2018年09月12日
【人間関係?】『気が小さくても立場を悪くせずとも職場のアホを撃退できる! 都合のよすぎる方法』イェンツ・ヴァイドナー
気が小さくても立場を悪くせずとも職場のアホを撃退できる! 都合のよすぎる方法
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事でも意外な人気だったコミュニケーション本。実は上記記事の時点で、一番お求めいただいている作品となります。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
本書は、「攻撃性」をビジネスに活かすための方法論をロジカルにまとめたものである。
攻撃性を、ベストなシーンで、ベストなタイミングで、ベストな相手に対して、ベストな使い方をすれば、ビジネスをはじめ、世の中を渡っていく際に大きく有利になる。
なお、当初定価と同額だったKindle版が若干値下げされたので、私は当然そちらで読みました!
Having a quarrel / star5112
【ポイント】
■1.「20%ほどの攻撃性」を発動させるおそらく、親愛なる読者のみなさんは人間的にすばらしい方々でしょう。チームを大切にし、思いやりを持って日々の仕事をこなしているかもしれませんね。しかし本書では、あなたの人格のうち、こうした高潔な面は取り扱いません。ここでは、あなたが元々持ち合わせている攻撃性を強化することがテーマとなっています。必要に迫られれば、 熾烈 な競争の渦中にあっても自分を押し通すことができるようにするための攻撃性を扱います。
もしこの本で、あなたの中に 20%の闘志と押し通す力を育てることができれば、あなたの健康に貢献したと考えることができるでしょう。なぜならその 20%で、あなたがのみ込む怒りの感情が減り、敵はあなたがいけにえとしてふさわしくないと気付くでしょうから。すばらしいと思いませんか?
■2.「ポジティブな攻撃性」を発動するための8つの行動
その1 力で自分を押し通すほどの目標なのかを再確認する
その2 勝率が 50%ない場合は戦わず、味方になってもらう
その3 先手必勝! 早いうちから、自分の考えを人前で話す
その4 不平家、負け犬、心配性とは距離を置く
その5 攻撃を受けた先には、大きな報酬が待っていることを楽しみにする
その6 防御の言葉を用意しておく
その7 自分に関する悪いうわさには即座に対応する
その8 敵の分析は定期的に行う
(詳細は本書を)
■3.攻撃性を覚醒するために「中和の技術」を肯定する
中和の技術とは、罪悪感と恥を感じないための言い訳のようなものです。これは、財界や職場で、醜い現実を「きれいな言葉で包み込む」のに好んで利用されます。中和の技術とは、例えば次のようなものです。・「従業員を解雇する」とは言わず、「企業の存続を確保するための対策をとる」または「任務から解放する」と表現するこういう婉曲表現は、何かをやり通したい時に助けてくれます。自分の行為にポジティブな見かけを与えてくれるからです。
・「部門閉鎖」とは言わず、「中核事業への戦略的集中を進める」と言う(中略)
反対に、ネガティブな結果に意識を集中すると、力が削がれ、罪悪感で動きが取れなくなってしまいます。自分がしたことを自分自身に正当化できない人は、目的意識を持って準備し、必要な行動を起こすこともできないでしょう。
■4.ダイヤモンド分析で相手を見極める
ダイヤモンド分析を使えば、誰があなたの味方で、誰が敵かを分析、つまり、この人だけは信頼してはいけないという相手の見極めも簡単になります。・リーダー:笑みを浮かべた勝者(詳細は本書を)
・ラスボス:陰の実力者(黒幕)
・スポークスマン:忠誠心厚い代弁者
・腰巾着:順応力のある召使い
・ぼっち:協調性がない不平屋のひとりぼっち
・ツインズ:互いに依存し合うどうでもよい二人組
・メッセンジャー:使い走りのお手伝いさん役
・スケープゴート:永遠の悪者
■5.相手の攻撃に対抗する「防衛レトリック」
すべての防衛レトリックは、まず「ノー」と言うところから始まります。
ただし「ノー」と言う時に、その理由を言ってはいけません。 言いがかりをつけてくる相手は、あなたの「ノー」を骨抜きにするための十分な反論も用意しているはずですから。
理由の代わりに言うべき言葉は、ただ一言。「なぜだめなのか、自分でよく考えてみてください」。そうすると、どれだけの人が本当にいろいろ思いをめぐらし始めるか、きっと驚きますよ。
どんなに一生懸命考えても拒否する理由が見つからない場合でも、とりあえず理由は言わずに「ノー」と言い、先ほどの言葉をそれに続けると、実に驚くようなことが起こります。相手は、納得のいく拒否理由を見つけようと、あらん限りの想像力を動員し始めるのです。あるいは、永遠に拒否された理由を考え続ける人もいるでしょう。そう、そのまま考え続ければいいのです!
