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2019年01月23日

【集中術】『100%集中法』藤野敬介


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100%集中法


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、昨日の「未読本・気になる本」の記事にて人気を博していた1冊。

当ブログの人気ジャンルである「集中力」をテーマにした作品です。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
数々の集中法と呼ばれるものが提唱されていますが、理論的には正しくても30分もの時間を要するために実践的ではなかったり、既存の集中法のパッチワークで構築したために複雑すぎて、その効果を実感することが難しいものが数多くあります。
しかし、本書では自己催眠(セルフ・ヒプノシス)を理論的ベースとしたシンプルで、 誰でも、速くて深い集中状態に入ることができる唯一無二のテクニックを公開しています。

なお、中古が定価以上のお値段の中、Kindle版は「21%OFF」とお買い得ですから、私はこちらで読了しました!





Concentration / dickdotcom


【ポイント】

■1.スマホで意識が刻まれる
 スマホは、手のひらサイズの機器の中にありとあらゆる情報を集約することができ、しかもそれを瞬時に切り替えることができます。そして、私たちは普段から、そうした情報網を通じて外部から通知が入った瞬間に、それまでの行動を中断して、その確認を行うという作業を繰り返しています。 傍から見れば、ずっとスマホの画面に集中しているように見えるかもしれませんが、実際はアプリからアプリへと、通知を受けるたびに意識を切り替えているのです。
 実は、この「通知」と「意識の切り替え」の組み合わせが、私たちの集中力が奪われる一要因となっています。
 なぜなら、私たちは、1つの作業を行っている最中も、常に通知を予期し、意識が身構えている状態を余儀なくされているからです。


■2.「フロー」と「ゾーン」の違い
 一般的には、フローとゾーンはほぼ同義で使われることが多いようです。「フロー=ゾーン」だという考えです。ですが、私はこの2つを明確に区別して考えるようにしています。  私の感覚では、ゾーンというのは、フロー状態から一時的に発生する極限の集中状態です。つまり、フローが最高潮にまで達した状態です。(中略)
 一流のアスリートともなると、心身のコントロールが上手で感性も高いため、数回の指導で、比較的簡単にフロー状態を達成できるようになります。そして、このフロー状態で競技を行う中で、さらに集中が増し、最高のパフォーマンスができる瞬間というのが稀に訪れるのです。
 これは、1シーズンに1度入れるかどうか、アスリートによってはそのキャリアの中でも数度しか入ることができないであろう特別な状態で、あきらかにフローとは異なる究極の心身の集中状態です。私はこの状態をゾーンと呼び、フローからは区別して扱う立場をとっています。


■3.集中力をつくる「ニュートラル・エクササイズ」の5ステップ
 本書では、ニュートラル状態を生み出すためのエクササイズを(略称・エクササイズ) と呼び、そのエクササイズを中核とする集中力向上のための技法を「ニュートラル・テクニック」と呼ぶことにします。
 これからニュートラル・エクササイズの具体的なやり方を説明します。まずは全体の流れを示してから、それぞれの項目について詳しい解説を加えていきます。
(1) 両手をぶらぶらと振る
(2) 両手をぎゅっと握ってから放す
(3) ゆっくりと鼻から息を吸うと同時に、眼球をぐるんと上に回しながら目を閉じる(その後、息を吐くときに眼球の位置はもとに戻す)
(4) 「ハー」あるいは他の音(「ヒー」でも「フー」でも「シュー」でも) を出しながら、口からゆっくり息を吐き、自分が吐く息の音に意識を集中させる
(5) 必要なだけ呼吸を繰り返したら、ゆっくりと目を開き、両手をぶらぶらと振って終了する
(詳細は本書を)


■4.笑顔でドーパミンのスイッチを入れる
 具体的には、いよいよ集中力が必要な作業をスタートさせる直前に、笑顔をつくります。このとき、満面の笑みを浮かべなくても、口元を「イー」の音を出す形にして口角を上げるだけでも十分です。(中略)
 私は、口角を上げて、ちょっと楽しい気分になったら、そのまま作業に入って、とりあえずは口角を上げた状態を維持しておきます。そのうち、口が疲れてきたり、作業に集中して口角のことなんてどうでもよくなってくると、自然に表情はもとに戻ります。
 たとえば、あなたがビジネスパーソンであればプレゼンの直前に、受験生であれば試験開始の合図とともに、アスリートであれば、競技の直前に、口角をキュッと上げるだけで、グンと集中力が高まった状態で行動を起こすことができるようになります。


■5.自分に深い暗示をかける10のルール(抜粋)
(1)否定文ではなく、肯定文を使った表現にする
(2)主語を1人称にして書く
(3)現在形か現在進行形を使う
(4)実現可能な現実的な内容にする
(5)曖昧な表現を避け、できるだけ具体的な内容にする(中略)
 実はこのルールは、優先度の高い順に(1)から(10)まで並べてあります。ですから、最初はルール(1)から(5)までを守って暗示文をつくり(ここまでは必ず守るようにしてください)、慣れてきたら徐々に残りの5つを加えていくようにしてください。


