2018年07月22日
【虎の巻?】『[ポイント図解]クレーム対応の基本がしっかり身につく本 対応のイロハからお詫びメールの書き方まで押さえておきたいポイント33』舟橋孝之
【改訂版】[ポイント図解]クレーム対応の基本がしっかり身につく本 対応のイロハからお詫びメールの書き方まで押さえておきたいポイント33
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、現在開催中である「夏のビジネス・実用書フェア」の中でも、想定外な人気となっている1冊。2011年に出た本の「改訂版」とのことなのですが、新たに「外国人対応」や「シニア対応」といった旬なテーマが加わったそうなので、これは見逃せませぬ!
アマゾンの内容紹介から。
「基本」をつかめばストレスも激減!ほとんどのクレームは、「4つの基本手順」で解決できる!対応のイロハからお詫びメールの書き方まで押さえておきたいポイント33。基本からメール・文書例、メンタルヘスルまでこの1冊でわかる。最新テーマに完全対応!
セール期間内であれば、このKindle版が「70%OFF」ですから、送料を加味した中古よりも、800円以上お買い得です!
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【ポイント】
■1.お詫びと謝罪は異なるとくに重要なのが「お詫び」です。「お詫び」をしてはまずいと考える組織が少なくないのですが、お詫びと謝罪は異なります。
お詫びとは、お客さまとの人間関係をつくるための最初の行動です。全面的に自社や自分の「非を認めて」「謝罪せよ」と言っているわけではありません。謝罪は事情がわかって最後にするもの。あるいは、こちらに完全に非がある場合にするものです。
ただ実際には、共感の気持ちはあっても、きちんと表現ができず、言い訳が先行したり、黙ってしまったり、ふてくされているように見えたりする人が多いのが現実でしょう。
「お客さまの心情を理解」して共感の気持ちを込めた声かけができるようになるためには、毎日1分間でよいので、声に出して繰り返し練習することが一番の早道です。まずは「言い慣れる」ことを目指しましょう。
■2.「相づち」「うなずき」「復唱」で共感を示す
また、「相づち」「うなずき」「復唱」も有効です。
相手に「きちんと伝わっているな」と感じると、お客さまのお怒りはしずまります。そのためにも、お客さまへの共感を、お客さまが見て、聞いて、しっかりわかるように対応することが重要です。
それを表現できるのが、「相づち」「うなずき」「復唱」です。
具体的には、「聞く」際に、「はい」などと言って「相づち」を打ち、「うなずき」、「復唱」をします。(中略)
「おっしゃる通りです」
「ごもっともです」
お客さまの中に、「この人はわかってくれる人だ」「理解されている」という意識が生まれると、それがスムーズなクレーム対応につながります。
■3.シニア層には尊重している姿勢を見せる
シニア層は「できれば、世の中を正しくしたい」という心情をもち、自分なりの正しさを前提に行動する傾向があります。
加えて、シニア層からのクレームにおける背景の一因として、これまでの社会的立場から、ものを見る傾向が挙げられます。
また、社会的な地位が高かった人ほど、丁寧な応対をされて当然だという思いが根底にあります。立場や役職がなくなっても、自分をそのときと同じように扱ってほしいという気持ちがあるものです。
今回のケースでは、まずお客さまの望む応対ができなかったことをお詫びします。「ご指導ありがとうございます。勉強になります」と、その方が上司であったかのように、声や表情に心からの敬意を込めて応対します。
初期対応で「あなたを尊重している」ことを伝えましょう。
■4.激しいクレームは3枚のフィルターで判断する
実際のクレーム対応では、3枚のフィルターをかけて考えていきます。そのフィルターとは、クレームをおっしゃっている方の話の内容が、● 1枚目… 法にかなっているかです。(中略)
● 2枚目… 理にかなっているか
● 3枚目… 情にかなっているか
ただし、クレーム対応は、3枚目のフィルター「情にかなっているか」から行います。自分が「人」として、相手の主張がわかるかどうかのフィルターにかけるのです。
とくに、法律にもとづいて仕事をする自治体職員の方などに多いのが、クレームに対して、すぐに「理」や「法」で返してしまうこと。「その理屈はおかしい」「法律に照らし合わせて、間違っている」などです。
しかし、「情」に対していきなり「理」や「法」で返すと、話がこじれてしまいがちです。「情」に対しては「情」で応えるほうが、状況が好転するケースが多いといえます。
「情」の部分で対応したら、お客さまの話の内容が、「理」にかなっているか、最終的には、「法」にかなっているかで対応します。
■5.「社長を出せ!」には上位者にバトンタッチ
「社長を出せ」的な発言があるときは、一定時間(10〜30分)、1人の担当者が対応したら、上司や別の担当者に交代していきます。その際は、お客さまに同じことを何度もうかがわないよう、メモをきちんと取って内容を引き継ぎ、次の担当者に渡すようにします。
その過程で、お客さまに「上司にまで対応してもらった」と、一種の達成感を味わっていただきます。担当者から係長、係長から課長と連携していくと、だいたい課長ぐらいのところで、ご納得いただけるものです。
また、最初の担当者との間で発生した感情のもつれもあわせて解決します。このようにしながら、お客さまにだんだん冷静さを取り戻していただきましょう。
【感想】
◆非常に実践的な内容の作品でした。今まで、コミュニケーション本の何冊かで、クレーム対応等について簡単に触れているものはありましたが、ここまで掘り下げた書籍は初めて。
「たまたまクレームの電話を受けた」程度の方でも役に立ちますし、クレーム対応がご専門の方なら、必読とも言える内容でしょう。
特に、本書の初っ端で提示されている「クレーム対応が上手にできない人の3つの共通した問題点」に思い当たるフシのある方は要チェック!
