スポンサーリンク

       

2018年10月28日

【転職】『今よりいい会社に転職する賢い方法』佐藤文男


今よりいい会社に転職する賢い方法 (NextPublishing)
今よりいい会社に転職する賢い方法 (NextPublishing)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、昨日の「インプレスグループセール2018」の中で、個人的に読んでみたかった1冊。

著者の佐藤文男さんは、ヘッドハンターとして何冊も転職本を書かれており、本書はその集大成とも言える作品です。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
今が転職のベストタイミングなのか、会社に残るべきなのか、という「転職前」に考えてほしいこと、さらに「転職活動中」の注意点、「転職した後」の動き方まで93項目にわたって丁寧に解説していきます。年収、やりがい、環境…様々な条件において、「今よりいい会社」に移ることをめざす読者にとって、きっと最高の転職本になるはずです。

なお、オンデマンド版とはいえ定価は2000円以上しますから、Kindle版が1200円以上、お買い得となっています。





Resume Reviews / librarianidol


【ポイント】

■1.自分の実力を過大評価しない
 自分を実力以上に高く評価してしまっている人も、転職で失敗しやすいタイプです。「敵を知り己を知れば、百戦危うからず」と言いますが、転職においても己を知ることは大切です。ところが現実には自分がかわいいから、つい自分の評価に対しては2割り増しして過大評価しやすいのです。自分に対する評価は常に8掛けくらいにして少し低く見るように意識したいものです。良い意味でポジティブな考え方は転職活動を続けていく上でもプラスに働きますが、あまり自分を過大評価してしまうと転職はできたとしても転職後が心配です。
 現実には20代から30代の若い世代は自分のことをクールに見ることができずに、一般的に自己評価は甘くなりがちです。しかしながら40代から50代の方でも、特に大企業で役職に就いていた人などは、自分の実力を勘違いしてしまっているケースが見受けられます。もちろん、この点は一概に年齢では語れないかもしれませんが、いずれにせよ、自分に対して謙虚に客観的に見つめ直す姿勢を持つことが大切であると言えましょう。


■2.転職のベクトルを定める
 転職を決断したら、具体的な行動に移る前に指針となる大まかな方向性を定める必要があります。私はこれを「転職のベクトル」と呼んでいます。(中略)
 具体的なやり方としては、まず次の内容を紙に書き出します。
(1)どんな業種・職種に転職したいのか?
(2)いつ頃退職して転職したいのか?
(3)これまで勤めていた会社と同じ業種でいいのか? それとも別の業種がいいのか?
(4)その転職が果たして自分のキャリアアップにつながるのか?
 特に職種は、「即戦力として自分は何ができるか」だけでなく、「何をやりたいか」も視野に入れて考えてみるといいでしょう。すなわち、自分が今携わっている仕事の延長線上でもちろん構いませんが、他に自分のやりたいと思える仕事がある場合には、まずそちらを優先したほうが長い目で見ると良い結果につながります。


■3.職務経歴書は具体的に
 また、職務の実績や成果は、できるだけ具体的な内容と数字を明記します。たとえば、ただ「売上アップに貢献」と書くのではなく、「売上で前年同月比30%アップを達成」と書いたほうが読むほうにとってはイメージが湧きやすく説得力があります。結果が数字として出にくい管理部門であっても、「5年間で延べ80人採用、研修を担当」「社内ネットワークに新システムを導入」など、なるべく数字を使いながら具体的な実績を書くように心がけます。
 自分をアピールしようという思いが強すぎると、自分の実績について事細かにすべて書きたくなるものですが、あまり長くなっても読むほうにとっては大変なだけで、読み終わったあとの印象もぼやけてしまいます。
 自分のキャリアのアピールポイントは、多くても5つ程度に絞るといいでしょう。その際に大切なことは、「自分が自慢したい実績」ではなく「募集している企業・職種が求めている実績」を書くことです。そこにミスマッチがあれば、どんなに立派な実績を持っていても企業側にとっては何のアピールにもなりません。


