2019年01月24日
【読書術】『偏差値95、京大首席合格者が教える「京大読書術」 仕事にも勉強にも必須な 「理解力」と「連想力」が劇的に身につく』粂原圭太郎
偏差値95、京大首席合格者が教える「京大読書術」 仕事にも勉強にも必須な 「理解力」と「連想力」が劇的に身につく
【本の概要】
◆今日ご紹介するのも、昨日に続いて「未読本・気になる本」の記事にて人気だった作品。勉強本の出版や、テレビ出演等で知名度も高まりつつある、粂原圭太郎さんの読書術本です。
アマゾンの内容紹介から。
クイズ・競技かるた・学生起業…各ジャンルで圧倒的な実績を上げる著者の秘密は「読書術」にこそあった。毎年1,000冊を越える読書家が教える「本の使い倒し方」を一挙紹介!
カドカワさんの作品なので、新刊時には単行本の定価と同額なのですが、私はKindle版で読みました!
Reading / Radarsmum67
【ポイント】
■1.読書感想文でまとめるスキルが身につくビジネスシーンでは、企画書や返信メールなど何かと文章を書く機会が多いと思います。
文章力を必要としているのは、作文を書く子供や受験を控えた生徒ではなく、むしろビジネスパーソンです。
また、文章力アップや単にうまい言葉選びができるということに加え、要旨をわかりやすく説明するという重要なスキルが身につきます。
あなたが作家であれば、秀逸な表現が求められるでしょう。しかしビジネスパーソンであれば、そんな表現よりもむしろ、相手にわかりやすく要点をまとめ、簡潔に伝えることの方が重要です。
この能力を日常生活の中で身につけようと思えば、読書感想文を書くのが手っ取り早いです。しかし、社会人になって読書感想文を発表する場などありません。
そこで活用できるのが、ブログやSNSということです。
■2.「飛ばし読み」は目的を考えて行う
あくまで「飛ばし読み」は、内容から目的を考えて行わなければ、得たい情報は得られません。
「飛ばし読み」をしていく具体的な方法としては、まずタイトルや目次を見て、その本がどんな本なのかを把握します。これがわからなければ、何を得たいのかという目的もはっきりしません。
次に、目的を決めます。この本で、どんな情報を得たいのかを明確にします。
たとえば、「イノベーションの方法」「リーダーシップのとり方」「敬語の使い方」といったように、本によってさまざまな目的が分かれるでしょう。
この点をはっきりさせていなければ、「飛ばし読み」はできません。
なぜなら、ポイントを拾うためのキーワードが出てこないからです。まずは目的をはっきりさせてから飛ばし読みに入ります。
だから、はじめは読んだことのある本で練習した方がいいのです。
慣れてきたら、タイトルや目次を見て、どんな内容なのかを把握することにチャレンジしてみましょう。
■3.読書で知識を仕入れ、アイデアにつなげる
世の中にはたくさんのビジネス書があり、その中には成功したアイデアや成功体験がいろいろ書かれています。
まったく別業界のものでも、その中の要素を自分の仕事に活かせないかという発想で考えていくことで、さまざまなアイデアが出てくるはずです。
事前にいろんな知識があればあるほど、発想は豊かになり、そこで生まれたものは使い方次第で、さらに有用なものになっていくのだと思います。
何が良いアイデアにつながるのかは、まったく予想ができません。
僕は読書を通じて、雑多な知識をたくさん仕入れていますが、それが新しいアイデアにつながることがよくあります。
また生徒と話をしているときに、これまで読んだ本の知識をたとえ話として使ったりもします。
■4.読書で「狭く、深く」を極める
京大生には、広く浅くよりというよりも、「狭く、深く」学ぶという特徴があります。
京大の入学試験によって、そのような人が選ばれているようです。
京大入試の英語と東大の英語とを比較してみると、その違いははっきりみてとれます。
東大の受験問題は、問題の分量が非常に多く、素早く処理をしていきなさいというものです。一方、京大の受験問題は、暗記問題より頭使って考えさせるものが多く、時間はたっぷりあるので、しっかり考えてくださいというものです。
だから、ただ単に知識を暗記していてもダメで、その知識をどのように応用し、自分なりの答えを導くかということが求められます。基礎知識から発想力を使い、読み解いていく問題が多いのです。
■5.本を選ぶ4つのステップ
本を選ぶ上で、ステップ1は、タイトルです。
本に何が書いてあるのか? 何を訴えたい本なのか? を著者や編集者が必死に考えたもので、その本の全てだと思っています。みなさんもそうではないでしょうか。
ステップ2としては帯のコピーです。
この帯は、編集者が本を買ってもらおうと、力を入れてキャッチーなフレーズを使っているはずですから。逆に言うならば、帯の文章を見てもピンとこない本は読みません。これくらい重要な判断基準として見ています。
それからステップ3として、目次を見ます。目次を見て面白くなければ、そのまま棚へと返します。
最後、ステップ4は、パラパラとめくって、買うか買わないかを決めます。
ここまで、おそらくみなさんと変わったところはないと思います。あとは、その精度を上げるためにより多くの本のタイトル、帯、目次をチェックし、実際に中身を見てみることです。
【感想】
◆当初想像していた内容よりは、かなり「真っ当」な読書術本でした。いえ、京大というと、どうしても「コスプレ卒業式」のイメージが強くありまして……。
2018年京大コスプレ卒業式【狂うは一時の恥、狂わぬは一生の恥】 | 360˚|京大発オンラインメディア