【感想】
◆引っ込み思案の方にとっては、「パラダイムシフト」となるかもしれない1冊でした。そもそも著者のイェンツ・ヴァイドナーは、ドイツの犯罪学の教授であり、「刑務所などでの暴力矯正プログラムという、攻撃性を抑える方法論」が専門の人物。
ところがスイスのある経済研究所の所長から依頼を受け、本職とは真逆の「非常に優秀だが闘志とパワーが足りない経営者」を何とかするための経営セミナーを立ち上げることになります。
本書はそのセミナー参加者の要望に基づき、彼らが定期的に読むための備忘録代りに書かれたもの。
すると『ファイナンシャル・タイム』のドイツ版の経済本ランキングで33週連続1位となったのだそうです。
内容的に結構えげつないお話も多いので、にわかには信じがたいのですが……。
◆とはいえ、さすがに全面的に煽るような内容ではなく、まず序章では、上記ポイントの1番目にあるように、「20%ほどの攻撃性」を発動させるよう提案しています。
ただし、その攻撃性にも6つの種類があり、本書の第2章ではそれぞれについて解説(詳細は本書を)。
その中で唯一発動させて良いのが、「ポジティブな攻撃性」であり、続く第3章では、上記ポイントの2番目にあるように、その前提となる8つの行動について触れられています。
……ここに限らず、本書ではプレゼン資料のように「箇条書き」で挙げるパターンが多いのですが、その詳細部分にいくらハイライトを引いていても引用しにくくて、結局このポイントの2番目や4番目のように小見出しだけ抜き出さざるを得なかったのですが(スイマセン)。
◆さらに本書の第5章では、自分自身の攻撃性や闘志を確認するためのテストを収録。
50個ものチェック項目があるので、ここも抜き出しようがなかったのですが、「はい」の数に応じて、アドバイスが掲載されていますので、ここも実際にやってみていただきたく。
なお同じ第5章にあって、こういう「攻撃性」を発動できない方のために必要なのが、上記ポイントの3番目の「中和の技術」です。
こんなものをまったく必要とせずに、さくさく攻撃する人もいますが、そういう人は一歩間違ったら「パワハラ」になりかねませんから、普通の方なら要チェックで。
ちなみにこの「中和の技術」は、本書の最終章で、再度掘り下げられていますから、そちらもご確認ください。
◆一方本書の第6章では、職場環境の分析について解説。
ここで活用せねばならないのが、上記ポイントの4番目の「ダイヤモンド分析」です。
ここも本書ではそれぞれの役割について、細かい説明とアドバイスが掲載されているのですが、キリがないので割愛させていただきました。
逆に第7章から抜き出した、上記ポイントの5番目の「防衛レトリック」は、単独で用いることが可能ですから、ぜひご活用を。
なるほど
「なぜだめなのか、自分でよく考えてみてください」というフレーズは、反論を用意している相手にも効きそうですねw
◆正直な話、私自身は必要に応じて攻撃的になれることもありますが、それでも本書のアドバイスは、少々えげつない、と感じました。
ただ、それも自分が行うのではなくて、相手からされているのなら話は別。
理不尽な扱いや、不当な評価にさらされるくらいなら、本書を読んで、「相手の手の内を知る」ことも大事ではないでしょうか?
そういう意味では、『影響力の武器』と同様、防衛用に読むと考えるのなら、「33週連続1位」というのもうなずけるところ。
もちろん、引っ込み思案方にとっては、少しでも積極性を出すためにも、一読の価値はあると思います。
「ポジティブな攻撃性」を発揮すべし!
気が小さくても立場を悪くせずとも職場のアホを撃退できる! 都合のよすぎる方法
序章 いい人をやめる必要はない。ちょっと変わればいいだけ
第1章 ストレスは無理して抑えるな。むしろ従った方がいい
第2章 攻撃性のうち9割は、発動させてはならないもの
第3章 攻撃性の中で唯一推奨されている「ポジティブな攻撃性」とは
第4章 敵を知ることで、ポジティブな攻撃性は発動させやすくなる
第5章 自分の攻撃性や闘志を知ると、ポジティブな攻撃性はもっと発動させやすくなる
第6章 職場環境を知ることで有利な立場になれる
第7章 効き目は折り紙付き! ポジティブな攻撃性をさらに強める行動
第8章 禁断の秘技「中和の技術」――知っておいて損はない。でも実際には使うな!――
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【議論】『反論が苦手な人の議論トレーニング』吉岡友治(2014年09月16日)
【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から。眠れなくなるほど面白い 図解 数学の定理
算数好きのムスコにいつか読ませようと、とりあえず買ってみました(300円しませんし)。
中古に送料を足すと定価を上回りますから、Kindle版が400円以上お買い得です!
ご声援ありがとうございました!
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