(1)お客さまが困っていることに対して、「心情理解(お詫びなど)ができない」……アナタは大丈夫ですか?
(2)お客さまの話を最後まで聞かず、「言い訳をしてしまう」
(3)どんなクレームが発生しているのか、「事実の確認ができない」
◆それにしても、本書に登場するクレーム自体が無理難題なものも多々。
「10時開店だと思ったから10時前に来たのに、なぜこの店は11時開店なんだ! 普通は10時開店だろ。この寒い中、1時間も外で待たされた!」などと言われても、そんなの調べないで来た方が悪いじゃないですか……。
ただし、こんな言いがかりに対しても、「ムッとした表情をしたり、お客さまの間違いを指摘したりするのは避けよ」とのこと。
寒い中、1時間以上もお待たせしてしまったことに対して、
「せっかくご来店いただきましたのに、寒い中、お待たせして申し訳ございません」と、声をかけてイスをすすめたり、可能なら温かい飲み物を提供すべきなのだそう。
……メンタルやられる人も出てきそうな気が。
◆なお、こうした「こちらに不備がない」クレームをしてくる人の多くが高齢者です。
そこで本書は、冒頭でも触れたように第3章にて「シニア層や外国人のお客さまにはこう対応する」と題して指南。
上記ポイントの3番目は当然として、他にも理解が遅かったり、ITに疎かったりといった「シニア層にありがち」な問題を意識して対応したいところです。
また同じ第3章では、外国人の対処法にも言及。
こちらはクレーム以前に、文化の違いも意識しておかないといけない模様(詳細は本書を)。
実際、これからの日本はシニア層と外国人観光客が激増しますから、この第3章は必読だと思います。
◆一方第3章と第4章は、かなり「ガチ」なクレーム対応。
まず第3章は「お怒りが激しいとき」ということで、小見出しを見るだけでも滅入りそうな項目が並んでいます。
「規則上できないこと」「一方的に激しい口調」「下っ端じゃ話にならない」「訴えてやる」……。
これはメンタルやられかねません罠。
その中で上記ポイントの5番目の「上位者にバトンタッチ」というのは、なるほど確かにw
そもそも、今回は割愛していますけど「3分間相手の話を真剣に聞く」というTIPSもあって、時間が経てば、感情的な怒りも収まるようです。
◆もっとも、さらにヤバいのが第4章の「金銭目的・悪質なクレームなどへの対応」。
「軟禁状態」やら「警察に相談」となると、もはや素人では手に負えませんから、経験がない方でも、念のためこの第4章はご確認を。
同じく考慮しなくてはならないのが、こうしたクレーム対応者のメンタルです。
本書の第6章では「クレーム対応者のメンタルヘルスはこう守れ」と題して、自分自身のメンタルや、部下のメンタルをケアする方法にも言及されていました。
まさに本書は、クレーム対応に関して「至れり尽くせり」と言えるのではないか、と。
クレームを受ける前に読んでおきたい1冊!
【改訂版】[ポイント図解]クレーム対応の基本がしっかり身につく本 対応のイロハからお詫びメールの書き方まで押さえておきたいポイント33
第1章 クレーム対応の基本を押さえよう
第2章 シニア層や外国人のお客さまにはこう対応する
第3章 お怒りが激しいときのクレーム対応
第4章 金銭目的・悪質なクレームなどへの対応
第5章 クレーム対応に組織で取り組む
第6章 クレーム対応者のメンタルヘルスはこう守れ
第7章 eメール・書面でクレーム対応をするときには
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【編集後記】
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タイトルは煽り系ですけど、レビューを見る限り、書かれていることは意外と真っ当な模様。
送料を加算した中古よりは、Kindle版が700円弱お得となっています!
ご声援ありがとうございました!
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