2019年06月21日
【超時間術?】『時間術大全 人生が本当に変わる「87の時間ワザ」』ジェイク・ナップ,ジョン・ゼラツキー

時間術大全 人生が本当に変わる「87の時間ワザ」
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事の中でも、一番人気だった1冊。当ブログで以前レビューした、『SPRINT 最速仕事術』の著者コンビによる、「時間創出本」です。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
「仕事」「プライベート」「予定法」「習慣術」「集中法」「メール」……徹底した人間心理の理解に基づく画期的な「時間ワザ」87連発!
版元が滅多にセールをしないダイヤモンド社さんですから、すでにお買い得なKindle版がオススメです!

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【ポイント】
■1.毎日に「ちょうどいい目標」を置く「長期目標」と「タスク」のあいだの中間的な活動に集中することが、ペースを落とし、日々の生活を充実させ、時間をつくる秘訣だと、僕らは考える。
長期の目標は正しい方向に進むための指針にはなっても、そこに到達するまでの時間を楽しめない。小さなタスクは仕事をやり遂げるために必要だが、焦点を設定しなければ、時間は忘却のもやのなかであっという間にすぎていく。
「目標設定」の方法については自己啓発の専門家たちが、「タスク管理術」については生産性の専門家たちがありとあらゆる提案しているが、その中間の領域はないがしろにされてきた。
この欠けている部分を、僕らは「ハイライト」と名づけた。
1日の初めに、その日のスポットライトをどこに当てたいかを考えよう。1日の終わりに「今日のハイライトは何だった?」と誰かに聞かれたとき、どう答えられたらうれしいだろう? その日を振り返るときにしみじみ噛みしめたいのはどんな活動や成果、瞬間だろう? それがあなたのハイライトになる。
■2.「やるかもしれないリスト」に全部書き出す
やることリスト問題の僕なりの解決策は、やるべきことを「選ぶこと」と、それを「実行すること」を分離するという方法だ。これを「やるかもしれないリスト」と名づけた。読んで字のごとく、やるかもしれないことのリストだ。
まずは、やるかもしれないこと、つまりやるべきことやできることをすべてリストに書き出す。それからハイライトを選んで、実行するタイミングを予定表に書き入れるという方法だ。
計画をきちんと立てないと、いちばん楽な道を選びがちになる。でも「やるかもしれないリスト」から重要なタスクを抜き出し、それを1日のハイライトに決定し、予定表に書き入れれば、自分の時間の使い方に関して思慮深い決定を下したと満足しながら、目の前のタスクに全力投球できる。
「やるかもしれないリスト」を使うと、仕事や生活の"やること地獄"から抜け出せる。
■3.ホーム画面を「からっぽ」にする
認証、タップ、アプリ! この一連のスムーズな動作は、急いでいるときにスマホに道案内をさせるにはもってこいだが、レーザーモードに入ろうとするときは、注意散漫まっしぐらになる。
ペースを落とすために、ホーム画面をからっぽにしよう。アイコンを全部隣の画面へ(そこからまたその隣へ、またその隣へ……)移してしまおう。
最初に現れる両面rは何も残さず、美しい壁紙だけが目に入るようにする。
ホーム画面を空にすると、スマホを使うたび、ほんの一瞬だが静寂の時間が訪れる。意図的な不便、しばしの小休止。邪魔を一歩遠くに追いやるスピードバンプだ。
ついいつものクセでスマホのコックを解除してしまっても、からっぽのホーム画面を見れば、「自分はいまこの瞬間、本当に気を散らされたいのか?」と自問する瞬間ができる。
■4.邪魔ものを「ツール」に変える
(1)はじめに、それぞれのアプリを「何のため」に使っているのかはっきりさせる。純粋に楽しみのため? 友人や家族と連絡を取るため? 重要なニュースの最新情報を得るため? また、そうした活動を行うことが充実感につながっているかどうかを考えよう。
(2)次に、その活動に毎日、毎週、毎月、どれだけ時間をかけたいかを考える。そして、目的を達成するにはそのアプリを使うのがべストなのかどうか判断しよう。たとえば家族と連絡を取り合うためにフェイスブックを使っている場合、本当にそれがいちばんいい方法だろうか? 電話をかけたほうがよくはないだろうか?
(3)最後に、目的を達成するためにアプリをどう使うかを考える。たとえば、ニュースを読むのは週1回にする(戦術25)、メールチェックは1日の終わりまで待つ(戦術34)、フェイスブックは赤ちゃんの写真を共有する以外には使わない、など。方針を決めたら、本書のあらゆる戦術を使って、それ以外の時間や状況でのアクセスを制限し、計画の実行に役立てでほしい。
■5.カフェインをうまく使う
・カフェインを摂らずにしっかり目を覚ます(つまり起床直後はコーヒーを飲まずに朝食をとって1日を始める)カフェインの摂り方がなぜ難しいかといえば、疲労を感じてからではもう遅いからだ。その時点でもうアデノシンは脳に結合しているから、カフェインを摂っても倦怠感を振り払えない。
・最初の1杯を朝9時半から10時半までのあいだに飲む
・最後の1杯を昼1時半から2時半までのあいだに飲む(中略)
大事なことだからもう一度言おう。
疲れを感じてからでは遅い。
いつもエネルギーが急低下する時間帯がいつなのかを調べ(昼食後という人が多い)、その30分前にコーヒー(または好きなカフェイン入り飲料)を飲もう。
【感想】
◆本書は、いわゆる「時間術本」ではありますが、よくある「時短系」とはちと違うモノ。そもそも原題は『MAKE TIME』であり、冒頭でも触れたように「時間創出」を目的としています。

