2018年08月21日
【外見戦略?】『未来を変える「外見戦略」』川園 樹
未来を変える「外見戦略」
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、現在開催中である「雑学&教養本フェア」の中でも、人気だった1冊。いわゆる服装本かと思いきや、もうちょっと広範囲に「外見」を改善する方法について言及された作品でした。
アマゾンの内容紹介から。
国際イメージコンサルタントとして活躍する著者が語る、最短で「理想の自分」になる方法!
国政選挙から海外の要人、上場企業経営者、芸能人、スポーツ選手、起業家など、3000人以上の方々の外見を変えた最新メソッド!
中古がまだそれほど値下がりしていませんから、送料を加味するとKindle版が500円以上お買い得です!
Suits / Menswear Market
【ポイント】
■1.外見は「状態」を変える想像してみてください。数ヶ月間まったく売れない営業の方は、どのような外見でしょうか。どのような服装、表情、立ち居振る舞いをしているでしょうか。例えば、着古したスーツに身を包み、暗い顔、うつむき加減で立っている。そんな「状態」かもしれません。
「状態→行動→結果」という流れで考えると、営業の方の次の「行動」や「結果」は、着古したスーツ、暗い顔、うつむき加減という「状態」から引き出されます。つまり次の訪問先でも「売れない状態」から引き出された「行動」をとりますから、よい「結果」が出る可能性は低くなります。
この論法でいくと、この営業の方は永遠に売れないことになります。
多くの方は「結果」を変えるために「行動」を変えます。新しい営業ノウハウを学び、それに合わせた「行動」をとります。しかし、「状態→行動→結果」という流れを考えれば、真っ先に変えるべきなのは「状態」なのです。
「状態」を変えるには外見を変えることです。
■2.外見は内面にマッチさせる
私のクライアントの方に多数のべストセラーになっているビジネス書の著者であり、セミナー講師として活躍されている男性Aさんがいらっしゃいます。数年前、出会った頃のAさんは、著書を出す以前で「望む顧客がセミナーに来ないこと」を悩んでいました。(中略)
Aさんの考え方や話の内容はもともとハイレべルでした。しかし外見からは、4日間で数十万円のハイレべルなセミナーを提供している方には見えなかったのです。見た目が悪いということではなく、Aさんの外見と、提供する商品・サービス・価格とが合っていなかったのです。しかし外見をAさんの理想の姿や内面に合わせることで、100人程度の定員であれば即完売、企業や外部団体のセミナーにも呼ばれるようになりました。結果としてAさんは自信を深め、ついに2000人規模のセミナーを満席で行うまでになりました。
■3.眼鏡で顔に立体感を与える
かつて眼鏡店のCMのコピーに「眼鏡は顔の一部です」というものがありました。眼鏡は、顔のパーツ同様、顔の印象を大きく左右する重要な要素であることを伝えたものです。
眼鏡をかけると顔の輪郭を変えたり、目の位置や目の大きさ、形の見え方の印象を変えたり、顔に立体感を与えたりすることができます。
例えば、日本人は眉間から鼻にかけての凹凸があまりない方が多いのですが、その部分に凹凸を作り陰影を作ると知的に見えます。凹凸が少ないと顔が平面的に見え、幼く頼りない印象、頭脳派の印象よりも肉体派の印象となり、知的なイメージは弱まります。そのような場合、眼鏡のフレームで高さを作ると、知的な印象を与えることができます。
■4.髪型は一筆書きで書ける形にする
髪型は一番初めに人のイメージを相手に伝えます。
例えば、ふんわりとした髪型は目がソフトに見えるので、柔らかさ、優しさを表現したい場合にお勧めです。子育てについて話す時、心の穏やかさを表現したい時にお勧めの髪型です。具体的には、食品関係、ぺット関係、キッズ関係などの職業に向いていると言えます。
短髪にすると目が強く見え、成果を出す人という印象を相手に与えます。士業、金融・保険関係、不動産関係、コンサルタント、エグゼクティブなどに向いていると言えます。
ですが、髪型はあくまで脇役、顔の中心部分に相手の視線を集めることを忘れないでください。髪のスタイルやカラーに凝りすぎると相手にとってはノイズになります。目に集中させるために髪型があると考えてください。
髪型の基本は、一筆書きで書ける形にすることです。前髪はおでこを全て出すかおでこを2分の1まで出すのがノイズがなく目の印象が強くなるためお勧めです。
■5.戦略のない提案には気をつける
「外見戦略」はお酒落になることが目的ではないのですが、アパレルショップの店員さんのアドバイス通りの服装にした結果、アパレルショップに立っているマネキンのような服装になることがあります。「私は最新トレンドのファッションを追いかけています」という服装になるのです。これでは全身が「ノイズ」です。
