2018年04月05日
【出世術?】『上に行く人が早くから徹底している仕事の習慣』中尾ゆうすけ
上に行く人が早くから徹底している仕事の習慣
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、今月の「Kindle月替わりセール」でも人気の出世術本。ただ単に仕事ができるだけでは出世できない、とよく言われますが、その理由や対策までよく分かる作品でした。
アマゾンの内容紹介から。
会社には、高い評価を得て「上に行く人」と、ずっと同じポジションに留まっている「ここまでの人」がいます。その選別は、かなり早くから始まっています。
社員を昇進させるとき、会社が見ているポイントはどこか。
上に行く人は、どんな仕事のやり方をしている人なのか。
会社が管理職に求める実力と考え方、そこに到達するための能力の鍛え方をわかりやすく解説します。
なお、中古がそこそこのお値段しますから、送料を考えるとKindle版が400円以上お買い得です!
teams working - Sat morning 1 / Carbon Tippy Toes
【ポイント】
■1.全体の成果に貢献する純粋に個人の成績のみを比較した場合、実務能力で100点の人よりも、たとえ実務能力が 70点だったとしても組織への貢献度が高い人のほうが評価されやすいです。
抜群の結果を出している人が、「そこそこの昇進で終わり」というケースが多いのはこのためです。 (中略)
会社には、同じくらいの実力の人が多数集まっています。
1人だけが飛び抜けているというケースはそれほど多くないですし、著しく劣る人たちが集まることもありません。
常時 70点以上の成果を上げていれば、集団内でそれほど大きな差はつかないのです。
それに対して、組織になったときに生まれる成果は、リーダー次第でかなり大きくすることができます(適性がない人が上に行くと、組織そのものが崩壊するケースもあります)。
だからこそ、会社は「組織の利益を、より大きくできる人」を評価します。
これが、上に行く人の条件なのです。
■2.失敗から学び、次の成果につなげる
仕事が上手くいかないことは誰にでもあることです。むしろ、真剣に仕事にとり組み、チャレンジしていれば、失敗する機会もそれなりに増えます。
ですから、普通は社員が失敗したからといって、失敗自体に目くじらを立てて怒られることはあまりありません(本人の注意不足、甘い自己管理、怠惰によって生じる業務ミスは別です)。
上手くいかなかったとき、失敗したときに問われているのは、その経験から学んで、次の成果につなげることです。(中略)
求められるのは、なぜ上手くいかなかったのか、自分の見通しのどこが甘かったのか、その原因を見つけ出し、同じ失敗を繰り返さないことです。
■3.自分を主体に考える
自立している人は、「自分でやろう」「自分で考えよう」「自分で判断しよう」「自分で責任をとろう」と自分を主体に考えます。
「人に頼らない」「人の言いなりにならない」「人のせいにしない」「人にコントロールされない」という意思もあります。
こういう姿勢でいれば、必然的に自分の考えが明確になりますし、人に指示をする立場になりやすいと言えます。
一方で自立していない人は、その逆です。「誰かがやるだろう」「誰かの言う通りにしよう」「誰かが責任をとってくれるだろう」と他人を主体として考えます。
依存心が強く、「人に言われたことをやり」「人のせいにして」「人にコントロールされる」という状態に安住してしまっています。
自分のなかに考えが生まれないので、人に質問したり、指示を待ったりすることが多くなるのです。
■4.マネジメントの研修を受ける
新入社員や後輩がいないときは、 マネジメントに関する研修を受ける ことです。
社内の研修でもいいし、なければ自分で社外の研修を探してもよいでしょう。通信制の研修も知識をつける意味では非常に有効です。
そこで学んだことを上司に報告し、自分がマネジメント力向上に向けて努力していることをアピールしておきましょう。少なくとも、上司から「次を考えてあげるべき人」というふうに認識されやすくなります(もちろん、一定の実績があることが前提です)。
あとはできる範囲で学んだことを発揮していくことで、上司は研修の話と結びつけて評価しやすくなるはずです。(中略)
