2018年07月13日
【自分軸?】『敏感すぎるあなたが人付き合いで疲れない方法』根本裕幸

敏感すぎるあなたが人付き合いで疲れない方法
【本の概要】
◆今日ご紹介するのも、現在開催中である「Kindle本セール」からのコミュニケーション本。著者の根本さんは、「2000年よりプロカウンセラーとして、のべ1万5000本以上のカウンセリングと年間100本以上のセミナーをこなす」という方です。
アマゾンの内容紹介から。
もっと近づきたい!どう接していいかわからない…好きな人、苦手な人をほどよい距離に整理・整頓。3カ月予約のとれない人気心理カウンセラーによる、人間関係の処方箋。
なお、このKindle版は「61%OFF」と値引き率も高めであり、送料を加味した中古よりも700円以上お買い得となります!

IMG_4320 / pruzhevskaya.photo
【ポイント】
■1.自分軸になれば心が疲れない「私は私、他人は他人」という意識でいると、きちんと自分の足で立つことができます。それを「自分軸」と呼びます。自分軸に対して相手を気にしてしまう状態を「他人軸」と呼びます。先ほどの幽体離脱している人は典型的な他人軸にいる人です。
自分軸でいると、自分と相手の間に線が引きやすくなります。相手より自分のほうを大切にしている状態なので、譲れるもの、譲れないものの境界がはっきりと見えるからです。
仮に相手が要求に応えない自分に対して不満をぶつけてきたとしても、自分軸にいる人は自分の大切なものを守ったことのほうに価値を感じます。
他人軸にいるときだったら深く傷ついていたような何気ない相手の一言も、自分軸にいれば、「へえ、あなたはそういうふうに思ってるんだ。でも、それは仕方ないことだから。はい、終わり」とスルーすることもできます。
だから、自分軸になればなるほど心が疲れないのです。
■2.自分軸がない人は、親との関係が大きい
たとえば、親が感情的なタイプだと、顔色をうかがいながら生活しなければなりません。
親の機嫌で子どもである自分の生活が振り回されることになるわけですから、怒らせないように、変なことを言わないように、戦々恐々とした毎日を送っています。
その癖がついたまま大人になると、誰に対しても「気をつかう人」になるのです。
また、親がとても過干渉なタイプだと、子どもは自分の意見を持つことができません。
「こうしなさい」「ああしなさい」と指示・命令ばかりをされるので、自分の考えや思いを持つことができなくなります。そのパターンを踏襲した結果、「自分がない」という状態をつくります。
さらに、親が感情的で、かつ過干渉なケースもあります。その場合は他人の言いなりになることに安心する「流される人」になる可能性が高くなります。
■3.アイ・メッセージで自分を取り戻す
「あの人はどう思うかなあ」
「彼の要求は私には応えられないかも」
自分軸に立っていない人は、このように主語が自分ではなく、相手だったりします。主従関係でいえば、いつも「従」にいるわけですから、簡単に相手に振り回されてしまいます。
また、日本語は主語が省略されることが多いので、無意識的に他人軸に向かってしまうことがあります。日本語は文脈をたどれば主語がなくても会話は成立しますが、責任の所在が不明確になりやすい、というデメリットもあります。
したがって、普段から「私は」「僕は」と主語をつけることを意識することが大切です。
たとえば、先輩から「今日飲み行くか?」と誘われたときに、「すいません。今日は行くのやめときます」と断るところを、これからは「すいません。僕は、今日行くのやめときます」と言うようにしてみるのです。
■4.嫌いな人を嫌いと認める
まず、自分と苦手な相手の間には、はっきりとした線引きをしなければなりません。
いい人ほど「嫌いになっちゃいけない」「相性が合わないとか思ってはいけない」などと自分の気持ちを否定してしまいます。そして、なんとかうまくやろうとして心労を重ねてしまうのです。
だから、まずは「嫌いなものは嫌い」と認めることが大事です。それをいけないことと思ってしまうとドツボにハマります。(中略)
そうすると、嫌いなりの付き合い方ができるようになります。
ちなみに「私は私、他人は他人」(この「他人」の部分はあなたの嫌いな人の名前を入れてください) という自分軸を確立するときに使うアファメーション(繰り返し自分の中で唱えて、自信にすること) はとても効きますからおすすめです。
これで嫌いな人との間にはっきりと線を引いて付き合えるようになると、それだけで心理的にとても楽になれるはずです。
■5.ポケットに辞表を忍ばせる
ある人は、いつもスーツの内ポケットに辞表を忍ばせて出勤していました。
彼は古い考え方の上司といつも衝突し、ずっと我慢を繰り返してきたのですが、「いざとなればこの辞表を 叩きつけてやる!」と思いながら、上司と話をしてみると、不思議なことにそんなに抵抗なく彼の意見を上司が受け入れたのです。
その後も、不思議と彼の意見を上司は尊重してくれるようになったんです。ある日、上司との面接で彼は意外な言葉を耳にします。
「最近の君はとても頼もしく思っている。以前は実力はあるがどこかひ弱な感じがして、素晴らしい提案を持ってきてくれてもイマイチ説得力に欠けていた。しかし、最近の君は一皮剥けたように意志の強さを感じるし、きちんと筋が通った提案をいつも上げてくる。何かあったのかね?」
辞表を書く、というのは「覚悟を持つ」ことにつながります。そうすると自分では気づかないうちに意識が変わり、積極的だったり、強く出られたり、意思をはっきり持てるようになったりするのです。
【感想】
◆タイトルに「敏感すぎる」とあったので、先日ご紹介した『敏感な人や内向的な人がラクに生きるヒント』を連想したのですが、より一層、コミュニケーションに特化した内容でした。その根底に流れるのは「自分軸」という考え方。
それとは反対に、敏感すぎる人たちは、相手の気持ちがわかりすぎるがゆえに、自分よりも相手のことを優先しがち(そのせいで自分がいなくなることを、本書では「幽体離脱」と呼んでいます)であり、本書ではそうした生き方を「他人軸で生きている」と呼んでいます。
こうした生き方は、自分の気持ちが満たされない上に、どんどん心が疲れていきがち。
そこで上記ポイントの1番目にあるように、「自分軸で生きる」ことが大切になってくるわけです。
◆ではなぜ、気をつかったり、自分軸がなくなったりするかというと、上記ポイントの2番目にあるように「親との関係が大きい」とのこと。
確かに私も、父親が感情的なタイプだったこともあり、「気をつかう」方だと思います。
ちなみに本書の第4章では「父親/母親」それぞれと、距離が「近い/遠い」によって、どのような対人関係や性格がつくられるか表にまとめられていましたので、気になる方は本書にてご確認を。
ただし、重視すべきは「母親との関係」であり、本書ではその問題点と改善策を提示しています。
特に「母親から解放される方法」のプロセスは、思い当たるフシのある方には、ぜひお試しいただきたいところかと。
◆一方、嫌いな人を好きになろうとしても無理があります。
最終的な手段としては、物理的な距離を取ることなのですが、そうしたくてもできない場合が多々。
そこで本書では、4つのステップを踏んで、ストレスを軽減することを推奨しています。
その1番目が上記ポイントの4番目にある「嫌いな人を嫌いと認める」。
この場合、「相手にどう思われるかは気にしない」のが大事なのだとか。
ステップの2番目以降、「嫌いな理由を明確にする」「嫌いな人のいいところをあえて探してみる」と続きますので、こちらも必要に応じてお試しください。
◆なお、上記ポイントの5番目の「辞表」は、著者の根本さんいわく、何人ものクライアントさんに書いてもらったのだそう。
すると不思議なことに、気持ちが強く、大きくなって、今までなら我慢していたことも上司や取引先に言えるようになったのだとか。
……カッとしやすい方だと「売り言葉に買い言葉」で、イキオイでポーンと出しちゃいそうですがw
また、夫婦間でのケースだと、相談に来られた方に「離婚届」を書いてみるようすすめることもあるそうなので、こちらも場合によってはご検討を!?
よりよい人間関係を築くために読むべし!

