スポンサーリンク

       

2018年03月29日

【自己肯定感】『自分に負けない生きかた: みるみる心が強くなるクスリ』デヴィッド・シーベリー


自分に負けない生きかた: みるみる心が強くなるクスリ (単行本)
自分に負けない生きかた: みるみる心が強くなるクスリ (単行本)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのも、先日の「未読本・気になる本」の記事の中で、注目を集めていた1冊。

装丁といい、タイトルといい「よくある自己啓発書」だと思って読み始めたら、類書とは全然違う内容でたまげました。

アマゾンの内容紹介から。
80年以上にわたり、悩みを解きほぐし、答えを示してきた「読む処方箋」!もっともっと「自分のため」に生きていい!一生トラブルを寄せつけない簡単な方法。今すぐ「人に合わせる」のはやめなさい。…今こそ役に立つ「迷いを成長に結びつけた人々」のストーリー。

まだ中古が全然値下がりしていませんから、「17%OFF」のKindle版で、私は読みました!





/ peyri


【ポイント】

■1.愛には知恵が必要
 人生で重要な問題には、2つの側面があります。愛と知恵の側面です。
 慈悲深くて寛大で、親切で礼儀正しく、協力的で良心的で、おまけに勇気がある人がいます。そんな人でも失敗します──それも徹底的に失敗するのです。
 人生は、愛だけでは充分ではありません。愛には、「知恵」という仲間が必要です。無知の代価は高くつきます。愛情は、知恵なくしては何ごとにも勝てないのです。
 本当に多くの善良な人たちが、愛こそ全能だと信じているのは悲劇だとしかいいようがありません。世の中には、善良さをつらぬくだけの"油断のないかしこさ"が必要で、それがないと、善良さにつけこまれるだけです。


■2.「お返し」を期待しない
 人に厚意を与えることについて、ひとつ覚えておきましょう。お返しに何かを期待するぐらいなら、何もしないようにしましょう。たとえその期待が「お礼の言葉」だけであっても、そんな期待をかけるくらいならやらないこと。
 ギブ・アンド・テイクで片づく問題もありますが、厚意はそうではありません。
 与えるのはあなた、受けるのは相手なのです。相手に時間とエネルギーをかけた何かを与えるか、さもなければ、自分はそれほど寛大にはなれないと認めてあきらめるか、2つにひとつです。
 親切に対して報酬をあてにするほどつまらないことはありません。感謝を期待していればどことなくすきま風が吹きだし、せっかくの美しいものも、ただの売りものになり下がるでしょう。


■3.自分の「伝記」を書く
 これからの十年間で、自分がこうなりたいと思う人生を書きだしてみてください。自分の「伝記」を書くつもりで。もちろん、ただ望むだけでは実現させることはできませんが、望むということの中に魔法が隠されています。
 自分の望んでいることを知り、目的をはっきりさせると、どういうわけか、そこから連鎖反応が生まれてくるものです。
 自分の願うことばかりではなく、困難があらわれたときでも、どう打ち勝っていくつもりかも含めてストーリーをつくってみましょう。
 仕事について考えるとき、ひとつだけはっきりしていることがあります。
 たとえ天職は見つからなくとも、自分が興味を感じられることにこだわり、才能を磨き、自分自身に没頭することを学び、趣味を徹底的に深めれば、どんな人でも人生において、いや社会的にすら挫折することはありません。


■4.心のコントロールの上手な人が実践しているルール(抜粋)
 まず、無表情な顔をしないこと。素朴であけっぴろげで善良な表情を身につけましょう。そしてそれをできるだけ維持しましょう。
 どんな状況においても、情熱を持った生き方は最大の防御です。「誠心誠意であること」は伝染性があります。他人に受け入れられたいなら、まず自分を投げだしましょう。(中略)
 相手にとって何か不愉快なことをいわねばならないときは、ゆっくりと、親切な態度で伝えましょう。落ちついた声ほど、人をギクッとさせるものはありません。抑えた声音は、かたく握りしめた 拳 より効果的です。
 頭がよさそうにふるまってはいけません。こちらが間抜けに見えれば見えるほど、相手の攻撃は危険ではなくなるのです。


■5.「自責の念」はあまり役に立たない
 自責の念に悩まされている人は、「自分の負債」を人生で返すために何もしていない、と思っているかもしれませんね。
 しかし、「自責の念にさいなまれる人たち」は、どこまでいっても破壊者として行動し続け、周囲の人間が、彼らの行動を許しているかぎり、また同じことをくり返すでしょう。
 わたしが述べておきたいのは、自責の念は、人を憂うつで重苦しく、否定的な気分にさせ、なおかつ人の有能さを打ち壊し、人と協調する力を鈍らせるということ。ネガティブな意味でエゴを満足させるにすぎず、マゾヒズム的に自分を悲しませるだけです。
 そんなものが存在していい理由はまったくありません。
 いたずらに自責の念にとらわれるのでなく、過ちを認めることを学びましょう。すべてはもう過ぎたこと。過ちを認めるところから、次の奇跡が始まります。


【感想】

◆冒頭でも触れたように、「フツウの自己啓発書」のつもりで読み始めたら、かなり異質で、読むのに手間取りました。

単行本だと221ページですから、むしろ平均よりやや薄めなくらい(物理的には)。

なのにサクサクと読み進められなかったのは、自分の頭の中にある「自己啓発書のイメージ」とは、異なる展開だったからかと。

現時点での唯一アマゾンレビューに「他ではあまり書かれていないような」とか「この手の本を読んでいる方なら更に生き方指南書になる」という意味が、実際に読んで初めてわかりました。

