それなりに知っている中堅以上の方まで、得るモノがあるのではないか、と。
ただ、当ブログ的には、今までかなりの量の類書をご紹介している関係上、ネタかぶりのものは極力割愛させてもらっております。
たとえば「ポモドーロテクニック」ですとか、「PDCAサイクル」「チャンクダウン」等々。
逆に、第1章から抜き出した上記ポイントの1番目の「メールチェック」のタイミングについては、色々な考えがある中で、「50分おき」(あくまで集中力の切れるタイミングですが)というのは、あまりなかったと思います。
だいたいが「(可能な限り)常時チェック」か、「1日に2回程度」のどちらかがほとんどでしたから、なるほどその手があったか、とw
◆続く第2章は、人間関係がテーマということで、上記ポイントの2番目では、ある種の「上下関係」について言及しています。
正直、私の若い頃と比べたら、今のテクノロジーの進化は半端ないですから、その関係で年下に教えを請うのは、全然普通になってきているのではないでしょうか。
また、「年上の部下」という存在も、これからは普通にありえますから、「上下関係」にはこだわらず、「チーム」として成果を上げたいものです。
なお、この第2章では、他にも雑談の重要性や、自分と他人をしっかり分けるお話もありますから、会社勤めをされる方なら、ぜひともお読みいただきたく。
私は会社員時代、他の部署から嫌われたくないがために、不必要な残業をしていたのだな、と今さら思った次第です。
◆一方、第3章では効率を追求しており、仕事の「コツ」に関するお話が多々。
たとえば、全部の仕事を全力でするのではなく、生産性のない仕事は「業務の支障にならない程度に『テキトー』にする」なんてTIPSは、あまり大きな声では言えませんが、仕事の本質を突いていると思います。
また上記ポイントの3番目も、この第3章からのもの。
資料等を作る際に「いきなりPCに向かうな」という話はよく聞きますが、それが「思考時間」のため、という意識は私自身あまりありませんでした。
しかも、仕事が早い人は、この「思考時間」を移動時間やスキマ時間で行っているそうですから、机の前で「いざ!」と腕組みしている場合ではない模様。
他にも割愛した中では、「『海水浴仕事術』vs『山登り仕事術』」という考え方も、なかなかユニークだと思います(詳細は本書を)。
◆そして第4章は、いよいよ「時短」のお話がテーマ。
上記ポイントの4番目の「ECRS」は、大昔に何かの本でご紹介したことがありましたが、復習の意味でも改めて学んでおきたいフレームワークの1つです。
特に最初の「Eliminate(取り除く)」は最も効果的ですから、常に意識したいもの。
この章では他にも「YWT」という、新たに経験した仕事をマニュアル化する際に大事なアクションも紹介されていますから、こちらもお見逃しなく。
最後の第5章のテーマである「感情」は、直接的な仕事の効率化や時短とは関係ないかもしれませんが、たとえば上記ポイントの5番目にあるように「感情」を正しく処理することで、問題を未然に防いだり、大きくしないことができるのではないでしょうか。
実際、イライラして雑念に悩まされたり、人間関係に問題が起きて仕事の成果が上がらないのなら、「感情」をマネジメントすることも含めて「仕事術」と言うべきだと思います。
本書の内容を実践して、仕事を早く終わらせるべし!
仕事が早く終わる人、いつまでも終わらない人の習慣
第1章 仕事が早い人が実践しているムダを減らす時間の使い方
第2章 仕事がうまくまわる人間関係を構築する方法
第3章 さりげなくて非常に効率的な仕事術
第4章 仕事時間が少ないのに結果が出る思考法
第5章 仕事がはかどる感情との付き合い方
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【編集後記】
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ご声援ありがとうございました!
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