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2019年01月14日

【超呼吸法?】『ハーバード&ソルボンヌ大学 根来教授の 超呼吸法』根来秀行


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ハーバード&ソルボンヌ大学 根来教授の 超呼吸法


【本の概要】

◆今日ご紹介するのも、昨日同様「Kindle本 新春セール」の中で大人気だった作品。

著者である根来先生は、タイトルにもあるように、ハーバードとソルボンヌの医学部客員教授という肩書の持ち主だけに、本書もかなり説得力があります。

アマゾンの内容紹介から。
世界の最先端医療をリードするハーバード大学で、臨床、研究、医学教育に関わる著者が明かす、呼吸コントロールの決定版。
プレゼン前の集中力を高めてゾーンに入る「1:1呼吸法」から、睡眠向上のための「3分間呼吸法」、脳疲労をリセットする「10:20呼吸法」、
不安やストレスを取り除く「4:4:8呼吸法」などの7つの呼吸法を、使い分けることは、世界トップエリート&アスリートの常識。
無意識呼吸から戦略的呼吸へ。
「一流」に共通する「最高の自分を引き出す呼吸ノウハウ」のすべて!

セール期間中である今なら、中古に送料を加算した金額よりも、このKindle版が700円以上お得な計算です!





Breathing / db_in_uk


【ポイント】

■1.不安やストレスを取り除く「4・4・8呼吸法」
 ストレスを受けると脳の視床下部が反応し、交感神経が優位となり、心拍数や血圧が上昇します。これは脳の原始的な反応であるため、大事なプレゼンなどで、あがってしまうのは仕方がないことです。しかし緊張から思考が停止して頭が真っ白になるようでは、大事な局面は乗り切れません。この呼吸法は、副交感神経にスイッチを入れ、不安や恐怖などを引き起こす交感神経の暴走をくい止めます。眠れないときにもとても有効です。
【手順】
(1)ラクな姿勢をとる。
(2)息をまず吐ききる。
(3)4秒かけて息を吸う。
(4)4秒息を止める。
(5)8秒かけて息を吐く。
(6)(3)〜(5)を4回繰り返す。


■2.老廃物を流して疲労因子をリセットする「リンパ呼吸法」
 毎晩、寝る前の習慣にしたいほど、疲労&むくみリセット効果が高い呼吸法です。仰向けになって行うため、下肢が重力から解放されリンパが流れやすくなるだけでなく、横隔膜の近くにあるリンパ液が通る「乳び槽」に、ほどよい圧がかかり、リンパがスムーズに流れます。
 あとはそのまま入眠するだけで、朝にはすっきり。私の研究室の実験では、ドロドロのリンパ液がサラサラになり、その効果に驚きの声があがったほどです。
【手順】
(1)全身の力を抜いて膝を曲げた状態で、仰向けに寝転がる。
(2)息をまず軽く吐ききる。
(3)ゆっくりと鼻から息を吸い、お腹を大きく膨らませる。
(4)お腹を凹ませながら、長めにゆっくりと鼻から息を吐く。


■3.集中力のベースラインをキープするには、15分ごとにひと呼吸
 脳波のリズムが大きく変わるのは約90分単位ですが、その90分間ずっと集中力の高い状態をキープできているわけではなく、波があります。
 集中力の波が最初に大きめに落ちるのが、約45分経過したときです。その後は多少上がったり下がったりしながら、全体的にみると徐々に下降していきます。
 しかし15分ごとに呼吸法を用いた「ひと呼吸休憩」を入れるだけで、集中力のベースラインはキープできます。
 ひと呼吸休憩では、根来式呼吸法の中でも最もシンプルな、「ベース呼吸法(4秒吸って8秒吐く)」が最適です。仕事の手をちょっと休めてその場で3〜5回程度行うだけでしっかり効果を示します。
 3回で36秒、5回行ってもわずか1分です。
 実際、私の研究室でベース呼吸法を取り入れて検証したところ、集中力のベースラインをキープできる結果を得ています。
 さらにうれしいことに、15分ごとのひと呼吸休憩を取り入れることで、集中力だけでなく、その間に学習したことの記憶力がアップすることもわかっています。