一定以上の成果を上げる人はたくさんいますので、マネジメント能力が高いと認められると、評価は一気に上がります。
会社は「積極的に打って出るとき」と「守りに入るとき」で、どういう人を昇進させるかは変えてきますが、 マネジメントに関して、なるべくリスクの少ない人を選ぶ ということについては考慮しているのです。
■5.上司から嫌われない
上司も人間ですから、部下の好き嫌いはあります。
部下の昇進が上司の個人的な好き嫌いで決まるのは望ましくないですが、実力が同じなら、嫌いな部下より、好きな部下を昇進させるのは自然なことです。
それは好かれている部下がゴマをすっているというより、わざわざ嫌いな部下を選ぶ理由がないというほうが近いと思います。
嫌われる部下とは、・注意すると反射的に言い訳するなど、あからさまに反抗するわけではないのですが、なんとなく上司への敬意が感じられない人が多いように見受けられます。
・上司の指示を聞き流す
・報連相をしたがらない
・無断欠勤などの勤怠不良がある
【感想】
◆久しぶりの出世術本でした。当ブログでは一時期、結構ひんぱんに出世術本をご紹介していたことがあり、それは私の趣向というより、たまたまその手の本が立て続けに出版されたから、と記憶しています。
中には「能力がないのに出世する方法」や、この本のように「半分ネタ」な作品もあったりしたのですがw
会議でスマートに見せる100の方法 (早川書房)
参考記事:【ネタ?】『会議でスマートに見せる100の方法』サラ・クーパー(2016年12月20日)
それらに比べると、本書はかなり「真っ当」な出世本だと思います。
◆ですから上記ポイントで挙げた項目も、本気で出世したい方なら、当然押さえておいていただきたいものばかり。
まずポイントの1番目は「出世あるある」と言いますか、「能力があるのに出世できない」パターンを避けるためのものです。
もっとも個人の実務能力が秀でているだけでは、その人に「能力がある」とは言えないのは当然のこと。
なまじ実務能力があるために、管理職になっても自分で何でもやってしまう人がたまにいますが、これこそマネジメント能力に欠けている、と言われてしまってもしょうがありません。
……当ブログでマネジメント本をあまりお求めいただけていないのは、少々気になるところなのですが。
◆そういう意味で「目からウロコ」だったのが、上記ポイントの4番目の「マネジメントの研修を受ける」。
もちろん本来は、新入社員や後輩がいたら、彼らの指導でその能力を養い、上司に示すべきなのですが、まさか「研修」してまで身につける必要があったとは!?
とはいえ、新人がタイピングの研修を受けるのと同じく、管理職になったら「マネジメント能力」は必要なのですから、当然身につけるべきでしょう。
少なくとも、仕事で滅多に使わない「プレゼンスキル」や、使う目途がない「英語」よりは、出世に直結するのだと思います。
◆なお、ポイントの最後の「上司から嫌われない」というのは、当たり前なようですけど、意外と忘れがち。
なまじ自分が「能力がある」と思う人ほど、上司に反発したり、無視して独断で仕事を進めたりします。
その上司が本当に自分より能力がなければまだしも、自分が浅はかだったり、やり方が目に余るようですと、会社としても上にあげられないのは当然でしょう。
本書では言及されていませんでしたが、むしろ「上司を操縦」できてこそ、出世も望めるのではないでしょうか。
「出世の王道」のエッセンスがここに!
上に行く人が早くから徹底している仕事の習慣
第1章 上に行く人は周りがよく見えている
第2章 当事者意識の差が成否を分ける
第3章 マネジメントの基本は気遣いにある
第4章 規律を乱さない意見の通し方
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【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から。怖い中国食品、不気味なアメリカ食品 (講談社文庫)
レビューが高評価の嵐で、いくつか読んでみたところ、どれもアツい!
ただし、本書を読んだら、食べるものがなくなりそうなのですが……。
ご声援ありがとうございました!
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