2018年04月22日
【仕事術】『どんな会社でも結果を出せる! 最強の「仕事の型」』村井庸介
どんな会社でも結果を出せる! 最強の「仕事の型」
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、昨日の「売れ筋タイトル50%OFFセール」の中でも、個人的に読んでみたかった仕事術本。著者の村井さんは、新卒で入った野村総研で学んだ「型」で、その後の転職先8社で成果を挙げてきており、その「型」を詳しく解説したのが本書になります。
アマゾンの内容紹介から。
仕事の本質とは「提案」である。5ステップでその「型」が身につく。野村総研、リクルート、メガネスーパー、グリー…など10年間に8社で働いてわかった基本。
現時点で中古が1000円以上しますから、セール期間内であれば、このKindle版が600円弱お買い得です!
Issues / Giuseppe Milo (www.pixael.com)
【ポイント】
■1.提案の「型」GISOVのフローチャート(1) G:Goal(ゴール:目的・目標)
↓
(2) I:Issue(イシュー:課題)
↓
(3) S:Solution(ソリューション:解決策)
↓
(4) O:Operation(オペレーション:実行計画)
↓
(5) V:Value(バリュー:付加価値)
(詳細は本書を)
■2.「相手が却下する理由」をなくす
提案は、承認されてこそはじめて意味を持ちます。却下されるとは、「その提案を受け入れても、メリットがないよね」と相手が判断するということです。そして、価値がないと受け止められ、実行に移すことができなくなった瞬間に、その提案は机上の空論で終わってしまいます。
では、限りなく100%に近い確率で提案を承認してもらうためにはどうしたらいいでしょうか。
その答えは、「相手が却下する理由」をなくすことです。
「なんだ」と思われるかもしれません。まさに「卵が先か、ニワトリが先か」のような話です。しかし、「どうやったら承認してもらえるか」を考えるよりも、「却下されるとしたら理由は何か。どうやったらその理由をなくすことができるか」と考えるほうが、提案をブラッシュアップする方策が具体的になるのです。
■3.提案書はシンプルに
原則は「シンプルに」です。5段階の論理を、3段階で見せるほうが伝わりやすいことはよくあります。
また、相手によっては、「イシュー」「ソリューション」といったカタカナに抵抗があるかもしれません。実際に私も、「提案書」ではそれらの単語はまず使いません。たとえば、・イシュー=「立ちはだかる壁は何か」といった表現をよく使います。そのほうが伝わりやすいからです。
・ソリューション=「乗り越えるためには」
バリューは「(弊社の)提供価値」と表現することがよくあります。多くの場合、バリューは短い文面にまとめるか、あえて「提案書」本文に織り込まずに、添付資料とする場合もあります。自己PRを「えらそうだ」と感じる人もいるからです。(中略)
「提案書」の体裁は、あくまでも相手ありきです。自己満足の資料になってはいけません。あなたの提案のポイントを、シンプルに、的確に表現することを心がけてください。
■4.自分の「信頼の残高」を短期間で貯める
入社したての段階では、信頼は限りなくゼロに近いと考えてよいでしょう。できるだけ短期間で信頼を高めることができれば、それだけ早く提案ができるようになり、承認もされやすくなります。
そのためには、いきなり1年かかる大型の案件に取り組むよりも、2週間でひとつ終わるくらいの短い案件で次々に成果を出したほうが、早く信頼を得ることができます。それを繰り返し続けることで「信頼の残高」が貯まっていきます。これを「クイックウィン」と呼びます。できるだけ短期間で自分の成果を出すということです。
具体的には、意識的に「終わりまでの時間のスパンが短い仕事」から手をつけます。半年、1年かけないと成果がわからないプロジェクトにおいては、その間、自分の評価は定まりません。2週間で終わる仕事で成果を出せば、2週間で評価されるのです。
■5.スキルを「OS」と「アプリ」に分けて考える
異なる業種間を異動する場合にも、自分のスキルを「OS」と「アプリ」に分けて考えると、新しい業種になじみやすくなります。
つまり、「これは前の業種でやっていたことと本質的には同じだな」「バージョンアップで対応できるな」という仕事と、「自分にとってはまったく新しい取り組みだな」という仕事を意識的に分けるのです。(中略)
「OSのバージョンアップ」とは、仕事の基礎力を上げていくことです。人事の仕事でいえば、人の行動の本質を知り、組織の力学の構造を知る、あるいは人材の見抜き方などの組織マネジメントや採用の経験知を積み上げていくことです。