■4.米特殊部隊でも採用されている自律神経調整法
「CO2呼吸法」は、アメリカの軍隊、警察の特殊部隊などで取り入れられている「tactical breathing」と同様の効果が得られる呼吸法です。
 想像を絶するほどの危険(ストレス)と隣り合わせとなる状況も少なくない特殊部隊の隊員にとって、厳しい状況下でも、即、心身のコントロールを取り戻す術を身につけることは、冷静な思考力を保ちながら「事」に集中して対処するために必須事項です。
 実は、「CO2呼吸法」は、呼吸のたびに息をこまめに止めることで、ストレスなどで過剰傾向にある日常呼吸の数を減らし、交感神経ばかりが優位になりがちな生活を一新するためのトレーニング呼吸法として開発したものです。
 その後、検証を進めていくうえで、習慣的に行うことで自律神経のトータルパワーを上げる効果も期待できることがわかってきました。
 その頃、同じようにこまめに息を止める「tactical breathing」の存在を知り、詳細を調べてみると、軍隊や警察などで困難や恐怖を克服するための呼吸法として使われていることを知りました。
 やり方はほぼ一緒ですが、「tactical breathing」は、4秒を基準にしているのに対し、私の「CO2呼吸法」は5秒を基準にしています。
 研究室にてどちらも検証してみましたが、効果はほとんど変わりませんでした。


■5.集中力を一気に高めたいときは「1:1呼吸法」
 普段から呼吸法を習慣化していれば、脳の働きを左右するセロトニンを活性化でき、集中力や生産性を高め、より満足のいくパフォーマンスを発揮しやすくなるはずです。
 そんな呼吸法の中でも特に、集中力&モチベーションを高めたいときにおすすめなのが、「1:1呼吸法」です。
「1:1呼吸法」は、集中力をアップさせるノルアドレナリンを出しながら、暴走をくい止めるセロトニンもしっかりと整えます。
 今まで、日常での無意識呼吸でも、意識して行う呼吸法でも、深く長い呼吸をすすめてきましたが、この呼吸法では、意識的に短く浅い呼吸を組み込みます。
 まず、短い胸式呼吸で交感神経を高めて、ノルアドレナリンを分泌。
 そのあと、ゆったりとした腹式呼吸でセロトニンをかぶせるように分泌することで、興奮し過ぎることなく、頭をクリアに整えながら、モチベーションを高めます。


【感想】

◆過去、呼吸法の作品を何冊か読んだことがありますが、ここまで数多い方法を収録した作品は初めてでした。

ただ、冒頭の内容紹介では「7つの呼吸法を、使い分ける」とありますが、実際に「根来式呼吸法」として挙げられているのは全部で10個。

……別に修正しても良かったのですが、何で逆方向に「盛った」のやら(謎)。

しかも下記目次にもあるように、本書の序章にて、この10個がすべて紹介されているという。

具体的には以下の通りになります。
副交感神経スイッチを入れる「ベース呼吸法」
不安やストレスを取り除く「4・4・8呼吸法」
集中力を高めゾーンに入る「1:1呼吸法」
細胞呼吸を活性化する「CO2呼吸法」
老廃物を流して疲労因子をリセット「リンパ呼吸法」
モヤモヤが晴れてすっきりクリアに「10・20呼吸法」
体も心もリラックスできる「下腹部呼吸法」
呼吸筋を鍛えながら、肺トレ「ドローイン」
さまざまな効果が狙える「完全呼吸法」
心と体が変わる「マインドフルネス呼吸法」


◆上記ポイントの1番目と2番目は、この序章から抜き出したもの。

実際には各方法ごとに、上記ポイントのような説明文とともに、「これに効く!」と題した、用途が列挙されています。

たとえばポイントの1番目の「4・4・8呼吸法」であれば、こんな感じ。
●緊張緩和 ●イライラ抑制 ●不安解消 ●ストレス解消 ●横隔膜トレーニング ●脳疲労リセット ●眠れないとき
そしてそれに続いて、やはりポイントにて抜き出した「手順」がイラスト入りで掲載されているという仕様。

