2018年08月01日
【健康】『長生きしたければ股関節を鍛えなさい 1日3分で劇的に変わる!』石部基実

長生きしたければ股関節を鍛えなさい 1日3分で劇的に変わる! (幻冬舎新書)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、昨日の「未読本・気になる本」の記事の中でも、意外と人気のあった健康本。私自身も、股関節に多少問題がありそうなので、さっそく読んでみた次第です。
アマゾンの内容紹介から。
足の付け根に位置する股関節は、胴体と2本の足をつなぐ人体最大の関節で、立ったり座ったり歩いたりといった、日常的な動作のすべてに関わるかなめである。かかる負荷も高く、股関節の不調はひざの痛みや腰痛を引き起こし、老いを一気に加速させる。本書は1日5分やるだけで劇的に変わるストレッチ体操や筋力トレーニングをはじめ、負荷のかからない歩き方や日常動作、生活習慣を紹介し、1日でも長く健康でいるための秘訣を伝授。
なお、Kindle版なら、若干お買い得となります!

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【ポイント】
■1.年を取ると歩けなくなるワケでは、高齢者が歩行能力を落とす最も大きな理由は何でしょうか? それは体の筋肉量が減少することです。ある研究によれば、20歳時の下肢の筋肉量に比べると、80歳時の下肢筋肉量は31パーセント減少します。とくに歩行能力の低下に大きな影響を及ぼすのは、股関節を動かす腸腰筋や大腿四頭筋の筋肉量低下であることが示唆されています。部位別に見ると、上肢では16パーセント、体幹では6パーセントの低下なので、他の部位に比べ下肢の筋肉量が加齢によってかなり減ることがわかります。つまり、加齢→筋肉量低下→歩行能力低下→健康低下という負の連鎖が起きているのです。
■2.股関節は酷使されている
では、なぜ、人間の老いは股関節から始まるのでしょう。
その第一の理由は、体の支点であり、動きのかなめでもある股関節が、体の中で最も酷使されている関節のひとつであることです。
股関節は、立ち上がりや歩行といった日常生活の中で頻繁に行われる動作において重要な役割を果たしている分だけ、そこにかかる負荷は大きいのです。
たとえば、普通に歩くだけで体重の3〜4.5倍、体重60キロの人なら股関節にかかる負荷は180〜270キロにも及びます。
さらに、ジョギングすれば4〜5倍、階段の上り下りなら6.2〜8.7倍と、負荷はより大きくなります。
股関節は、普段からこれほど大きい負荷を受け、酷使されているため、体の老いの兆候が最初に現れる場所になりやすいというわけです。
■3.関節を傷めない歩き方「グッド歩行」
方法はいたって簡単で、ポイントは「かかとから着地して歩く」こと、これだけです。
まず、片方の足を出してかかとから着地します。
次に、前方に進むために、着地したかかとから爪先に重心を移動させます。
最後に、爪先で地面を蹴るようにして、かかとから地面を離れます。これと同時に、反対側の足のかかとが地面に着くようにします。
反対側の足も同じように、かかとから爪先に重心を移動させます。
着地した足に体重をしっかりかけながら、これをリズミカルに繰り返す歩き方が、股関節への負荷の少ないグッド歩行です。
(詳細は本書を)
■4.股関節周りの筋肉を鍛える「ひざ伸ばし体操」
太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)を鍛える体操です。この筋肉が衰えると、股関節やひざ関節の安定性がなくなってしまうために、階段の上り下りやイスからの立ち上がりに支障をきたします。この体操さえ、1日3分でも続ければ、大きな効果が期待できます。(1)ひざを伸ばして仰向けに寝る
(2)ひざの裏側を床に押しつけるようにし、伸ばしきった状態を5秒間キープ
(3)5〜10秒くらい休みを入れてからもう1度。これを10回繰り返す。
■5.関節が痛むときには抗炎症作用のある食品を摂る
もちろん、痛みの程度に応じて専門の医療機関を受診することが前提ですが、食べ物で痛みをやわらげることもできます。