一方、「アプリ」はさまざまな業務経験を得てたくさん使えるほうが有利です。たとえば「人材採用の経験があります」という場合に、大手企業と小さな企業、両方での採用経験があるほうが、バリューは大きくなります。
【感想】
◆本書のタイトルにもある「型」ですが、項目的には上記ポイントの1番目の通りです。著者の村井さんは、学生時代にインターンシップで野村総研に参加した際、この「型」に遭遇。
そこで知ったのが、他のコンサル会社に比べて、野村総研では、最後の「V(Value)」を徹底的に考える、ということ。
もちろんどの会社でも、問題点を洗い出して、具体的な解決策を示すところまでは、やっています。
ただ野村総研は、それに加えて「なぜ野村総研に頼むのか」という「他社にはない付加価値」を、必ず提案書に盛り込むとのこと。
◆実際、野村総研では「金額が他社よりも高い」ことがよくネックになったのだそうです。
リサーチを徹底的に行うことなどが原因で、競合他社の1.5倍から2倍くらいの値段になることが何度もあったらしく。
当然、相手側の担当者は、上司から「何で野村に頼むんだ?」と尋ねられるでしょう。
そこで考えるべきが上記ポイントの2番目の「『相手が却下する理由』をなくす」。
たとえば
調査内容が他社よりも圧倒的に広範囲かつ調査の粒度も細かいために、高コストに見合った正確な裏づけを用意できますといった「他社にはないバリュー」を用意しておくワケです。
要は、相手の「断る理由」を事前に想定し、それに対処することで、採用される確率が高まる次第。
◆本書の第3章では、他にも「GISOV」を実際に使う際のポイントがいくつも紹介されています。
たとえば、割愛した中では「『提案者』は自らも率先して汗をかく」。
村井さんは転職先でも積極的に「提案」して、社内を変えていったのですが、その際、意識してプロジェクトの現場に立ち、メンバーとのコミュニケーションを図ったのだそうです。
確かに現状を変えようとする人こそ、皆と一緒になって「泥にまみれる覚悟」を見せることが大事かと。
同じく、転職するということは、それまで積み上げてきた社内での「信頼の残高」をリセットしてしまいますから、再度それを積み上げる必要があります。
そのためには、「『いつかはやらなくちゃ』とみんなが思っているのに放置されている仕事」のようなものに着手するのも効果大。
こうした助走期間があってこそ、上記ポイントの4番目にあるように、「短い案件で次々に成果を出す」ことにつながると思われ。
◆なお、順番が逆になりましたが、本書の第2章では、村井さんが過去の職場で実際に「GISOV」を使って「提案」した事例が、会社ごとに収録されています。
メガネスーパー、ドリコム、グリー等々、それぞれのケースにおける「GISOV」が明らかにされているため、なるほど、このように考えればよいのか、と改めて腑に落ちました。
もちろん事例自体は、その時々の状況や会社ごとによって異なりますから、そのまま転用することは難しいと思います。
とはいえ、今ひとつ「GISOV」という「型」にピンと来ない方は、この第2章が分かりやすいかも。
私もイマイチ「イシュー」が良く理解できていなかったのですが、ここを読んで納得できました。
10年間、8社で実績を上げられた秘訣がここに!
どんな会社でも結果を出せる! 最強の「仕事の型」
第1章 どんな会社でも結果を出せる仕事の「型」とは
第2章 仕事でいちばん大切な「提案力」の磨き方
第3章 「GISOV」を実際に使うときのポイント
第4章 自分の付加価値を高め続けるための「仕事観」
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【編集後記】
◆今日の本も対象となっている「売れ筋タイトル50%OFFセール」の初日の集計では、この辺がお求めいただいていました(順不同)。ジム通いビジネスマンのトレーニングを10倍楽しくする方法 Business Life
生産性マネジャーの教科書
好かれる人の話し方、信頼される言葉づかい
どんな会社でも結果を出せる! 最強の「仕事の型」
果たして今日の作品はどこまで数字を伸ばせるか!?
【編集後記2】
◆本日の日替わりセールから。13・67 (文春e-book)
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ご声援ありがとうございました!
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