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2018年04月13日

【プレゼン】『1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術』伊藤羊一


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1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事にて大人気だった「話し方本」。

土井英司さんのメルマガの後追いになってしまいましたが、なかなか濃厚な1冊でした。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
プレゼンに限らず、人前に立って話をする、指示をする、伝える、ということが苦手な方はいるでしょう。著者の伊藤氏は、そのプレゼンを聞いたソフトバンクの孫社長から認められるほどの技術の持ち主であり、今はグロービスの講師として、ヤフーアカデミアの学長として、起業家からビジネスパーソンまで年間300人以上のプレゼンを指導し、ピッチコンテストなどでの優勝者を続々と輩出しています。本書では、「右脳と左脳」に働きかける伊藤氏独特のメソッドを紹介します。

現時点で中古が単行本価格を上回っていますから、Kindle版がお買い得となります!





Masayoshi Son (via video) / Financial Times photos


【ポイント】

■1.ピラミッドは「結論」→「根拠」→「事実」の3段で
「たとえば」と言うことで、聞き手にイメージを湧かせることは、たとえ1分で話をする場合であっても、不可欠です。
 ですので、第2章でお話ししたピラミッドは、実は2段ではなく、3段で作るとよいのです。
 つまり、2段めで根拠をあげて、3段めで実例をあげる、ということです。(中略)
 作る時のコツですが、必ず上(結論)から作らなくてはいけないということはありません。下から3段めの事実を、付箋などを使って並べながら全体を考える場合もあります。
 いずれにせよ、最後にピラミッドのすべての線において「〜だから、〜である」と読んでみて、意味が通じるかどうかチェックすることが大事です。
 そして、意味が通じない場合は、どんどん入れ替えましょう。


■2.「想像してみてください」と促す
 ではどのように、聞き手に想像を膨らませてもらうか。これは、聞き手の色々な経験を、自分が伝えたいイメージと組み合わせてもらい、想像を膨らませるのです。
 そのためには、直接、そのイメージに入ってくれるように、お願いするのが一番です。
 具体的には、
「想像してみてください」
「あなたがもしこの世界を経験するとしたらどうでしょう」

 と促す。そして、「素晴らしいと思いませんか」と方向感を伝える。
 これだけでよいのです。あとは勝手に、聞き手が自分の頭の中で想像を始めてくれるようになります。


■3.「超一言」で包み込む
いくらいい話をして聞き手に喜んでもらったとしても、聞き手がそれを、ずっと覚えているかどうかは、別の話です。
 これが冒頭の「人は 80%聞いていない」にもつながるのですが、人はそのくらい、聞いた話を覚えていないということなのです。
 しかし印象に残るストーリーをしっかりと話し、相手に覚えてもらうための仕掛けを作ることによって、相手にずっと話を覚えてもらうことは可能です。
 では、そのためにどうするか。
 話のストーリーすべてを覚えてもらうことはあきらめましょう。全体のストーリーは、資料などを見れば思い出せるくらいでよいかと思います。というか、それくらいしか期待できません。
 ではどうするか。
「自分の伝えたいことを、一言のキーワードで表す」
 そうすることで、その一言に、自分の伝えたい内容を「包み込む」のです。私はそれを、「めちゃくちゃ大事な一言」という意味を込めて「超一言」と言っています。


■4.根回しやアフターフォローを厭わない
「根回し」と聞いて、「ああ、自分はそういうことは嫌いだ、やらない」と感じる人もいるかもしれません。事前に根回しをしている人を、「ずるをしている」と感じる方もいるでしょう。
 しかし私は、事前に相手に何かをインプットできる機会があれば、喜んで活用します。なぜなら、それで相手が動く可能性が高まると考えるからです。本番一発のプレゼンで相手がすべてについてOKするかどうかわからないのであれば、事前に「今度の会議で、私はこんな話をしようと考えています」と伝えて、あらかじめ相手の理解を進めておくメリットは計り知れません。(中略)
 プレゼン後のアフターフォローを行なうのも同じです。プレゼンの結果、聞き手が動くかどうか、微妙だ。そういう時は、聞き手を捕まえて「詳細を改めてご説明したく」などと即座に行動すべきでしょう。


