2018年10月23日
【生産性向上?】『Google流 疲れない働き方』ピョートル・フェリークス・グジバチ
Google流 疲れない働き方
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、現在開催中である「Kindle6周年記念キャンペーン」の第4回分の記事の中でも人気だった働き方本。著者のピョートル・フェリークス・グジバチさんは、当ブログでも過去2冊ほど著作をレビューしていますから、ご存知の方も多いと思います。
アマゾンの内容紹介から。
なぜ、会社にいるだけで疲れるの?元グーグル人事担当が教える究極の「心と体」の整え方。体のエネルギー、感情のエネルギー、集中のエネルギー、生きることの意義からくるエネルギー。この4つを整えて疲労をためず、最大のパフォーマンスを出す!2018年読者が選ぶビジネス書グランプリビジネス実務部門第1位『世界一速く結果を出す人は、なぜ、メールを使わないのか』の第2弾!
なお、中古は値崩れしていますが、セール期間内であればこのKindle版が300円弱、お買い得となります!
Google Lego doodle, pt. 5 / Marcin Wichary
【ポイント】
■1.フロー状態に入るための17の要件(抜粋)●明確な目標:「今、何に取り組んでいるのか」「何のために取り組んでいるのか」を具体的に自覚する
●ワクワクする環境:「新規性」「予測不可能性」「複雑性」の3要素が高い環境をつくる
●活発なコミュニケーション:定期的にフィードバックをし合い、活発にコミュニケーションを行なう
●コントロール感:自分が信じることを選択し挑戦できる自由、そのためのスキルを高められる成長機会を感じる
●厳しさ:馴れ合いではなく、厳しい環境を自ら創り出す
●傾聴:目の前の会話に完全に耳を傾け合う習慣を持つ
(詳細は本書を)
■2.瞑想では深呼吸して周辺視野を意識する
一般的な瞑想では、手を楽に膝の上に置いて、リラックスして、目を閉じるか、もしくは少し目線を下げ、そして、呼吸に意識を集中させる、というものが多いようです。
僕は、それに加えて「周辺視野」というものを意識する方法も取り入れています。目をつぶったり、何か1点に集中するのではなく、全体に視野を広げてものを見ます。たとえば、山を見る時にその山頂を見るだけでなく、その裾野や周囲の雲など広い視野でとらえるような感じで、何か1つに集中するのではなく、意識を全体に広げて見ているような状態です。やってみるとすぐ自身の感覚が変わってくるはずです。
僕も満員電車や疲れた時に行ないますが、ほかの瞑想のように何十分と時間をかけなくても、短期間で、自分の心の状態が整うように感じます。
■3.新しいことをするために、あえて「ルーチン」をつくる
「何にでもチャレンジする」ことは重要なのですが、新しい要素ばかりでも脳が疲れてしまいます。自分が心地良いと感じるルーチンも、持っておくべきです。
たとえば、初対面の人と打ち合わせをすることになったとしましょう。
初対面の人と知り合うのはとても刺激的で楽しみなのですが、そのための準備をいちいち考えるのは面倒です。
そこで、
「どんな服を着ていく?」
「どこで打ち合わせをする?」
「食事をするのはどこにする?」
こういったことは普段からパターン化しておき、極力自分の頭を使わないようにします。そうすることで余分なところにエネルギーを割かなくてすむようになり、安心していろんなことにチャレンジできるようになるのです。
■4.認知心理学で感情をマネジメントする
たとえば、職場で誰かに「まだできないの?」とか「何でできないの?」と言われたとします。当然、誰でも腹が立ちますよね。人によっては、キレて周囲に当たり散らす人もいるでしょうし、そこまでいかなくてもむっつり黙ってしまうことはあると思います。(中略)
認知心理学では、こういう場合の振る舞い方について教えています。・まず、自分が言われたことをきちんと認識するこの3段階を踏むように心がけましょう。
・イラっとしたりムカッときたりしたら、まずは深呼吸する
・そして、どんな建設的な反応をとればいいかを論理的に考えてから、反論するようにする
たとえば、イラッとするメールを受け取ることはあると思いますが、その場合も即座に返信してはいけません。少し時間をおいて、心に余裕がある時に見直して返信してください。時間をおいて見直すだけで、同じメールの内容でも違う角度から受け取ることができるでしょう。
■5.上司は期待を明確にすべし
たとえば上司は心の中で部下に「Aさんは、新人だから、まずはこの分野で確実な成果をあげてほしい」と思っているのに、Aさんは「営業部の一員として、大きな数字をあげよう。だからいろいろと挑戦することで部にも貢献できるはずだ」と考えているかもしれません。
すると両者にすれ違いが生じ、部下は「頑張っているのに評価してくれない」、上司は「無駄なことばかりやって、仕事がおろそかになっている」と感じるかもしれません。
