2019年06月12日
【健康】『最高の体調 ACTIVE HEALTH』鈴木祐
最高の体調 ACTIVE HEALTH
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、現在開催中である「ビジネスに役立つ おすすめ書籍フェア」の中でも人気の1冊。「年に5,000本の科学論文を読み続けている、人呼んで『日本一の文献オタク』」こと鈴木祐さんが、科学的に裏付けのある体調調整法を指南してくださっています。
アマゾンの内容紹介から。
日々の不調や不満には様々なレベルがあります。たんに朝起きれないという人もいれば、仕事の集中力が続かなくて作業が進まない。さらには怒りや不安がコントロールできずに人生が上手くいかない人、つねに体調不良に襲われている人、毎日の暮らしに張り合いがなく空虚な気持ちのまま暮らしている人など、症状や問題の深刻さには個人差があるはずです。まずは現代人が抱える問題の「共通項」をあぶりだし、すべてを柔軟に解決する汎用的なフレームワークを提供します。
なお、セール期間中であれば、送料を加えた中古よりも、このKindle版が600円弱、お得な計算です!
dishes / indy138
【ポイント】
■1.内臓脂肪が減らない限り、炎症は収まらない人体にとって、内臓脂肪は「異物」でしかありません。そのため私たちの体は、内臓脂肪が増えると免疫システムを動かしはじめ、脂肪細胞が分泌する炎症性物質が臓器に炎症を引き起こします。
しかし、いくら免疫システムが頑張っても、内臓脂肪ばかりはどうにもなりません。体脂肪を落とすには、食事や運動でカロリーを減らすしかないからです。
内臓脂肪が減らない限り体はジワジワと燃え続け、炎症性物質で傷ついた血管や細胞が動脈硬化や脳梗塞の引き金になります。これが、「メタボリックシンドローム」の発症プロセスです。
このタイプの炎症には、ハッキリとした自覚症状がありません。風邪のようにわかりやすい症状が出ないため、「なんだか調子が悪い」や「よく寝たはずなのになぜか疲れている」といったレベルの、謎の体調不良として認識されるケースがほとんどです。そのせいで多くの人は不調の原因がわからないまま時間を過ごし、炎症の導火線は爆発へのカウントダウンを続けていきます。
■2.不安が及ぼす悪影響
第一に、慢性的な不安はあなたの記憶力を低下させます。
2013年にインド国立生命科学研究センターが行った研究によれば、つねに何らかの不安を感じている人には、脳の海馬が小さくなる現象が認められました。(中略)
第二に、不安は、あなたから理性的な判断力を奪います。
物事がうまく進んでいるときには、私たちの脳は衝動や欲望を抑えつけることができます。しかし、不安感が高まると様々な化学物質の連鎖が起こり、より原始的な脳の働きが優勢になっていくのです。不安が起きた瞬間に論理的な判断力を失ってしまうケースは、誰にも心当たりがあるでしょう。
第三に、不安はあなたの死期を早めます。
2013年の観察研究では、約7万人の高齢者を10年にわたって追いかけたところ、日常の不安レベルが高い人は心疾患や脳卒中のリスクが29%も上昇していました。
その原因ははっきりしないものの、研究チームは「不安が強い人は自分を大事にしないからではないか?」と推測しています。
■3.発酵食品で腸内環境を改善する
一例として、ロンドン大学の観察研究を見てみましょう。
このなかで研究チームは、約4500人の男女を10年にわたって追いかけ、チーズやヨーグルトなどの消費量と全員の健康状態をくらべました。すると、普段から発酵食品をよく食べる者ほど心疾患や糖尿病にかかりにくく、早期死亡率も低いことがわかったのです。
さらに、同時期に行われたカリフォルニア大学の研究では、発酵食品で脳機能が改善したとの結果も出ています。こちらは女性の被験者に乳製の発酵食品を4週間ほど食べ続けてもらった実験で、やはり有意に脳の活動が活性化し、感情や注意力に関わる機能に向上が見られました。ほかにも、キムチ、ぬか漬け、納豆、味噌、ザワークラウトといった食品にも似たような報告があり、発酵食品の凄さは疑いようがありません。科学が認めた数少ないスーパーフードのひとつです。
■4.皿洗いもマインドフルネスのトレーニングになる
2015年にユタ大学が行った実験では、研究チームはベトナムの高僧ティク・ナット・ハンの文章を読むように被験者に指示しました。(中略)
続いて、被験者に「水の温度や洗剤の泡の感覚に意識を向けながら皿洗いをしてください」と伝えたところ、全員の内面に大きな変化が起きました。たった6分マインドフルに皿を洗っただけで、不安や神経症のレベルが27%下がり、逆に新しいアイデアを思いつく確率が25%も上がったのです。
もともと禅の世界では「一掃除二信心」とまで言うほど家事を重視しますが、その正当性が、少しずつ科学でも裏付けられ始めています。雑巾がけ、歯磨き、炊事、洗濯など、すべての家事をマインドフルに行うだけでも、あなたの不安は減っていくでしょう。
■5.予想される障害に対して事前にプランニングしておく
ここで、さらにテクニックの効果を高めたければ、「予想される障害に対して事前にプランニングをしておく」という手法も有効です。具体的なステップは次のようになります。(1) やりとげたいプロジェクトをひとつだけ選ぶたとえば、「ジムに行く」というプロジェクトなら、まずは「急にやる気がなくなる」「同僚から飲みに誘われる」「急な仕事が入る」といった障害を3つほど想定します。そのうえで、「急にやる気がなくなったら、とりあえずジムの近所まで行ってみる」のように対策を立てておくわけです。