■4.会社に退職を伝えたら後戻りはできない
 最初に退職の意志を告げるのは、基本的には自分の直属の上司になります。上司の空いているスケジュールを見計らって、社内の会議室でも社外の喫茶店でも構いませんので二人で話せる状況をつくるといいでしょう。そして退職すること、転職先が決まっていること、そして自分の転職に対する意志の固さと、引き継ぎをきちんと行い円満退社したい旨を伝えます。
 おそらく上司はあなたを引き留めにかかるでしょうが、一度退職の意志を伝えたら、けっしてそれを翻すことはお勧めできません。一度、会社に辞意を表明したあとで強い慰留にあい、結局転職を思いとどまったとします。その場では上司も「よく留まってくれた」と言ってはくれるでしょうが、一度でも「会社を退職する」と発言してしまったことは、それは会社に対するある意味の背任行為として残ってしまうので、その後も当然良いイメージは持たれません。


■5.人間関係の問題は自分自身を疑う
 転職先にかかわらず職場の人間関係で悩んでいる人に話を聞くと、「職場の同僚達が…」「直属の上司が…」「社風が…」と、自分ではなく周囲の人たちや環境に原因があると思っているケースがよくあります。そういう方たちは、「別の会社に転職すれば、そこではうまくやっていける」と基本的に考えておられるようですが、それは大きな誤りです。
 はっきり言わせていただくと、現在の職場の人間関係をうまく処理できていない方は、過去にもうまくいっていないことが多く、この先更に転職したとして別の職場に行っても再び人間関係で同じような問題にぶち当たってしまう可能性が高いわけです。今の人間関係を改善しようと正面から向き合わない限り、いつまでもこの問題はあなたにつきまといますし、おそらく逃げきることはできないかと思われます。
 人間関係をうまく構築できない人は、まず「自分自身に問題があるのではないか?」という認識が必要です。人とうまくやっていけない状況を、直ぐに周囲のせいにしていてはいつまで経っても変化はありません。人との接し方を自らコントロールすることによって、人間関係のトラブルの解決口は必ずや開けます。


【感想】

◆冒頭の内容紹介にもあるように、本書は転職に関するTIPS(本書内では「ナビ」と呼んでいます)が、93項目も詰まった力作です。

そして著者の佐藤さんは、転職本メインで本書の前に17冊も執筆されていますから、それらと内容的には、大なり小なりかぶっているハズ。

ただし、最初の本が2001年発売だそうですから、それから今までの間で、転職状況も大きく変わっています。

特にリーマンショックの前と後とでは、かなりの変化があったとのこと(詳細は本書を)。

そういう意味では、昔の佐藤さんの転職本をお読みの方でも、本書を読む意義は大いにあると思います。


◆さて、本書の第1章では、「『転職をすべきかどうか』その判断基準」と題して、そもそも本当に転職すべきか否かの時点からの検討が。

特に大企業にお勤めの方に目だつのが、上記ポイントの1番目にもある自分についての過信です。

業績でも何でも、その会社の「カンバン」があったがゆえの点を自覚していないと、いざ転職しようとして現実に直面することに!?

