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2018年03月28日

【マインドフルネス・ランニング】『心を整えるランニング』ウィリアム・プーレン


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心を整えるランニング


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、昨日の「未読本・気になる本」の記事にて、意外な人気を集めていた1冊。

帯にもあるように「マインドフルネス」を意識したランニング本になります。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
日本に浸透しつつあるマインドフルネス。「興味はあるけど、瞑想は苦手」という人も多いのではないでしょうか。そんな人でも、ランニングとかけあわせることでカンタンにマインドフルネスが実践できます。

なお、まだ中古が値下がりしていませんから、「20%OFF」のKindle版がオススメです!





WLS 2017, 2. Lauf / hat_tria


【ポイント】

■1.マインドフル・ランニングとは?
 一般的にランナーは「疲れた」「もうダメだ。今日はここで引き返そう」などといった心の声を聴きながら、その声に負けないように自分と戦いながら走っている。
 マインドフル・ランニングでは、身体や自然に意識を集中させることで、こうした心の声をしずめていく。
「走ることは息を吐き、足を前に出す、その瞬間の積み重ねだ。そこには、心に静けさや明晰さをもたらす瞑想的な作用がある」とジョン・カバット・ジン(マサチューセッツ大学マインドフルネスセンター創設者)は言っている。
 ランニングとマインドフルネスにはよく似た性質があり、それは相補的なものだ。それゆえ、この2つを組み合わせたマインドフル・ランニングは、ランニングとマインドフルネス双方の効果を最大化することができる。
 続けるうちに、フローと呼ばれる"究極の集中状態"に入ることができるようになるはずだ。


■2.タイム・距離は意識しない
 マインドフル・ランニングでは、タイムや距離などの具体的な目標は設定しない。心を空にして「今この瞬間を味わい尽くす」ことだけに意識を向ければいい。
 実際にはじめてみると、思ったよりもうまくいかないこともあるかもしれない。雑念ばかりが浮かんでくることもあるだろう。そんなときは、そのまま走り続け、雑念が過ぎ去っていくのを観察しよう。
 心に浮かぶ雑念は、英雄の旅の行く手を阻むドラゴンのようなものだ。しかし、ドラゴンと戦う必要はない。
 心の平和は、ドラゴンを倒すことではもたらされない。正面から対決せず、ウインクをして通り過ぎればいい。そして、今体験している瞬間の、無限の可能性を楽しむのだ。


■3.マインドフル・ランニングの3つのステップ
●ステップ1 グラウンディング
身体や感情、周囲へ意識を向けて、地に根を張るイメージを持つ。
それらの意識を向ける先、つまりテーマを決めて、質問を選ぶ。
心の雑音を消して意識を集中させるために、大事な地固めとなる。
●ステップ2 マインドフル・ランニング
質問の答えを考えながら走る。浮かんだ答えについて、判断は加えない。ネガティブな思考が湧き上がってきても気にしない。
●ステップ3 ライティング
走り終えたら、ランニング中に生じた心の変化、質問の答えなど頭に浮かんだことは何でも書き出そう。
自分の内面を客観的に受け止められるようになる。


■4.ネガティブな感情を受け入れる
 マインドフル・ランニングの最中にネガティブな感情に襲われることがある。
「私はマインドフルになれない」「失敗した」などと落ち込む必要はない。ネガティブな感情というのは、心の奥に隠れる本音を知る手がかりだからだ。
 自分の弱さを認めるのは嫌だからといって、向き合うべきネガティブな感情を封じ込めてしまうのは、もったいないことだ。偽りの自分を演じれば、無駄なエネルギーを使い、疲れ果ててしまう。
 正直になって、ごまかしのない、自分の本当の感情を受け入れてみよう。ネガティブな気持ちや、恥ずかしさを感じたら「賢者が価値ある教訓を諭しにきてくれた」「自分の本当の強さのありかを教えてくれるメンターが現れた」と考えよう。
 重要な教訓ほど学ぶのは難しいものだ。勇気を出して、走りながら本当の自分と向き合おう。次第に、どんなときにネガティブな感情が現れるか、その背後にどんな本心があるかがわかるようになってくる。


