2018年04月29日
【子育て】『頭がいい子の家のリビングには必ず「辞書」「地図」「図鑑」がある』小川大介
頭がいい子の家のリビングには必ず「辞書」「地図」「図鑑」がある
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、現在開催中の「Kindle月替わりセール4月分」の対象である子育て本。さすがに明日30日で終わりということで、慌ててレビューしてみた次第です。
アマゾンの内容紹介から。
頭がいい子になるかどうか…それは家庭環境がカギ!家族が一緒に過ごすリビングに「辞書」「地図」「図鑑」の知的アイテムを置き、ふだんから慣れ親しむことで、後々の学力に大きな差がつく! どういう辞書・地図・図鑑を選べばいいのか、どうしたら効果的に使えるのか。「中学受験のプロ」として個別指導教室代表を務める著者が、学力向上につながる家庭環境のつくり方を具体的に余すところなく解説。置くだけで賢くなる厳選本やアイテム117点も紹介。
未だ中古が1000円以上しますから、送料を加味するとKindle版が700円弱、お得な計算です!
People's Cyclopedia of Universal Knowledge [front] / Boston Public Library
【ポイント】
■1.なぜリビングなのか?では、なぜリビングか。それは、「すぐそばに親がいるから」。お母さんが料理中にキッチンにいても、リビングならすぐそば。子どもが声をかければ、お母さんから返事がくるし、「ちょっときて」と言えば、すぐにきてくれる距離です。
小さな子どもは、「パズルできたよ」「恐竜描けた〜」というふうに、何か達成できたことがあると必ず親に見せにきますね。「すごい!」「上手だね!」と言ってもらうのがうれしいのです。
ものすごく精密な恐竜の絵を描いて、「うん、うまく描けた」と満足し、ひとりごちている幼児がいたら、ちょっと不気味です。
普通、子どもはそのようには育ちません。親のほめ言葉やリアクション、「声をかけたら、すぐに届く」という安心感や「何か質問したら教えてもらえる」という信頼感を得て、「またやってみよう」「もっとうまくなりたい」とやる気を高め、持続させていくのです。
■2.テレビや会話で生じた「何?」を逃がさない
たとえば、テレビのニュースで出てきた地名を地図で調べたり、テレビ番組に出てきた動物や植物を図鑑で調べたり、家族の会話で出てきたわからない単語を辞書で調べたり……。「すぐに」「その場で」詳しい情報にふれられるようにするのです。
「あとで調べよう」もいいのですが、知識の吸収が一番いいのは、子どもの知的好奇心のアンテナが立っているときです。
そのタイミングを逃さないためにも、「いつでも〈知〉にアクセスできる」ように、リビングに図鑑、地図、辞書を置くのです。
子どもが興味を持ちそうなものが話題に上がったら、すぐにその場で「じゃあ調べてみようか」と言って図鑑や地図、辞書を取り出してください。
何度も調べて、習慣化してくると、子どもはわからないことがあったら自分で取り出して調べるようになります。
そうなったら最高です。子どもの知的好奇心は無限に広がっていくでしょう。この積み重ねが知識の定着につながり、頭のよさにつながっていきます。
■3.まずは親が図鑑なり地図を開く
まずは親御さんが図鑑なり地図なりを開くことです。
そのとき、「子どものためになるようなことを」「ぜひ知ってほしい知識のページを」などと考えず、親御さん自身の関心の向くままでかまいません。
私の場合、ほとんど自分の好奇心で、例の「花」の図鑑を開いたり、夏休みに計画している旅行先の地図を見たりしています。
知らないことや忘れていることを、私自身があらためて知る絶好のチャンスだと思うからです。
そうして、親が「へぇー、●●って書いてある」と驚いたり、「そうだったんだ、知らなかった」と感心したり、「おもしろいよ!」と笑ってみせると、子どもは勝手に寄ってきます。
「何?」「楽しそう!」「僕も混ぜて」「私にも教えて」と、感情が動くからです。
このように 子どもの心を動かしてあげることが、知識を蓄え、賢くなっていくためには大切 です。
■4.「辞書」「地図」「図鑑」を循環させて何倍もの学習効果を
たとえば、「佐渡で朱鷺の繁殖に成功」というニュースを見たとします。「繁殖」という言葉を辞書で調べたり、「佐渡」の場所を地図で調べたり、「朱鷺」を図鑑で調べるだけで、図鑑、地図、辞書の3方向から知識を増やすことができますね。
公園でタンポポを見かけ、家に帰って図鑑を見るようなシチュエーションでも、図鑑、地図、辞書へと親が意識的に会話を広げてみましょう。
たとえば小学館の図鑑NEO『植物』では、それぞれのタンポポの生育地が日本地図上に示されていて、このページを開くだけで、カントウタンポポ、セイヨウタンポポ、エゾタンポポ、シナノタンポポ……など日本の地域名と、西洋という海外を示す言葉にふれることができます。
このように、図鑑で植物や動物の知識にたくさんふれていることが、地域名を知るチャンスになるというわけです。