本当は手順ごとに、必要に応じて簡単な説明があったり、手順の下にひと言アドバイスが付されているのですが、細かくなるので今回は割愛しております。

正直、この序章だけでも本書を読む価値があると言いますか、この序章だけ読んで、この記事を書いても良かったくらい。


◆一方、それに続く第1章以下では、私たちが知らないであろう呼吸の仕組みや考え方が解説されています。

たとえば第1章の小見出しからいくつか拾うと、このような感じに。
・「脳疲労」とは、「自律神経の疲弊」ともいえる
・ほぼ、すべての疲労は、「脳」に起因する
・自律神経の酸化ストレスで、脳疲労が起こる
・細胞の老廃物除去は、毛細血管とリンパ系で行われる
そして何らかの問題解決や改善が、呼吸によって行うことができる場合、それに応じた呼吸法が紹介されている次第。

ちなみに上記の引用にある「細胞の老廃物除去は、毛細血管とリンパ系で行われる」という節の中に、
 特に、1日の疲れがとれないと感じたときや、体のむくみが気になるときには、リンパ系の性質を考慮し開発した「リンパ呼吸法」(こちら(*))を実践してみてください。
という部分があるのですが、Kindle版だとこの「(こちら(*)」をクリックすると、序章の10の呼吸法の中の「リンパ呼吸法」に飛ばされるようになっています。

なお、この呼吸法の提案は必ずしも1つではなくて、たとえば「休憩時に行う呼吸法」としては、
「ベース呼吸法」もしくは「4・4・8呼吸法」がおすすめです
というように、複数挙げられたりもしていました。

なるほど、1つの状態に対して複数の呼吸法を薦めるのであれば、呼吸法ごとに章を分けずに、本書のような章立てをするのも必然なのかな、と。


◆ちなみに本書では、このような呼吸法だけでなく、合わせて行うと良い「生活の質を上げる」ためのアドバイスもあります。

ベタなところでは「睡眠」や「マインドフルネス」。

また、シャワーではなく「入浴」を行うと、
ただつかるだけで、「温熱効果」「浮力効果」「水圧効果」という3つの物理的作用が働く
というのは知りませんでした。

特に
血液の流れは、体が温まることでも促進されるため、 全身の毛細血管への血流が上がり、体内の老廃物や疲労物質などが効果的に取り除かれ、疲労やコリなどが一気に和らぎます。
というのであれば、これは湯船につからない手はないな、と。

もちろん、本書で紹介されている呼吸法もお忘れなく!


量質ともに「呼吸法」の本としては最高レベルの1冊!

B07HHNQBTV
ハーバード&ソルボンヌ大学 根来教授の 超呼吸法
プロローグ 呼吸を制して、最強メンタル、脳覚醒をコントロール
序章 脳を自在に操りパフォーマンスを挙げる10の呼吸法
第1章 脳を最適化する呼吸法
第2章 なぜ呼吸がパフォーマンス向上の根幹となるのか
第3章 日常呼吸を見直せばパフォーマンスはもっと向上する
第4章 正しい呼吸はトータルパワーを飛躍させる
第5章 プレゼンに強くなるセロトニンコントロール
第6章 体調に直結する毛細血管力
第7章 最高の睡眠は最強の呼吸法から
第8章 多くの著名人が実践するマインドフルネス
エピローグ 本来のポテンシャルを最大限に生かすために


【関連記事】

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【呼吸】『できる男のメンタルコンディショニング』船瀬俊介(2017年03月07日)

【呼吸】『呼吸で心を整える』倉橋竜哉(2016年02月23日)

【ライフハック】『呼吸入門 心身を整える日本伝統の知恵』齋藤 孝(2015年03月15日)

【自律神経?】『忙しいビジネスパーソンのための自律神経整え方BOOK』原田 賢(2018年07月20日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書
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下記のようにレビュー済みのこの本は、Kindle版が実質的に600円弱お買い得。

参考記事:【読書術】『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書』西岡壱誠(2018年06月03日)

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Posted by smoothfoxxx at 10:00
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