【感想】

◆まず最初に触れておかねばならないのが、本書のタイトルである『100%集中法』について。

「いくらなんで100%は盛り過ぎだろう」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。

これに関して本書の「まえがき」には
 ずいぶんと 大仰 だと感じられた方も多いかと思いますが、私が「100%」という言葉にこだわったのには理由があります。
 まずは、本書で紹介するテクニックが、集中力向上の基礎訓練としては相当の効果をもたらすであろうという100%の自信が私にはあるからです。
とあります。

また、さらには「さすがに100%とまではいきませんが、これまでにこのテクニックを指導させていただいたクライアントの集中力向上の成功率が非常に高いことも、あえて100%を謳うことの後押しとなりました」とも言われてらっしゃいますから、それなりの効果はあるかと。

ただし、そのためには本書で挙げられたテクニック等を実践する必要があるのは、言うまでもありません。


◆その前に本書の第1章では、集中力を阻害する要因について言及しています。

代表的なのが上記ポイントの1番目にある「スマホ」。

特にスマホを通じてもたらされるSNSの通知が、集中力の天敵らしいです。

ちなみに著者の藤島さんが、ヒプノセラピストとして施術をしている際、クライアントがどれだけ集中して深い催眠状態に入っていても、LINEの着信音が鳴っただけで、一瞬で覚めてしまうのだそう。

本書ではデジタルデトックスも薦められていますが、それ専門の書籍もありますから、ここでは割愛しました。


◆続く第2章では、本書の目指す集中状態である「ニュートラル」についての解説が。

藤島さんによると、
ニュートラル状態という、心身がフローに近い状態を先にエクササイズでつくっておいて、そこに「活動」を加えることによってフロー体験を、そして究極的には後述する「ゾーン(ZONE)」を段階的に目指す
そうですが、上記ポイントの2番目では、「ニュートラル」の先にある「フロー」と「ゾーン」の違いについて抜き出してみました。

確かに私が類書を読んだ限りでも、「フロー」と「ゾーン」を明確に区分している作品はなかったと思います。

むしろ問題は、そのどちらも「そう簡単には入れない」ことで、マンガ『ベイビーステップ』でも、主人公が時たま「ゾーン」に入れるものの、逆に意図的には入れないことに悩んでいるシーンが何度かありましたし。

ベイビーステップ(17) (講談社コミックス)
ベイビーステップ(17) (講談社コミックス)


◆そこで第3章では、そのニュートラルに入るためのエクササイズを指南。

上記ポイントの3番目では、その簡単な概略を抜き出してみましたが、正直これだけではよく分からないと思います(すいません)。

本書ではもちろん、各ステップごとに細かい指示がイラスト入りで記されていますから、気になる方はそちらでご確認を。

特に(4)の「息」については、その後の部分でも登場するので、本当は詳細まで抜き出したかったのですが、かなりのボリュームゆえカットせざるをえず……。

むしろ、上記ポイントの4番目の「口角を上げる」というのは、理屈(ホルモンの働き等)はやや複雑ですけど、行為としては分かりやすいので、抜き出した次第。

私は職業的にあまり必要ないのですが、来年受験を控えるムスコには試させてみたいところです。


◆なお、本書の第5章では「集中力をスキル化する2つの方法」と題して、具体的なテクニックを2つ紹介。

その1つが「ミラー・テクニック」という自己暗示に近いもので、上記ポイントの5番目は、その暗示の際に留意すべきポイントとなります。

私自身、こういう暗示やアファメーションの効果は認めつつも、現実的には続けたことがない(意志弱し!)ので、今ひとつ歯切れが悪い(?)のはお許しを。

実際、上記ポイントの3番目のエクササイズも、やってすぐ効果が出るものではなく、ある程度続ける必要があるようなので、実効性は確認できずにご紹介させてもらいました。

……と言っても、ダイエットや筋トレも、すぐには効果は確認できませんから同じですけどねw


集中力を身につけたい方なら、要チェックの1冊!

4866800194
100%集中法
まえがき 集中力を自在にコントロールするには?
第1章 奪われた集中力を取り戻すために
第2章 フローとゾーンへと誘う準備段階「ニュートラル」
第3章 自分の中の集中スイッチのつくり方――ニュートラル・テクニック 基礎篇
第4章 一点集中した意識のコントロール術――ニュートラル・テクニック 実践・理論篇
第5章 集中力をスキル化する2つの方法――ニュートラル・テクニック 応用篇
あとがき 体力で補えないものは集中力で


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【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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こちらはTOEFL用なので、読者は限られるかもしれませんが、Kindle版が実質的に1800円弱もお得。

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先月ご紹介したばかりのこの本は、ギリギリで中古の方がお得なのですが、下記レビューをご覧の上で、ご検討ください!

参考記事:【肥満の真実?】『一度太るとなぜ痩せにくい?〜食欲と肥満の科学〜』新谷隆史(2018年12月21日)


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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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