確かに同じ金額を売り上げていたとしても、無名の会社でそれだけの数字を達成している方が、実力的にはあるでしょうし。

……ちなみに私も会社員時代は、数字上は「何千億円もの予算編成をしていた」のですが、私の実力とは全く関係ありませんからw

つまり、大企業で冷遇されていると感じている方でも、ご自分の実力がない(失礼)可能性があるので、下手に転職しない方が良いということですね。


◆続く第2章は「転職活動をする前にやっておくべきこと」ということで、一応転職することを決めた方にとっての準備編。

上記ポイントの2番目では「転職のベクトル」なるものを書き出しましたが、実際にはそれに加えて、さらに細かい内容の「転職の羅針盤」も作成しなければなりません。

そこに書き込む内容は、それこそ「職種」や「業種」、「企業規模」「勤務地」等々。

注意点に関しては本書にてご確認いただきたいのですが、これを固めておかないと転職活動が途中で成り行き任せになってしまうのだそうです。

なお、「職種」と「業種」を2軸にして、従来と同じか否かのマトリクスで考えると、転職は4つのパターンに分類が可能。

これを転職しやすさで考えた場合、従来は「同業種同職種」が最もやりやすかったのが、最近はむしろ「異業種同職種」の方が可能性が高いとのことです。


◆一方、第3章の「いざ転職活動へ!具体的手順を紹介」では、タイトル通り手順の説明が。

上記ポイントの3番目の「職務経歴書」以外にも、当然ですが履歴書や、場合によっては英文の履歴書も用意しなくてはなりません。

また、実際に活動するにしても、自力でやるのか、人材紹介会社を利用するのか。

佐藤さんは人材紹介会社の方ですから、多少のポジショントークはあるにせよ、そのメリットは検討する価値はあると思います。

さらには面接の注意点や、面接でよく聞かれる質問等は、押さえておくにこしたことはないかと。


◆実際に転職が決まってからの注意事項は、第4章の「転職が決まってからの動き方」に詳しいです。

上記ポイントの4番目は、第4章の初っ端に挙げられていたのですが、まさにその通り!

実際に留意されて残ったものの、その後不遇な目にあった(出世はまず不可能かと)具体例を読むと、一度言ったら後には引けないのだな、と。

ただし出ていくにしても、円満退社は心掛けなくてはなりませんから、引き継ぎ等にはご留意を(詳細は本書を)。

さらに、最後の第5章では、転職先の会社での働き方まで指南されているという親切ぶりです。

……この1冊を読めば、もはや転職に関する知識はほぼカバーできてしまう気が。


転職をお考えの方なら、必読の1冊!

今よりいい会社に転職する賢い方法 (NextPublishing)
今よりいい会社に転職する賢い方法 (NextPublishing)
序章 ヘッドハンターが見通す「転職のいまとこれから」
第1章 「転職をすべきかどうか」その判断基準
第2章 転職活動をする前にやっておくべきこと
第3章 いざ転職活動へ!具体的手順を紹介
第4章 転職が決まってからの動き方
第5章 転職した会社でまずあなたがやるべきこと


【関連記事】

【出世する?】『35歳から出世する人、しない人』佐藤文男(2012年04月14日)

【転職】『40歳からの「転職格差」 まだ間に合う人、もう手遅れな人』黒田真行(2018年05月31日)

【30代以下でも!】『40歳からのサバイバル転職成功術』海老一宏(2013年04月14日)

【勤め方】『自分に適した仕事がないと思ったら読む本 落ちこぼれの就職・転職術』福澤徹三(2016年11月09日)

【就職&転職】『20代のための「キャリア」と「仕事」入門』塩野 誠(2013年11月17日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

学校では教えない「社会人のための現代史」 池上彰教授の東工大講義 国際篇 (文春文庫)
学校では教えない「社会人のための現代史」 池上彰教授の東工大講義 国際篇 (文春文庫)

セールではおなじみである、池上彰さんのこの作品は送料以下の「199円」でのご提供。

西洋美術史入門 (ちくまプリマー新書)
西洋美術史入門 (ちくまプリマー新書)

こちらの新書は、実は中古が定価と変わらないので、600円弱お得。

心に折り合いをつけて うまいことやる習慣
心に折り合いをつけて うまいことやる習慣

当ブログ初登場となるこの自己啓発書は、中古に送料を足すと定価並みなので、800円弱お買い得となります。


【編集後記2】

◆その「インプレスグループセール2018」で人気だったのは、この辺でした(順不同)。

B07F32MX2X
図解 鬼速PDCA

B07BKT352H
関数は「使える順」に極めよう! Excel 最高の学び方 できるビジネスシリーズ

沈黙のWebライティング —Webマーケッター ボーンの激闘—
沈黙のWebライティング —Webマーケッター ボーンの激闘—

宜しければご参考まで!


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

この記事のカテゴリー:「ビジネススキル」へ

「マインドマップ的読書感想文」のトップへ
Posted by smoothfoxxx at 10:00
ビジネススキルこのエントリーを含むはてなブックマーク

スポンサーリンク