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2018年03月03日

【睡眠】『世界最高のスリープコーチが教える 究極の睡眠術』ニック・リトルヘイルズ


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世界最高のスリープコーチが教える 究極の睡眠術


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事の中でも気になっていた睡眠本。

著者のニック・リトルヘイルズは、M・ユナイテッドやR・マドリード、アーセナルのような有名サッカーチームに睡眠メソッドを指導してきた「伝説的なスリープコーチ」です。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
本書の方法を使えば、あなたも、私が指導してきたアスリートやチームと同じように、睡眠へのアプローチを一新できる。金メダルやトロフィーを持ち帰った彼らと同じことを実践すればいい。
あなたは 「気分」「やる気」「独創力」「記憶力」「エネルギーレベル」「注意力」が急激にアップするのを実感するだろう。そして、「仕事」「人間関係」「家庭生活」が、はかりしれないほど豊かになる。あなた自身が、日常生活の中で自分のパフォーマンスの「自己ベスト」を何度も更新できるようになるからだ。

なお、現時点で中古が値下がりしていない以上、Kindle版がお買い得です!





Anya, exhausted by the exhausted Sonya:) / oksidor


【ポイント】

■1.ブルーライトは浴びる時間に注意する
 じつはブルーライトは太陽光にもたっぷり含まれており、日中のブルーライトは「いい光」なのだ。体内時計をセットし、メラトニンの生成を抑制し、注意力とパフォーマンスを向上させてくれる。
 ところがブルーライトは、太陽が沈んだとたんに好ましくない性質だらけになる。夜がふけても電子機器を使ったり、まぶしい光を浴びていたりすると、さまざまな問題が発生する。
 それはたとえば、クリス・イジコフスキー教授が命名した「ジャンクスリープ」を引き起こす。つまり、睡眠の質が極端に悪くなる。私たちの生活スタイルと便利な道具が、メラトニンの生成を抑制し、体内時計を遅らせてしまうのだ。
 無人島には太陽光と暗闇しがない。人がつくった明かりは、たき火の光だけだ。この炎が発する黄色と褐色と赤色は、メラトニンの分泌の邪魔をしない。


■2.睡眠は「週単位」で考える
 普段は睡眠の悩みがない人でも、「安眠できない夜」がときどきやってくる。プレッシャーやストレスが原因のこともある。これは「週に1度だけ」とか、「月に2、3回」そうなるという人が多いようだ。
 私は睡眠を「1晩に何時間」ではなく、「1週間に何サイクル」という単位でとらえている。すると、7日のうち1日くらい安眠できないことも、それほど悪くないように思えてくる。「1晩に8時間眠れた/眠れなかった」の二択ではないと考えると、たちどころにプレッシャーが消えてなくなる。
 すべては今夜だけにかかっているのではない。1晩に5サイクルが必要な人は、「1週間に計35サイクル」が理想だと考えればいいのだ。


■3.眠るときは真っ暗にする
 眠るときは真っ暗にすること。これが、概日リズムに合わせた睡眠環境だ。
 とりわけ都会に住む人は、寝室に何らかの人工的な光が入ってくることが多い。必ず、質のいいカーテンやブラインドで光を遮断しよう。カーテンには、光が入るすき間がわずかでもないようにする。必要なら遮光ブラインドにお金を使ってもよいだろう。私は、プロの自転車ロードレースの最高峰であるグランツールの大会に同行するときに、選手手のホテルの部屋の窓に黒いポリ袋を貼って光を遮ることもある。
 寝る前に本を読むのが好きな人は、寝室以外の場所で読んでから寝室に入ると、明るい場所(読書スぺース)から暗い場所への移動ができる。べッドで本を読んでから寝るのが習慣だという人はちょっと思い出してみてほしい。これをしないときに比べて、眠れなくて寝返りを打つ回数が増えているはずだ。


■4.目を開けたまま「回復モード」に入る
 少し練習すれば、「目を開けたままの仮眠」も可能だ。深く関わる必要のない会議や、あまり口を出さなくていいグループでの会話の時間に、一歩引いて、頭を少し休ませるのだ。このようなかたちで頭を休ませれば、人がたくさんいる部屋でも、周囲に気づかれることなく目を開けたまま効率的な「仮眠」を取ることができる。(中略)
 机でへッドホンを使える人は、瞑想のアプリなどを聴いて、1、2分、自分のスイッチを切ることもできる。私の場合は、思い入れのある磨いた石をひとつ持ち歩いている。自分のスイッチを切りたいとき、ポケットに手を入れて石を握り、しばらくぼうっとすることで、心の回復をはかっているのだ。会話の最中に私がこれをやっていても、あなたはまったく気づかないはずだ。


■5.「横向き寝」が深い睡眠をもたらす
 私が唯一おすすめできる姿勢は「横向き寝」だ。ただし、左右のどちらを下にするかにも注意が必要だ。私が指導しているアスリートには、夜べッドに入るとき、非優位な側(利き手・利き足と逆側)を下にして胎児姿勢で寝てもらう。
 理由は、あまり使わないサイドのほうが、感覚が鈍いからだ。(中略)
 胎児姿勢になるには、膝と腕を軽く曲げて胸の前に軽く引き寄せる。首・背骨・腰がなめらかなラインを描くような姿勢。夜の間、できるだけ長くこの姿勢を保とう(数時間の睡眠の間に動くことはあっても、マットレスがよければ、長時間この姿勢を保てる)。


