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2019年08月25日

【ダイエット】『脳科学者が教える 本当に痩せる食事法』スーザン・P・トンプソン


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脳科学者が教える 本当に痩せる食事法


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事でも注目を集めていたダイエット本。

昨日の日経新聞の朝刊3面に大々的に広告が載っていたのを、ご覧になった方も多いと思います。

アマゾンの内容紹介から。
本当に痩せる食事法とは。糖類と穀粉のかわりに、たくさんの野菜と、必要にして充分な量の脂質とタンパク質と食物繊維をとることで、食後の血糖値の急上昇を抑え、インスリン値を安定させる。

その広告のせいか、中古が定価を大きく上回っていますから、お得なKindle版がオススメです!






Cut Out Sugar From Your Diet / Free For Commercial Use (FFC)


【ポイント】

■1.私たちは脳の限界を超えて食べ物のことを考えている
 被験者は平均して、睡眠や娯楽やセックスやフェイスブックのチェックといった、なんらかの欲求や渇望に、1日4時間も耐えていた。これらの欲求は順位づけされた。人々が耐えるために何よりエネルギーを使っていた欲求はなんだと思われるだろうか。食べ物である。しかも群を抜いていた。それはわたしたちが何より求めるものなのである。わたしたちは脳が耐えられる限界を超えて、食べ物のことを1日何時間も考えている。その欲求はありふれているので、屈しても社会は許容してくれる(仕事をほうり出して映画を観にいったり、同僚とセックスをしたりするのとはちがう──これらもよくある欲求だが)。意志の力だけで減量は可能だとするのが夢物語である理由が、これでわかってきたと思う。


■2.本当に痩せる食事法の「4つの明確な一線」
●糖類
 これは最も重要な明確な一線だ。これがなければ、ほかも効果がなくなる。脳を──ひいては体を──癒やすためには、糖類を抜かなければならないからである。
●穀粉
 糖類とまったく同じで、穀粉の明確な一線が禁じるのもすべての穀粉だ。穀物の種類は関係ない。グルテンも関係ない。関係があるのは表面積である。
●食事の時間
1日3食を決まった時間に──朝食は朝食の時間に、昼食は昼食の時間に、夕食は夕食の時間に──食べるようスケジュールを組めば、自動的に正しいものを食べられるだけでなく、合間にまちがったものを食べるのも自動的に避けられるようになる。
●量
 すすめたいのはデジタルの秤だ。そう、食べ物の重さをはかるといい。ばかげていると思っただろうか。気持ちはわかる。わたしも以前はそう思っていた。重さをはかるようはじめてすすめられたときは、ためらった。こだわりすぎだし、やりすぎだと思った。だから何年も拒みつづけた。そして体重で苦労しつづけた。しかし、試しにはかってみると、驚くほどの心理的な解放感を得られた。


■3.運動しても痩せない
 これは事実だ。運動したところで痩せない。ある研究で、ルイジアナ州立大学のティモシー・チャーチ博士は、464人の閉経後の太った女性を4つのグループに分けた。4つのグループは、最大酸素消費量を50パーセントの強度にした運動を、それぞれ週に平均して0分、72分、136分、194分こなすよう指示された。食事に関しては指示しなかった。6カ月後、運動したグループは、0分の対照群に比べ、体重が少しも減っていなかった。運動量が増えると、体による「埋め合わせ」も増えていた──要するに、運動したせいで空腹になり、意志力も消耗していた。その結果、運動後のラテやマフィンへとサボターがずっと誘いこみやすくなっていた。


■4.食べるものを確約する
 前章で、翌日に食べる予定のものを前の晩にひとつひとつ書き留め、それを忠実に守ることが重要だと述べた。これを1歩進めて、その日に食べるものを確約することをすすめたい。これは単に書き留めることとはちがう。日記帳に書き留めるのは決定のしるしになる。確約はその決定を守るのに役立つ。(中略)
第一の選択肢は、 本当に痩せる食事法 のオンラインサポート・コミュニティ内で確約するという方法だ。(中略)
第二の選択肢は、現実世界でほかの人に伝えることで確約するという方法だ。(中略)
第三の選択肢は、なんらかの儀式を通じ、自分自身や神に対して食べるものを確約するという方法だ。(後略)


■5.他人の食べ物には口出ししない
 最後に、ほかの人の食事に関してひとこと言っておこう。大人の家族や友人の食習慣を心配している人は多い。わたしは大原則としてこうしている。すなわち、親しい人に食生活を変えてもらいたいと思っていて、確固たる理由があったとしても、その話はしない。他人の食べ物には口出ししないということだ。わたしは「自分の皿だけを見つめる」。これは同時に、自分の食べ物には自分が責任を持たなければならないことも意味する。いっしょに暮らしているだれかがこれから料理をするところだとしても、その内容を変えるのは自分の役目ではない。自分の食べ物を料理するのは自分の役目である。「自分の口に入れるものは自分が責任を持つ」。これに尽きる。


