2018年02月28日
【オススメ】『世界最高のリーダー育成機関で幹部候補だけに教えられているプレゼンの基本』田口 力
世界最高のリーダー育成機関で幹部候補だけに教えられているプレゼンの基本
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、再び「春間近!2000タイトル50%OFFフェア」の中でも注目していたプレゼンテーション本。GEでリーダー研修のマネジャーを担っていた田口さんが、GE流のプレゼンを指南してくださっているのですが、中身が濃すぎてハイライト引きまくりました!
アマゾンの内容紹介から。
会議でのプレゼンが苦手だ、自分の企画が通らない――この悩みを解決する方法とは? GE(ゼネラル・エレクトリック)の研修機関=クロトンビルでリーダー研修のマネジャーを担った著者が「プレゼンの基本」を紹介
セール期間中であれば「50%OFF」の「749円」ですから、これはもう「買い」でしょう!
Presentations / jodygarnett
【ポイント】
■1.スライドを「削る作業」を繰り返す「まず、書いてあるものを3分の1にして、さらにそれを3分の1にしてください」
ガタガタなプレゼンをしてしまった参加者に、簡潔なプレゼンを行うためのコツを伝えます。
冗長なプレゼンテーションになってしまう根本的な原因は、プレゼン全体のメッセージの中で自分が一番伝えたい「コア・メッセージ」が何なのかをプレゼンする本人がわかっていないということにあります。
何を伝えたいのか、その中心的メッセージがはっきりしていない。メッセージに対する確信が持てないので、いろいろな情報を1枚のスライドに詰め込んで、不安を解消しようとする。従って、スライドの枚数が増えてしまうわけです。
コア・メッセージがはっきりとしていれば、実はスライドを使用しなくてもプレゼンはできます。スライドはあくまで、あなたのプレゼンにおいてはサプリメント(補助剤)でしかないと心得てください。
■2.話す目的を検証する
プレゼンの目的として設定した内容は、あくまで「あなたの目的」であって、意思決定権者の意に沿うものかどうかはわかりません。そのため、聞き手の立場に身を置き換えて、次のような2つの観点からプレゼンの目的を見つめ直してみるのです。この目的の検証を行うことで、あなたが行おうとしているプレゼンの目的を「聞き手」目線で捉え直すことができます。「第1の観点」この両方の質問に対して「はい」と答えられるのであれば、「目的」以上の成果を得る可能性が高くなります。
・自分の話には、「聞き手の具体的なメリットを訴求できるほどの魅力」があるか
「第2の観点」
・提供する情報には、「聞き手が具体的な行動を取るために十分な説得力」があるか
■3.メッセージの流れを「終わりから」考える
まずあなたのプレゼンによって「どのようなことが起こってほしいのか」を考えてください。たとえば、「プロジェクトを立ち上げる承認を得たい」のか、「アジアの拠点を新たに設立したい」のか、「オフィスを移転させたい」のか……プレゼンの目的とリンクさせて、そのプレゼンの「最終ゴール」を具体的に描いてください。
そして図にある順番で、「それをどのように要望するのか」→「聞き手に何を知ってもらう必要があるのか」→「自分は何が必要か」→「どのように始めるか」という問いに答えてください。そして、「どのように始めるか」まで、それぞれのステップでどのようなメッセージを伝えるかが決まったら、次の3つの観点で内容を確かめてください。・内容に優先順位が付けられているか
・目的と直接関係していない内容が含まれていないか
・論点のロジックは結論と整合性が取れているか
■4.適切なアイコンタクトの方法
では、具体的にどのようにアイ・コンタクトを取ればよいのでしょうか。
「個々の人には1〜3秒。移動しながらアイ・コンタクトを取る場合は、特定の人や数人の塊に対して5秒間継続」
これが印象的なアイ・コンタクトのコツです。
個々人にアイ・コンタクトを取るときは、ただ目線を投げかけるだけでは、強くてしっかりしたアイ・コンタクトになりません。1人ひとりを意識して見ることが大切です。
もちろん、特定の人たちだけに、ランダムな順番でアイ・コンタクトを取ってはいけません。全体に対して一定のリズムでアイ・コンタクトを取りましょう。
意思決定権者とそうでない人たちに対する配分も考慮してください。意思決定権者とそれに準ずる人がいる場合、この2人に対してアイ・コンタクト全体の5割から6割を使います。
また、コア・メッセージやキー・ポイントを発信する場合は、その1文を言い終わるまで意思決定権者を見続けるのもコツです。
■5.強調して話す
まず、次の図を見てください。書いてある文章は単純です。
「昨年より 売り上げが 50% 増えました」です。
多くのプレゼンでは、こうしたメッセージを何の抑揚も付けず、サラッと言ってしまうのですが、果たしてそれでよいのでしょうか。
仮に、業界平均の売り上げの伸び率が25%であったとしたら、自社ではその2倍も売り上げを伸ばしたわけですから、この「50%」という数字を強調すべきです。
業界平均の伸び率を知らない人が聞き手の場合、もしサラッと抑揚を付けずに平板な口調で話したら聞き手はどういう印象を持つでしょう。
「もしかしたら業界平均の伸び率は80%くらいあったのでは」などと思われかねません。
対前年度比でどうだったのかを伝えたいのでしたら、「昨年より」が強調されるべきでしょう。
同様に、利益ではなく売り上げに焦点を当てるなら「売り上げが」に、増えたのか減ったのかが大切なら「増えました」に抑揚を付けるべきです。
【感想】