痛みが出ているということは、関節に炎症を起こしている可能性があります。炎症が生じたとき、私たちの体は、プロスタグランジンやロイコトリエンといった炎症を激化させる成分を同時に産出するようにできています。
これらの産出を防ぐ働きを抗炎症作用と言いますが、ショウガやにんにく、ネギ、ニラなどの野菜、ターメリックやコショウ、唐辛子などのスパイス、クルミ、アーモンドなどのナッツ類などに抗炎症作用があることがわかっています。
これらは、一度にたくさん食べられるものではありませんし、たくさん食べたからといって劇的に効果が現れるものでもありません。
あくまでも、食生活で大切にすべきは栄養バランス。バランスのよい食事の中の一要素として、毎日少しずつ食事の中に組み込んで、長期的な効果を期待するようにしましょう。
【感想】
◆歩くことが老若男女問わず健康に良いのは、広く知られていることかと。ただし、特に健康に気を付ける必要がある以上、歩くべきである高齢者が歩けなくなってしまうのは、上記ポイントの1番目にあるとおりです。
私の場合、ここ20年くらい歩く量は大して変わっていないのに、両脚がどんどん細くなってきたのは、ひとえに筋肉が落ちてきたから。
ここで言われている「負の連鎖」は、まさにそのとおりであり、私も徐々に歩行能力が低下してきているのだと思います。
◆さらには筋肉量低下だけでなく、股関節にガタが来やすいのは、上記ポイントの2番目でも指摘されていること。
その結果、股関節の具合が悪いと、普段の生活動作を行う際にも、躊躇するようになってしまうのだとか。
すると、その動作自体を制限するようになり、結果、使わなくなる筋肉も増えてしまいます。
そうなるとますます使わない筋肉が増えて……とここでも「負の連鎖」が!?
確かに、お年寄りって、独特の動き、というか、歩き方をしますから、見た目から老けてしまう、というのも分かります。
◆そこで本書では、「股関節を鍛える」(厳密には「股関節周辺の筋肉を鍛える」)ためのTIPSを指南!
まず基本となるのが、上記ポイントの3番目の「グッド歩行」です。
本書ではイラスト入りで解説されているのですが、ここでは割愛。
また、上記ポイントの4番目にある「ひざ伸ばし体操」を初めとした、各種ワークも本書では紹介されています。
どれも筋力や場所を必要とするものではありませんから、是非ご自宅で試しください(逆に横になれない職場だと難しいかと)。
◆また、本書ではこうした運動面以外にも、食事面や睡眠に関しても言及。
ただ、睡眠に関しては、直接股関節に関係するというよりも、睡眠不足が体重増加につながるのと、筋肉を付けるために良い睡眠を取るべし、というロジックのようです。
一方食事に関しては、まさにその筋肉を付けるためには必須マターかと。
もちろん、上記ポイントの5番目にあるような「抗炎症作用のある食品」も、試してみても良いでしょう。
◆ただし、「股関節の痛み」と題された本書の第3章に関しては、すでに痛みを認識した方、もしくはそれに近い方のためのもの。
この章では手術や代替医療についても触れられています。
さらに手術の種類や検査方法等まで行ってしまうと、「長生きしたければ股関節を鍛えなさい」というタイトルを見て本書を手に取った方には、少々オーバースペックのような……!?
この辺は、著者の石部さんが「股関節手術を行う人工股関節手術の第一人者」である以上、しょうがないのかもしれませぬ。
逆に第2章までは、自分が健康だと思っている人も、「加齢」とは無縁にはなれない以上、要チェックだと思います。
股関節がいつまでも丈夫であるために読むべし!

長生きしたければ股関節を鍛えなさい 1日3分で劇的に変わる! (幻冬舎新書)
第1章 股関節は健康のかなめである
第2章 股関節を鍛える
第3章 股関節の痛み
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【編集後記】
◆テーマ的に個別にはご紹介できないので、編集後記でこんなセールを。Amazon.co.jp: 初日が一番お得! 3日間限定「竹書房の日」 フェア: Kindleストア
お好きなコミックがありましたら、ぜひご検討ください!

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