2018年04月04日
【熟慮婚?】『人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代の幸せのつかみ方』大宮冬洋

人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代の幸せのつかみ方 (講談社+α新書)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事の中で、個人的に気になっていた「婚活本」。著者の大宮さんは、35歳以上で結婚した人たちを「晩婚さん」と称して「東洋経済オンライン」で取材する一方、2011年から30〜40代の独身男女を中心とした読者交流飲み会を月2回ペースで開いているだけあって、本書もナマの声が満載でした。
アマゾンの内容紹介から。
婚活、再婚、離別、連れ子、親の介護―きれいごと一切なし!結婚しなくても幸せになれる時代に、「結婚」を選んだ人たち。その方法とメリットが全てわかります!
なお、Kindle版なら、「17%OFF」とお得になっています!

Alfriston with Jeff & Sue - June 2012 - Never Take Your Work Phone With You on Holiday 2 / Gareth1953 All Right Now
【ポイント】
■1.「結婚したら相手は変わる」と思わないありがちな失敗は、「結婚したら相手は変わるだろう」という甘い見通しを持つことだ。成人した男女の性格や価値観は、基本的には変わらない。結婚後に意外な一面が見えることもあるが、それはむしろ本人の「地金」である。
生活環境や立場の変化に伴って多少は心持ちや行動が変わるとしても、配偶者が希望する方向に「成長」してくれるわけではない。余裕と希望がある環境であれば短所を抑制して長所を生かすことができるが、我慢と不満だけの環境だと短所が増幅されるだけだ。
■2.子どもに関する3つの選択肢
子どもに関する見解は、「結婚したらどこに住むのか」と同じぐらい重要なテーマだ。我々晩婚さんには「とりあえず新婚生活を楽しんでから先のことを考える」という時間はない。(1)子どもは作らないこれらの選択肢のどれを取るのか。少なくともその程度の共通認識は持ってから結婚したい。史江さんと友彦さんは(1)で合意した。筆者と妻は(2)である。
(2)できたらいいけれど、自然妊娠でできなければあきらめる
(3)不妊治療を受けてでも作る
1人でも自由だったけど結婚してもっと自由になった──。史江さんと友彦さんの家庭はいわゆる「標準家庭」ではない。しかし、幸せな家庭の1つに違いない。
何としてでも子どもがほしいと思って(3)を選ぶとしても、配偶者の意向も確認してすり合わせをしなければならない。不妊治療、子育て、家事は1人ではできないからだ。
■3.晩婚さんになれる人の3つの特徴
30代半ばを過ぎてからの婚活ははっきり言って楽ではない。序章で述べた5つの理由を引きずったまま 40代、50代に突入する人もいる。一方で、周囲には魅力的な独身者は少なくなっている。
では、晩婚さんになれる人の共通点は何か。(1)身ぎれいで爽やかな印象を受ける以上の3点に尽きると筆者は思う。(1)と(2)に関しては、「他者への気遣い」とまとめて言い換えても良い。「一緒にいて心地よい。また会いたい」と相手に思ってもらいやすい人たちなのだ。
(2)笑顔が多くて感じがいい
(3)主体的な努力を惜しまない
最も重要なのは(3)だ。 30代半ばを過ぎると学校縁や会社縁の目ぼしい同世代は大半が結婚しており、日常生活での出会いは少なくなる。自分が置かれた立場を見極め、覚悟を決め、適切な場に出て、前向きな行動をし続ける必要があるのだ。
■4.『東京タラレバ娘』のような出会いはない
筆者が取材した晩婚さんの3割以上は結婚相談所や有料婚活サイトを使って出会っているのだ。「そんなのロマンチックじゃない」「もっと自然な出会い方をしたい」と感じる人がいるかもしれない。しかし、プロのサービスにも多様性があり、お見合いをしたら必ず結婚しなくてはいけないわけではない。むしろ、結婚に本気な人だけが集まる効率的で安全性も高い恋愛の場だと認識するべきだろう。(中略)
上述の「その他の出会い」の少なさに注目してほしい。タラレバ娘のように路上に近い場所(旅先やSNS上)で出会った人に声をかけ、もしくは声をかけられて、そのまま結婚に至ったケースはわずか2人。確率にすると2.5%だ。
都会を歩いていると、「いい男」や「いい女」を見かけることが多い。しかし、その人たちと本当の意味で「出会う」ことができ、恋愛や結婚に進展する可能性は限りなく低い。彼らと共有するものは何もないからだ。
■5.外せない条件を1つだけ決める
働き方、住む場所、インテリア、食事内容、金銭管理、家事分担、子育て、家族や友人との付き合い……。好きな相手でも、結婚して家庭を共有すると相違点が次々に見つかる。すべてを自分に合わせてもらうことはできない。(中略)
ただし、誰しも譲れないポイントがある。例えば、食い意地の張った筆者は、食を重視しない女性とは一緒に暮らせない。智子さんの場合は、研究者としてのキャリアを断絶する生活は考えられない。
「どうしても外せない条件を1つだけ決めておきなさい」
智子さんの友達からのアドバイスを思い出す。それが満たされれば機嫌良く暮らせるような条件は自分にとっては何なのか。長い人生を楽しく過ごすためのシンプルだが真剣な問いである。
【感想】
◆非常に濃厚な作品でした。「いわゆる『婚活本』の中高年版」のような気で読み始めていたのですが、範囲がそれより全然広いという事実。
なぜなら、「婚活本」が基本的に結婚(婚約)までがゴールであるのに対して、本書は結婚後の問題までカバーしているから。
「高齢出産」となる可能性が高いので、上記ポイントの2番目のような「子作り」についてはもちろんの事、再婚で連れ子がいるケースもありますから、「家族のあり方」も考えなくてはなりません。
さらには、自分や配偶者の両親の介護問題も出てきます。
そういう重めのお話と、結婚相談所での「婚活ハック」が1冊の新書にまとめられているんですから、それはハイライトも引きまくります罠。
◆とはいえ、重い話は「結婚相手」が見つからないと始まらない(介護問題は始まりますが)ので、まずは序章の「なかなか結婚しない人の5つの理由」から。
具体的な理由については、一応ネタバレ自重するとして、これはもう、中高年関係なく、結婚できない(しない)人の問題点そのものかと。
逆に、上記ポイントの1番目は、結婚してから「こんなハズではなかった」となるケースの1つ。
というか、相手を変えようとしてもムダ、という指摘は、この本でもありましたが。