■5.「意思決定力」を高める
 マインドフル・ランニングは、意思決定力を高めるのに役立つ。自分の直感や意思決定プロセスを深く理解し、信頼できるようになるからだ。
 この効果は、マインドフルネスとランニングの相乗効果によってもたらされる。
 マインドフルネスによって、頭の中の雑音を消し去り、心の奥底にあるデリケートな真実に近づけるようになる。ランニングは、その真実を表面に浮かび上がらせ、身体を通して直感的に理解する力を高めてくれる。
 自分自身を客観的に見つめることで、自分の中の曖昧な部分を許容し、受け入れられるようになる。それが意思決定のプロセスにかかる圧力を軽減してくれる。
 研究でも、マインドフルネスの実践者は不確かなものへの許容度が高く、未知の状況でも決断力が高いことを示している。
 マインドフルネスの実践者は意図したことと実際の行動とのギャップが少ないという研究結果もある。


【感想】

◆本書に出会うまで、「マインドフルネス・ランニング」なるフレーズにすらで会ったことのなかったワタクシ。

上記ポイントの1番目に、言葉の定義的なものがありますが、もっとザックリ言ってしまうと
 マインドフル・ランニングとは、自分自身と向き合って"今、ここ"に意識を向けながら走ることで、ストレスや不安から自由になる新しい走リ方。
ということになります。

私は「マインドフルネス」も「ランニング」も、どちらも詳しいワケではないのですが、両者に「よく似た性質」があり、「相補的なもの」という指摘にはなるほど納得。

また、上記ポイントの2番目にあるように「タイム・距離は意識しない」というのも、その目的からいったら当然でしょう。


◆さて、実際にどのような手順で「マインドフルネス・ランニング」を行うか、については、上記ポイントの3番目のとおりです。

ここではアウトラインのみしか挙げていませんが、実際には「ステップ1」の「グラウンディング」からして、実は4つのプロセスが!
1 ボデイスキャン――身体の内側に意識を向ける
2 環境スキャン――周辺環境に意識を向ける
3 感情スキャン――自分自身の気持ちに意識を向ける
4 プライミング――自分への質問を決める
本書ではそれぞれの「スキャン」についても解説されていますので、詳細はそちらにて。

要は走る前から、このような準備をすることで、マインドフルネスに入りやすくするわけです。


◆続いて、メインとなる「ランニング」、さらには、走り終わってからの「ライティング」を経て、ステップが完成する次第。

実は本書の前半部分(PARTI)では、それほど「ランニング」部分を深掘りしておらず、どうしてなのかと思いきや、なんと後半部分(PARTII)で、「目的別マインドフル・ランニング」と題して、全面的に言及していました。

具体的には下記目次をご覧いただきたいのですが、「落ち込み・うつ」「不安」「怒り」「人間関係」等々、さまざまな目的に効果があるようです。

なお、上記ポイントの5番目の「意思決定力」も、このPARTIIからで、確かに経営者や起業家で走ってる人が多いのは、単なる健康維持だけではないのも当然のことかと。

私たちでも、何か迷うことがあったら、実践してみる価値はありそうです。


◆ちなみに、同じPARTIIでは、「親子」で走るケースや、PARTIの中でも「2人で走る」ケースがありました。

このようにコミュニケーションを深める効果があるのも、「マインドフルネス・ランニング」の特徴のよう。

ウチのムスコも、勉強ばかりで運動不足なので、親子で走ると、お互い良い効果が得られるかもしれません。

以前、親子で走った時期があったのですが、暑かったり寒かったり、雨が降ったり花粉が飛んだりと、サボる理由がいくらでもありまして(ダメじゃん)。

また、できるかぎり自然の中を走ることを推奨していますので、それを心得た上で、挑戦してみて下さい(自分に言い聞かせるように)。


「頭がクリアになり、悩みが軽くなる」とっておきの方法です!

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心を整えるランニング
PARTI マインドフル・ランニング入門
 1 走るセラピー「マインドフル・ランニング」とは
 2 自分を探す旅への「心の準備」を整える
 3 心の声に耳を傾けて「ランニングコース」を選ぶ
 4 マインドフル・ランニングの基本「3つのステップ」
 5 究極の集中状態「フロー」のループに入る
 6 二人一緒に走る「ランニングセラピー」
 7 マインドフルネスの「壁」を乗り越える

PARTII 目的別マインドフル・ランニング
 1 「落ち込み・うつ」から抜け出す
 2 「不安」に振り回されない
 3 「怒り」とうまく付き合う
 4 「人間関係」の悩みに対処する
 5 「意思決定力」を高める
 6 親と子で「共感力」を深める


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【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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