2018年06月08日
【メモ術?】『記憶力日本一を5度獲った私の奇跡のメモ術』池田義博
記憶力日本一を5度獲った私の奇跡のメモ術
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事の中でも一番人気だった1冊。タイトルにもあるように、過去「記憶力日本選手権大会」において、5度の日本一となったことのある池田義博さんが、「メモ」の重要性について語った作品です。
アマゾンの内容紹介から。
40代半ばからたった1年で記憶力日本チャンピオンになった、脳の力を圧倒的に上げる”手書き”の秘訣。日本最強の”記憶のプロ”が教える絶対忘れないメモの書き方
なお私は、お買い得なKindle版で読みました!
Memo books / stebulus
【ポイント】
■1.マス目ありとなしを使い分ける私自身はメモの目的ごとに手帳やノートを使いわけています。
その目的には大きくわけて2つあります。
ひとつはどんどん発想を広げていくための、いわゆる「水平思考」が主たる目的のときと、もうひとつは結論を出すための「論理思考」が主であるときの2つです。
その2つにどんな違いがあるかといえば、簡単にいうと発想を広げていくときにはページが無地のもの、考えをまとめていきたいときにはマス目のついたものを使用しています。
発想を広げるときには意識の妨げになるようなものはできるだけなくしておきたいのです。
私自身の考えとしては、人は空間を認知する能力に長けているため、ページに罫線やマス目など目印があると無意識のうちに枠を決め、書き込む範囲を限定してしまう気がするのです。
それらの特性は悪いことではなく、線、特にマス目がついているものは考えをひとつの方向に持っていくのに適していると考えています。
論理的に考えるためには、視覚的にも秩序があるものの方が思考の整理を助けてくれるのです。
■2.ペンは2色しか使わない
色はいくつ使うのがよいのか悩むところですが、私自身は基本色に青、そしてそれ以外は赤のみとし、トータル2色に限定して使っています。
2色に限定している理由はいくつかあります。
まずは書いた内容を「覚える」という点からみると、たくさんの色を使ったからといって有利にはならないと考えるからです。
要するに色は記憶を引き出すきっかけにはならないのです。(中略)
メインの色に黒色ではなく青色を使う理由は主に精神的な面からきています。
青という色は、心理学的に心を落ち着かせてくれて集中力を高めてくれる色なのです。
いつも冷静に集中して思考ができるようにという思いも込めています。
それに単純にブルーのクールな感覚がよいアイデアを生み出してくれるような期待もさせてくれます。外資系コンサルティング会社のコンサルタントも青ペンを使ったりしているようですし、形から入るというのも気持ちをアップさせてくれる大切な要素です。
■3.思考停止を防ぐ3列法
通常の板書などを書くメインのスペースは少し大きくとり、その隣に線を引き、書き込めるスペースを2列作っておくのです。
この2列ですが、真ん中の列にはメインのメモやノートをとりながら、そのときにタイムリーに浮かんだ疑問や気づき、アイデアなどを書き込むのです。
そして右はしの列には、あとから2列めに書き込んだ内容に対する行動の結果を書くようにするのです。(中略)
疑問があれば、書籍や資料をあたってみたり、直接相手に質問してみたりしてその疑問に対する回答を書き込み決着させておくのです。
また気づきやアイデアも同様にいろいろ調べてみて深掘りした結果を書くようにします。
こうすることによって情報に対して積極的にアプローチすることにより、メモやノートが単なる記録からさらに価値のある情報に変わるのです。
■4.目標は紙に書いて目につくところに貼る
以前も書きましたが、記憶を強化するための重要な要素のひとつが復習でした。回数を重ねれば重ねるほど記憶は長く定着します。
そこで目標も目につくところに貼ることにより、自動的に目にふれる回数を増やすのです。
それが復習となり、より強く目標を脳に刷り込むことができます。
この目標を書くという方法はとても強力なのですが、以前の私も「紙に書くぐらいで」とバカにしていたふしがありました。同じように考えている人は多いと思います。
しかし実際にこれで目標達成している人がいるのも事実です。
やることは目標を紙に書くだけ。
それを写真に撮って携帯電話やスマートフォンの待受画像にするのも1つの手です。
ものは試しでやってみてはいかがでしょうか。
■5.意志力を鍛える「かく」トレーニング
では何をすれば、意志力を鍛えることができるのでしょうか。
それは普段意識しないで行っている行動を自制が必要な行動に変えることです。
簡単に言うといつもは何も意識せずとも自然にできることを、それに集中して意識して行わないといけないやり方にあえて変えてみることです。
