2018年07月10日
【先延ばし?】『先延ばし克服完全メソッド』ピーター・ルドウィグ
先延ばし克服完全メソッド
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事にて、一番人気だった1冊。著者であるピーター・ルドウィグは、「脳神経科学と行動経済学に基づいたメソッドで『フォーチュン500』企業のコンサルタントもつとめている」という人物です。
アマゾンの内容紹介から。
本書は自己開発のための8つのシンプルかつ実用的なツールによってモチベーション、効率性、生産性、そして長期的な満足感を得るための本である。
なお、私は「20%OFF」とお得なKindle版にて読了いたしました!
do it - procrastination concept / hang_in_there
【ポイント】
■1.自分のビジョンを持つ先延ばしと戦って幸福になりたければ、正しい種類のモチベーションを選ぶ必要がある。研究結果が示すように、それは外からのムチに基づくモチベーションでも、内なる目標に基づくモチベーションでもない。最も効果的なモチベーションは、ムチと目標を排除して「内なる旅に基づくモチベーション」を生み出す自分のビジョンをつくり上げることだ。
しかし、単なる身勝手な「自己1.0」の行動だけでは強力なモチベーションにはならない。基本的な善につながる行動、つまり無私の「自己2.0」だけが、最も強い感情の1つである「意義の感情」を生み出せる。
この種のモチベーションがあなたを前進に駆り立て続け、また強力な磁石のようにあなたを引っ張っていく。それと同時に、あなたは「フロー状態」と「意義の感情」を経験して気持ちが前向きになり、永続的に幸福感を味わえるようになる。自分と同じようなビジョンをもつ人たちと一緒にいるようにすれば、協力を通じてコミュニティを生み出せる。そして集団的モチベーションが生まれ、あなたの個人的ビジョンの効果が高まる。
■2.「習慣リスト」を使う
「習慣リスト」とは、あなたが自分で毎日書き込みをしていく1枚の表だ。ひと月ごとに1枚の表を使う。横の段はそれぞれの日を、縦の列は特定の習慣を表す。自分が身につけたい習慣でも、捨てたいと思っている悪い習慣でもいい。
それぞれの習慣の呼び名を決めて、最低限の目標を設定する。たとえば、朝早く起きるようにしたいのなら「早起き」として、「7時半」というように目標を決める。あなたの「象」が嫌がらないように、バーをできる限り低く設定することが重要だ。たとえば、「エクササイズ」という習慣に「腕立て伏せ10回」「5分間の運動」「150メートル走る」というような目標を設定できる。具体的な目標を決められない習慣(たとえば健康的な食生活)の場合には、1〜10点で自己評価することができる。
縦の最初の列には常に「習慣リスト」への記入という習慣が入る。そして最後の列は、その日にできることをどこまでやれたかを1〜10のスコアで書き込む自己評価にする。
■3.ツール「To-Do トゥデー」(抜粋)
●仕事を書き出す
●それぞれの仕事に具体的で前向きな名前をつける
●大きな仕事は分割し、小さな仕事は1つにまとめる
●優先順位で色分けする
●1日の道筋を決める
●時間の見当をつける
●1つのことだけに集中する
●終わりにすることを覚える
●認知リソースを補充する
●「To-Do トゥデー」の作成を習慣化する
(詳細は本書を)
■4.「ヒロイズム」でコンフォート・ゾーンから抜け出す
では、具体的にどうすればいいのか。答えは、できる限り自分のコンフォート・ゾーンから踏み出すようにすることだ。自分自身に命令を下し、それに従う。たとえば、バスの中で隣に座っている人に話しかけてみるなど、その時々の状況の中で自分にとって抵抗感が大きいことをあえてやってみるようにする。「ヒーロー」になるチャンスが来たら、それを逃さず、サムライの3秒ルールを実践し、心臓が5回拍動する間に行動するのだ。考え始めてしまうと、脳がコンフォート・ゾーンにとどまることを正当化しやすくなる。
自分を「ヒーロー」にしていく訓練には、「To-Do トゥデー」の説明の中で紹介した「朝一番」の方法を活用できる。毎朝、気が進まないことからその日を始めることで終日、ヒロイックな行動が促されやすくなる。私の場合で言えば、朝起きるとすぐに運動をしてから冷水シャワーを浴びることで、自分を「朝のヒーロー」にしている。
■5.ツール「フローシート」
マーティン・セリグマンは、アメリカ陸軍での自殺率とうつ病発症率の高さという問題に取り組んできた。そして、50万人の兵士を対象とした研究に基づき、永続的な幸福感を得ることを助けるための一連の方法をまとめ上げた。その方法による取り組みを始めてから半年後、自殺率とうつ病発症率は大きく下がった。何がカギになったのか。