もしくは、上司が部下に「何に期待をしているのか」を伝えていないばかりに、「どうせ自分は期待されていないから」と、部下は前向きに仕事ができなくなってしまうことだってあります。(中略)
期待は明確になればなるほどいいのです。
【感想】
◆本書の序章では、よく「生産性が低い」と言われる日本人と、逆に「生産性が高い」Google社員との比較が行われています。その点に関して著者のグジバチさんいわく、日本人は「疲れている」から、成果が出ない、とのこと。
そこでGoogleにならって、冒頭の内容紹介にある
体のエネルギー、感情のエネルギー、集中のエネルギー、生きることの意義からくるエネルギーの4つを整えることが、本書の目的となっています。
さっそく第1章では、「時間のマネジメントから、『集中力』のマネジメントへ」と題して、いわゆるフロー状態に入ることを提言。
上記ポイントの1番目は、そのフロー状態に入るための17の要件から抜粋したものです。
体系としては、「心理的な要件」「環境的な要件」「創造的な要件」「社会的な要件」の4つに分類されているのですが、詳細等は本書にてご確認を。
◆同じくフローに入りやすくなるために効果があるのがマインドフルネスです。
たとえば上記ポイントの2番目は、「ピョートル版マインドフルネス瞑想」とグジバチさんが呼んでいるもの。
目をつぶらない瞑想というのは少々ユニークですし、「周辺視野」という、ある意味「焦点を合わせないで見る」という行為は、なるほど効果がありそうな。
さらに本書では、類書でも見たことがある「ボディスキャン」という、深呼吸をしながら全身の感覚や呼吸を意識する瞑想方法を推奨しています。
……さすがにグジバチさんのように、歩きながらボディスキャンができるようになるには、時間がかかりそうですがw
◆一方上記ポイントの3番目の「ルーチン」のお話は、ジョブズがいつも同じ格好だったことからもおなじみです。
結局、こうした服装や場所を選ぶこと自体が「疲れ」につながるということ。
この本でも「無駄な意思決定はなるべくしない」と言われていましたっけ。
どうすれば幸せになれるか科学的に考えてみた
参考記事:【科学的自己啓発書】『どうすれば幸せになれるか科学的に考えてみた』吉田尚記,石川善樹(2018年02月21日)
実際、私自身もワイシャツは同じものを5枚買って、手前にあるものからローテーションで順番に着ていますから、迷うことはありません。
◆また、感情もパフォーマンスに影響を与えますから、生産性を考える上では意識しておきたいところ。
特に重要なのが、「感情と反応を切り離す」ことであり、そこで上記ポイントの4番目にあるような振る舞い方を、日頃から心掛けておくべきでしょう。
同じく生産性に関係するのが、第3章にある「食事・睡眠・運動の習慣」なのですが、こちらは健康本等で今までさんざん説教されてきましたので、割愛しました。
なお、第4章の組織のお話は、視点は違うものの、先日ご紹介したこの本を合わせて読まれると良いかも。
世界最高のチーム グーグル流「最少の人数」で「最大の成果」を生み出す方法
参考記事:【Google流?】『世界最高のチーム グーグル流「最少の人数」で「最大の成果」を生み出す方法』ピョートル・フェリクス・グジバチ(2018年08月23日)
いずれにせよ、ただがむしゃらに働けば、成果が出ると思い込んでいる方にとっては、本書は参考になるTIPSが多いと思います。
生産性を向上させたいなら読むべし!
Google流 疲れない働き方
序章 皆さん、疲れすぎていませんか?
第1章 時間のマネジメントから、「集中力」のマネジメントへ
第2章 疲れず生産性を上げる「エネルギー」と「感情」のマネジメント
第3章 確実に自分をチャージする食事・睡眠・運動の習慣
第4章 疲れる組織と疲れない組織
第5章 疲れない働き方
【関連記事】
【Google流?】『世界最高のチーム グーグル流「最少の人数」で「最大の成果」を生み出す方法』ピョートル・フェリクス・グジバチ(2018年08月23日)【仕事術】『世界一速く結果を出す人は、なぜ、メールを使わないのか グーグルの個人・チームで成果を上げる方法』ピョートル・フェリークス・グジバチ(2017年01月31日)
【問題解決】『SPRINT 最速仕事術――あらゆる仕事がうまくいく最も合理的な方法』ジェイク・ナップ,ジョン・ゼラツキー,ブレイデン・コウィッツ、他(2017年04月28日)
【科学的自己啓発書】『どうすれば幸せになれるか科学的に考えてみた』吉田尚記,石川善樹(2018年02月21日)
【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から。情熱の階段 日本人闘牛士、たった一人の挑戦 (第一事業局単行本シリーズ)
何やら絶賛しているレビューが多いドキュメンタリー本なので、気になる方は要チェックで。
中古は値崩れしていますが、送料を加味すればKindle版がお得です。
ご声援ありがとうございました!
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