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2018年06月26日

【コミュニケーション】『3秒で心をつかみ 10分で信頼させる 聞き方・話し方』小西美穂


3秒で心をつかみ 10分で信頼させる 聞き方・話し方
3秒で心をつかみ 10分で信頼させる 聞き方・話し方


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、現在開催中であるディスカヴァーさんの「ビジネス・実用書セール」の対象となるコミュニケーション本。

著者の小西美穂さんは、日本テレビの報道番組『news every.』等のキャスターとして知られている方です。

アマゾンの内容紹介から。
報道記者でありニュースキャスターの著者が、1700人の各界のエキスパートから学んできた一流の人の「相手の心をひらく会話術」。いますぐ実践できる50のコツ。

なお、中古が定価を若干上回っていますから、セール期間内であればKindle版が700円弱、お得となります。





Interview mit Tirol TV / Innenministerium Osterreich


【ポイント】

■1.名刺交換では、3秒の"感謝ワード"を
名刺交換では、「○○社の○○です」などと名乗った後に、必ず短い言葉を付け加えてみてください。
[自分]お会いできて光栄です  
[自分]○○からわざわざお越しいただいたそうですね
[自分]お話を聞くのを楽しみにしていました
 これらはすべて、3〜5秒で言える"感謝ワード"です。
 シチュエーションにもよりますが、顔を見て、挨拶をした瞬間。つまり、名刺を交換して、名刺を眺め、顔を上げた直後が肝心です。
 相手が時間を割いて自分と会ってくれていることに素直に感謝して、その気持ちを笑顔で伝えたとき、不快に思う人はいません。


■2.相手が答えやすい「数字」で聞く
 番組で経済をテーマにしたとき、ゲストへの最初の質問として、アベノミクスへの評価を聞く場面が何度もありました。
 ここで普通に「アベノミクスをどう思いますか」と聞くと、回答に時間がかかったり、抽象的な答えしか返ってこなかったりすることが多くありました。
「いきなり、"どう思いますか"って聞かれても、何をどう答えていいかわからないよ」
 きっとこんなふうに困らせてしまっていたはずです。答えづらそうな表情にさせてしまい、司会者としては失敗です。
 では、こう聞くのなら、どうでしょう。
[自分]アベノミクスは、 何合目まできていると思いますか
(相手)まだ5合目過ぎたくらいでしょう
[自分]アベノミクスは、ズバリ、100点満点で何点ですか
(相手)100満点だと、60点くらいかな
「どう?」という漠然とした質問よりも、具体的で答えやすくなりますね。
 ポイントは、「数字で答えられる質問」を投げかけることです。


■3.「顔」でなくて「胸」で聞く
 骨盤が立ち、ピンと背筋が伸びた美しい姿勢。そして、相手に対して体が開いているように見せる姿勢。それだけで堂々として見え、受容力も感じられ、「会話がしやすい人」と印象づけられます。
 ただし、姿勢をよくしようとするあまり、体を緊張させてしまうのでは、かえって逆効果。リラックスすることこそが、聞き上手の基本だからです。
 ではどうすればいいのでしょうか?
 私にはこんな意識づけが役立ちました。
「胸にもうひとつ、自分の顔があると思って、聞く」
 一度やってみてください。
 のどと、両方の胸を三角で結んで、そこにも顔があると思って(相手の顔ではありません、自分の顔です)、相手の話を聞くのです。そうすると、自ずと胸が開いて首筋が伸び、肩がすっと下がって……。どうですか? 姿勢がよくなりませんか?


■4.前置きの「予告ワード」が効果的
 相手への伝わり方が劇的に変わる、とっておきのひとことがあります。
 私はそれを「予告ワード」と呼んで大切にしてきました。
 これから話すことが大事な内容であることを予告し、相手の注意を引くマジックワードです。
「結論から申し上げますと」
「ひとことで言いますと」
「大事なポイントは」
 こういった予告を冒頭に加えるだけで、相手は自然とこんなふうに思ってくれます。
「今からこの人は結論を言ってくれるんだな」
「今からが大事なポイントなんだな」
「だったら、ちゃんと聞いておいたほうがいいな」
 つまり、 相手側に"聞く準備"が整う のです。
 これが意外と大切で、聞く側の集中力を高めて話を聞いてもらえる効果があり、結果、あなたが大切に準備してきた"いちばん言いたいこと"がストレートに伝わるのです。