もちろん、こういう学生さんは全体から見たら「ごく一部」なのでしょうけど、こういう異分子を許容することが、ノーベル賞受賞者を生み出す土壌なのかな、とも思ってみたり。
わざわざ「京大読書術」と謳うからには、何か破天荒な話でもあるかな、と思ったのですが、実際には「常識の範囲内」なTIPSばかりだったという。
これなら、お子さんを京大に入れたい親御さんでも安心ですね(ニッコリ)。
◆ただあまりに真っ当過ぎて、どこら辺が「京大らしさ」なのかを問われると、ちと戸惑うところ。
これに関して、実は上記ポイントの4番目にある「狭く、深く」というコンセプトが、冒頭の「はじめに」でも登場しており、受験の時点からこうしたテストで学生を選んでいる以上、これが「京大読書術」の傾向のようです。
もっとも、上記ポイントの2番目にあるような「飛ばし読み」を含む「速読法」が第2章として設けられており、何がなんでも「狭く、深く」というワケでもありません。
一方、第3章の「発想法」や、第4章の「連想法」は、読書本ではあまり見ないコンテンツかと。
特に第3章にあった、LINE@を使った「LINEマガジン」を思いついたくだりは、起業本やアイデア本的な内容だと思います。
……私自身がLINE@を活用していないので、何がどうスゴイのかイマイチ分かってないのですが(ダメじゃん)。
◆むしろ当ブログの読者さん的には、第6章の「『良い本』の選び方」が参考になりそうな。
上記ポイントの5番目もそこからの引用であり、比較的王道的なやり方だと思います。
逆に割愛したものの面白かったのが、「アマゾンレビューはいいものだけをチェック」というお話。
何でも著者の粂原さんは、「レビューのマイナスのコメントは読まない」で、「本を読みたいという気持ちに自分を持っていく」のだそうです。
逆に私は以前、こういうツイートをしたことがあるのですが。
ふと思った事。書籍のアマゾンレビューで対象作品を高評価しているもののうち、純粋に作品を「評価」しているものの方が、「オススメ」しているものよりも信憑性が高い。そういう目線で見ると「レビューがことごとくサクラくさい」高評価な作品が結構ある気が。#ビジネス書 #書評 #アマゾン
— smooth@ビジネス書の書評系ブロガー (@smoothfoxxx) 2018年11月30日
実際にそうなのか否かは、書いた本人のみ知る……。
ただ、マイナスのコメントも、本と読者層のアンマッチ(「簡単すぎる」「難しい」等)なものに関しては、私もスルーしていますが。
◆そして巻末には、オススメ本一覧を収録。
各本ごとにコメントが付されており、ここだけでもブックガイド的な機能を果たしています。
ちなみにここで意外だったのが、当ブログでご紹介済みの作品が非常に多かったこと。
これは版元サイドの意向(「ビジネス書好きに本書を読んで欲しい」的な?)なのかもしれませんが、いくつか拾ってみるとこんなところが。
超・箇条書き―――「10倍速く、魅力的に」伝える技術
参考記事:【箇条書き】『超・箇条書き―――「10倍速く、魅力的に」伝える技術』杉野幹人(2016年06月20日)
伝え方が9割
参考記事:【こんな方法あったんだ】『伝え方が9割』佐々木圭一(2013年03月05日)
エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする
参考記事:【本質主義】『エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする』グレッグ・マキューン(2014年11月20日)
スタンフォード大学 夢をかなえる集中講義
参考記事:【起業?】『スタンフォード大学 夢をかなえる集中講義』ティナ・シーリグ(2016年02月08日)
影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか
参考記事:【速報!】『影響力の武器』の[第三版]を[第二版]と比較してみました(2014年07月14日)
……うん、『影響力の武器』があるだけで、この著者さんは信用できますね(単純w)!
読書好きなら、要チェックな1冊!
偏差値95、京大首席合格者が教える「京大読書術」 仕事にも勉強にも必須な 「理解力」と「連想力」が劇的に身につく
はじめに
第1章 「理解する力」を高める読解法
第2章 「短期間で情報収集する力」が身につく速読法
第3章 「自由なアイデアを出す力」を養う発想法
第4章 「自分で考える力」を育む連想法
第5章 「読書」を日常で役立てる応用実践法
第6章 「良い本」の選び方
おわりに
著者がオススメする「絶対読んでおきたい本」一覧
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【読書術】『戦略読書』三谷宏治(2015年12月25日)
【読書術】『外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術』山口 周(2015年10月18日)
【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から。奇跡を呼ぶ! 無敵のスポーツメンタル どんなスポーツシーンでも成果をあげるメンタルトレーニング
メンタルが弱い方なら、注目の作品!?
オンデマンドゆえ、定価が高いこともあり、このKindle版が1500円弱、お買い得となっています。
ご声援ありがとうございました!
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