■5.同じジャンルで何冊も欲しがったらチャンス
これはとくに男の子に多い傾向ですが、同じジャンルの図鑑を何冊もほしがることがあります。たとえばA社の図鑑シリーズの「魚」を買ったのに、後日、B社の「魚」もほしがり、さらにC社の「魚」もほしがる……といった具合です。
親御さんからすれば、「1冊あるんだから、もう十分じゃない」と思うでしょう。けれども、子どもにとってはそれぞれ全然違うのです。
子どもは必ず図鑑を見比べます。そして、「どっちにも(魚の)『オジサン』が載ってる」とか、「こっちの図鑑のモンハナシャコのほうが色がきれい」などと言い出します。
これはすごいことです。共通点と相違点を発見するのは、学びの原点。もうこれだけで、一段階賢くなっています。
同じようなものを子どもがほしがるときは、絶好のチャンスなのです。ですから、ぜひ気のすむまで揃えさせてあげてください。
【感想】
◆非常に「耳イタイ」1冊でした。そもそも本書を買ったのは、アマゾンの表示を見ると2年前の夏だった模様。
その頃は塾でまだ理科社会をやっておらず、算数と国語で必死だったこともあってか、余裕で本書も積読にしておりました。
ただ、今般本書を読んで分かったのは、こういった「辞書」「地図」「図鑑」に接するのは、「早ければ早いほどいい」ということ。
実際に塾で理科や社会を習い始めると、「授業でやった範囲を可能な限り完璧に仕上げる」方が先決になってしまいます。
◆一方で、先日塾の父母会では「問題を『知識』で解かないで、『常識』で解け」と言われました。
つまり、勉強したから知っているのではなく、元から知ってる状態を目指す模様。
そのためには、子ども本人が、積極的にそういった情報に接するよう育てる必要があるワケです。
そのためには、まず上記ポイントの1番目にあるように、子供部屋ではなくリビングに、この「3種の神器」を用意すべし!
それで勝手に開いたり眺めてくれればいいのですが、フツウはなかなかそうはなりません。
そこで上記ポイントの2番目にあるように、テレビや会話での「きっかけ」を逃さないこと。
もちろん、ポイントの3番目のように、「まず親が開く」のが大事なのですが、まったくしてこなかった自分……(反省)。
◆さらに、「辞書」「地図」「図鑑」それぞれ単独ではなく、併用して活用すると効果倍増!
その手法について解説されているのが、上記ポイントの4番目であり、なるほどこのように「循環」させるのか、と。
ちなみに本書でも指摘があったのですが、昨今の中学受験では、理科と社会の両方面から問題を解かせる傾向があるらしく。
具体的な受験問題例は本書でご確認いただくとして、「国語と社会」「理科と社会」といった科目融合型の問題が問われたりするようです。
こういう方向から攻められると、まさに「常識」レベルで理解しておかないと難しい気が……。
◆実は上記で挙げたこれら5つのポイントは、本書の第2章までの内容から抜き出したものであり、本書の約半分にすぎません。
残りの半分である第3章からは、1章ずつを使って「図鑑」「地図」「辞書」それぞれの活用法について言及。
特に冒頭の内容紹介にもあった「厳選本やアイテム117点」は、見逃せないところです。
なお、本ではなく、アイテムというのは、「パズル」や「かるた」「地球儀」もあるからで、これらがフルカラーで紹介されているのも、これから揃えるご家庭にとってはありがたいハズ。
……と思ってたら、最後の「辞書」のところだけはモノクロですのでご留意を(「図鑑」や「地図」に比べて色合いがそれほど重視されないから?)。
いずれにせよ、子どもの中学受験時に、理科社会が苦手になるのを少しでも防ぐためには、本書は必読だと思います。
「辞書」「地図」「図鑑」が買いたくなる1冊!
頭がいい子の家のリビングには必ず「辞書」「地図」「図鑑」がある
第1章 頭がいい子の家のリビングはこんなにも違う!
第2章 図鑑、地図、辞書は学力を伸ばす「三種の神器」
第3章 「図鑑」でどんどん知識が増える
第4章 「地図」でみるみる世界が広がる
第5章 「辞書」でぐんぐん言葉が深まる
第6章 親のかかわりと声かけこそ一番の環境
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【編集後記】
◆一応我が家でも、それなりに図鑑や地図、学校で使うための辞書はありますが、ムスコがいとこの家や図書館で見て欲しがったのがこちら。もっとくらべる図鑑 (小学館の図鑑 NEO+ぷらす)
やはり自分から欲しい、と思った本は、繰り返し読んでいたようです。
【編集後記2】
本日の「Kindle日替わりセール」から。合本 鬼平犯科帳(一)〜(二十四)【文春e-Books】
24冊で「3999円」ですから、1冊約167円弱。
一方、個々に買うと文藝春秋さんのセールのおかげで「50%ポイント還元」となるのですが、1冊あたり「300円」なので、この合本版がお得という。
ご声援ありがとうございました!
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