敏感すぎるあなたが人付き合いで疲れない方法
まえがき 人間関係の悩みを解消して自分らしく生きよう!
第1章 なぜ相手との距離感がつかめないのか?
第2章 他人軸にいる人が幸せになれない理由
第3章 他人に振り回されないための自分軸のつくり方
第4章 あなたの人間関係をつくる母親の壁
第5章 心地よい距離のつくり方
第6章 嫌いな相手への境界線のつくり方
第7章 あるある!こじれた関係の直し方
あとがき まず自分、次に相手、そして最後が2人の関係性
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【メンタル】『悩み・不安・怒りを小さくするレッスン 「認知行動療法」入門』中島美鈴(2016年12月23日)
【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から。
最後の授業 ぼくの命があるうちに (SB文庫)
単行本が出た当時は、まだご存命だったランディ・パウシュ教授の作品。
中古が底値なので、数円差でKindle版よりお得なのですが、未読の方は最初からKindleで宜しいかと。
参考記事:【感動!】「最後の授業」ランディ・パウシュ(2008年06月16日)
【編集後記2】
◆昨日の「光文社キャンペーン」では、この辺りが人気でした(順不同)。
デザインが日本を変える〜日本人の美意識を取り戻す〜 (光文社新書)

日本人はなぜ臭いと言われるのか〜体臭と口臭の科学〜 (光文社新書)

誰もが嘘をついている〜ビッグデータ分析が暴く人間のヤバい本性〜
よろしければご参考まで。

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