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2018年04月06日

【お金】『人生を自由に生きたい人はこれだけ知っていればいい お金で損しないシンプルな真実』山崎 元


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人生を自由に生きたい人はこれだけ知っていればいい お金で損しないシンプルな真実


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事の中で、意外に人気だった「お金本」。

著者の山崎 元さんの他の作品は、今までKindleセールで何冊も登場しているのですが、レビューとしては今回が初めてとなります。

アマゾンの内容紹介から。
「人生設計の基本公式」で必要な額を貯める。家を買うことは当たり前ではない。45歳になったらセカンドキャリアを考える。だまされずになるべく増やす「超簡単な運用法」。銀行・証券会社から勧められたものは買わない。手数料0.5%は「取られすぎ」。老後設計の基本公式。仮想通貨の未来でもお金の本質は変わらない…「これだけ知っておけば、だいたいオーケー」と言えるエッセンスを厳選。子どもでも理解できるようにやさしく、大人が読んでも十分に役に立つ本。

中古が定価以上のお値段となっていますし、私は「21%OFF」のKindle版で読みました!





Money / Got Credit


【ポイント】

■1.教育に対する投資は早い時点で行う
 仕事は、おおまかに言うと、時間とお金との交換なので、たとえアルバイトでも、多くの時間を費やすと、そこそこのお金が貯まるかもしれません。しかし、若い頃の時間は貴重です。将来により効率よく稼ぐためには、たとえば仕事で使える専門知識を習得するのに時間とお金を使う方が合理的な場合が多いでしょう。
 一般に教育に対する投資は、より早い時点で行う方が有効です。なぜなら、身につけた内容をより長い期間使うことができますし、若い頃の方が吸収の効率がいいからです。
 私は、ある大学で6年ほど教員をしていたことがありますが、この観点から私は、大学生が勉強ではなく、部活やアルバイトに時間と体力を費やすことに対して疑問を持っています。
 お金を稼ぐためには、知識と戦略が必要です。


■2.銀行窓口には注意する
 銀行は、投資信託や保険を売って、その手数料で儲けます。取り扱っている商品は、手数料の高い、はじめから検討に値しないものばかりなのです。唯一「個人向け国債」のみが買ってもいい商品ですが(第2章でお話しします)、銀行側が勧めてくることはないでしょう。
 相談するだけなら無料だといっても、こちらが得をする商品ではなく、銀行が儲かるものを売ろうとするだけです。話を聞くだけムダであり、弊害の方が大きい。
 運用は、自分の意思で決めて、自分で選んだ商品を買うことが賢明です。他人に任せるよりも自分で決める方がずっと安心で、実は簡単です。自分にとって適切な状態は他人を通じて実現しようとするよりも、自分で決める方が簡単で確実、かつローコストに作ることができます。このことを分かっていない人が多いことを私は大変残念に思っています。
 銀行ではなく、セールスマンと直接話をする必要が無いネット証券を利用することを強くお勧めします。


■3.超簡単な運用方法
(1)まず、当面の生活に必要なお金を銀行の普通預金に置きます。生活費の3カ月分くらいが目安です。  
(2)次に、残りのお金を、リスクを取ってでも増やしたいと思う「リスク運用」のお金と、絶対に減らしたくないと思う「無リスク運用」のお金とに分けます。
(3)そして「リスク運用」のお金は、国内と海外の株式に広く投資する投資信託(中でもインデックスファンド)に投資します。
(4)残りの「無リスク運用」のお金は、主に「個人向け国債」で持ちます。

(詳細は本書を)


■4.相場よりも運用よりもまず手数料
 商品のリターンを判断する要素として、まず、「株式市場全体が上がるか下がるか」という相場に加え、「ファンド・マネジャー(運用担当者) の運用が上手いか下手か」という運用のウデの問題が考えられます。そして、もう1つの要素として「手数料が高いか安いか」というコストの問題があります。
 これら3つの要素を合わせたものが、最終的な自分のリターンとなります。
 株式市場全体の上がり下がりに伴うリターンは、コントロールすることはできませんが、株式で運用する商品に投資する人全員にとって、共通のリターン部分です。
 運用のウデの問題ですが、これを事前には評価することができません。これは、金融研究及び金融業界の常識です。(中略)
 こう考えると、顧客側で差を選ぶことができるのは手数料コストの部分だけなのです。買い手がコントロールできる要素は、ここしかないということです。コントロールが可能なところに集中することが意思決定の大原則ですし、ひいては人生のコツでもあります。