【感想】

◆私は今まで、かなりの数の睡眠本を読んできました。

というのも、税理士試験の受験生時代に、ベッドに入ってもなかなか寝付けない事が多かったから。

それが今では、当時とはうって変わってすぐ寝てしまうのですけど、かつての私のように眠れない悩みがおありの方や、睡眠が浅い方もいらっしゃると思い、当ブログでは積極的に睡眠本を紹介しております。

とはいえ、睡眠本の傾向として、類書で見かけない理論やテクニックというものはあまりありません。

ひとつには、おおむねどの本も、過去のエビデンスに則っているからなんでしょうけど、そういう意味では本書も、基本的にはそのベースの上にあると思います。


◆ただし睡眠本の中でも、特定の項目によっては、その著者それぞれの特徴的な主張があり、本書で言うなら上記ポイントの2番目にある「睡眠は『週単位』で考える」あたりがそれに該当するかと。

これは著者であるニック・リトルヘイルズのクライアントに、サッカーチームが多かったことにも関係しているようです。

というのも、プロサッカー選手は夜に試合があった場合、そうでない日とまったく違う就寝時間を強いられますから、毎日同じ時間に就寝することはできません。

それを「週単位」で考えることで、まったく問題なく好パフォーマンスを出している次第。

もっとも、ここで注意しなくてはならないのは、本書では「起床時間は固定する」ことを強いていること。

つまり、類書にあるような「土日は遅めに起床して、平日の睡眠負債を解消する」ことはNGであり、むしろ寝られる日に早く寝る必要があるワケです。


◆もう1点、類書であまり見かけた記憶がないのが、睡眠時の姿勢。

「あお向け」「うつぶせ」「横向き」とある中、本書では上記ポイントの5番目にあるように「横向き」を推奨しています。

その他2つのどこがいけないかをも、本書は解説しているのですが、結局体に負担がかかるよう。

たまたまですが、私も「横向き寝」で毎晩寝ており、なるほどこの点だけは、本書の教えを既に実践しておりましたw

ただ、「横向き寝」で注意しなくてはいけないのが、枕の高さだよね……と思ったら、本書いわく「正しいマットレスで眠っていれば、本当は枕を使う必要はない」とのこと!?

どういうことかと言うと、正しいマットレスは横向きに寝た場合、頭のてっぺんから足の先まで一直線になるように沈み込むのだそう(詳しくは本書の図解をご参照のこと)。

……そんな風になるマットレスなんて、使った事ないのですが(涙目)。


◆なお、本書のPart2(第8章以降)では、それまでのTIPSを踏まえた実践編を展開。

睡眠だけでなく、食事や運動についても言及されています。

また、アプリやグッズについても触れられており、まずアプリは「睡眠計測アプリ」より、上記ポイントの4番目に登場している「瞑想アプリ」がオススメとのこと。

グッズは「遮光ブラインド」とともに「光目覚まし時計」も推奨されているのですが、翻訳本なので具体的にどの製品かは分からず。

ただ、最近ではこんな安価な製品もでているんですね(知らなんだ)。

Wake Up Light ウェイクアップライト 朝日模擬光目覚まし時計 RGB ベッドサイドランプ 光プラス音のアラーム&スヌーズ機能付き
Wake Up Light ウェイクアップライト 朝日模擬光目覚まし時計 RGB ベッドサイドランプ 光プラス音のアラーム&スヌーズ機能付き

……とりあえず私も買ってみることにしましたw


睡眠を制する者は、人生を制す!

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世界最高のスリープコーチが教える 究極の睡眠術
PART1 「究極の睡眠」の7つのルール
第1章 「体内時計」のリズムを制する――あなたのなかの「止まらない時計」
第2章 「クロノタイプ」をフルに生かす――そもそも「朝型」か「夜型」か?
第3章 「時間」より「サイクル」で眠る――睡眠は「90分」のゲーム
第4章 睡眠前後の「ルーチン」で眠りを変える――最強のウォーミングアップ&クールダウン
第5章 日中に「回復時間」を導入する――「昼寝」に新たな光を当てる
第6章 自分だけの「スリープキット」を整える――パーフェクトな寝床を追求する
第7章 寝室を「回復ルーム」に変える――眠りは至高の環境で

PART2 「究極の睡眠」を完璧に実践する
第8章 「最高のスタート」の究極の秘訣――「90分サイクル」で完璧な1日をつくる
第9章 すべての「敵」を排除する――あらゆる「睡眠トラブル」を解決する
第10章 まわりにも「究極の睡眠」を与える――パートナーと子どもをぐっすり眠らせる


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【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

合本 三国志【文春e-Books】
合本 三国志【文春e-Books】

合本版なので、どのくらいお買い得かは分からないものの、1冊250円でのご提供。

それもありますが、やはりKindleだと場所を取らないのがありがたいかな、と。


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Posted by smoothfoxxx at 10:00
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