2019年06月06日
【習慣?】『理想の人生をつくる 習慣化大全』古川武士
理想の人生をつくる 習慣化大全
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事の中でも一番人気だった自己啓発書。「大全」と名乗るだけあって、習慣化のためのTIPSがギッシリ詰まった1冊でした。
アマゾンの内容紹介から。
“続けられる”“やめられる”“先延ばししない”“プラス思考になる”“やりたいことが見つかる”―人生の豊かさの9割は習慣で決まる!行動・思考・感情・環境の習慣化の方法65。
ディスカヴァーさんの作品だけあって、Kindle版は「27%OFF」と、かなりお買い得となっています!
skill / dotcompals
【ポイント】
■1.「これならできる!」からはじめる私たちは行動を「0」から「1」にするのに膨大なエネルギーが必要ですが、「1」を「2」や「3」にするのは、さほど力がいらないものです。初動がもっともパワーを必要とするのです。
続けられない人は、例外なく完璧主義者です。
そのため、日記を1行だけ書くという発想は出てきませんし、「どうせやるなら、ちゃんとやらないと意味がない」とハードルを高めてしまいます。
しかし、無意識にその高めたハードルが今度はノルマになり、なかなか行動できなかったり、続かなかったりするのです。
このベビーステップではじめるという習慣は、先延ばし、続かない、行動できないという悩みを一気に解消する強力な解決策です。
ポイントは、「面倒」「恐い」「不安」などの感情が出てこなくなるまで徹底的に行動のハードルを下げることです。
そして、継続のためには初動のハードルを下げてでも行動をゼロにしない、ということです。
■2.「いつやるか!」タイミングを工夫する
「いつやるかを決めるだけ」で行動の実行確率はぐっと上がります。
モチベーション科学には「条件をつけた計画(If then planning)」という手法があります。カンタンにいうと、「いつやるのか?」「いつまでにやるのか?」という行動タイミングを明確に決めることで、行動しやすくなるというものです。(中略)
日常の生活の中でタイミングを見つける視点としては、「朝起きてすぐ」「行き帰りの通勤電車」「歩いている時間」「オフィスの自席でPCが起動するのを待っているあいだ」「昼食中」「入浴中」「就寝前」などがあります。
さらに、プランにどこでやるかを盛り込むと日常の中で行動をイメージしやすくなります。● 朝、〈会社近くのカフェで〉30分間、英語の勉強をするこのようにタイミングをプランに盛り込むだけで行動と継続率を上げることができます。
● 毎日、〈通勤電車内で〉10分間仕事の計画・優先順位を立てる
● 会議の前に〈休憩ルームで〉15分間、自分なりの意見をまとめる
■3.やる気の湧く口グセを使う
「見つかる」「わかる」は結果です。「探す」「探求する」「学ぶ」「試す」は原因となる行動であり、これらは自分でコントロールできることです。
そして、このちょっとした言葉の使い方ひとつで思考を変えることができるのです。(中略)
たとえば、「セルフイメージが低いんです。どうすれば高められますか?」と相談されれば私なら、「セルフイメージをどうしたら育てることができますか?」と聞き返します。
「高い」「低い」という2つに1つではなく、「育てる」という言葉には動きがあり、成長の余地が発生します。受動的な言葉:見つからない、できない、わからない、難しいこのように頭の中で反芻する言葉を主体的な言葉に置き換えるだけで、思考は変わります。
主体的な言葉:試す、学ぶ、探す、探求する、育てる、成長していく
■4.過去の成功体験からパワフルな信念を作る
行動量を増やせば一定の確率で成果が出ると信じている私にとって行動することは苦になりません。犬も歩けば棒に当たる、下手な鉄砲でも数打ちゃ当たる、迷うならば即行動あるのみ。
これが私のビリーフであり、勝ちパターン、ポジティブスパイラルをつくる源です。
しかし、当然ポジティブビリーフはその人の過去の経験によって異なります。
たとえば、「人との出会いから人生が変わる!」「人とのご縁から仕事は生まれる!」と思っている人はその変曲点を「行動」ではなく、「人」に持ってくるでしょう。
優れた戦略から結果は生まれると信じている人は、「戦略」を立てることに意欲的になれます。
成功体験を通じてそれがその人の勝ちパターンとなります。これこそ、ポジティブなビリーフです。
あなたが過去の経験から「これだ!」と信じられる勝ちパターンはなんでしょうか?
