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2019年07月30日

【子育て】『家でできる「自信が持てる子」の育て方―――“自分からつい勉強する”ようになる「あの手」』沼田晶弘


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家でできる「自信が持てる子」の育て方―――“自分からつい勉強する”ようになる「あの手」


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、8月1日で終了する「専門書フェア」の中でも人気の子育て本。

子どもたちに絶大な人気を誇る、東京学芸大学附属世田谷小学校教諭の沼田晶弘さんが、家庭でもできる子育てテクを指南してくださいます。

アマゾンの内容紹介から。
「早くしなさい!」という前に、子どもが自分から動く仕掛けとは?勉強を「やらされるもの」から「やりたくてたまらないもの」にする仕掛けとは?失敗にくじけず、立ち上がる力を作る仕掛けとは?「ダンシング掃除」「勝手に観光大使」“ぬまっち先生メソッド”。

中古が定価を大きく上回っていますから、Kindle版が700円以上お買い得となります!






consumer confidence! / Frederick Homes for Sale


【ポイント】

■1.子どものやる気を根気よく引き出す
 テレビでしか野球を見たことのない子に、「野球をやってみない?」と誘っても渋るかもしれません。
 でも、実際にプロ野球の試合に連れていって、白熱のプレーを目の前で見たり、野球をテーマにした漫画やアニメを見せたりすれば、野球に興味を持って、
「やってみたい!」
 と自分からいい出すかもしれませんよね。
 もちろん、上手くいくこともあれば、いかないこともあります。
 親御さんに必要なのは、お子さんのやる気を引き出すことに、一度や二度失敗したからといって、諦めてしまわない根気強さです。
 何度も、何度も、ありとあらゆる手を尽くし、尽くしたあとにも何かないかと知恵を絞って、お子さんに声をかけ続けてみてください。
「こんな提案をしたら、みんながおもしろがってくれるのでは」
 と思いついたら、ボクはとにかく子どもたちに仕掛けてみて、彼らの反応を確かめます。


■2.子どもが何かを考え、人に伝える機会を作る
 今日、お子さんとテレビを一緒に見ましたか? そのとき、どんな会話をしたでしょうか? バラエティを一緒に見ながら大笑いしたり、ドラマ談義を楽しんだりするのも貴重な時間です。
 でも、ときには意識して、子どもたちが考えるきっかけになるような問いかけをしてみてはどうでしょう。
「どうして、こんな事件が起こったんだろう?」
「どうして今、この商品が売れているんだろう?」
「どうして最近、天気予報は当たらないんだろう?」
 難しいことでなくてもいいので、質問してみてください。
 お子さんが何かを考え、自分なりの意見を導きだして、それを人に伝える機会を作ってあげるのです。
 その意見が正しいとか、間違っているとか、それはさほど重要ではありません。
 それよりも、自分の意見や思ったことをしっかりいえ、人に伝えられるほうが大事です。
「なるほど。そう考えたか。ちなみに、お父さんはこう思うよ」
「よく考えてるなあ。お母さんも納得しちゃった」
 そんなふうに意見を交わし合ったり、ときには話し合ったりすることが、お子さんの考える力を一番伸ばすのではないかと思います。


■3.学ぶ楽しさを知ってもらうために必要な3つのもの
 子どもたちが「勉強はつまらない」と思い込んでしまうのはなぜでしょう。
 本来学ぶことは楽しいはずなのです。知識が増え、考えが深まって、できないことができることに変わっていく。それが学びです。(中略)
 だからボクは、子どもたちに「これをやってみよう!」と提案するとき、学ぶ楽しさを知ってもらうために必要な「3つのもの」を用意します。
 1つめは、「課題」
「やってみよう」と提案するとき、必ず「これから何をやるのか」「どうやるのか」をわかりやすく説明します。
 2つめは、「制限」
「課題」を出すとき、同時に何らかの「制限」をつけるのです。
 できることが限られると、子どもたちは許された範囲でできる最大限のことは何か、どうすればそれをやれるのかと、ワクワクしながら考えはじめるからです。
 3つめは、「報酬」
「課題」を達成したあかつきに、子どもたちが手にすることのできる成果やご褒美について、最初にきちんと提示してあげます。


■4.はじめは「ざっくり」、次第に「細かく」褒める
 お子さんを褒めてあげるときは、手を替え品を替え、何度も何度も褒めてあげてください。
 ただし、先にも書いたように、上手く褒めようと美辞麗句を並び立てたりする必要はありません。
 ただ、ちょっとした褒め方のコツがあります。
 はじめはざっくりと、「すごいね」「上手だね」と褒めるだけで十分です。
 でも、いつまでも同じ言葉で褒め続けると、
「ほんとにわかってる?」
「すごいっていっておけば、いいと思ってない?」
 と疑われそうです。
 ですから、次第により細かい部分に焦点を当て、ピンポイントに上手なところ、上達したところを褒めるようにするのがおすすめ。
 たとえば、漢字が上手に書けるようになったら、
「すごいね」
 と褒め、
「とくにこの字は上手に書けている」
 とさらに褒め、
「書ける漢字がどんどん増えてるね」 (中略)
 と、いつまでも褒め続けてあげてください。