Make Time: How to Focus on What Matters Every Day
……本国での評価も星「4.6」となかなかのもののよう。
実際、アマゾンのページにもデカデカとあるように、Twitterの共同創業者であるエヴァン・ウィリアムや、IDEOのティム・ブラウン、当ブログでも著作がおなじみであるダン・ハースと言った面々が、本書を推薦しています。
そしてその仕組みは大きく分けて4つ。
ハイライト:毎日「最重要事項」を選ぶ上記ポイントの1番目に解説がある「ハイライト」はまだしも、上記ポイントの3番目でいきなり「レーザー」とあって、戸惑われたかもしれませんが、そういう意味でした。
レーザー:「気を散らすもの」を撃退する
チャージ:体を使って「脳を充電」する
チューニング:システムを調整、改善する
◆まず本書の第1章(実際には番号は振られてないのですが、イントロダクションの次なので)では「ハイライト」に言及。
上記ポイントの1番目にあるように、「長期目標」と「タスク」の間にある「ちょうどいい目標」こそが、本書でいうところの「ハイライト」に当たります。
この「ハイライト」を選ぶ際に留意したいTIPSの1つが、上記ポイントの2番目の「やるかもしれないリスト」。
最初から1つポーンと決めるのではなく、可能性があるものをいったん残らず書き出して、それからハイライトを選ぶワケです。
さらにそれを予定表に書き込むところまでやって、初めて実践できたと言える次第。
ちなみにこれは、著者陣の1人であるジョン・ゼラツキー("JZ")推奨の方法であり、もう1人の著者、ジェイク・ナップ("Jake")は「バーナーリスト」なるユニークなリストを紹介しています。
……ただこれが、図がないと少々わかりにくくて割愛したので、気になる方は本書にてご確認ください。
◆続く第2章のテーマは「レーザー」なのですが、おそらくここは色々な意味で「賛否両論」になるであろうところ。
とにかく「気を散らすもの」を極力排除するため、かなり強硬手段を用いています。
たとえば上記ポイントの3番目はスマホのホーム画面のカスタマイズのお話なのですが、ぶっちゃけ使い勝手は悪くなっているという。
ただ、これはまだ穏便な方で、「『気が散らないiPhone』を試す」というTIPSでは、スマホから「ソーシャル系アプリ」「ゲーム、ニュース、動画アプリ(本書では「無限の泉」と呼んでいます)」を削除するのはいいのですが、なんと「メールアカウント」まで削除することを提案しています!?
いや、類書でも「ソーシャル系アプリの利用を控える」くらいならありましたが、これらを全部削除してしまったら、スマホを持つ意味がない、という声が聞こえてきそうな気が……。
なお、これらはもちろん永久的なものではなく、24時間、1週間、1ヵ月と試してみた上で、判断せよとのこと。
それに全部は無理でも、依存傾向のあるアプリを選んで減らすことで、より充実した時間は過ごせると思います。
◆また、同じ「レーザー」に関して、いくつか挙げられていたのが、「メール」に関連するTIPS。
「『メールタイム』を決める」というのは類書でも見かけますが、「受信箱を空にするのは『週1回』」というのは、さすがに私自身抵抗がありました。
つい先日も顧問先を訪問した際、新任の経理担当がそこの社長に「佐藤先生は、いつも質問のメールに1時間以内にお答えしてくれるんですよー」と言ってましたから、やはり相手にとっては、返事が早い方が助かるんですよね。
ところが本書では、「メールを『手紙』と思え」「『期待』をリセットする」と、あくまで「相手都合にならない」ことを強調しているという……。
挙句の果てには、「送信専用メールアカウントを作る」ときて、とうとう友人に送信専用のメールアプリまで作ってもらったとのこと。
「Compose - Send email without distraction」をApp Storeで
どんだけ自分中心なんですかww
◆一方、第3章の「チャージ」では、運動、食事、睡眠といった「健康面」が中心に。
上記ポイントの5番目のカフェインの摂り方に従うと、3時過ぎにはもうコーヒーが飲めなくなってしまいますが、平均的な人が16時にコーヒーを飲むと21時か22時ごろにカフェインの血中濃度が半分になるものの、残りの半分はまだ体内に影響をおよぼしているのだそう。
夜眠れない人は、この辺も注意して、コーヒーを早めに切り上げたり、カフェイン少なめである緑茶に切り替えると良いようです。
いずれにせよ本書は、少々過激な施策(特に「レーザーの所で))を提案していますから、アマゾンレビューも賛否両論になるかもしれません。
特に「SNSが生きがい」という方なら、カチンと来るかたも多そうな。
とはいえ、上記でも触れたように、書かれていること全部を行う必要はありませんから、気に入らない所はスルーして、いいとこ取りで良いのではないか、と。
最終的に、用いたTIPSで「充実した時間を過ごす」ことができれば、本書の目的は達成できたと言えますから。
「時間がない」とお悩みの方なら、読んでみるべし!

時間術大全 人生が本当に変わる「87の時間ワザ」
INTRODUCTION これが「時間オタク」の全技術だ
HIGHLIGHT
LASER
CHARGE
TUNING
「いつか」を今日にする
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【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から。
今あるもので「あか抜けた」部屋になる。
子どもが散らかす等で、部屋が散らかってる方なら気になるであろう作品。
中古に送料を足すと、ほぼ定価並みですから、Kindle版が700円以上お買い得です。

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