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2019年05月29日

【反論?】『「言い返す」技術』五百田達成


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「言い返す」技術


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、昨日の「未読本・気になる本」の記事の中から、個人的に読んでみたかった1冊。

著者である五百田達成さんのコミュニケーション系の作品は、当ブログでも何冊かご紹介していますから、もはやおなじみだと思います。

アマゾンの内容紹介から。
ベストセラー連発!
話題の心理カウンセラーが贈る、
"今日から使える"会話術!

なお、昨日も申し上げたように、セールが期待できない徳間書店さんの作品なので、私は1割引きのKindle版で読了しました!





DISPUTE / Treforlutions TreVizionz


【ポイント】

■1.イヤミを言ってくるヤツには「ありがとう」とお礼を言う
 イヤミを言う人は、あなたを遠回しに攻撃したい人です。
 文句がある。ひとこと言いたい。でも、まっすぐに言うのは怖い。ケンカになるのも避けたい。そこでオブラートに包んで、安全な立場から、ずるく悪口を言うのです。(中略)
 イヤミを言う人に効果的なのは、「ありがとう」というお礼の言葉です。
「いいなー、ヒマそうで……」
「ありがとうございます! 毎日早く帰宅できてうれしいです」

「出来のいいお子さんだと……」
「ありがとうございます! 孝行息子で助かってます」(中略)
 相手が小ずるくぶつけてきた悪意に対して、むしろ善意を示すことで、人間として上に立つ。これが効きます。たとえるなら、ウイルスを早めに消毒するイメージです。
 相手は、「ぐむむ」と気まずそうにするあなたの顔を見たいわけです。
 それなのに、明るい表情で「ありがとう」とお礼を言われるとびっくりします。そして、「いや、まあ、いいんだけどさ」などとごにょごにょ言って退散してくれるはずです。


■2.融通の利かないヤツはひたすら「謝って」譲歩させる
 融通の利かない人には、意外と、「謝り倒す」のが効きます。
 悪かったです。ほんとにすみません。ごめんなさい。反省してます。そうですよね、約束しましたよね。はい、申し訳ありません。ご迷惑をおかけしてしまい、すみません。
 迷惑をかけてしまったことから、こんな言い争いに巻き込んでしまったことにいたるまで、相手の気持ちになってひたすらに謝るのです。(中略)
 するとどうでしょう?
 驚くことに、相手から勝手に「しかたないですね。絶対に明日までですよ」と譲歩してくれるのです。
 彼らも、鬼ではありません。心があります。
「私は正しいことをした」と実感できれば、気持ちに余裕が出てきます。こっちに親切な対応をしたくもなる。
 一方的に謝られていると手持ちぶさたですし、「ここまで謝らせて悪いな」という気持ちも芽生えてきます。そこでつい、「今回だけですよ」と譲歩することに。
 まるで、北風と太陽です。
 

■3.昔話ばかりしたがるヤツには世代間ギャップを突きつける
 昔話ばかり自慢げに話す人は、過去ばかり見ている人です。
 現在が充実していない、未来に希望が持てない……。だから、自分が輝いてたころ、自分が最もイケてたころの記憶を、何度も何度も繰り返し味わおうとします。
(中略)
 過去しか見ないで時間の感覚がおかしくなっている人には、「世代間ギャップ」を突きつけるといいでしょう。
「俺が若いころはさ……」
「いつぐらいの話ですか?」
「どうだろう、 95 年とかか」
「うわー、僕、まだ生まれてないですよ」
「……」(中略)
 こうやって逐一、「いつのことか」「何年前のことか」を確認し、さらに「まだ生まれてない」「お母さんもそう言ってた」など、それが大昔であることを知らしめます。
 そうすれば、あっちも自然と「うわ、そんなに昔のことか」と、時の流れを思い出してくれます。いかに自分の発言が時代錯誤だったか、わかってくれるでしょう。


■4.強引に話を進めるヤツには「逆に」で対応する
 相手が強引にくるのであれば、こっちも普通の話し方をしていては負けてしまいます。ここは、普段使わないような強引な言葉で、相手の話を途切れさせましょう。
「はい、はんこをこちらに」
「あ、でも逆に〜、はんこを押さないって、アリですかね?」

「早く、早く、急がないと」
「あ、逆に、私って急ぐとじんましんが出ちゃうタイプじゃないですか?」
 オススメワードは、「逆に」です。
 これは「別に、内容として逆のことは言っていないのに、そう言われると、つい注意を惹かれてしまい、さもいいことを言っているように聞こえる」という、近年 流行っている魔法の言葉です。
「逆に」で、相手のペースを分断し、続けて、よくわからないことを口走りましょう。それは支離滅裂であればあるほどいいです。


