2018年04月16日
【全米がワロタ?】『いきなりサイエンス 日常のその疑問、科学が「すぐに」解決します』ミッチェル・モフィット,グレッグ・ブラウン
いきなりサイエンス 日常のその疑問、科学が「すぐに」解決します
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、現在開催中の「科学・テクノロジー本フェア」からの1冊。著者のミッチェル・モフィットとグレッグ・ブラウンは、世界中に600万人ものフォロワーを持つYoutubeの人気番組『Asap SCIENCE』の創設者であり、本書はその書籍化ということになります。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
専門用語や難しい解説は一切なしの本当に役立つ科学ネタ37個。
「これって、実はそういうことなのか! ! 」と思わず膝を打つ、 爽快な一冊です。
セール期間内の4月19日までなら、このKindle版が500円弱お得な計算です!
Engineering Science Students 3.14.13 / Southern Arkansas University
【ポイント】
■1.かき氷で頭がキーンとするワケものすごく寒い場所でテレビゲームをやったり、タイピングをしたりすると、指が寒さに慣れるまで少し時間がかかるはずだ。それは寒さで血流が滞っているせいである。口蓋に冷たい食べものが触れた瞬間も、これと同じことが起きている。
ただし、毛細血管の収縮が直接的に「キーン!」という頭痛を引き起こしているわけではない。脳が冷えないように、逆に身体が必死に血管を拡張して血流を増やそうとしていることで、頭痛が起こるのである。
脳は頭蓋骨の中におさまっている。そのため冷たいものを飲んだり食べたりすると、脳を冷やさないために血流の量が増加し、頭蓋骨内で圧力が強まる。これが頭痛の原因となるのだ。脳は人間の身体の中でも一番重要な臓器であるため、動脈の急激な拡張・収縮を起こすことで、身体はその大切な部分を保護しようとしているのである。
■2.関節がポキポキなる理由
関節を鳴らしているとき、われわれは実は、関節を引き離している。そうして関節の間が広がると、関節内の圧力が一気に下がるのだ。それもそのはず、関節の間は広がっているにもかかわらず、滑液の量が増えていないのだから。
関節内の気圧の低下にともない、滑液内には二酸化炭素などのガスが発生し、気泡ができるようになる。そして、関節を伸ばしすぎると、関節内でこの気泡がつぶれる。それでパキッ、ポキッという音が鳴るのだ。
ちなみに、ガスがまた滑液にとけるまで、15分から30分かかる。同じ関節を続けて何度も鳴らせないのは、このせいなのだ。
「関節を鳴らすと関節炎になる」という噂はあるが、実証されていない。しかしながら、指関節をひんぱんに鳴らしていると、握力が低下したり、関節の組織が損傷したりする可能性は否めないという。むやみに関節を鳴らすのは避けたほうがよさそうだ。
■3.落とした食べ物の「5秒ルール」は有効か
ひとつ、興味深い実験を紹介したいと思う。
「タイル、 絨毯、木材という3つの異なる床材に、サルモネラ菌に汚染されたソーセージを落下させたら、細菌は各素材にどう付着するか?」まさに「5秒ルール」のための実験だ。
結果だが、タイルの場合、なんと5秒間で、菌のほぼ90%が染みこんでしまうことが判明した。いっぽう、細菌が移動しにくかったのが絨毯(0〜5%)。また、数値にばらつきがあったのが木材(5〜68%)だった。
もうひとつ、食べものを異なる時間(2秒・6秒)で床に放置する実験もおこなわれた。結果は以下のとおり。「水分のある食品(ベーコンなど)のほうが、乾燥食品(クラッカーなど)よりも、細菌に表面を汚染されやすい。」ゆえに、科学者たちはこう結論づけた。「細菌が表面に付着する程度は、床に放置されている時間の長さよりも、むしろ食べものの水分量で決まる。」
■4.しゃっくりを確実にとめる方法
では、しゃっくりを確実に止める方法はあるのだろうか? 「こうすればいい」という真偽が定かではない方法は星の数ほどあるが、科学的に研究され、実証されたものはたったひとつしかない。だが、実は、あまりやる気になれない方法なのである。
ふたつの実験において「指で直腸をマッサージすると、30秒以内にしゃっくりが止まる」ことが実証されている。そう、つまり、肛門に指を突っこんで小刻みに動かすのだ。こうすると、しゃっくりに関係している神経が刺激されて、しゃっくりが止まるというのである。
どちらの実験でも、被験者はしつこいしゃっくりに悩まされていた。にもかかわらず、この方法はしゃっくりを確実に止められたのである。
■5.悪態をつくと痛みが調節できる
多くの人が悪態をつくのが、肉体的に傷つけられたときだ。
そのことを踏まえた科学者たちは「ヒトが悪態をつくのには、根本的な理由があるのではないか?」という前提で、さまざまな実験をおこなった。そして結果的に、「ヒトは痛みを調整するために悪態をつく」という結論に達したのだ。
ひとつ、面白い実験を紹介したい。
この実験では、科学者たちが大学生をふたつのグループにわけ、凍りつくような冷水にどれだけ長く手をつけていられるか計測をした。ひとつめのグループはののしり言葉をいくらでも口にしてもいいことにし、もうひとつのグループはののしり言葉を一切使用禁止にした。結果として、前者のほうが後者よりも手に痛みを感じることがなく、しかも40秒(!)も長く冷水に手をつけていられたのだ。
科学者たちはこれを、ののしり言葉が感情に関連する脳回路を刺激したからではないかと考えている。一般的な日常言語は、われわれの左脳にある言語中枢が司っている。しかし、ののしり言葉は、右脳にある感情を司るへんとう体を刺激したため、「痛み」や「辛い」という感情をうまくまぎらわせたというのである。
【感想】
◆装丁のロゴやイラストの雰囲気から、てっきり「子ども向けの真面目な科学本」だと思っていたのですが、あ に は か ら ん や。どちらかというと「オトナ向けの『どうでもいい話』を科学的に解説する本」と言った方が良さげでしたw
実際、上記ポイントでは、比較的有意義なネタを選んでおりますが、本書にはもっとしょうもないネタ(褒めてます)が満載。
いくつか抜き出してみると、こんな感じです。
・「出産 VS 股間キック」痛いのはどっち! ?