■5.投資額を決めたら、一気に買う
 運用できるまとまったお金がある場合、適切な保有額が決まったら、分割などせずに、一気に買いましょう。たとえばあなたが、500万円をリスク運用に回そうと考えていて、そのお金があるなら、さくっと500万円分買ってしまっていいのです。
 それを、たとえば、一気に買うのは怖いからと、毎月100万円ずつ5回に分けて買うとどうなるでしょう。
 買う時は100万円でも、最終的には500万円のリスクを取ることになります。リスクは少しも減りません。1回で済む手数料を5回払うことになります。そして、500万円を投資できていたはずの4カ月間を十分に投資できず、収益の期待値を下げてしまいます。
 仮に、500万円すべてを投資するのが心配だと迷うようなら、それはその投資額があなたにとって適切ではない可能性があります。投資額を適切な額に下げて、一気に買うといいでしょう。


【感想】

◆なかなかためになる作品でした。

まず、第1章では、具体的な投資法以前の「お金の考え方」について指南。

上記ポイントの1番目にあるように、「教育」や「スキル」はどうせ身につけるなら、早い方がコスパが良いのはよく言われていることです。

また同時に、大学時代にバイトをして後悔したお話としては、吉澤大先生のこんなツイートがw

ここでは他にも、「保険」や「持ち家信仰」に対する批判的なお話もありますが、この辺は橘玲さんの作品で、皆さんもおなじみでしょうから、とりあえず割愛しました。


◆続く第2章が、いよいよ具体的な投資のお話。

上記ポイントの3番目に、いきなり結論的なTIPSがありますが、この方法は「たとえプロのファンド・マネジャーでも、これを確実に上回るのは容易ではないと思っています」とのこと。
間違いなく実行できて、大きな失敗をしない、誰にとってもおおむね最適な運用法だと捉えていただいて構いません。
……これは期待大。

ちなみにここの(2)にある「リスク運用」とは、「無リスク運用」より「平均で利回りが5%」高く、「最高の場合1年で4割儲かる」けれど、「最悪の場合、1年で1/3が失われる」可能性のある運用のこと。

たとえば、1000万円持っていて、200万円くらいまでなら損をしても大丈夫だと考えている場合、200万円がその1/3にあたる額、つまり600万円までリスク運用ができるわけです。

そして、それぞれリスク運用はインデックスファンドへ、無リスク運用は、個人向け国債がオススメなのだとか(詳細は本書を)。

ちなみに、個人向け国債を買おうと金融機関の窓口に行くと、ほぼ必ず別の商品を薦められるのだそう。

さらに、そのセールストークをかわして無事国債が買えたとしても、ちょうど1年後、また別の商品への誘導がおこなわれるらしく……。

その理由は、金融機関が国債で得られる手数料が安いためで、たとえば国債を100万円売っても、金融機関には5000円ほどしか入らないのだそうです。


◆逆に私たちにとっては、手数料は少なければ少ない方がいいわけで。

山崎さんが、この「手数料」にフォーカスしているのは、上記ポイントの4番目で長々と引用しているとおりです。

確かにスタートの時点で、唯一確定しているのが「手数料」。

具体的には、年間で0.5%以上取られたら、「取られ過ぎ」と考えるべきなのだそうです。

極端な話、山崎さんは
手数料が高い順に、AからZまで26本の株式投信が並んでいるとしたら、Zが一番よくて、AからYまでの25本というのは最初から検討に値しない商品だと評価できる
とまで言われているという……。

結果、現在日本の投資信託は6000本近くあるものの、「具体的に検討に値するのは、その中の1%くらい」になるのだとか。


◆さらに本書では、現在は税制上有利となる仕組みについても言及。

「iDeCo」や「NISA」、さらには今年1月からスタートした「つみたてNISA」の特徴や、配分の仕方も本書では解説されています。

ありがたいことに、メリットとデメリットが図表にまとめられていたのですが、画像だったので引用できず。

……ちなみに私はもういい年なんで、「iDeCo」のうまみはないみたいなんですけどね(涙目)。

また、付録として収録されている「運用をめぐる地雷リスト」には、手を出してはいけない商品ジャンルがしっかり載っていますから、こちらもお目とおしください。

ただし、冒頭の内容紹介だと、「仮想通貨」についても触れられているような印象がありますが、ページにしたら数ページほどなので、そこだけはご留意を。


お金についての考え方から増やし方まで勉強になりました!

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人生を自由に生きたい人はこれだけ知っていればいい お金で損しないシンプルな真実
第1章 人生とお金で大事なことをざっくりおさえよう

第2章 お金は、だまされずになるべく増やそう

第3章 未来のお金とどう付き合うか


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【お金】『知らないと損する 経済とおかねの超基本1年生』大江英樹(2015年11月08日)


【編集後記】

◆本日の作品に関連して、山崎元さんのご本から。

一生、同じ会社で働きますか?
一生、同じ会社で働きますか?

昨年、月替わりセールの対象としてご紹介したことのある転職本。

中古はフツウに900円近くするのに、どういうわけだか現時点で「78%ポイント還元」となっており、実質「300円」でお求めいただけます。

公式セールの対象ではなく、いつまでなのか分かりませんから、お求めはお早めに!


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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