邦題が「自分に負けない生き方」となっていますが、むしろ「他人に負けない生き方」の方がしっくりくるくらいです。


◆冒頭の「訳者まえがき」で、加藤諦三先生が、本書の内容を簡単にまとめてらっしゃるのですが、要は「自分のある利己主義者を目指せ」ということ。

ちなみにここでいう「自分のある利己主義者」とは、「人から嫌な人だと思われてもかまわないから、自分の信じることをやるという覚悟のある人」のことです。

実際、著者のシーベリーは、続くプロローグで、自分自身の体験をこう明かしています。
 何年も前、わたしは自分の天職と考えていたことのために、外国に渡る決心をしました。当時、母はすでに高齢でしたので、彼女の八人もの友だちから、どうか彼女が生きている間はそばにいてやってくれという手紙を受け取りました。それでも母のもとを去ったわたしを、手紙をくれた人々は自分勝手だと責めました。
……ここまで読んだ限りでは、とても自己啓発書の著者とは思えぬ展開ですね(困惑)。

ただ、続いてこうも記しているという。
 確かに母は、ひとり残されたことでつらい思いもしたでしょう。しかし、93歳で亡くなった母は、亡くなる数週間前にこういってくれました。 「おまえがわたしのためにしてくれたことでいちばんよかったことのひとつは、あのとき、わたしのもとを去って志を遂げてくれたことよ」と。
 もし思いきって行っていなかったら、わたしの人生は五十代になってからやっと始まることになったでしょう。そうなれば、不満をくすぶらせ続けることになり、母との関係も悪化していったにちがいありません。
つまり、自分の意志を貫いたことが、結局2人にとって良かった、ということらしく。


◆ただ、多くの人は、なかなか「自分のある利己主義者」になれません。

そして、そんな人々の良心につけ込んで、自分の思い通りにしようとする人も多々います。

ここで類書ならば「人のために尽くすことが、自分に返ってくる」と主張しそうなところ、本書では上記ポイントの1番目にあるように「愛には知恵が必要」と諭します。

「世の中には、善良さをつらぬくだけの"油断のないかしこさ"が必要で、それがないと、善良さにつけこまれるだけ」とはけだし名言。

続くポイントの2番目でも、「お返しに何かを期待するぐらいなら、何もしないようにせよ」とバッサリです。

……しかも「『お礼の言葉』だけであっても、そんな期待をかけるくらいならやらないこと」というのですから、徹底しているな、と。


◆では、人からの頼みを「やる/やらない」の見極めはどうすべきか。

本書いわく「だれの頼みでも、自分がそれをすることでその人が満足するというだけなら、断わること」。

ちなみにこれは、家族であっても同様です。
 家族のだれかのためによくないこと、建設的でないことは、その家族のすべての人にとってもよくないことです。自分の面倒をみられないと 主張する 人間を養ってやるために自分を殺すことは、結局、養われた人間まで傷つけてしまいます。人生は成長のためにあるのです。怠惰にエゴを甘やかすためのものではありません。
これを読むと、「親子の無償の愛」というのも、場合によっては相手にとって良くない模様。


◆とはいえ、逆にやみくもに自分のやりたいようにやれば、それは嫌われもします。

そこで本書では、「自分のある利己主義者」の振る舞い方についても指南。

上記ポイントの4番目もそうで、箇条書きではないものの、この倍以上のTIPSが収録されていますから、詳しくは本書にてご確認を。

またTIPSと言えば、本書は終盤にかけて、さまざまな処方箋が列挙されていますので、タイトルだけ挙げておきます(なおカッコ書きの個数は私が追加したもの)。
・トラブルに正しく対処するための10の方法
・失敗の原因となる「考え方」のクセ(12個)
・人生をギクシャクさせる「誤った思い込み」(8個)
・人間関係に摩擦を起こす「無意識の勘違い」(12個)
・手遅れにならないために。今すぐできる「手当て」(9個)
・困った状況を切り抜けるためのヒント(8個)
・手を焼く問題(人)に対処するときの12のポイント
・今日からできることリスト(22個)
必ずしも細かく解説されているワケではないのですが、ご参考まで。


他人に自分の人生を振り回されていると思っている方、必読!

自分に負けない生きかた: みるみる心が強くなるクスリ (単行本)
自分に負けない生きかた: みるみる心が強くなるクスリ (単行本)
プロローグ 他人ではない「自分の人生」のための、たったひとつの法則
1 自分は100%活かせる
2 もっと「ありのまま」を出していい
3 いちばんシンプルに「自己肯定感」を手に入れる
4 トラブルは“大歓迎”すべきもの
5 「自分に負けない」ために今すぐできること


【関連記事】

【内省?】『1日5分 「よい習慣」を無理なく身につける できたことノート』永谷研一(2016年10月10日)

【話し方】『アサーション入門――自分も相手も大切にする自己表現法』平木典子(2012年04月10日)

【オススメ】「断る力」勝間和代(2009年02月19日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

ヤクザライフ
ヤクザライフ

装丁見て、コミックかと思ったら、普通の単行本のようですし、アマゾンレビューの評価も高いのでご紹介。

「65%OFF」ということで、送料加算した中古よりも500円弱お得です。


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

この記事のカテゴリー:「自己啓発・気づき」へ

この記事のカテゴリー:「コミュニケーション」へ

「マインドマップ的読書感想文」のトップへ

スポンサーリンク