■5.悩んでいる人には「マイナスの同調」から
 本当に心が弱っている人にとっては、質問に「そうではないのです」と否定して返すことにすら、たいへんなエネルギーを必要とするのです。
 では、先ほどの質問をあえて"マイナスの同調"の声掛けにしてみるとどうでしょうか。
[自分]どう? まだ慣れないよね?
[自分]最近、忙しいから上手くいかないこと多いんじゃない?
[自分]そろそろ疲れが出てきたんじゃないの?
 こちらの場合、「そうなんです、実は……」とぐっと本音が言いやすくなります。相手が自分に寄り添って聞いてくれると感じて、心が開いていくようなのです。
 つまり、落ち込んでいる人への声掛けには、いつもの声掛けを否定形にするだけでいい。 
 ついつい「大丈夫?」「元気?」と、励ましのつもりで聞いてしまいますが、「大丈夫じゃないよね」「元気、じゃないよね」と否定形に変えて、"マイナスの同調"にする。
 同じ立場に寄り添って、小さな声を代弁してあげることから始めれば、あなたも悩み相談の聞き上手になれるかもしれません。
 

【感想】

◆コミュニケーション本も、その著者の職業によって、磨かれる技術が異なってくるもの。

本書の著者である小西さんは、日本テレビの報道記者兼キャスターとして、2005年から『ズームイン!!サタデー』『NEWSリアルタイム』『深層NEWS』などの番組に出演してきたのだそうです。

そこで会われたのが、冒頭の内容紹介にもある「各界のエキスパート1700人」。

具体的には、安倍現首相を含む歴代総理大臣や政財界の大物、大学教授、原辰徳前巨人軍監督や青木功氏のようなスポーツ界の著名人等々です。

つまり初対面でこうしたエキスパートと瞬時にコミュニケーションをとり、「生放送の1時間1本勝負」で、ゲストの言いたいことや本音、魅力を引き出す必要がありました。

なるほど、タイトルにもある「3秒で心をつかみ 10分で信頼させる」というフレーズもさもありなん、と言ったところでしょうか。


◆さっそく本書の第1章では、「初対面の人の心を3秒でつかむ方法」と題して、小西流のコミュニケーション術を展開。

上記ポイントの1番目の「3秒の"感謝ワード"」もその1つです。

私の場合、名刺交換の多くが顧問先の「税務調査の立ち会い」における、税務署職員相手のものなので考えたこともありませんでしたが、普通のお仕事の方なら、意識しておいて損はありません。

同じく割愛したTIPSとして、「初対面の笑顔は3割増しで」というのも、ベタですが効果は期待できると思います。

この第1章では、こうした「会話以前」の部分での「底上げ」というか「地ならし」を学んでいただきたく。


◆続く第2章では「聞く力」について指南。

「説得力を出すために数字で話す」というTIPSは知っていましたが、上記ポイントの2番目にあるように、聞く際にも「数字で聞く」というのは初めて知りました。

確かに日本人によくあるパターンである、「どう思いますか」のような「何を聞きたいのか分からない質問」は、聞かれた方も、何を答えたらいいか分からないでしょう。

もっとも、当然知っていると思って聞いた数字(「会社の売上高等」)を相手が答えられないと、気まずいことになりそうな!?

また、割愛したものの「アドリブは準備するもの」というTIPSは、生放送を数多くこなされてきた小西さんだけに、エピソードも説得力がありました。

具体的には本書をお読みいただきたいのですが、結論として
結婚式のスピーチや大事な商談のプレゼンを任されたときは、必ず「上手くいかなかったときのアドリブ」まで想定して準備しておくことをおすすめします
というのは、私自身思い当たるフシがありまして(黒歴史)。


◆一方、第3章では「聞く力」の対として、「話す力」について言及されています。

ここでは特に、上記の各界のエキスパートから学んだTIPSも見逃せないところ。

たとえば慶応の医学部教授である伊藤裕先生が番組に出演された際には、専門用語を使わずたとえ話を駆使して、視聴者の理解を深めたのだそうです。

また、『笑点』でおなじみの林家木久扇さんは、登場人物になりきって話をされた……ってそれはある意味お手のものですがw

もちろん、上記ポイントの4番目や5番目のような、私たちでもすぐ取り入れられるTIPSもありますからご安心ください。

なるほど、さすが1700人もの話を聞いてこられたことはあるな、と。


コミュニケーションスキルが高まる1冊!

3秒で心をつかみ 10分で信頼させる 聞き方・話し方
3秒で心をつかみ 10分で信頼させる 聞き方・話し方
はじめに
Part1 初対面の人の心を3秒でつかむ方法
Part2 聞く力の磨き方
Part3 話す力の磨き方
おわりに


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【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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メジャーリーグでも活躍された、田口壮さんの作品。

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