■5.子どもが打ち込んでいることを一緒にやってみる
 もっとがんばってほしい。
 やる気になってほしい。
 お子さんにそう望むとき、口でうるさくいうよりも、まずはお父さん、お母さん自身ががんばる姿を見せたらいいと思います。こういうと、
「仕事でがんばってるんだよ」
 といってしまいがちなのですが、お子さんには仕事がどんなものかわからないし、どれほど大変なのか、どれだけがんばっているのか想像することは難しいでしょう。
 それよりは、計トレに再チャレンジしたお母さんのように、お子さんと同じ土俵に立って、がんばる姿を見せる機会を作るほうがおすすめです。
 難しく考える必要はありません。
 たとえばお子さんが打ち込んでいることを一緒にやってみる時間を作ったり、お子さんがやっている教科書の問題に挑戦してみたりするのもいいでしょう。


【感想】

◆できることなら、数年前に読みたかった作品でした(といっても出版が昨秋ですから無理ですがw)。

というのも、本書には極端な話、中高生やオトナでもある会社の部下にも使えるメソッドもありますが、基本的には小学校中学年以下のお子さん向けのものが中心。

冒頭の内容紹介にある「ダンシング掃除」「勝手に観光大使」(ネタバレ自重)というのも、子どもがノリノリになるのは、そこそこの年齢まででしょう。

一方で小学生でも中学受験を目指している子であれば、親から言われなくとも勉強はしなくてはなりません。

本書内でも著者の「ぬまっち先生」こと沼田さんが、6年生を担任したという記述がないのも、受験をする子のことを考えてのことなのかな、と(実際には担任されているのかもしれませんが)。

と言うより、せっかくの「沼田メソッド」を活かすには、受験するしないにかかわらず、中低学年の方が向いていることは、本書をお読みいただければ、理解できると思います。


◆とはいえ、受験をするご家庭に本書が不要かと言うとまったくそうではなく。

たとえば上記ポイントの2番目にあるような、自分でモノを考えたり、それを表現する習慣をつけることは、某大手塾の父母会でも推奨されていました。

実際、「テレビを観る」という行動は、極めて受動的であり、放っておくと思考停止したままになりがちです。

そこで観終わった後や、途中のCMの時点で、子どもに何か質問すると、「インプットしただけ」の情報が整理されたり、アウトプットするために頭の中で整理される次第。

これは我が家でも以前、ドラマやDVDで映画を観終わった後で、ムスコに「登場人物がどういう気持ちだったか」とか、「どういう意図があったのか」を尋ねたりしたものですが、思った以上に分かっていなくて茫然としたものです。

……国語の点数が悪いワケだわw


◆一方、上記ポイントの3番目は、第3章からなのですが、ここは丸々1つの章を費やして「褒め方」について言及。

ウチのムスコは、いつまでたっても「すごーい!」で満足しているようなのですが、本来はポイントの3番目のように「より細かく褒める」のが良いようです。

また、そもそも褒め言葉をかけるまえに踏んでおくべき「5つの段階」があるそうなのですが、私はまったく意識したことがありませんでした(詳細は本書を)。

ちなみに今回は割愛しましたが、「第三者経由で褒める」というやり方に効果があることは、オトナ向けの褒めテク本でも言われていますよね。

それと気を付けなければならないのが、褒める形をとるにせよ、子どもより優れた友達を引き合いに出さないこと。

親ははっぱをかけるつもりなのでしょうが、子どものやる気には火が付かないので、避けた方が良いそうです。


◆さらに上記ポイントの5番目は、子育て本ではおなじみのお話。

よくあるのが、子どもに「本を読め」と言いつつ、自分が全然本を読んでいないケースで、確かに説得力がありません。

我が家ではムスコが3〜4年の頃は、ムスコと一緒に難しめの算数の問題やクイズを解いて、競いあったりしていました。

それでたまに私ができなくて、ムスコができた時の、彼の鼻の穴の広がりっぷりといったらw

元々ムスコは算数好きでしたが、こうした競い合いや、ファミレスのアイスをかけて毎週のように難問を解かせたことが、プラスになっていれば幸いかな、と……。


お子さんが前向きに変わること必至の1冊です!

B07KC39MY8
家でできる「自信が持てる子」の育て方―――“自分からつい勉強する”ようになる「あの手」
プロローグ
1章 “自分からつい勉強する"ようになる「あの手」
2章 ついつい“夢中になって"続けてしまう「この手」
3章 子どもが“もっと伸びる"褒め方「他人の手」
4章 なんでも“やり抜く力"をつける「神の手」
5章 子どもと“しっかり向き合っていく"ための「あらゆる手」
エピローグ


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【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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必ず書ける「3つが基本」の文章術 (幻冬舎新書)

当ブログでもレビュー済みの文章術本。

送料を足しても中古の方がお得なのですが、数十円の差なので未読の方はご検討ください!

参考記事:【文章術】『必ず書ける「3つが基本」の文章術』近藤勝重(2015年11月28日)


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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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