・性的絶頂感(オルガズム)の正体
・思いどおりの夢をみる方法
・実はすごいんです。鼻水と鼻くその成分
・ゾンビは実際に発生しうる!
・ウソを100%見抜くことは可能か?
……気になった方は、本書にてご確認を。
◆さて、著者の2人は冒頭の内容紹介でも触れたように、YouTubeにて絶大なる人気を得ています。
その番組がこちら。
AsapSCIENCE - YouTube - YouTube
現時点でYouTubeのチャンネル登録者数が760万人超という人気ぶり。
……上記の割愛したネタの1つが、トップページの中にあったのでご紹介しておきます(小声)。
残念ながら、本書収録のネタそれぞれは英訳されていないので、個々にあたるのは少々面倒かもしれません。
むしろ、本書未収録の面白そうなネタもちらほらあるので、続編も期待できそうですが。
◆なお、ネタに関して「しょうもない」と言ってしまいましたが、実際には真面目なお話も多かったです。
たとえば上記ポイントの1番目の「頭キーン」ですが、実は頭痛の原因解明の手段としても研究が進められているのだとか。
なぜなら、頭痛の研究においては、安全面と倫理面から考えて、被験者に意図的に頭痛を起こさせることは難しいから。
ですから、被験者に冷たい飲み物を飲ませて、疑似的な頭痛を起こして用いているのだそうです。
また、割愛した中の「鼻くそ」のお話では、鼻くその意外な味と、隠された効能について述べられており、なるほど子どもが食べるのも悪くない……って私は生理的に無理ですが(涙目)。
◆一方、逆に知ってても役立てようのないお話が、上記ポイントの4番目。
もしも実際にやるのなら、「指を1本まっすぐに、しかも肛門に深々と突っ込む必要がある」そうなので、とても素人にはオススメできないTIPSでしょう。
昨年、大腸のCT検査でお尻に器具(?)を突っ込まれた私からしたら、何かもう気持ち悪くてしゃっくりどころではないのは分かります。
さらに上記の割愛ネタである「ウソを100%見抜くことは可能か?」も、本書の場合「心理ネタ」ではなくて「科学ネタ」ですから、一般の人は設備的に再現できない模様(ネタバレ自重)。
それよりは、今後何か痛いことがあったら、上記ポイントの5番目の「悪態をつく」というのを実践してみようと思いますw
身の回りの事象を「科学」で解き明かした1冊!
いきなりサイエンス 日常のその疑問、科学が「すぐに」解決します
はじめに--生物学者 福岡伸一
Part1 「感覚」を科学する
Part2 「からだ」を科学する
Part3 「不可思議」を科学する
Part4 「ライフハック」を科学する
Part5 「こころ」を科学する
【関連記事】
【科学的?】『科学的に元気になる方法集めました』堀田秀吾(2017年02月17日)【オススメ】『「首から下」で考えなさい』シアン・バイロック(2015年07月17日)
【科学的自己啓発書】『その科学があなたを変える』リチャード・ワイズマン(2017年04月30日)
【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から。ワーク・シフト ─孤独と貧困から自由になる働き方の未来図<2025>
私も以前のセールで買って、絶賛積読中の1冊。
今回は「63%OFF」という激安設定ゆえ、送料を加算した中古よりもKindle版が700円弱お買い得となっています!
ご声援ありがとうございました!
この記事のカテゴリー:「科学」へ
この記事のカテゴリー:「生活」へ
「マインドマップ的読書感想文」のトップへ
スポンサーリンク
当ブログの一番人気!
10月10日まで
9月26日までのところ一部値引に移行して延長中
Kindle月替わりセール
年間売上ランキング
月別アーカイブ
最近のオススメ
最近の記事
このブログはリンクフリーです