■5.上司をうまくコントロールする
 また、主張と根拠のピラミッドの根拠の部分の3つめに、自分の意思とは異なる根拠を入れたりもします。あえていい加減な、突っ込みやすい根拠にするのです。そうすると、食いついてくれます。で、すかさず「おっしゃる通りですよね!」と言いながら、もともとあった根拠に入れ替える。
 すると、相手も自分のおかげでよい案になったと思って、OKを出しやすくなるのです。
「相手を操縦している」ような言い方に聞こえたら申し訳ないですが、やっぱり、突っ込みたいという相手には、突っ込んでいただく。それでその意見も取り込んでいく。そうすれば、「共同作業」になるわけです。つまり、「共犯」になるので、否定しづらくなってくる。そういう道をあらかじめつくってコントロールするのです。


【感想】

◆なかなか実践的な「話し方本」でした。

まずは冒頭の内容紹介にある「『右脳と左脳』に働きかける」メソッドについて。

これはザックリ言うと、上記ポイントの1番目のような形式的な部分が「左脳」で、上記ポイントの2番目にある「イメージさせる」TIPSが「右脳」ということになります。

今までの類書を考えると、「左脳」ネタがほとんどで、「右脳」ネタはプレゼン本よりも、むしろマーケティング本に多かった気が。

そこをうまくミックスさせて、相手に伝えて、かつ、動いてもらうのが本書の目指すところになります。


◆そのポイントの1番目は、いわゆる「ピラミッド構造で話す」というTIPS。

本書の第2章では、「主張」を頂点に、3つの「根拠」を下に並べて支える構造を指南してくれています。

その際注意すべきが、引用部分にあるように「〜だから、〜である」と言ってみて、意味が通じるかチェックするということ。

たとえば、「会社の業績がいいから、この会社が大好きだ」という文は、なんとなくは分かりますが、意味が通じていません。

こういう場合は「ロジックが隠れている」ので要注意(詳細は本書を)。

また、この第2章ではピラミッドは「主張」と「根拠」の2段だったのですが、本書の第4章ではポイントの1番目のように、その下に「たとえば」という「事実」を加えた3段を推奨しています。


◆さらにこの「たとえば」という実例は、聞き手にイメージを沸かせる効果もアリ!

つまり「右脳」面にも働きかけてくれるワケです。

もちろん実際にビジュアルで訴えられるものは、写真や絵、動画を活用せよ、とのこと。

ここまで作りこめれば、聞き手は具体的なイメージが持てるはずです。

そしてそれをさらに後押しするのが、上記ポイントの2番目にある「想像してみてください」という一言。

あとは、聞き手が頭の中で想像してくれる次第です。


◆ただし、ここまでやってイメージしてくれたとしても、相手が動いてくれるかどうかは別のこと。

要は、人は話を聞いても忘れてしまうのが当たり前なんですね。

そこで相手にしっかり覚えてもらうために大事なのが、上記ポイントの3番目の「超一言」。

実際、著者の伊藤さんが、孫正義さんの前で始めてプレゼンした際、自身のEコマース戦略モデルを「キチリクルン」と名付けたところ、15人ほどのプレゼンが終わった後、孫さんから「君のキチリクルン、いいねぇ〜」と声をかけられたそうです。

ネーミングは大事だとは思っていましたが、プレゼンでも活用できるとは目からウロコ……。


◆また、伊藤さんがすごいのは、こういう表舞台だけではなく、裏でも努力されていること。

この「キチリクルン」のプレゼンの際には、300回練習したのだそうです。

それも毎回同じではなく、10回に1回は録音したものを聞いて改善しつつの300回ですから、大変な時間がかかったはず。

加えて上記ポイントの4番目にあるように、根回しやアフターフォローにも抜かりありません。

なお、上記ポイントの5番目のTIPSは、もちろんプレゼンだけでなく、日常の仕事でも活用できますから、「上司操縦術」として押さえておきたいな、と。


広範囲に活用できる1冊です!

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1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術
はじめに 私は、人に何かを伝えることが本当に苦手だった
序章 そもそも「伝える」ために考えておくべきこと―うまいプレゼンより、「動いてなんぼ」
第1章 「伝える」ための基本事項
第2章 1分で伝える―左脳が理解するロジックを作る
第3章 相手を迷子にさせないために「スッキリ・カンタン」でいこう
第4章 1分でその気になってもらう―右脳を刺激してイメージを想像させよう
第5章 1分で動いてもらう
第6章 「伝え方」のパターンを知っておこう
第7章 実践編


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【編集後記】

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