◆冒頭で触れたように、とにかくハイライトを引きまくりました。確かにここ最近、プレゼン本をあまり紹介してこなかったこともあったとはいえ、「目からウロコ」の連続。
普段のポイントの基準からいったら、10どころか20個ぐらいご紹介したいところなのですが、一応テンプレ的に5つに絞った次第です。
実際、あまり1つの章からばかり抜き出すのもどうかと、ある程度分散させてコレですから、実は章によっては他にも侮れないTIPSがいくつかありました。
内容をざっくり言うなら、資料のレイアウトや見栄えに注力するのではなく、その「前後」、つまり「何を言うか」と、「その言い方」に力を入れている感じです。
◆たとえば「何を言うか」の最たるものが、上記ポイントの1番目。
著者の田口さんは、プレゼン研修の参加者に、実際にこの「1/3×1/3」の指示を出すのだそうです。
すると参加者からは「最初から1/9ではいけないのか?」「持参したスライドが9枚なので、1枚になってしまうが?」といった質問がよく寄せられるとのこと。
前者に対しては「脳の仕組みによって、2段階に分けて絞り込んだほうがスムーズに作業できます」と回答し、後者に対しては、「その残った1枚のスライドは、あなたのプレゼンで最も伝えたかったメッセージを表したスライドになっていますか」と質問を返すのだとか。
……なるほど、「1/3×1/3」には、そんな理由があったのだとは。
ちなみに、ここでできたコア・メッセージは、GEでは「英語で15語」(日本語だと25〜30文字)程度にまとめる必要があるのだそうです(詳細は本書を)。
◆さて「何を言うか」が決まっても、それが独りよがりであってはいけません。
本書を通じて田口さんが強調しているのが、「なぜ相手は、私の話を聞かなければならないのか」という自問をすることです。
そこで上記ポイントの2番目にあるように、「話す目的を検証する」必要が。
それがクリアできたら、今度はポイントの3番目にあるように、メッセージの流れを「終わりから」考えます。
何でも、アジア人のメッセージの全体像(流れ)は、
「物語(前置き)」→「問題(原因を含む)」→「解決策」という順序になっているのが特徴なのだとか。
これに対して、グローバルスタンダードだと
「提案(Recommendation)」→「問題(Problem)」→「解決策(Solution)」→「想定される効果(Impact)」と、なっているとのこと。
結局、「何が言いたいのかわからないプレゼン」というのは、とりあえず「これまでの経緯」や「現状の問題点」等々からメッセージ作りを始めてしまっているのが問題なようです。
そしてメッセージが決まったら、それらを「構造化」する……のですが、すいません、本書では図が多用されていたので、この部分はまるごと割愛したので、こちらも本書の第3章にてご確認ください。
◆割愛と言えば、続く第4章が「スライドづくり」でして、こちらも割愛の嵐。
第3章に「ポストイットを利用して作成する、ストーリー・ボーディング」というパートがあるのですが、それによってできたタイトルを、パワポの各ページのタイトルとして入力します。
それができたら、「スライド一覧モード」にして、各スライドに何分を費やすか検討。
続いて「3スライド」に指定して印刷し、右半分の罫線の部分にそれぞれのスライドの「キーポイント」並びに「キーポイントを支えるメッセージ(最大3つ)」を書き込みます。
……って、これも本書の図を見ながらなら分かりやすいのですが(涙目)。
こうしてできた「絵コンテ」も、見直しのチェック項目が列挙されていますから、やはりこちらも本書にてご確認いただいた方がよいかと思います。
◆そして第5章からは、いよいよ出来上がった資料を使ってプレゼンをするレッスンが。
上記ポイントの4番目と5番目は、この第5章からになります。
ただ、この5章でも割愛した部分が多くて、たとえば、プレゼンの際に立つ位置を変える理由に「NLPの観点」があったなんて(白目)!?
また上記ポイントの5番目でもさらっと「強調」と言っていますが、多くの人が、単に「やや大きな声で言う」という結果に終わってしまうとのこと。
そうではなくて、正しくはどうするべきか……については、これまた本書にてご確認ください(ネタバレ自重)。
これはもう、オススメせざるを得ません!
世界最高のリーダー育成機関で幹部候補だけに教えられているプレゼンの基本
はじめに なぜGEでは「プレゼン研修」が世界で最も人気があるのか
第1章 なぜ「簡潔さがすべてを解決する」のか
第2章 なぜ優れた人は「聞き手を知ろう」とするのか
第3章 なぜ「構造がシンプル」な話は効果的なのか
第4章 なぜ簡潔な資料が「人を動かす」のか
第5章 なぜ「15秒で話す」と記憶に残るのか
第6章 なぜ質問・反論を「歓迎すべき」なのか
おわりに なぜ「プレゼン力がリーダーの条件」なのか
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【プレゼン術】『TEDトーク 世界最高のプレゼン術』ジェレミー・ドノバン(2013年07月18日)
【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から。メイク・スペース 創造性を最大化する「場」のつくり方
「……セールの割にお値段高くね?」と思ったら、定価が3900円近い本でしたw
中古も2200円以上しますから、送料を考えると「61%OFF」のKindle版が1000円以上お得なんですね……。
ご声援ありがとうございました!
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