2018年04月03日
【モチベーション】『今日から行動力を一気に高める本―――自分を効率的に動かす「やる気」マネジメント』小山龍介
今日から行動力を一気に高める本―――自分を効率的に動かす「やる気」マネジメント (知的生きかた文庫)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の三笠書房さんの非公式Kindleセールにて気になっていた書き下ろし文庫本。「HACKS!」シリーズの著者である小山龍介さんが、サブタイトルにもあるように「やる気」の高め方について論じています。
アマゾンの内容紹介から。
あなたの仕事、人生を一変させる「行動力」の高め方!
行動力を高めるのに無理や我慢はいりません。
必要なのは、モチベーションを刺激するちょっとしたコツです!
なお、中古価格が定価とあまり変わらないため、Kindle版が300円以上お買い得となります!
motivation / jean-louis zimmermann
【ポイント】
■1.成功を目指さない決して「成功」を目指してはいけない。
これは、尊厳を守るためでもあります。
他人の評価を前提とした「勝ち組」を目指す方法は、あなたを卑屈にするでしょう。「他人の失敗」を前提とした「勝ち組」という目標設定は、あなたを傲慢な人間に変えてしまうかもしれません。尊厳を求める生き方をするためには、「成功」というワナにはまってはいけないのです。
お金や名誉といったものは、やる気の導火線に火をつけるところだけで十分です。(中略)
どんな時代、どんな状況になっても、精一杯、自分のベストを尽くす。ここにこそ人として、生命としての尊厳が含まれています。それは小さな赤ん坊ですら、やっていたことだったのです。
■2.上達できることに取り組む
行動力を高めるためによく、「好きなことをやれ」という言い方をします。「好きこそ物の上手なれ」ということわざもあります。たしかに、好きなことに取り組むことは、行動力を高める効果的な方法にも思えます。しかしこれには、「上達できることに取り組んでいる限り」という前提が隠されています。
たとえそのことが好きであっても、上達しなければ、けっしてやる気は長続きしません。みなさんも経験があると思います。好きという気持ちだけでやる気がつづくのであれば、誰もが好きなことで超一流になっているはずです。
実際には、好きなことであっても上達が実感できなければ、やる気は尻すぼみになります。
つまり、「好きなこと」 ではなく「上達できること」に取り組むべき なのです。
■3.五感に注意を向けて集中力を高める
パソコンで仕事をしているのであれば、キーボードの感触に注意を向けるようにします。「キーボードの感触がいいなあ」とか、「ちょっとパソコンが熱くなってきているなあ」といった感触に注意を向ける。
ペンで何かを書いているのであれば、ペンが紙をこすっていく感触を楽しんだり、書いた後のインクの色を注意深く眺めてみるのです。
そうすると、五感に注意が向き、雑念が消えていきます。
手の感触や視覚に意識が集中し、思考に邪魔が入らないようになるからです。(中略)
たとえば、資料をまとめてホチキスで留めるという作業は、頭でいろいろと考えながらやっているとスピードが上がりません。
それよりも、指先で紙の感触を確かめ、そろった紙の重さを実感し、ホチキスを押し込む力加減に注意を向けるようにすると、作業そのものに没頭できてスピードも上がり、ミスも少なくなります。
感覚に集中することで、脳がそのことだけに没頭するようになる。ついつい雑念を浮かび上がらせてしまう脳にストップをかけるわけです。
■4.まず「なるほど」と受け止める
何か予想外の出来事やわからないこと、困ったことが起こったら、まず「なるほど」と言ってみるのです。
起こったことを単なる偶然と思わずに、そこに意味があると思い込んでみるのです。「なるほど、そういうことが起こるのか」と感心してみるのです。
この「なるほど」という言葉には、現状をしっかりと受け止めるポジティブな態度があります。困ったことを受け入れたうえで、「さあどう対処しようか」と考える姿勢です。
問題に直面した場合であれば、「なぜこんなことが起こったのだろう」と考えるようにします。人から無理難題を要求されたときには、「なぜこんなことを要求するんだろう」「その真意はなんだろう」と一歩踏み込んで探るようにします。
今までやったことのない仕事の依頼があれば、「この先にどんな展開が待っているんだろうか」と期待するようにします。
不可解なことが起こっても、「なるほど」と言うだけで、モチベーションを下げることなく、行動力を高めることができるのです。
■5.個人の目標と世間の目標とが合致するものを目指す
ノーベル賞はどんな科学者にとっても、魅力的な名声の一つであり、多くの人が目指しています。にもかかわらず、それがエゴだと言われないのは、それが人類にとってもプラスだからです。
究極の目標とは、個人の目標と世間の目標とが合致するもの。それが見つかれば、自分のエゴを犠牲にすることなく、多くの人に感謝される。
自分のために生きることが人のためになるのであれば、もはやエゴとは呼びません。
自分自身への純粋贈与もまた、自分自身へ与えるというエゴを超えて、周りの人への贈与にもなっていくものです。自分自身から他人へ贈られ、その結果、感謝の気持ちが戻ってくる。こうして贈与の循環ができる。これにより、モチベーションを持続するための循環もできあがります。
【感想】
◆今まで当ブログでは、小山龍介さんの本を何冊もご紹介してまいりました。ただ、そのほとんどが「HACKS!」シリーズであり、ご存知の方も多いと思いますが、このシリーズは、ライフハックをいくつも(89個とかw)集めたもの。
本書のように、何か特定のテーマに沿って進めていくタイプの作品は、おそらく初めてでした。
そして今回のテーマとは「行動力」。
具体的には、モチベーションを高める方法について述べられています。
◆ただし、その際に注意しなくてはならないのが、上記ポイントの1番目にあるように、「成功」を目標としないこと。
なぜならそれは、あくまで「副産物」にすぎないからです。
そういえば、この本でも、所得、社会的地位、車、家のような「地位財(他人との比較優位によってはじめて価値の生まれるもの)」の問題点を指摘していましたっけ。
幸せとお金の経済学
参考記事:【地位財?】『幸せとお金の経済学』ロバート・H・フランク (著), 金森重樹 (翻訳)
逆に「成功」を目標としてしまうと、周りの評価が気になり「人から評価されないからやる気が出ない」「十分な給与がもらえないから、がんばることができない」となってしまう可能性も!?