それを成功体験から探り、自分の理想実現や問題解決にうまく活用していきましょう。
■5.良いタイミングで待つ
左遷されてはじめて自分の人生を考えようと自己改造をはじめたキャリアウーマンがいます。 45 歳で研究の専門職から獣医になった人がいます。管理職になったとたん、やりがいを失い、自らのキャリア考えた末の決断でした。ある人は、印刷会社の営業職をして、何不自由ない生活をしていました。ところが彼女にプロポーズをして承諾されてはじめて「このまま一生大阪で営業をし続けてええんやろうか?」と迷いはじめました。長期的な未来を考えたときにずっとやりたいと思っていた農家に転身することになりました。
私も、採用してくれた部長が職場異動になり、自分のキャリアを真剣に考えるスイッチが入りました。どうがんばっても、結果がでないときや変われないとき、自分が動けないときは、もしかしたらそのタイミングではないのかもしれません。ただし、気をつけなければならないのは「そこでやめてしまったら終わり」ということです。パドリングを続けて波が来るのを粘り強く待つのです。
そのためには、オープンマインドで機会や兆し、タイミングを積極的に窺う、受け取ることが必要です。
【感想】
◆冒頭で触れたように、ひたすら習慣化のためのTIPSが収録されている作品でした。下記目次にもあるように、「行動」「思考」「感情」「環境」という4つのカテゴリーごとに、合計65。
階層的にはこの2段階なので、引用する方としては、あまり難しいことは考えず、ピンときたTIPSを単純に抜き出した次第です。
ただし上記ポイントは、いずれも各節の本文部分であり、実際の本書では本文に続いてイメージイラスト、さらには「あなたへの質問」と、その回答例が付されているという。
突拍子なものがない、王道的なTIPSが中心なだけに、既読感がなきにしもあらずなのですが、それも「大全本」の宿命ではありますか。
◆まず上記ポイントの1番目は第1章の「行動の習慣」からになります。
ここで言われている「完璧主義者」というのは習慣化の天敵で、以前、このような作品をご紹介したこともありました。
がんばりすぎるあなたへ 完璧主義を健全な習慣に変える方法
参考記事:【完璧主義?】『がんばりすぎるあなたへ 完璧主義を健全な習慣に変える方法』ジェフ・シマンスキー(2016年10月25日)
……この本、絶版のせいか中古がKindle価格の3倍にもなってますね。
また完璧主義者向けの他のTIPSとしても、「イレギュラーな出来事への対応をあらかじめルール化しておくことで、状況の変化に柔軟に対応できるようにする仕組み」を設けるという、「大変な日は『例外ルール』で乗り切る」というものもありました。
とくに完璧主義傾向の強い人は、完璧にできなければ「やらなかったのと同じ」と極端に考えがちなので、例外ルールは非常に有効です。……あー、分かる分かるw
◆同じく上記ポイントの2番目も、第1章からのもの。
ここで言う「If then planning」というのも以前、この本で登場していましたっけ。
やり抜く人の9つの習慣 コロンビア大学の成功の科学
参考記事:【科学的自己啓発書】『やり抜く人の9つの習慣 コロンビア大学の成功の科学』ハイディ・グラント・ハルバーソン(2017年07月01日)
ムスコも保育園の頃は、「朝起きたらそのまま机に向かって公文をやる」という良い習慣があったのですが、大手塾に通うようになってからは、夜が遅くなってなし崩し的に「朝の勉強習慣」がなくなってしまったのですが。
いずれにせよ、この「If then planning」は、習慣化の強力な味方なので、ぜひお試しいただきたいと思います。
◆一方、上記ポイントの3番目は、第2章の「思考の習慣」から。
なるほど、言葉を変えることで思考が変わる、というのは納得できるお話です。
本書の他の例で言うなら、「やりたいことが見つからない」であれば、「やりたいことを探していない」という言葉に置き換えてみる。
「どうすれば残業を減らせるのか わからない」と言わずに、「残業を減らすための方法を 学ぼう、 試そう」と言葉を換えてみる。
この「主体的な言葉に置き換える」というTIPSも、心しておきたいところです。
◆また、上記ポイントの4番目は、第3章の「感情の習慣」からのもの。
成功体験で言うなら、私は税理士試験の理論暗記(という、条文をひたすら暗記する作業があるのです)によって、反復することの重要性を学びました。
今、ムスコは歴史の勉強で、ひたすら年号(150個くらい?)を覚えているのですが、これだって何度も繰り返せば覚えられる、と納得させています。
そして最後の第4章からは上記ポイントの5番目を選んだのですが、あまり「環境」は関係なかった気がw
本当であれば、ここからはその章のタイトルに則した「環境を変えてみる」辺りを選ぶべきでしたね(今さら)。
確かにムスコも大手塾に通うようになって、周りに自分より勉強ができる子がたくさんいたことで、より一層頑張れるようになりましたから、環境は大事だと思う次第です。
大全本だけに、自己啓発書の王道を行く1冊!
理想の人生をつくる 習慣化大全
序章 習慣化で理想の人生をつくろう
第1章 行動の習慣―先延ばし・続かないを乗り越える
第2章 思考の習慣―マイナス思考から抜け出す
第3章 感情の習慣―やりたいことを見つける
第4章 環境の習慣―変化しない自分を成長させる
【関連記事】
【仕事術】『成果を増やす 働く時間は減らす 高密度仕事術』古川武士(2018年05月01日)【完璧主義?】『がんばりすぎるあなたへ 完璧主義を健全な習慣に変える方法』ジェフ・シマンスキー(2016年10月25日)
【科学的自己啓発書】『やり抜く人の9つの習慣 コロンビア大学の成功の科学』ハイディ・グラント・ハルバーソン(2017年07月01日)
【オススメ!】『マインドセット: 「やればできる!」の研究』キャロル・S. ドゥエック(2016年01月18日)
【習慣】『良い習慣、悪い習慣: 世界No.1の心理学ブロガーが明かすあなたの行動を変えるための方法』ジェレミー・ディーン(2014年09月07日)
【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から。脳を最適化する ブレインフィットネス完全ガイド
下記のように当ブログでご紹介済みである、脳ネタ系のインタビュー集。
とにかく「72%OFF」の「599円」という過去最安値になっていますから、Kindle版が1000円弱、お得な計算です!
参考記事:【脳トレ?】『脳を最適化する ブレインフィットネス完全ガイド』アルバロ・フェルナンデス,エルコノン・ゴールドバーグ,パスカル・マイケロン(2015年10月27日)
ご声援ありがとうございました!
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