■5.なれなれしいヤツには「敬語」でよそよそしくする
 なれなれしい人を、やんわりと遠ざけるのに使えるのが「敬語」です。
「よ、●●ちゃ〜ん、ちょっと元気ないんじゃなーい?」
「お疲れさまです。はい、少々体調を崩しておりまして」 (中略)
 敬語は、使うだけで心理的距離が遠くなる効果があります。ですから、こういう人に出くわしたら、丁寧すぎるぐらいの敬語を駆使して、返答するようにしましょう。
 あっちがいきなり距離を詰めてくるのであれば、こっちもいきなり距離を遠ざけてやるのです。
 これまで普通に話していた相手から、いきなり敬語をがっちりと使われたら、さすがに「ん? おかしいぞ」「あ、これはまずいのかも」と気づいてくれるでしょう。
 しかもこの手法であれば、相手に対して失礼にはなりません。
 なんといっても、最大限の敬語を使っているのですから。取引先の担当者からプライベートな連絡をもらったときなどにも使えます。


【感想】

◆内容的に、どうしても会話文を織り込まないと分かりにくい分、ボリュームが増えてしまい申し訳ございません。

本当はどのTIPSも会話が3パターンくらい載っているのですが、話者が違うとそのたびに改行しなければならない分、できるだけ割愛させてもらいました。

構成的には、まず「どういう困ったパターンか」の紹介があり、それに関して上記ポイントの1番目や3番目の最初にあるように、その原因や理由を分析。

続いて対応策の紹介があるのですが、今回ポイントで抜き出したのは、ほとんどこの対応策部分になります。

そして各節の終わりには、まとめがあるという仕様で、読みやすさ、という点に関しては、なかなか秀逸であり、当ブログの読者さんなら、サラッと読み切れるかと。


◆個人的には、真ん中の分析部分が興味深くて、今回ポイントで挙げなかった中でも、いくつもハイライトを引いたものがありました。

たとえば「優柔不断な人」というのは、単に決断力がないだけなのだと私は思っていましたが、著者の五百田さんによると「欲張り」である、と。
 自分が何かを選ぶときに、絶対に成功したい、絶対に失敗したくない、あとで後悔したくない。そういう気持ちが強いのです。
 だから、締め切りが過ぎようが、みんなに迷惑がかかろうが、いつまでもぐずぐずとすべての可能性を検討したがる。
 そういうことなら、「損得勘定に訴えるといい」として五百田さんは、ある方法を推奨しているのですが、詳細は本書にて。

また、「うわさ話をする人」というのも、単にそういう話が好きな人なのだと思っていたら、「自慢」と「中傷」と「共犯」という、3つの目的があるのだそう。

もしそういう目的ならば、最後の「共犯」の片棒を担がされたら、目も当てられませんよね?


◆ちなみにこの分析部分を受けて、五百田さんの出された対応策については、なるほど、と思わされるものが多いのですが、中には少々ハードルが高いTIPSも。

特にセールス等の売込みのような、「この先つながりがない人」に対してなら使えても、同じ職場の人に言うと、カドが立ちそうなものがちらほらありました。

さらに、同じ職場の人に対してでも、同僚や部下になら言えても、上司にはちょっと言えないようなものが含まれていましたから、あくまで自分の「立場」と「キャラクター」をわきまえて欲しいところです。

人によっては、上司にキツイことサラッと言っても、「にくめないヤツ」で済んじゃう人もいるんですけどね……。

なお、言いにくいことを言う際、「笑顔」で言うと場の雰囲気が壊れないことが多いと思うのですが、「表情を変えずいる」ことを強いている(対「話がしつこいヤツ」)ものもあって、これはさすがに私は実践できる自信がありませぬ。


◆また私自身は、こういう「困ったヤツ」であるツモリはなかったのですが、上記ポイントの3番目の「昔話」については、いつの間にか「聞かされる側」から「話す側」になっていました。

……年齢的に当たり前といえば当たり前なのですがw

特にそれを実感したのが、先日の「元号の切り替え」です。

昭和から平成に変わった時とずい分違う……という話を、私は単に思い出して口にしたのですが、20代以下の人からしたら、とんでもない「昔話」です罠。

自分としては、「現在が充実していない、未来に希望が持てない」ワケではないのですが、聞かされる方からしたら「うざい」「興味ない」ことかもしれませんから、今後はほどほどにしたいです。

同じように他の部分でも、自分が「困らせている側」に陥ってないか、という視点から読むと、また気づきがあるかもしれません(自戒を込めて)。


コミュニケーションスキルを高めたい方なら、要チェックな1冊!

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「言い返す」技術
Part1 「攻撃的でうるさい人」に言い返す
Part2 「自己チューでわがままな人」に言い返す
Part3 「傲慢でえらそうな人」に言い返す
Part4 「しつこくてめんどくさい人」に言い返す


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【反論?】『弁護士が教える絶対負けない反論術』上野 勝(2012年12月26日)


【編集後記】

◆明日終了するKindleセールから。



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やはり英語がほとんどですが、中国語や韓国語のキクタンもあります。

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