【感想】

◆冒頭で触れた日経の広告を目にされた方は、著者であるトンプソン准教授の「ビフォー&アフター」の画像で驚かれたことと思います。

具体的な体重には触れられていないものの、服のサイズでいうと最大で「27号」あった模様。

とはいえ元から太っていたのではなく(7号レベル)、単に甘いもの好きだったのが積み重なり、太目になったところを、無理なダイエット(ドラッグ含む)とそのリバウンドで、さらに太ったりを繰り返していたらしいです。

やがて何度もの試行錯誤の果てに、「糖類と穀粉を断つ」という食事プログラムに出会い、ダイエットに完全に成功。

そこでこのダイエットメソッドを本にすることを思い立ち、心理学と脳科学の要素を踏まえたニュースレターを始めます。

そのニュースレターの購読者が2年で20万人に達したところで、准教授は「『本当に痩せる食事法』ブートキャンプ」なるものをスタートし、研究プログラムとしてその結果を追求。

キャンプ参加者たちは、平均して8週間で8.6キログラム減量していたのだそうです。


◆実際に読んでみて、なかなか好成績なのも納得のメソッドなのですが、とりあえず「ハードコア」。

上記ポイントの2番目にあるように、添加された糖類(果物を除く)と、穀粉(米や雑穀を除く)を断つことが、その中心となります。

とはいえわずかな量であればOKで、本書いわく
商品の 原材料表示欄を必ず読み、最初の3つの材料に糖類も穀粉も記されていないのなら、食べても大丈夫
なのだとか。

……と言っても、甘いものや粉ものはほとんどアウトだと思いますが。

しかも「何を食べるか」だけでなく、「いつ食べるか」「どれだけ食べるか」も細かく指定。

それもこれも余計な意志力を消費することで誘惑に負け、プログラムが挫折することを防ぐためのようです。


◆本書では具体的な食べ方の前に、まず第1部で「脳が減量を妨げる仕組み」を解説。

そのキーとなるのが上記でも触れた「意志力」で、ダイエット本でまさかロイ・バウマイスター教授の名前を見るとは思いませんでした。

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WILLPOWER 意志力の科学

……この本、Kindle化されるの待っていたら、絶版になって中古も5000円近くするのですが(涙目)。

他にも、上記ポイントの1番目を含め、なぜヒトは太りやすいかというお話が、イヤというほど出てきます。

特に現代社会で生活していると、食べ物のボリュームとカロリーがかつてのように相関していませんし、糖類をノンカロリーに変えると、本物の糖類を含むのものを無性食べたくなるらしく……。

さらには「レプチンと視床下部」とか、「ドーパミンの下方制御」といった「脳科学ネタ」も続きますので、ここではベースとなる肥満とダイエットの仕組みを学んでいただく次第です。


◆続く第2部で初っ端に登場するのが、上記ポイントの2番目の「4つの明確な一線」。

4つの項目のどれもに「明確な一線」を提示し、これを厳守することを本書は要求しています。

ちなみにこの「明確な一線」というのは、本書の原題でもあるんですよね。

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Bright Line Eating: The Science of Living Happy, Thin & Free

なお、この「明確な一線」を守った食事法を習慣化させるには、平均で66日かかるのだそう(最短で18日、最長で254日)。

そして実際に習慣化できるまでは、余計なストレスに用心し、意志力を酷使しないよう言われています。

その絡みで、上記ポイントの3番目では「運動」も控えるよう主張しているのですが、ダイエット本では結構画期的ではないか、と。


◆一方第3部では、実際に食べる食材とその重さが提示されています。

新聞広告には、サマリーが載っていましたが、この辺はキリがないので割愛(本書にてご確認ください)。

本書によれば
糖類と穀粉を完全に排除し、野菜をたくさん食べ、必要にして充分な量の脂質とタンパク質と食物繊維を摂取する ことで、 食後の血糖値の急上昇を抑え、インスリン値を安定させて脳を回復させる
仕様になっているようです。

さらに第4部では、レストランや旅行といった、イレギュラーなケースでの対応法も指南。

ただしこの辺は、普段の生活で始めてみて、実践できてからでもいいような気がします(超弱気)。

なお、上記ポイントの5番目もこの第4部からで、こういったストイックな食事法をつづける際、山奥で一人暮らしをしている等でない限りは、意識しておきたいところ。

自分も単なる食事制限だけでも、食事を作るヨメには迷惑をかけていますからね……。


本気で痩せたいなら読むべし!

4344034961
脳科学者が教える 本当に痩せる食事法
第1部 脳が減量を妨げる仕組み
第2部 本当に痩せる食事法
第3部 ロードマップ―ここからはじめよう
第4部 ロードマップ―正しい道を歩みつづける
第5部 目標体重、維持、そしてその先へ


【関連記事】

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【ダイエット】『一生リバウンドしないパレオダイエットの教科書』鈴木祐(2018年08月03日)

【ダイエット】『筋トレビジネスエリートがやっている最強の食べ方』Testosterone(2018年02月26日)

『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』が想像以上に凄い(2015年09月20日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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Posted by smoothfoxxx at 10:00
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