アパレルショップの店員さんの中には、具体的なビジネスシーンのことが分からない方も少なくありません。まして、あなたのパーソナリティ、どのような仕事をしているのかも知りません。
かつて店員さんに、「セミナー講師だったら赤のネクタイですね」と勧められた方がいました。セミナー講師のキャラクター、セミナーのテーマや内容、来場する顧客層、会場の広さなど、全く情報がないのに、「セミナー講師なら赤」と勧められてしまったのです。
さらには、これからどうなりたいと思っているかなど、知る由もありません。
そういう状況ではその方の理想の実現をサポートするような服のアドバイスをすることは不可能なのです。
【感想】
◆冒頭でも触れたように、単なる「服装本」に留まらない内容の作品でした。特に著者の川園さんが注目しているのが「首から上」。
具体的には、「髪型」「眉毛」「眼鏡」を変えて顔の印象を整えることを推奨されています。
上記ポイントの4番目は、このうちの「髪型」について言及しているのですが、「一筆書きで書ける形」という表現は、私も初めて聞きましたw
では逆に「一筆書きで書けない形」がどういうものかというと、本書で例に挙げられているのが「毛先が散った髪型」。
たとえばホストクラブで働く男性の顔は、毛先が散っているので印象に残りにくいのだそうです。
◆また、上記ポイントの3番目の眼鏡については、顔の形(丸型、面長等)で形を決めるのだと思ってましたが、そう単純ではない模様。
たとえば本書では、眼鏡を変えることで成約率を上げた、あるビジネス系コンサルタントの方の例が挙げられています。
その方はとても優秀で、話し方にも落ち着きがあったものの、「眉間から鼻にかけての凹凸があまりなかったことにより肉体派に見えていた」と川園さんは推測。
つまり「体育会系の先輩」「道場の先生」といった印象なので、ビジネスについてのアドバイスを受けていても、相手には違和感があったワケです。
そこで比較的厚みのある黒いフレームの眼鏡に変えてもらったところ、知的な印象を与えることができ、その後成約率が格段に上がったのだそう。
◆一方、「首から下」では、当然「スーツの着こなし」が重要です。
と言っても、単純に「オシャレならいい」のではないことは、上記ポイントの5番目にあるとおり。
本書では普通にスーツの着こなしのマナーについても触れられていますが、そのマナーを守っていたとしても、自分の理想や目指すところと異なっていたら、川園さんいわくところの「ノイズ」となってしまいます。
とはいえ個々のケースに全部対応するのは不可能ですから、本書では最低限揃えたいスーツやネクタイを3つずつ提案していますからご参考まで。
なお、シャツは「セミワイドカラー」一択のようで、私が愛用している「ボタンダウン」は論外なのか、選択肢にすら挙がっていませんでしたw
◆ちなみに順番が逆になりましたが、こうした具体的な「外見戦略」は、本書の後半部分に収録されています。
それに先立つ前半部分では、「外見戦略」の定義や必要性について解説されており、まずはこちらからお読みいただければ、と。
実際、上記ポイントの1番目にあるように、研究職でもない限り「まず外見ありき」なのは、人としてしょうがないところ。
実は私自身も新卒で入った会社では、当時流行りだしたDCブランド(死語)のスーツを新人の時から着倒していて「なんだあの出入り業者みたいなヤツは」と陰口を叩かれていたらしく、一歩間違ったら干されているところでした(アフォ)。
服装含めた「外見戦略」で失敗せず、むしろ加点したい方なら、ぜひともお目通しください。
ビジネスシーンで成功する「外見」を手に入れるために!
未来を変える「外見戦略」
はじめに
第一章 「外見戦略」とは何か
第二章 なぜ「外見戦略」が大切なのか
第三章 「外見戦略」のやり方
おわりに
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【外見力】『「見かけ」が仕事を決める!』大森ひとみ(2012年05月07日)
【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から。平成関東大震災 いつか来るとは知っていたが今日来るとは思わなかった (講談社文庫)
発売時期を見て「あれ?」と思ったのですが、この本「3.11」の前に書かれているのに、まるで予測したかのような内容になっているようです。
中古は底値ですが、このKindle版は送料以下の「199円」ですから、気になる方はぜひ!
ご声援ありがとうございました!
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