私たちが「フローシート」と呼んでいるツールは、セリグマンの研究の成果をふまえたものだ。具体的にはまず、その日の自分の身に起きたポジティブなことを書き込み、その横に、その日の自分の幸福度を1〜10の評点で記入する(最低の幸福度を「1」、最高の幸福度を「10」とする)。このシンプルな方法によって、あなたは「ポジティブ過去志向」へと移ることができ、「ハムスター」や抑うつ状態を避けられるだけでなく、長期的に幸福度も高められるようになる。「習慣リスト」と同じく「フローシート」も毎日記入する。ほんの数分でできるが、1カ月後には幸福度の自己評価がかなり上がっているはずだ。
【感想】
◆なかなか変わった作りの作品でした。私はKindleで読んだので、形に関する違和感は特に気にならなかったものの、サイズを見る限りではほぼ正方形の模様。
そして数字や英文が羅列されているわけでもないのに、横書きの左開きですから、通常の本と比べると、やや読みにくいかな、と。
ただそれより驚いたのが、図やイラストが豊富に用いられていたこと。
これは「分かりやすさを意図したもの」である旨、はっきり「はじめに」で触れられています。
正直、ここまで画像が多かったら、固定レイアウトにした方が作る方はラクだったでしょうが、リフロー形式のおかげでハイライトを引きまくれました。
◆さて、本書は下記目次にあるように、「はじめに」と「最後に」を除けば、4つのパートに分かれています。
まず1つ目が「モチベーション」。
上記ポイントの1番目にあるように、「自分のビジョン」を持つことが大切なようです。
そのために本書では、「SWOT自己分析」や「自分の業績リスト」等を用いてまとめあげているのですが、長くなるのでここでは割愛。
いずれにせよ「自分のビジョン」を持つことで、「決断のまひ」を防ぐことができ、先延ばしを防げるようです。
◆続く「規律」では、「習慣リスト」なるツールが登場。
これは上記ポイントの2番目にあるように、横の段にはそれぞれの日を、縦の列には特定の習慣を記入し、結果を記録していくというものです。
長くなるので割愛していますが、目標を達成した日には緑マーク、できなかったら赤マークを付けていく仕様。
さらに、自分でコントロールできない理由で達成できなかったら青マークを付けたり、赤マークばかりになったら、リセットして最初からやり直す等、本書には効果的な使い方が記載されていますので、ぜひご確認を。
実際、著者はこれで断酒に成功したそうですから、結構効果もありそうです。
◆さらにツール「To-Do トゥデー」も、この「規律」の章からのもの。
これこそ図解の本領が発揮されたところなのですが、ここではテキストでご勘弁を。
ただ、イメージとして「To-Doリスト」を想像される(名前からして似てますし)方が多いと思うのですが、ちと違っていて、タスク自体は紙のあちこちにランダムに書き殴る感じ。
それを優先順位によって色で囲み、さらに効率的な順番を考えて、それらを矢印で結んでいくのだそうです。
さらには予定開始時刻と終了時刻もそれぞれに書き込み、終わったら斜線で消し込むとのこと。
それだったら、普通に「To-Doリスト」でもできないこともないと思うのですが、たとえばイレギュラーなケースに備えて、道筋を2つ用意しておく等も対応できる(そもそも順番に並んでいないので)というのはメリットかと。
ちなみに、その日版ではなくて、翌日以降のタスクも踏まえて作る「To-Doオール」や「アイデア」マップ、「カレンダー」との連携については、本書にてご確認ください。
◆長くなってしまいましたが、残りの2つの上記ポイントも、この「規律」の章からのもの。
とにかく本書においては、こうした「ツール」が多用されているのは、実践と言う意味で効果的だと思います。
ただ、今さらなんですけど、「先延ばし」に直接関係しているかが、私自身ちょっと納得しきれていないのですが……。
特に「日々の習慣」のようなタスクは、「先延ばし」というよりも、「その日やるかやらないか」の話ではないか、と。
とはいえ、逆に身につかない習慣を身につけたり、仕事の生産性を高めるのには、本書の「ツール」は役に立つと思います。
怠惰な生活から抜け出すために読むべし!
先延ばし克服完全メソッド
はじめに――先延ばしとは何か、なぜそれと戦うのか?
モチベーション――モチベーションを高め、それを維持するには?
規律――自分自身に命令を下し、それを守るには
成果―幸福を感じ、それを維持するには
客観性―自分の欠点に目を向けることを覚える
最後に―永続性へのカギ
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一応、ご参考まで。
ご声援ありがとうございました!
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