それでは、ここで言う「どんな時代、どんな状況になっても、精一杯、自分のベストを尽くす」こととは程遠くなってしまいます。
◆では、「成功」を目標とせず、何に取り組めばいいか、というと、まずは上記ポイントの2番目にあるように「上達できること」。
言われてみたら私自身、最初「これ好きかも」と思って始めてみても、全然上達しないことは、やる気がなくなりがちです。
一応「器用貧乏」な方だったので、何をやっても最初は「初めての割には上手い」と言われていたのが、すぐ頭打ちになるという……。
もちろん「下手の横好き」というケースもあります。
ただ、それにしても、「下手」というのは、あくまで「周りとの比較」であって、本人的には「過去の自分」と比べたら、少しずつでも上達しているハズ。
上達を実感できれば、モチベーションも自然と高まるわけです。
◆もう1つ、目指す方向性として挙げられていたのが、上記ポイントの5番目。
「ノーベル賞」は少々ハードルが高いですが、要は「自分のために生きることが、人のためにもなる」ものがあれば、それを目指すべきでしょう。
それはまた、上記でも触れられているように「自分自身から他人へ贈られ、その結果、感謝の気持ちが戻ってくる」ワケですから、モチベーションも持続できます。
これはもちろん個人だけでなく、会社が新規事業やイノベーションに取り組むことも同様であり、会社にとってだけではなく、社会全体にプラスの影響を与える次第。
そんな会社で働くこともまた、モチベーションにはプラスになると思います。
◆なお、こうしたレイヤーの高いお話だけでなく、本書は具体的なTIPSも当然収録。
上記ポイントの3番目もその1つであり、前後のポイントと毛色が若干違いますけど、個人的には「目からウロコ」だったので、引用させてもらいました。
特にホチキス留めのお話は、雑用が嫌いな方には実践してみていただきたいところ。
同様にポイントの4番目も、「考え方」に近い部分もありますが、ハックとしても「アリ」だと思います。
拒絶せずに、まずは「なるほど」と言うだけで「モチベーションを下げることなく、行動力を高めることができる」のですから、実践すべき。
他にもハイライト引いたTIPSがいくつもありましたから、従来の「HACKS!」シリーズのファンの方にも、楽しんで頂けると思います。
モチベーションを維持し高めるために役立つ1冊!
今日から行動力を一気に高める本―――自分を効率的に動かす「やる気」マネジメント (知的生きかた文庫)
1章 「行動力」の差が、そのまま「人生」の差になる!
2章 「やる気」マネジメント―やり続ける・やり抜くコツ
3章 今この瞬間、「集中力」を最高に高める技術
4章 新しいことに「挑戦したくなる力」を身につけよう
5章 リーダー「最強の行動力」―人を効率的に動かす!
【関連記事】
【HACKS!再び】『片づけHACKS!』小山龍介(2016年11月27日)「IDEA HACKS!」原尻淳一 ・小山龍介(著)(2006年07月29日)
【はてブ3000超!】ダニエル・ピンクの新作『モチベーション3.0』がついに登場!(2010年07月06日)
【地位財?】『幸せとお金の経済学』ロバート・H・フランク (著), 金森重樹 (翻訳)(2017年12月28日)
【編集後記】
◆この三笠書房さんのフェアでは、この辺が現在人気です。すぐに書ける!「頭のいい文章」ちょっとしたコツ―――かしこい人は「やさしく短く」書く!【就活フェア開催中】 (知的生きかた文庫)
今日から行動力を一気に高める本―――自分を効率的に動かす「やる気」マネジメント (知的生きかた文庫)
「また会いたい」と思われる!会話がはずむコツ―――とっさに、うまい言葉がスッとでてくる【就活フェア開催中】 (知的生きかた文庫)
果たして今日の記事で、この小山さんの本が抜き出るか否か……!?
ご声援ありがとうございました!
この記事のカテゴリー:「ビジネススキル」へ
この記事のカテゴリー:「自己啓発・気づき」へ
「マインドマップ的読書感想文」のトップへ
スポンサーリンク
当ブログの一番人気!
12月16日まで
Kindle月替わりセール
年間売上ランキング
月別アーカイブ
最近のオススメ
最近の記事
このブログはリンクフリーです