私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな
参考記事:【未婚女子必読!】『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』ジェーン・スー(2013年10月12日)
◆ではどういう人が結婚できるか、というと、上記ポイントの3番目にあるとおり。
これもまた年齢関係ないお話ではあるものの、ポイントでも言われているように、「主体的な努力を惜しまない」というのは、特に大事です。
男女とも(特に女性)、待っていてもいい話が来るのは、若いうちだけ。
とはいえ「主体的に努力」できるくらいなら、とっとと結婚しちゃっているでしょうから、この辺は結構キツいかもしれません。
かといって、「主体的に努力」するにしても、旅先やSNSに期待するのではなく、結婚相談所や有料婚活サイトを活用すべし、というのが上記ポイントの4番目。
本書では大宮さんがインタビューした80人の「結婚につながった出会い方」の表があるのですが、内訳を列挙するとこんな感じです。
●プロを通した出会い(結婚相談所等)⇒29人なるほど、「偶然の出会い」というのはあまりなくて、何らかの必然性はある模様。
●仕事を通じた出会い(同期、取引先、打ち上げ等)⇒20人
●遊びを通じた出会い(サークル、オフ会等)⇒17人
●知人友人による紹介、合コン(紹介者は親や上司を含む)⇒12人
●その他の出会い(旅先、フェイスブック)⇒2人
◆なお、上記で「婚活ハック」と書きましたが、いわゆる「モテテク」のようなTIPSも、本書の第6章「大人の婚活実践術」ではいくつか紹介されていました。
本書が男女双方に向けた本である関係上、女性向けのTIPSもあるものの、男性はやはり「見た目が大事」なようです。
他にも「プロフの写真は笑顔で」ですとか「ネガティブなことを書かない」等々ありましたが、結局は一般的なモテテクと同じ感じ。
むしろ、男女とも年齢によるハンディがある分、より一層努力することが必要なようです。
ただ、「『結婚する』と周りに公言する」ことや「周囲に好みを伝えておく」というのは、ある程度年齢を重ねていると、協力を得やすいハズ。
今回、介護等の重めの話は割愛しましたが、そうでなくとも、「親が高齢なため、子育ての協力を頼めない」という話は我が家でもありましたから、第4章の「晩婚に立ちはだかる壁」にも目を通していただきたいところです。
まだ未婚の方なら、要チェックな1冊!

人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代の幸せのつかみ方 (講談社+α新書)
はじめに――「熟慮婚」の時代
序章 なかなか結婚しない人の5つの理由
第1章 自分が変わる――独身を満喫したからこそ、家庭が楽しい
第2章 相手選びが変わる――「気持ち」と「条件」の合う相手
第3章 夫婦生活が変わる――余裕がある者どうしの暮らし
第4章 晩婚に立ちはだかる壁
第5章 いまから始める大人の婚活
第6章 大人の婚活実践術
第7章 人はいつでも結婚できる
おわりに
【関連記事】
【モテ】『30年間モテなかったあなたも、1年で結婚できる本』沢宮里奈(2016年12月10日)【モテ】『すべての婚活やってみました』石神賢介(2013年08月01日)
【力作!!】『3カ月で結婚できる おとこの婚活本。』西田昌史(2010年12月17日)
【未婚女子必読!】『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』ジェーン・スー(2013年10月12日)
【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から。
ハーバードの自分を知る技術 悩めるエリートたちの人生戦略マップ
当ブログでもご紹介済みである、カプラン教授のキャリアプラン本。
中古は値崩れしているものの、送料を足しても30円弱の差で中古の方がお得な計算です。
参考記事:【キャリアデザイン】『ハーバードの自分を知る技術 悩めるエリートたちの人生戦略マップ』ロバート・スティーヴン・ カプラン(2017年04月10日)

この記事のカテゴリー:「モテ・恋愛」へ
「マインドマップ的読書感想文」のトップへ
スポンサーリンク
当ブログの一番人気!
4月24日まで
4月16日までのところ延長中
Kindle月替わりセール
年間売上ランキング
月別アーカイブ
最近のオススメ
最近の記事
このブログはリンクフリーです