(2) そのプロジェクトを達成するときの障害を3つ書き出す
(3) 3つの障害のなかから、もっとも現実に起きる可能性が高いものをひとつだけ選ぶ
(4) 選んだ障害を「イフゼン・プランニング」のフォーマットに落とし込む
なんとも単純なテクニックですが、前出のメタ分析によれば、普通の「イフゼン・プランニング」より20〜30%ほどプロジェクトを達成する確率は高くなります。ぜひ試してみてください。
【感想】
◆本書の帯に「文明病」という文字が踊っていますが、本書の第1章では、現代人の不調の「2大原因」を挙げています。まず1つ目が「炎症」。
一般的には皮膚の表面で起きるものを想像しますが、実は体の内部でも起こりうるものであり、これがなんと鬱や肥満、糖尿病といった不調の原因となるのだそうです。
私も知らなかったのが、上記ポイントの1番目にある内臓脂肪。
単なる脂肪やん、と思ってたら、炎症の原因になっているということなので、こちらの本も再読しなくては。
内臓脂肪を最速で落とす 日本人最大の体質的弱点とその克服法 (幻冬舎新書)
参考記事:【内臓脂肪?】『内臓脂肪を最速で落とす 日本人最大の体質的弱点とその克服法』奥田昌子(2018年01月28日)
◆そしてもう1つの原因が「不安」。
もちろん太古の人々にも「不安」はありましたが、現代に生きる私たちは、それとは別の「不安」を抱えているを抱えています。
しいて名前を付けるなら、古代が「はっきりした不安」ならば、現代は「ぼんやりした不安」。
前者が、猛獣に襲われないか、食べるものがあるか、といった「不安」なのに対して、後者は仕事だったり、職場の人間関係だったり、はたまたSNSでの書き込みだったりというやや分かりにくいものだったりします。
ところがこういう「ぼんやりした不安」でも、悪影響があることを述べたのが上記ポイントの2番目。
どれもこれも、即、死につながるわけではありませんが、「不調」に関係していることは明らかです。
◆こうした諸問題を提起しているのが本書の第2章で、第3章以降では、その対処法が述べられている仕様。
まず第3章では、私たちの「腸」がテーマなのですが、とにかく腸内細菌を増やして、その活動を助けることは非常に大切なようです。
中でも、上記ポイントの3番目にある「発酵食品」は、手軽で効果が高いそうなので、ぜひともお試しください。
なお、個々の発酵食品はそれぞれが特有の菌(ヨーグルトならサーモフィラス菌、味噌ならハロフィラス菌、キムチならラクトバチルス・プランタルム菌等)を持っているので、多様性を持たせるため、さまざまな食品を食べると良いのだとか。
また、人によっては、発酵食品でも腸内細菌が増えないそうで、そういう場合は、腸内細菌を使ったサプリを飲むとよいのだそうです。
皆さまおなじみのビオフェルミンも、名前が挙がっていました。
大正製薬 新ビオフェルミンS錠 350錠 [指定医薬部外品]
◆続く第4章では「環境」の重要性がうたわれており、特に自然と触れ合うのが良いとのこと。
PCの壁紙を山や海の画像にすることや、目に入る場所に観葉植物を置くと、メンタルへの影響が大きいそうです。
……本書では「NASA推奨」の観葉植物が紹介されていたので、その中から何か1つ買ってみようかと。
また、第5章では「ストレス」がテーマで、こちらでは「睡眠」や「運動」の改善法が述べられていましたが、これらに関しては、類書でもかねてから主張されていたお話なので割愛。
もう1点、デジタル断食もストレスには有効なようなので、特にSNSにハマってらっしゃる方は、この章は熟読してください。
◆以上、第5章までが「炎症」に関係したテーマで、6章以降が「不安」に対するテーマが並びます。
まず第6章では、個々人の価値観について掘り下げられており、「ミシシッピ大学の『価値評定スケール』なるものが登場。
何でも、価値観を明確し、それに沿った行動を増やすことで、「不安」が和らぐのだそうです(詳細は本書を)。
一方第7章では「死」というドッキリするタイトルがついていますが、上記ポイントの4番目の「マインドフルネス」も、この章からのもの。
他にも食事の際に行う「マインドフルネスイーティング」も推奨されていましたので、興味のある方はご確認ください。
なお、「イフゼン・プランニング」というTIPSは類書でもよく目にしますが、第8章から抜粋した、上記ポイントの5番目の「イフゼン・プランニング」の改良版(?)は、私は初見でした。
「イフゼン・プランニング」自体、効果があるのに、さらに効果が高いそうですから、こちらもお試しいただきたく。
エビデンスに裏付けられた「科学的体調改善法」がここに!
最高の体調 ACTIVE HEALTH
第1章 文明病
第2章 炎症と不安
第3章 腸
第4章 環境
第5章 ストレス
第6章 価値
第7章 死
第8章 遊び
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【編集後記】
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ご声援ありがとうございました!
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