例えば「かく」という作業も意志力のトレーニングに使うことができます。
通常右利きの人ならば当然字や絵は右手でかきます。
長年行ってきたことなので意識せず、スラスラとかくことができます。
これをあえて左手でかいてみるのです。
これまで字や絵をかくことに使ってこなかったため、当たり前ですが、とてもぎこちなく不安定です。
しっかりした字や絵をかこうとするには意識して集中することが必要になります。
このことが自制の力を鍛えるのです。
【感想】
◆本書の「おわりに」には、著者の池田さんが、いかに「書く」という作業を行っているか、他人に指摘されるまで自分でも気づかなかった、という一節があります。「記憶力日本一」に5度も輝いた池田さんですら、「頭の中」だけで終わらせていない、という事実は、私たちが日ごろいかに「書きだす」作業を軽視しているか、とも言えるわけで。
そこで本書は、池田さんが行う「書く(描く)」という作業に関することを多方面に渡ってピックアップ。
結果、単なる「メモ術」に終わらない「池田メソッド」が、本書ではいくつも紹介されています。
◆まず初っ端に登場するのが、上記ポイントの1番目の「マス目あるなしの使い分け」。
確かにマス目がある方が、物事を整理しやすいという実感は、誰しもあると思います。
さらに池田さんいわく、マス目がある方が「エピソード記憶」にしやすく、記憶に残りやすいのだそう。
ちなみに、冒頭の「はじめに」で、池田さんの愛用の文房具が紹介されているのですが、マス目ノートはこちらを使っているらしく。
オキナ プロジェクトリングノートA4 50枚 PNA4S
なお、方眼でもう1種類、無地で1種類、ノートが掲載されていますので、そちらは本書にてご確認ください。
◆また、使うペンも同じく紹介されており、普段使いと太字、さらにはお風呂場で使われているペンがある模様。
ただ、それよりも上記ポイントの2番目にある「色使い」に注目したいところです。
確かにこの本でも「青は落ち着かせ、創造性を高める」とありましたね。
色の力 消費行動から性的欲求まで、人を動かす色の使い方
参考記事:【オススメ!】『色の力 消費行動から性的欲求まで、人を動かす色の使い方』ジャン=ガブリエル・コース(2016年06月24日)
個人的には、青だと色が薄いと、コピーを取りにくい気がするのですが(その際はコピーの設定を濃くされているのかも?)。
◆さらに本書では、池田さんの具体的なメモ術についても言及が。
上記ポイントの3番目の「3列法」もそうですし、割愛した中には「質問メモ」「相関図メモ」「エレベーター式アイデア発想メモ」といった独自の方法が披露されています。
この辺は図があった方が分かりやすいですし、やはり本書で直接ご確認していただきたく。
ちなみに、この「3列法」は第1章の「忘れないメモ術」に、「質問メモ」「相関図メモ」「エレベーター式アイデア発想メモ」の3つは第3章の「アイデア創出のためのメモ術」に収録されていますので、ご参考まで。
◆なお上記で「多方面に渡って」と申し上げたように、本書は「メモ」とは少々違うテーマについても触れられており、たとえば上記ポイントの4番目の目標のお話辺りもその1つです。
これは第4章の「やり抜く力をつけるメモ術」からのもので、この章にはほかにも「紙に不安要素を全て書き出す」のようなTIPSもありました。
さらにポイントの5番目に関しては、「書く(描く)内容」よりも、むしろ「かくという行為」にフォーカスされていますから、純粋な「メモ術」を期待されている方には、少々微妙かもしれません。
ただ、私は本書を読んで改めて、「手書き」や「頭の外にアウトプットすること」の重要性を認識しましたし、試してみたいことも見つかりました。
メモを軽視している方こそ要チェックな1冊!
記憶力日本一を5度獲った私の奇跡のメモ術
第1章 忘れないメモ術
第2章 タスクの効率を上げるメモ術
第3章 アイデア創出のためのメモ術
第4章 やり抜く力をつけるメモ術
第5章 脳を鍛える「書く」トレーニング
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【編集後記】
◆改めて記事にする予定ですが、本日からこんな大規模セールが始まっています。Amazon.co.jp: 『50%ポイント還元』 すばる舎 学び・成長・成功本キャンペーン: Kindleストア
すばる舎さんの版元単独のセールは記憶にありませんから、この機会をお見逃しなく!
この本も「50%ポイント還元」ですからねぇ……。
実践版GRIT やり抜く力を手に入れる
ご声援ありがとうございました!
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